千代田区立中学校・高等学校展示 in 千代田図書館
④三輪田学園中学校・高等学校


千代田図書館9階第2展示ウォールにて開催中の「千代田区内中学校・高等学校展示」。今年度4校目の展示が3月18日(月曜日)から始まりました。

今回は、三輪田学園中学校・高等学校の、中学図書委員会の作品です!

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中学図書委員会が、学校図書館で行ったイベント「本の福袋」の様子を展示しています。生徒たちがテーマを決めてPOP付きの袋を作り、選んだ2冊を入れて学校図書館で貸出を行いました。テーマはなんと20に及び、袋のデザインもそれぞれ違い、個性があふれています♪

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▲POP付き「本の福袋」


学校図書館で展示していた様子も、写真で紹介しています。

自分ではなかなか選ばない本を読むきっかけになったのではないでしょうか♪

千代田図書館での展示では、「本の福袋」として貸し出すことはできませんが、福袋の中のセットがわかるように、紙袋と一緒に選ばれた本の書名を紹介しています。

また、今回選ばれた本の中で、千代田図書館に所蔵されている本も一緒に展示しています。POPを読んで興味が湧いたら、ぜひ読んでみてください♪(展示本は全て貸出可、貸出中の場合はご了承ください)

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▲学校図書館での「本の福袋」イベント風景

図書委員の皆さんが作成したイベントのポスターも展示中です!こちらもぜひご覧ください♪

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▲学校図書館で展示していたイベントポスター

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

三輪田学園中学校・高等学校 中学図書委員会

【展示期間】 開催中~4月1日(日曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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今年度は展示の希望が多く、4月までの間、全5校の展示をご紹介します。

区内の中学生・高校生による、それぞれ特色ある学校活動の展示をぜひお楽しみに♪

Posted at:18:00

千代田区立中学校・高等学校展示 in 千代田図書館
③白百合学園中学高等学校


千代田図書館9階第2展示ウォールにて開催中の「千代田区内中学校・高等学校展示」、3校目の展示が3月3日(日曜日)から始まりました。

今回は、今年度が初参加となる白百合学園中学高等学校の、文芸部図書委員会の作品です!

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文芸部は、部員が制作した小説などをまとめた部誌を展示。さらに、学園祭で発表した「GAME BOOK」も展示しています。2つの選択肢からどちらかを選びながら読み進めることで、自分だけの物語を作っていくというゲームです。

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▲文芸部 部誌「大樹」


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▲「GAME BOOK」

気になる結末は、同じく展示中のファイルの中に書かれています。違う結末も読んでみたい...。と、気がつけば何度も読んでしまう、とても面白い作品です。ぜひ、自分だけの物語を作ってみてください!

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▲結末はファイルの中に...(ファイルは貸出不可、館内閲覧のみ)

図書委員会は、図書委員が選ぶおすすめ本17点を、手作りのPOPで紹介しています。ひとつひとつ個性が溢れた、とても見ごたえのある作品が並んでいます。千代田図書館に所蔵されている本も一緒に展示していますので、読んでみてはいかがでしょうか♪

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▲図書委員手作りPOP17点

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▲千代田図書館所蔵の本も展示中(貸出可)

さらに、学園祭での展示「図書館博」で発表した「寄生虫」の研究発表も一緒に展示中!「あ、聞いたことがある...」という寄生虫から「なにこれ!知らなかった...!」という驚きの寄生虫まで、綿密に調査されています。「実際はどのような見た目で特徴があるか知らないな...」という方も、この機会にぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

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第1回図書館博「寄生虫」

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▲かわいいイラストとともにご紹介♪

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

白百合学園中学高等学校 文芸部・図書委員会

【展示期間】 開催中~3月17日(日曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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今年度は、4月まで全5校の展示を行います。

区内の中学生・高校生による、それぞれ特色ある学校活動の展示をぜひお楽しみに♪

Posted at:15:20

千代田区立中学校・高等学校展示 in 千代田図書館
②二松学舎大学付属高等学校


千代田図書館9階第2展示ウォールにて開催中の「千代田区内中学校・高等学校展示」、2校目の展示が2月8日(木曜日)から始まりました。

今回は、二松学舎大学付属高等学校の、理数科研究部文芸研究部図書委員会の作品です!

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理数科研究部は、活動をまとめたポスターを展示しています。今回の研究テーマは、「2022年に沖縄県に漂着した軽石の由来を分析する」というもの。日本地質学会で発表を行ったときに、実際に使ったポスターを展示しています。

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▲とても細かく調査されており、見ごたえ抜群です!

