番町小学校 国語の授業「本と友だちになろう」

「読書に親しむ子どもの育成 ~読書習慣の形成・定着~」

 をテーマに掲げた、番町小学校3年生の国語科の授業

「本と友だちになろう」を見学してきました。

 

全7時間で展開される授業で、今日はその6時間目。

「本の帯を鑑賞しあう」日です。

授業者は松浦容代先生。T.T(チーム・ティーチング)に、

千代田図書館学校支援司書の中尾さんがつき、

低学年向けの図書室<ごろんちょ>で行われました。

 

 ▲番町小の図書室は、この低学年向け<ごろんちょ>

 と高学年向け<番町の書斎>とに分かれています。

 

内容は、図書館での本の分け方(分類)を学んだ児童が

自分で探して読んだ本について、本の「帯」をつくり、

友だちに紹介をし、紹介を聞いた側は、本のよさを見つけて

よかったところや感想を述べる、というものです。

 

これまでの5時間で、児童は自分が読みたい本、

紹介したい本を探すところから始め、本の「帯」が

どんなものなのか、その書き方を学んでいます。

そして今日は、それぞれ工夫して作った「帯」を

清書してきていました。

 

 

▲[左]『アルプスの少女ハイジ』を選んだ児童の書いた帯

 【文を読んでるだけでもアルプスをそうぞうしちゃう!】

 

いくつかのグループに分かれ、グループ内で

自分の作った帯をもとに、本の紹介をします。

1人が紹介するごとに、他の児童が「こわそう」

「おもしろそう」「続きが読みたい」など、感想を言います。

 

 

本のおもしろさが伝わるよう、

帯に何を、どんな風に書くのか、みんな色々と工夫して

います。文字、キャッチコピー、色づけ、絵・・・

その本から得られた発見・驚き・感動などが、

個性豊かに表現されていました。

 

 

 

少し恥ずかしそうに紹介し始めた児童も、話すうちに、

だんだんと楽しげになっていく様子が、とても微笑ましかったです。

自分が「おもしろい!」と思った本を友だちに伝えたり、

それを「読んでみたい!」と言われると、嬉しいですよね。

 

▲みんな、紹介するときはとっても楽しそう!

 

1人ずつ紹介が終わったら、みんなで帯の交換会です。

様々な本の帯から、どんな物語なのか想像がふくらみます。

この本、読んでみたい!という声がたくさん聞こえてきました。

 

 

最後に、T.Tの中尾さん(↑写真)へのお手紙というかたちで、

友だちの本の紹介を聞いてどうだったかなどの感想を書きました。

 

 

次の授業では、友だちの紹介で興味・関心を持った本を読む

という時間になるそうです。「他のグループの人の帯も見たい!」

という児童の感想が印象的でした。

友達が読んだ本を自分も読んでみて、感想を言い合ったり、

また別の本を紹介し合ったりと、読書の楽しみが増えそうですね。

番町小学校のみなさん、ありがとうございました!

 

※今回は【「読書活動」に関する研究授業】ということで、

教育長、教育研究所の方、教育課題調査研究部の

先生方、と大勢の参観者がいらっしゃいました。

みんな、少し緊張したかな?

 

 

Posted at:10:00

「飯島書店」で数千年前にタイムスリップ!-後編

7月29日(木)まで千代田図書館9F出張古書店コーナーで

展示中の「としょかんのこしょてんvol.38 日中印譜の世界」

を担当された「飯島書店」取材記の後編です。

 

店員の小長谷さんは、書道や篆刻の創作活動をされている方で、

取材時、特別に「篆刻」を披露して下さいました!その様子をお届けします。

※今回は特別に即興で彫っていただきましたが、

飯島書店は古書店なので、篆刻を受付ている訳ではありません。

ご了承ください。

 

★「篆刻(てんこく)」ってどうやるの?

1.印面を作る

  石などの印材の、彫る面をヤスリで平らにします。

 

2.印文を決める

  今回は、名前の一字を刻る「落款印」にします。

 

3.字そのものを彫る(=白文)か、字を残してまわりを彫る(=朱文)か

  を決める。今回は、白文にします。

 

4.印稿を作る

 字典で字体を調べ、サイズ、配置などを、デッサンをするようにして考えます。

 仕上がりを決める重要な行程で、最も時間をかけるそうです。

  

▲写真引用元『篆書印譜字典』柏書房

 

 5.印面に書き写す

 印稿を反転させて、書き写します。

 今回は簡易版なので、鉛筆で書き込みます。

 

6.印刀(=鉄筆)で彫る

 今回は「白文」なので、鉛筆で書き込んだ文字の上を彫っていきます。

 

7.実際に押してみながら、わざと角をカケさせたり、キズをつけたりする

 

▲カケ具合が少しずつ変わっていきます

 

 これが篆刻ならではの味わいになる、作者の腕の見せどころ。

 本来は、印稿の段階で、こうしたカケの部分までも決めておくそうです。

 

8.印箋(いんせん)に押す

 印章を押すための黒枠が入っている用紙を「印箋」といいます。

 繊維をならすため、ツルツルの石で表面を少しこすります。

 

 

 印泥(いんでい※)に印面を軽く叩くようにして、均一につけます。

 ※篆刻用の印肉は、「印泥」といいます。練り朱肉です。

 

 

 気持ちを落ち着けて、「印箋」に押します。ドキドキ・・・

  

 

 

完成!

