東洋文庫ミュージアムで「もっと知りたい!イスラーム展」

 

今回は、文京区の東洋文庫ミュージアムで開催されている

「もっと知りたい!イスラーム展」をご紹介します。

 

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ミュージアム2階に上がると、真っ先に目に入るモリソン書庫

このスペースを囲むようにして常設展、「イスラーム展」の展示室が続きます。

 

現在、世界の人口のおよそ4分の1、約16億人が

信仰しているといわれるイスラム教(イスラーム)

近年、様々なニュースで目にすることはあっても、

日本人にとってはまだまだなじみが薄い宗教なのではないでしょうか?

この展示では、イスラームの歴史と多様な文化

東洋文庫が所蔵する貴重な史料とともにご覧いただけます。

 

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イスラームを語る上で欠かせない聖典『コーラン』

これは14世紀に現在のシリアで書写されたものです。

美しいアラビア語で書かれたページのところどころに書かれた

金色の花のようなマークは、各節の区切りを表しています。

 

7世紀中頃より、アラビア半島から世界中へ広がっていったイスラーム。

信仰の根幹を大切にする一方で、異文化を受け入れ、

その土地の風習などと混ざり合いながら各国に根づいていきました。

 

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日本では、古くは『日本書紀』『続日本紀』に

ペルシア人やアラブ人との交流が記されていますが、

日本人が本格的にイスラームに触れることになるのは

明治に入ってからのことです。

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写真左は明治初期のベストセラーのひとつ

『輿地誌略(よちしりゃく)』(内田正雄/編 1871~1890年文部省刊)。

幕府のオランダ留学生であった著者が、

世界の地理や文化について詳細な図版入りで記した本です。

当時の日本人にまだほとんど知られていなかった

シリア、パレスチナなどの国々を紹介しました。

右に写っているのは、日本最古のコーランの日本語訳

『コーラン経』(坂本健一/訳 1920年)。

英訳をもとに書かれたため、原典からの翻訳ではありませんでしたが

日本人のイスラーム理解に大きな役割を果たしました。

 

豊富な史料の数々が展示され、この他にも見どころはたくさん。

多様な視点からイスラームの歴史を知ることができる、

東洋文庫ならではの展示です!

この機会に、知っているようで知らなかったイスラームの世界

触れてみてはいかがでしょうか?

ぜひ、足をお運びください。

 

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もっと知りたい!イスラーム展

 

【期 間】 開催中~4月12日(日)

【時 間】 10:00~19:00(入館は閉館の30分前まで)

【会 場】 東洋文庫ミュージアム

      (文京区本駒込2-28-21)

【休館日】 毎週火曜日

【入場料】 一般900円、65歳以上800円、

大学生700円、中・高校生600円、小学生290円

 

詳しくは→コチラ

Posted at:17:30