文芸研究部も、部での活動をまとめたポスターを展示しています。文芸研究部は、年に2回、部誌の発行や、東京都文芸部の集いをはじめとした本好きの仲間と交流を深める活動を続けています。

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▲部誌もご覧いただけます♪

図書委員会は、教室から離れた校舎6階にある図書館を、もっとたくさんの人に利用してもらいたいと、タブレット端末を使っておすすめ図書のPOPを作成し、学校内に掲示する活動をしています♪

今回は、生徒たちが作ったおすすめ図書POP 11点と、千代田図書館に所蔵のある資料11点を展示。おすすめコメントとともに本を手に取っていただけます。(資料は全て貸出可、貸出中の場合はご了承ください)

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▲作成したPOP全点はファイルに綴じています。

お手に取ってご覧ください(館内閲覧のみ)

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

二松学舎大学付属高等学校 理数科研究部・文芸研究部・図書委員会


【展示期間】 開催中~2月22日(木曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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今年度は、4月まで全5校の展示を予定しています。

区内の中学生・高校生による、それぞれ特色ある学校活動の展示をぜひお楽しみに♪

Posted at:17:20

千代田区立中学校・高等学校展示 in 千代田図書館
① 錦城学園高等学校


千代田図書館9階第2展示ウォールにて、2020年度から実施している「千代田区内中学校・高等学校展示」を、今年度も行います!
千代田区内の学校に、千代田図書館の展示スペースを成果発表の場として活用いただき、各校の特色ある活動をご紹介していきます♪

今年度の1校目は、錦城学園高等学校による源氏物語絵巻です。

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古典の授業でグループワークを行い、『源氏物語』の内容を各々一枚の紙にまとめた作品。

生徒たちが2022年度に作成した『源氏物語』54帖登場人物の紹介33枚を加えた、完全版の絵巻から抜粋して展示しています。

壁一面に並んだ色とりどりの絵巻は大迫力!

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紙選びにこだわり、イラストや図、切り絵や折り紙を使用し、それぞれ豊かな発想で源氏物語の世界を表現しています。

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今年話題の大河ドラマの影響で、『源氏物語』をはじめとした古典文学に興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

錦城学園高等学校の展示からは、生徒のみなさんの『源氏物語』への深い理解と親しみが伝わってきます。これを機に、古典文学の世界に気軽に触れてみてはいかがでしょうか。

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展示では、『源氏物語』に関連する図書を11冊ご紹介しています。あわせてご覧ください。

(展示本はすべて貸出可。貸出中の場合はご了承ください)

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

錦城学園高等学校 国語科

【展示期間】 開催中~2月7日(水曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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Posted at:17:50

【レポート】第3回ちよぴた落語会「ひつじの古本祭り」編

12月10日(日曜日)、千代田区役所1階 区民ホールにて「第3回ちよぴた落語会"ひつじの古本祭り"編」を開催しました!

これまでご好評いただいた「第1回ちよぴた落語会」「第2回ちよぴた落語会」に続いての第3回は、「ひつじの古本祭り」特別編を実施しました。

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「ひつじの古本祭り」とは、読書家で知られる春風亭昇羊さんが、柳家花いちさん春風亭昇市さんのお二人を聞き手に、文学の魅力を熱く、そして楽しく語るトークイベント。これまで様々な会場、テーマでおよそ20回行ってきたそうです。

今回は千代田図書館がある庁舎の1階 区民ホールを舞台に、落語三席と文学トークをお楽しみいただきました。

一席目は、春風亭昇市さんの「代脈」から。

この日は子ども達も多く来場しましたが、ゆかいな語り口にみんな大喜び!

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続いての二席目は柳家花いちさん。

ちょっとした日常の"あるある"が重なっておかしさを誘う「いいからいいから」で、会場は明るい笑いに包まれました。

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本日のトリは春風亭昇羊さん。

「落語と文学は親和性があるんです」というまくらから披露されたのは、三遊亭圓朝作の「心眼」。これまでの二席とはまた違った魅力を持つ圓朝作品の世界に、グッと引き込まれました。

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休憩をはさみ、後半の「ひつじの古本祭り」トークが始まりました。

今回取り上げたのは千代田区ゆかりの作家 田山花袋の短編作品「少女病」。

作品が書かれた時代背景や田山花袋という人物のエピソードに、ところどころ朗読も交えながらこの作品を紐解いていきます。

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若い女性に執着心を抱いてしまう小説家の主人公。日々の生活を妄想で彩る主人公の欲望を、理解できるような、したくないような...。そんな彼を待ち受ける結末とは?

三人の軽妙なトークで笑いが沸いていた会場の皆さんが、その結末に息をのむ一幕も。みんなで一つの作品を読んだような、あっという間の時間でした。

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今回の落語会は、図書館に相応しい取り組みとして、千代田区ゆかりの作家を題材に「ひつじの古本祭り」特別編をお送りしました。

春風亭昇市さんは、このトークイベントを始めるまで「本っていつ読んだらいいの?」と読書に馴染みがなかったそうですが、回を重ねて「たくさんの作品紹介を聞くうちに耳が肥えて、本も楽しめるようになってきた」と話していたのが印象的でした。

ページをめくるだけで、まるで別世界に連れて行ってくれるのが読書の魅力です。来場いただいた幅広い年代の皆さんにも「ひつじの古本祭り」を通して、本を読む楽しさを共有していただけたのではないでしょうか。

気になった本ができたら、ぜひ図書館へお越しください♪

ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました!