※片方の枠内を白紙で残しておくのは、

印譜(印章を集めた本)に製本するときに、

前のページの印章が写らないようにする

ためです。印譜にするときには、半分に

折ります(下左)。/印面の拡大(下右)。

  

 

自分の名前でこんなに素敵なものを作っていただいて、

とても嬉しいです!自分でも篆刻をやってみたくなりました。

カルチャーセンターなどでは結構人気なんだそうです。

小長谷さん、本当にありがとうございました!

 

7月29日(木)で千代田図書館内での展示は終わりますが、

ぜひ飯島書店にも足を運んでみてくださいね。

 

★飯島書店については、こちら

 

   

Posted at:17:00

「飯島書店」で数千年前にタイムスリップ!

千代田図書館9Fには、神保町の様々な古書店が

各店自慢の貴重資料を展示する、月替りの出張古書店

コーナー「としょかんのこしょてん」があります。 

7月29日(木)まではvol.38「日中印譜の世界」と題して、

一級品の印譜(※)の数々を展示・販売(仲介)しています。 

 

※印譜(インプ)とは

印章(印、判子)を紙に押して、本の体裁にしたもの。

▲黒枠の中に、さまざまな印章が押されています。

 

今回の展示を担当された「飯島書店」は、千代田図書館から

歩いて約10分、靖国通り沿いのビル2階にあります。

1階に「ブンケン・ロック・サイド」が入っている煉瓦の建物です。

 

  

▲[右]階段を1歩上ると「いらっしゃいませ」の放送が流れ、

ちょっとびっくりします。

 

今日は、四代目店主・飯島徳光さん、ご子息で五代目の崇光さん、

そして書道や篆刻の創作活動をされている、店員の小長谷さんに

話を伺いました。

 

 

▲[右]時計がかかっている壁の向こうに、掛け軸類と作業場があります。

 

創業当時は、すずらん通り側で洋書を扱っていたのが、戦後、

洋書が入手困難となり、書道や東洋美術関連書を取り扱うように

なったそうです。立看板に「和漢」とあるように、日本・中国、

両方の書道関連書があります。

中国やアメリカからのお客さんも大変多いようで、

仕入れの市のみならず、店内での取引額も、聞いてびっくり!!

ここは“書”の世界では名高い専門店。

博物館に収蔵されたこともあるそうです。

 

とはいえ書の世界は、特別な人のための高尚な趣味、

ということではありません。

時代や作家によって異なる、文字の形、配置や構成、

墨や朱の色、風合いなどをじっくり鑑賞して味わうもよし、

実際に模写・模刻に挑戦してみるもよし。

テキスト類も、たくさん手頃な価格でありますよ。 

 

≪お手本として定番の商品≫ 

書跡名品叢刊(ショセキメイヒンソウカン)1~208

二玄社刊 各¥1,200-(絶版)

「宋(時代) 黄山谷(作者)

李白憶舊遊詩卷(書名)」

というタイトルになっています。

 

 

 

 ▲[上]まずはその書の全体像を見る[下左]原寸で文字を見る[下右]解説付き

 

≪5代目・崇光さんのおすすめ≫ 

原色法帖選 1~45

二玄社刊(一部絶版)

原寸・原色で、装丁も大変美しいです。

じゃばら折りの経本式になっています。

(=「折手本」)

解説と読み下し文も付録。 

 

   

  

 ▲文字が欠けた部分に、たくさん押印されています。これは歴代の所有者の印。

 

≪初心者・独習者に≫

書道技法講座

二玄社刊

筆の運び方などが写真で解説されて

いて、初心者でも見やすく、

わかりやすいです。  

 

 

 

 

 

数千年の時を重ねてきた書がかもし出す悠久の世界。 

店内で感じたのは、心の静けさと潤いでした。

慌しい生活から、ふと流れの異なる空間に居合わせた、

という感じがして、外の暑さもすっかり忘れていました。

 

▲掛け軸「楊大眼造像記」¥60,000- 書が彫られたのは千年前。

 

最後に徳光さんが語ってくださったのは、

よそにはないものを扱っているという専門店としての面白さ。

仕入れたものをそのまま出すのではなく、糸綴じや糊付けなど、

必要な場合は、自ら修理をして店頭に出すこと。それを買って

下さる方がいること、そういうところに面白みがあるそうです。 

 

文化的背景や歴史など、持てる知識を総動員して

仕入れ、値をつける。

例えば10円で仕入れたものが100万円で出たり、

逆に1000万円で仕入れたものが、実はそんなに価値がなかったり。

そうした生の経験をつみながら、舞い上がらずに、

シビアにものを見る目を養っていくのだそうです。 

改めて古書店という商売の特殊さ、おもしろさ、奥深さを感じました。

 

…なんとこの日、店員の小長谷さんが「篆刻」を披露してくださいました! 