第3回ちよぴた落語会

「ひつじの古本祭り」編

当日の演目

一.「代脈」春風亭昇市

一.「いいからいいから」柳家花いち

一.「心眼」春風亭昇羊

一.「ひつじの古本祭り"田山花袋"」

Posted at:17:00

子どもたちが選ぶ"大切な本・忘れられない本"
~「千代田区子ども読書調査」より、中学生編~


千代田区立小学校・中学校に通う子どもの読書の状況や変化を把握し、読書活動推進に関する施策に活用することを目的として千代田図書館 読書振興センターが行っている「千代田区子ども読書調査」

昨年度行った「第8回千代田区子ども読書調査」の質問項目のひとつ「大切な本や忘れられない本がありますか?」への回答で多く挙げられたタイトルや千代田区立図書館が所蔵する本をブログで紹介!前回の小学生編に続き、中学生編をお届けします。

「大切な本や忘れられない本がありますか?」の問いに、「ある」と回答した中学生は70.2%

今の中学生は、どんな本が好きなのでしょうか。本の詳しい情報は、書名をクリックしてご覧ください。

中学生の「大切な本・忘れられない本」

中学生の調査でも毎年と言っていいほど上位に挙げられる人気のタイトルは、「ハリー・ポッター」シリーズ(J.K.ローリング/作、松岡 佑子/訳、静山社)や、2019年に実施した第5回子ども読書調査の結果報告でも取り上げた『かがみの孤城』(辻村 深月/著、ポプラ社)で、やはり今年度も多くの生徒達から人気を集めています。

これらに続いて挙げられているのは、例えば「パーシー・ジャクソン」シリーズの本。

"半神半人"の少年パーシーの活躍を描くこのシリーズは、2005年からアメリカで発行され、世界中の子ども達に読まれ続けているファンタジー小説です。

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『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々1 盗まれた雷撃1』

リック・リオーダン/作、金原瑞人/訳

ほるぷ出版

また近年出版された本で、複数の生徒からそのタイトルが挙げられたのはこちらの本。

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『海を見た日』

M・G・ヘネシー/作、杉田七重/訳

鈴木出版

中学生となると、小説や伝記などの読みものだけでなく、エッセイ、ノンフィクションやスポーツの本、ライトノベルなどなど、生徒の数だけ"好きな本"の種類も広がりを見せます。

調査結果を詳しく見てみると、ベストセラーや話題の作品だけでなく、大人でも「読んでみたいな」と思うタイトルも多く並んでいました。

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『20歳(はたち)のソウル』

中井 由梨子/作

小学館

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『植物はなぜ動かないのか』

稲垣 栄洋/著

筑摩書房

また、小学生と同様に「大切な本・忘れられない本」として絵本のタイトルを挙げる生徒もいます。今年度の調査では、「ぐりとぐら」シリーズ(なかがわ りえこ/作、おおむら ゆりこ/絵、福音館書店)や、『ふたりはともだち』を始めとする「がまくんとかえるくん」シリーズ(アーノルド・ローベル/作、三木 卓/訳、文化出版局)、その他にも多くのタイトルの回答がありました。

小学生・中学生ともに質問項目「小学校に入学する前、本を読んでもらうことはありましたか?」へ「よくあった」と回答した子どもほど、同じく質問項目の「本を読むのは好きですか?」に対して「好き」と答える割合が多いという結果が得られています。

普段、親子でゆっくりと本を楽しむ時間の確保がなかなか難しいという保護者の皆さんもいらっしゃることと思いますが、ぜひ気軽に図書館のおはなし会や子どもの本のおすすめリストなどをご活用ください♪

「第8回千代田区子ども読書調査」結果の詳細はこちらからご覧ください

11月からは今年度の「第9回千代田区子ども読書調査」が始まります。区内の学校に通う皆さん、どうぞご協力をお願いいたします。

千代田図書館 休館のお知らせ

千代田図書館は、蔵書点検実施のため下記の期間は休館いたします。

【期 間】 10月21日(土曜日)~23日(月曜日)

休館中の資料返却は、ブックポストをご利用ください。(視聴覚資料など一部資料を除く)

ご不便をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。

各館の休館日についてはこちらのページをご覧ください

Posted at:17:20

子どもたちが選ぶ"大切な本・忘れられない本"
~「千代田区子ども読書調査」より、小学生編~


千代田図書館 読書振興センターでは、子どもと子どもをとりまく大人の読書活動を推進するさまざまな取り組みを行っており、そのひとつに「千代田区子ども読書調査」があります。千代田区立小学校・中学校に通う子どもの読書の状況や変化を把握し、読書活動推進に関する施策に活用することを目的として、平成27年から毎年11月頃に実施しています。

今回のちよぴたブログでは、昨年度行った「第8回千代田区子ども読書調査」の質問項目のひとつ、「大切な本や忘れられない本がありますか?」に対する回答の中から、多く挙げられたタイトルや千代田区立図書館に所蔵がある本をご紹介します。

「大切な本や忘れられない本がありますか?」の問いに、「ある」と回答した小学生は75.9%

今の子どもたちはどんな本が好きなのでしょうか。本の詳しい情報は、書名をクリックしてご覧ください。

小学1~3年生の「大切な本・忘れられない本」


調査開始以来、ほぼ毎年上位の「かいけつゾロリ」シリーズ(ポプラ社)に続き、この数年人気を集めているのは「おばけずかん」シリーズ(講談社)。

海で、山で、学校で、おばけにあったらどうする?短いお話とイラストが「こわいけど、おもしろい」と人気の児童書です。

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『うみのおばけずかん』

斉藤 洋/作、宮本 えつよし/絵

講談社


低学年の回答では、絵本のタイトルも多く挙がりました。小さなころから家族や保育園・幼稚園などの先生に繰り返し読み聞かせをしてもらったことを、よく覚えている子どもが多いことが伺えます。

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『めっきらもっきらどおんどん』

長谷川 摂子/作、ふりや なな/画

福音館書店

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『おしいれのぼうけん』

ふるた たるひ/さく、たばた せいいち/画

童心社

小学4~6年生の「大切な本・忘れられない本」

高学年で不動の人気なのは「ハリー・ポッター」シリーズ(静山社)や、『ぼくらの七日間戦争』(宗田 理/作)をはじめとする「ぼくら」シリーズ(ポプラ社、KADOKAWA)ですが、21年前に日本版が発売されて以来人気の「マジック・ツリーハウス」シリーズ(KADOKAWA)も、複数の子ども達からタイトルが挙げられました。

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『マジック・ツリーハウス50 ヒマラヤ白銀のゴースト』

メアリー・ポープ・オズボーン/著、食野 雅子/訳

KADOKAWA

アニメ化、映画化された本は子ども・大人を問わず人気を集めます。

『かがみの孤城』(辻村深月/著、ポプラ社)は刊行以来毎年上位に挙げられていますが、昨年度はこの本のタイトルを挙げる子どももいました。

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『君たちはどう生きるか』

吉野 源三郎/著

ポプラ社

親世代または祖父母世代が読んでいた名作も、今の子どもたちの心に残っていることが多いようです。

同じく質問項目の「本を選ぶとき、どうしていますか」には、「映画、マンガ、ドラマ、ゲームなどで知った本から選ぶ」よりも「家族がすすめてくれた本から選ぶ」「家にある本から選ぶ」の選択肢が、より多く回答されています。このことから、子どもの本選びには、保護者の皆さんのおすすめも大きく影響を与えているということがわかります。

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『十五少年漂流記』

J.ベルヌ/作、高楼 方子/文、佐竹 美保/絵

ポプラ社

「第8回千代田区子ども読書調査」結果の詳細はこちらからご覧ください

次回は「中学生」編をお送りします♪

Posted at:17:50

日比谷図書文化館コンシェルジュ通信vol.40:
防災訓練を行いました!

日比谷図書文化館では消防法の定めに従い、管轄の丸の内消防署のご指導のもと、年2回(夏・冬)防災訓練を実施しています。

今年度は8月21日(月曜日)の休館日に防災訓練を実施しましたので、その様子をご紹介します。

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午前10時30分から訓練のオリエンテーションを行い、それぞれ決められた役割の配置についたあと、11時から開始しました。

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オリエンテーションの様子。

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今回の想定:当館地下1階 バリアフリートイレ内に捨てられていた、

      たばこの火が火元となり、炎が天井に達し初期消火が困難になった。

11:00 出火。

     火災警報機で出火場所を特定し、消火係が消火器による初期消火。

11:05 初期消火が困難な状況となり、利用者を屋外へ避難指示。

 ~  職員が各階に逃げおくれた利用者がいないか確認しながら避難。

11:15 日比谷公園の避難場所に避難及び点呼。

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日比谷公園に避難の様子。

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訓練終了後、丸の内消防署の署員から、「今後の自衛消防力の向上につながるよい訓練になったこと、火災が起きた時の心得」の講評をいただきました。

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最後に水消火器を用いて、消火器訓練を行いました。

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~関東大震災から100年~

大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災から100年を迎えました。

関東大震災では、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県で震度6を観測したほか、北海道道南から中国・四国地方にかけて広い範囲で震度5から震度1を観測しました。(当時の震度階級は震度0から震度6までの7階級でしたが、現在の震度では7相当の揺れであったと推定されています。)

この地震は、11時58分に発生し、昼食の時間と重なったため、多くの火災が発生し被害が拡大したうえ、津波や土砂災害も起こり、死者・行方不明者10万5千余にのぼりました。

「災害は忘れたころにやってくる」とも言われていますが、日ごろから各ご家庭でも火災や災害に対する備えをしましょう!

参考資料:令和5年防災白書(内閣府)

☆主な出火原因☆

 1位 たばこ

 2位 たき火の不始末

 3位 コンロ

☆家庭での火災への備え☆

 ・火災報知機の設置と定期的な点検

 ・消火器の設置

 ・火災用避難用具(避難はしごの準備や使い方の確認)

☆火災が起きてしまったら☆

 初期消火に努めるとともに無理をせず、屋外に迅速に避難しましょう

参考資料:令和4年版消防白書

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日比谷図書文化館1階 特別展示室にて、9月1日~11月26日まで

関東大震災100年特別展「首都東京の復興ものがたり-未来へ繋ぐ100年の記憶-」が開催中です。

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千代田区指定文化財「旧神田区復興小学校建築関係文書」や水野家所蔵「関東大震災アルバム」など初公開の資料も展示されています。

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【開催期間】 開催中~11 月26日(日曜日)

       前後期で展示替えあり

       前期:9月1日(金曜日)~10月15 日(日曜日)

       後期:10月20日(金曜日)~11月26 日(日曜日)

【休 室 日】 10月17日(火曜日)~10月19 日(木曜日)

【休 館 日】 第3月曜日

【開室時間】 月曜日~木曜日・土曜日 午前10時から午後7時まで

       金曜日 午前10時から午後8時まで

       日曜日・祝日 午前10時から午後5時まで

       ※最終入室は閉室の15分前まで

その他、詳細につきましてはこちらをご覧ください

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特別展関連図書展示

関東大震災の発生から復興までの道のりを記録した資料や、今後起こりうる災害に備え、地震の知識や備蓄品など身を守る方法を学ぶ資料を展示しています。

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【開催期間】 開催中~11 月26日(日曜日)