この様子は次回お届けします。 

 

★飯島書店

住所:神田神保町2-3 電話:03-3261-1578

営業:10時~18時(日・祝11時~17時) 休み:火曜

詳細はこちら

 

Posted at:13:30

7/17~25「かなっく"ワクワク"えほん広場」

横浜市にある神奈川県区民文化センター「かなっくホール

の文化祭「夢かなっく2010」の一貫で、絵本と触れ合う

イベント「かなっく“ワクワク”えほん広場」が開催されます。

 

今週末の横浜は「横浜港花火ショー」や「イメージフォーラム・

フェスティバル」「アロハヨコハマ」などイベントが満載です。

かなっくホールは、仲木戸 or 東神奈川駅から歩いて1分。

少し足を伸ばして、絵本探しに出かけませんか?

 

日時 7月17日(土)~25日(日)10:00~17:00

会場 かなっくホール 3F ギャラリー(アクセス

料金 入場無料

協力 ミーテ 

後援 日本児童図書出版協会

 

≪展示内容(一部抜粋)≫

★人気の絵本大集合!

 あいのやゆきさん、とりごえまりさんの絵本原画も展示。

  

[左]あいのやゆき「うさぎのさとうくん」 より 

[右]とりごえまり「くるりん はじめてのおつかい」 より

 

★アンティーク絵本ギャラリー

 日本のアンデルセンと言われる巖谷小波の絵本を展示。

 

 

★絵本のスタンプラリー(小学生以下)

 何冊読めるかな?スタンプを集めてお楽しみをゲット!

 

 

≪スペシャルトークショー≫

★ようこそ!“ワクワク”えほん広場

 あいのやゆきさん、とりごえまりさんが、キャラクターの

 誕生秘話など、絵本にまつわる様々なお話をします。

 絵本の展示即売&サイン会もあります。

 日時 7月17日(土)14:00~15:00 ※入場無料

 

★日本のアンデルセン 巖谷小波~孫からみた小波~

 

明治から大正にかけて、イソップやアンデルセンの

童話を日本に紹介するなど、日本と海外の児童文学

の交流に多大な功績を残した巖谷小波の人物像を、 

お孫さんにあたる藤林道夫さんが語ります。 

日時 7月18日(日)13:00~14:00 ※入場無料

Posted at:10:35

絵本・児童書の特集「アフリカってどんな国?」ほか

サッカーワールドカップ2010 南アフリカ大会が終わりましたね。

少し寂しい気分の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

さて、千代田図書館10階の児童コーナーでは、

開催地となった南アフリカなど、アフリカについて知る本

を集めた特集「アフリカってどんな国?」をはじめ、

今の季節にぴったりな絵本や児童書を紹介しています。

 

また、学校支援担当司書による、学年毎のおすすめ本を

集めた「おはなしトレイン」コーナーもできました。

 

ふだん9階をご利用の皆さんも、ぜひ足をお運び下さいね♪

  

★「あめのひって すてきだな」★

 

★「2010 FIFA ワールドカップ かいさい国

   アフリカってどんな国?」★

 

★「おはなしトレイン」★

 

Posted at:17:20

7/10~イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

板橋区立美術館に、今年もやってきます!

「2010 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」

 会期 7月10日(土)~8月15日(日)

 会場 板橋区立美術館

 時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)

 休館 月曜日(ただし7/19開館、7/20休館)

 詳細はこちら

 

世界最大の規模を誇る絵本原画コンクールとして知られ、

今年は世界58ヶ国から2454人のイラストレーターが応募。

その中から日本人作家13人を含む20ヶ国87人(組)が入選し、

その入選作品が展示されます。

また、今年の特別展示作家は、ヨーロッパで注目されている

絵本作家タシエス(スペイン 1963生)。

新聞の風刺漫画も手がけるタシエスの絵本原画が26点

紹介されます。


会期中は、イベント満載!(→関連イベント情報はこちら

事前申込みが必要な絵本講座も、下記の内容はまだ間に合います!

 

★絵本を作ってみたい中高生向けの「ティーンズ プチ絵本実験室」

 ⇒7/10(土)必着、申込み方法ほか詳細はこちら

★絵本の魅力をより深く知り、多様な面から絵本と接してみたい

 というかた向けの「夏の教室 絵本をめぐる7つの仕事」

 ⇒7/19(月・祝)必着、申込み方法ほか詳細はこちら

 

絵本好きなら大人も子どもも皆さんお見逃しなきよう!!

Posted at:12:45

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