【休 室 日】 10月14日(土曜日)~10月15 日(日曜日)

【休 館 日】 第3月曜日

【場  所】 2階図書フロア パープルゾーン三角台

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新聞が記録した関東大震災直後のリアル

関東大震災直後に発行された新聞は何を伝え、どう記録したのか。区教育委員会所蔵の当時の新聞を読み解く資料を展示しています。

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【開催期間】 開催中~11 月26日(日曜日)

【休 室 日】 10月14日(土曜日)~10月15 日(日曜日)

【休 館 日】 第3月曜日

【場  所】 3階 エレベーターホール

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特別研究室企画展示「震災の記録と復興の足跡」

明治東京地震、関東大震災の記録を紹介するとともに市政専門図書館所蔵の関東大震災復興関連資料を展示しています。

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【開催期間】 開催中~10月31日(火曜日)

【休 館 日】 第3月曜日

【開室時間】 月曜日~金曜日 午前10時から午後8時まで

       土曜日 午前10時から午後6時まで

       日曜日・祝日 午前10時から午後4時まで

【場  所】 4階 特別研究室

その他、詳細につきましてはこちらをご覧ください

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Posted at:11:00

【展示】夏休み子どもイベントレポート

楽しかった夏休みも終わり、2学期が始まりました。

千代田図書館では、区立図書館3館九段生涯学習館でこの夏に行った、小学生向けイベントの様子を紹介する展示を開催中です!

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千代田区立図書館では「図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2023」として、夏休み期間中の小学3年生~6年生を対象としたさまざまな講座を行いました。

千代田図書館が開催した講座「関東大震災から学ぶ みんなの防災」「植物の絵を描こう みつけた!身近な草花」に加え、今年度は日比谷図書文化館四番町図書館も課外授業に加わり、それぞれ楽しい講座を開催しました。

また、今回の展示では千代田図書館からほど近い九段生涯学習館に初めて参加いただき、8月に開催した小学生向けイベント「昆虫標本づくりに挑戦してみよう!」の様子をレポートしています。

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それぞれの講座で子ども達がいきいきと学ぶ様子を、ぜひご覧ください♪

展示「夏休み子どもイベントレポート」

【展示期間】 開催中~9月21日(木曜日)

【展示場所】 千代田図書館 第2展示ウォール


イベントレポートの展示に合わせて、各館のイベント担当者が選んだ、講座に関連するおすすめの本も紹介しています。

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子どもから大人まで気軽に学べる本を選んでいますので、合わせてお楽しみください!(展示資料はすべて貸出可、貸出中の場合はご了承ください)

Posted at:16:10

【レポート】夏のわくわく課外授業2023
植物の絵を描こう みつけた!身近な草花


7月30日(日曜日)千代田区役所1階 区民ホールにて「植物の絵を描こう みつけた!身近な草花」を開催しました!

小学3年生から6年生までを対象にした「夏のわくわく課外授業」の講座ですので、当日はたくさんの小学生が参加しました。

今回は千葉県の絵画教室「ちっちのアトリエ」主宰であるアーティスト ちっちさんを講師にお招きし、魅力的な植物の絵の描き方をレクチャーしていただきました。

はじめに、ちっちさんが今日の授業で一番大切なことを伝えてくれました。

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「上手く描こうとしなくても大丈夫。完成しなくてもいいんです」

「それよりも、今日みんなで草花をあつめて、いっしょに絵を描いて楽しく過ごしたって思い出を持ち帰ってほしいです」

絵を描くのに大事なのは、楽しむことですよね。みんなワクワクした面持ちです。

早速、区役所を出て「中坂児童遊園」まで歩いて植物探しに出かけます。

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この日の最高気温はなんと35度

強い日差しの中、日陰を歩き、水分補給をしながら向かいました。

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公園に到着すると、早速草花集めが始まりました。みんな夢中に探します。ちっちさんやスタッフも手伝いながら、ビニール袋いっぱいに草花を集めます。中には虫や石、大きな木の枝を発見する子も......!?

区民ホールに帰ると、一旦休憩。

その間、ちっちさんはさらさらとホワイトボードにお手本を描いていきます。筆の速さに図書館スタッフもびっくり。

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休憩が終わると、いよいよ絵を描く時間です。

みんなの机の上には、集めてきた植物をお手本として乗せるためのコピー用紙と、絵を描くための画用紙があります。さあ、お手本そっくりに描けるでしょうか?

「葉っぱの筋『葉脈』を描くことや、ちぎれている部分・汚れている部分などもしっかり見て描くのがコツ」とちっちさん。

うまく描くことよりも、しっかり観察して描くことを大切にするよう伝えてくれました。

「しっかり観察して描く」という言葉は、講座を通してちっちさんが何度も繰り返し呼び掛けていました。

葉っぱに顔がくっつきそうなほど目を近づけて観察する子や、お手本の草花がコピー用紙に形作る影にまで注目して描く着眼点の鋭い子もいます。

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ちっちさんはみんなの机を見て周り、「これは難しいよね、よく描けているね」「こういう風に塗ると上手くいくよ」と声をかけていました。

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先生に教わるだけでなく、お友だち同士で教えあう場面も。「これ、にてるかな?」と作品を見せ合ったり、「それってどうやって塗ったの!?」と、新しい描き方を共有して盛り上がる光景も見られました。

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すてきな作品が完成!

画用紙いっぱいに大胆に大きな葉っぱを描く子や、小さな草花を丁寧にたくさん並べて描く子など、それぞれの個性が輝く絵が並びました。

集めた草花はおうちに持って帰って、ぜひ続きも描いてみてくださいね。

ちっちさん、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

Posted at:10:10

【レポート】夏のわくわく課外授業2023
関東大震災から学ぶ みんなの防災


毎年夏休み期間、小学3年生から6年生までを対象に、学校とはひと味違う学びの時間を体験するイベント「図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2023」を、今年も行いました!

7月29日(土曜日)千代田区役所1階区民ホールで開催した講座は「関東大震災から学ぶ みんなの防災」

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千代田区内にある防災専門図書館の司書・学芸員の堀田弥生さん矢野陽子さんをお迎えし、今年で発生から100年を迎える関東大震災について、その時何が起こったか、子どもたちにもわかりやすく教えていただきました。

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講座は「みんなは"関東大震災"を知っていますか?」と、堀田さんの問いかけから始まりました。

「知ってる」「聞いたことある」と、ほとんどの参加者の子どもが手を挙げます。でも、言葉として知っていても、具体的にどんなことが起きたか知っている子は少ないのでは?

まずは写真や動画で、100年前の東京がどんな街だったか、人々はどんな暮らしをしていたかを見てみます。国立映画アーカイブが所蔵する「関東大震災映像デジタルアーカイブ」では、震災後に文部省が監修して制作された記録映画などの資料を見ることができます。

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関東大震災で亡くなった人はおよそ10万5,000人。これは日本で起きた自然災害で最大の死者数で、その9割が火災で亡くなったといわれています。

みんなの手元に配られたのは、千代田区役所周辺の地図が印刷された透明のフィルム。ここに、会場である千代田区役所や自分の家、自分の小学校、今日使った地下鉄・電車の駅など知っている場所にマジックペンで印をつけていきます。

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間に挟んであった紙を抜くと、下にはもう1枚の地図が。これは防災専門図書館が所蔵する『東京市火災動態地図』といって、関東大震災後に発生した火災が広がった範囲や時間を調べ、記録したものです。いま印をつけた身近な場所が、100年前の火災でどのような状況だったか、当時の地図で見てみます。

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地震が起きたのがお昼時で火災が発生しやすかったことは知られていますが、他にも台風の影響で風が強かったこと、当時は家財道具を持ち出して逃げるのが一般的だったことなど火災が広がった複数の原因を、関東大震災を記録した様々な資料から知ることができました。

講座の後半は、関東大震災のことを知ったうえで、これから起こるかもしれない地震に対してどんなことができるかを考えました。

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大きな地震が、家にいるときに起こったら?小学校の校庭で起こったら?千代田図書館で起こったら?それぞれの場所で気をつけなければいけないこと、また日頃からできる備えについても、資料や映像を見ながらみんなで考えました。

また、家の中では高いところにものを置いていないか、固定していない家具はないかなど、危険なところを日頃から見つけて改善すること、もしもの時のために水や食料を備えておくこと、避難場所を決めておくことなど、家族皆さんで考えてほしいことについても、矢野さんから参加者へ伝えました。

そして講座の最後には、千代田図書館の司書から3冊の本の紹介をしました。どれも今日の講座に関連する本で、防災のことや地域のことを知るのに役立つ本ばかりです。講座で学んだことをもっと知りたい、調べたい!と思ったら、ぜひ図書館に来てくださいね。

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「100年前の災害」と聞くと、想像できないとても遠い昔に思えますが、映像や写真、そして地図や本などの資料から当時の状況を知ることは、この先の災害への備えにつながることを子どもたちに知ってもらえる講座となりました。

堀田さん・矢野さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:10:00

【レポート】第2回ちよぴた落語会

7月21日(金曜日)、千代田区役所1階 区民ホールにて「第2回ちよぴた落語会」を開催しました!

千代田図書館初となった昨年12月の「第1回ちよぴた落語会」が好評のうちに終わり、2回目の開催。今回も二ツ目の若手人気噺家にご出演いただきました。

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第2回の出演は立川志の太郎さん桂竹千代さん春風亭昇羊さんの3人。

今回も、落語会は自己紹介を兼ねた3人のトークから始まりました。

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前回の高座で「第2回、第3回と続くかは、今日の第1回にお越しの皆さん次第...」と語っていた昇羊さん。第2回の開催を喜びつつ、「次の開催も、今日のお客様次第ですよ!」と笑いを誘います。

その昇羊さんが一席目を務めました。演目は「ちりとてちん」。ご馳走がたくさん出てくる宴席の描写に、こちらのお腹も鳴り出しそうになったところで、登場したのは...。一席目から会場は笑いに包まれます。

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二席目は桂竹千代さんの、「鮑のし」。なかなかうまく言えない口上に、会場の子どもも大人も大爆笑!

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トリを務めるのは立川志の太郎さんの「五貫裁き」。聴きごたえのある、威勢のいいやり取りに会場の区民ホールは大盛り上がりで終演となりました。

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第2回ちよぴた落語会

当日の演目

一.「ちりとてちん」春風亭昇羊

一.「鮑のし」桂竹千代

一.「五貫裁き」立川志の太郎



来場者の感想(アンケートより)

「期待以上に面白かった。生の迫力が良かった」

「若手の方の勢いあるお話が面白かった」

「子どもにもわかりやすい内容で、みんなで大笑いできて楽しかったです。子ど

もも一緒に楽しめる落語はなかなかないので、またお願いします」

「おもしろかった。人数も広さもちょうどよく、気持ちよく楽しめました」

「3人とも素晴らしかったです!3回目があればまた参加したいです」

皆さんからの温かいご感想、ありがとうございました!

この日は夏休みが始まったばかりということもあり、小学生の子どもたちの元気な笑い声が、さらに会場を盛り上げました。

今回の落語会も、幅広い年齢層の皆さんにお楽しみいただくことができました。

まだまだこれからが夏本番。子どもたちにとっては、楽しい夏休みの幕開けに、大人たちにとっては、日々を元気に過ごす活力になれば幸いです。

ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました!

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最後は出演の3人で記念撮影♪

Posted at:14:10

【研修レポート】神保町をもっと知る!街歩きをスタッフ向けに行いました

千代田図書館では休館日を利用して、消防訓練や様々な研修などを定期的に行っています。

6月の休館日には、千代田図書館コンシェルジュが図書サービススタッフに向け、地域への知見を広げ、お客様サービスにつながるよう図書館周辺と神田神保町の街歩きを実施しました。

今回の街歩きは、同じく6月にご利用者向けに開催した「はじめての神保町街あるき」を、スタッフ向けにアレンジしました。

「本の街」神保町の基本情報や歴史、利用者の皆さんへの案内にも役立つ街のランドマーク、駅や他の区立図書館への道順など、この機会に改めて知りたい情報を盛り込んだ街歩きとなりました。

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参加したのは、図書サービススタッフの他に学校支援担当司書、総務職員も加えた37名。

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3つのグループに分かれ、千代田図書館から神保町駅、駿河台下の交差点で折り返してすずらん通りの「小学館ギャラリーBH 本と街の案内所」まで、およそ90分かけて歩きました。

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神保町に軒を連ねる多くの古書店新刊書店に加え、街の歴史を知る上で欠かせない出版社大学ゆかりの地などについても詳しくお話ししました。

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【参加したスタッフの感想】

「とても面白く、興味深くて参考になりました。レファレンスでも、神保町についての質問は頻繁に受付するので、普段の業務に大変役立つ内容でした。これまで知らなかった知識や以前に調べた覚えがあるけれど、忘れていた知識をたくさん得ることができました」

「よく来る九段下・神保町ですが、一人で歩くより、説明などが聞けて面白かったです」

「職場から近いあまりに、全然足が向かなかったエリアだったので非常によい機会になりました。図書館で情報こそ調べられますが、実際に足を運んで解説を聞きながら見られて楽しかったです」

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この日は梅雨の晴れ間、暑い中での実施でしたが、普段の業務で気づけないことやお客様の目線に立った案内の仕方、お互いの部署の仕事を知る機会になりました!

今後も、お客様サービスに役立てられるよう、図書館が一体となる研修を企画、実施していきます。

Posted at:14:40

コンシェルジュ通信Vol.66:
第2回「はじめての神保町街あるき」をレポート!


昨秋に初開催しましたガイドツアー「はじめての神保町街あるき」

ご好評いただきましたので、再びやってきました。

開催日時は、6月10日(土)6月15日(木)の2日間。

今回はその様子を、進行を務めたコンシェルジュがお届けします!

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今回、案内役を担当したコンシェルジュです。

集合場所は神保町駅。

ご参加くださる皆さんのお顔はもちろんわかりません。道行く人の顔を気に掛けながら期待に胸が高まっていました。

1時間と短い時間ですが、どうぞよろしくお願いします!

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学士会館前からスタートし、老舗和紙専門店の山形屋紙店へ。お店の裏には、和紙を保存するための蔵があります。

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テレビや雑誌などでよく紹介される矢口書店は、看板建築様式で建てられました。装飾が施されている壁が特徴です。

看板建築と名付けられる前は、"例の神田のやつ"と呼ばれてたそうですよ!

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神田古書センターは、1つのビルにさまざまなジャンルの古書店が入っています。

ここでは、古書店MAPの見方もご紹介しました。

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神保町交差点を通過し、創業100年を超える老舗の古書店、一誠堂書店へ。

印象的なステンドグラスは、建てられた当時のまま残されています。

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一誠堂書店の脇から、裏路地へ入ります。靖国通りすずらん通りの間の細い道には、お洒落なカフェが並んでいます。

独特の雰囲気がある、おすすめの撮影スポットです♪

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再び靖国通りへ戻ります。

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文学系の書籍を扱う玉英堂書店。2階には、文豪の直筆や初版本など、貴重なものばかりを集めた特選ルームがあります。必見です♪

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神田神保町1丁目1番地に建つ、大屋書房の大きな絵。思わず立ち止まってしまいますね。

すずらん通りに入り、老舗画材店の文房堂、井伏鱒二や吉川英治など、名立たる文豪たちに愛された天麩羅はちまきの前を通ったら、本と街の案内所でゴールです!

皆さま、お疲れ様でした。

6月10日には、街歩きイベントに初めて小学生の参加がありました。歴史に興味を持っているようで、神保町についても熱心にメモを取っていました。

また、6月15日はあいにくの雨。しかし、参加予定の方々全員が足を運んでくださり、主催者としても本当に嬉しかったです!

ありがとうございました。

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このイベントは、神保町に馴染みのない方にも、神保町のよさを知ってほしい!という願いから始まりました。

自分のお気に入りの神保町を、探してみてはいかがでしょうか。

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Posted at:16:30

第23期「本と出会う読書サロン」が始まります!

千代田図書館では、本を通じた交流の場「本と出会う 読書サロン」(主催:読書の会)を定期的に開催しています。



6月から始まる第23期のオープニングイベントとして、5月16日(火曜日)に講演会「気候危機防止と、心と生活の豊かさも実現するグリーン・ニューディール」を行いました。

講師は、東北大学東北アジア研究センター教授の明日香壽川(あすか じゅせん)さんです。

近年では、気候変動がもたらす干ばつ、洪水、熱波、山火事などのニュースを毎年のように目にします。電気・ガスなど私たちの生活になくてはならないエネルギーの問題と、地球規模の環境問題は密接につながっており、切り離して考えることはできません。

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講演は、世界規模の気候変動がもたらす人々の生活への影響についての話題から始まりました。「世界各国が掲げる二酸化炭素削減量は現実的なの?それを実現するにはどうしたらいい?」「再生可能エネルギー発電は、本当に原子力発電の代替になるの?」といった身近な疑問を取り上げながら、近年の研究データをもとにお話しいただきました。

エネルギー問題を考えるとき、環境と両立して考えなければならないのが経済への影響です。講演の後半では、横浜市など自治体の例を参考に、原子力発電に再生可能エネルギーを置き換える時に生じる設備投資、雇用などの経済的影響についてもお聞きすることができました。

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印象的だったのは、「より良い代替案はあるけど特効薬はない」というまとめの言葉です。その国の風土や経済状況は様々ですが、気候変動などの環境問題に対しては速やかに行動を起こさなければいけません。まずはエネルギー問題、環境問題を「自分ごと」ととらえ、身近な地域のことから今何ができるかを考えることが重要だと実感させられるお話しでした。

また講演会の最後には、参加者の皆さんから寄せられた質問にも丁寧に答えていただきました。

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明日香さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!



第23期「本と出会う読書サロン」は、6月20日(火曜日)から始まります。参加者が各回のテーマに沿った本を持ち寄り紹介し合う読書会を月に一度、第3火曜日に千代田図書館で行っています。

第23期のテーマは、6月「時」、7月「寅(とら)」「卯(う)」、8月「子(ね)」「丑(うし)」、9月「星」、10月「午(うま)」「未(ひつじ)」、11月「申(さる)」「酉(とり)」、12月「運」、24年1月「辰(たつ)」「巳(み)」、2月「戌(いぬ)」「亥(い)」、3月「生」です。

興味のある回だけ参加したい、見学したいという方も、まずはメンバー登録をどうぞ。

詳しくはこちらをご覧ください


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▲オープニングイベントでは、前期の読書サロンで紹介された本の一部を展示しました。

Posted at:17:20

【レポート】ヨムキクちよだ2023「えほんの世界へようこそ!
明治大学混声合唱団と読み聞かせのコンサート」


5月13日(土曜日)、千代田区役所1階 区民ホールで、ヨムキクちよだ2023「えほんの世界へようこそ!明治大学混声合唱団と読み聞かせのコンサート」を開催しました!

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千代田図書館司書による絵本の読み聞かせと、合唱を組み合わせたコンサート。

出演は、明治大学混声合唱団の皆さんです。ヨムキクちよだのイベントでは初めて、大学のサークルにご出演いただきました。

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明治大学混声合唱団は、前身の明治大学交響楽団合唱部から数えると70年以上の歴史を持つ、千代田区内の駿河台キャンパスを始めとする明治大学全4キャンパスに所属の学生からなる合唱団です。この日は指揮者、ピアニスト含め17名が出演しました。

毎年恒例の「ヨムキクちよだ」のイベントを事前申込不要、参加自由で開催したのは4年ぶりとなりました。会場には、ベビーカーに乗った赤ちゃんから、図書館に来たら歌声に引かれて立ち寄ってくださった方まで、幅広い年齢層の方にご来場いただきました!

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全2回の公演はどちらも満員御礼!ディズニー映画「ズートピア」でおなじみの「Try Everything」(シーア・ファーラ、ミッケル・ストリア―・エリクセン、トール・エリック・ハ―マセン/作詞・作曲)で幕が開きました。明るい歌声に、早くも会場から手拍子が起こります。

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続いて1冊目の絵本は『あーそーぼ』(やぎゅうまちこ/さく、福音館書店)。

小さな子どもたちも、おはなしの世界に引き込まれていきました。

2冊目の絵本は『100年たったら』(石井睦美/文、あべ弘士/絵、アリス館)。

絵本の展開に合わせて「花」(武島羽衣/作詞、滝廉太郎/作曲)「椰子の実」(島崎藤村/作詞、大中寅二/作曲)などを歌い、子どもだけでなく大人も、心ゆくまで絵本と音楽の世界を楽しんでいました。

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最後の絵本は『タンタンタンゴはパパふたり』(ジャスティン・リチャードソン、ピーター・パーネル/文、ヘンリー・コール/絵、ポット出版)。

心温まるペンギンの家族のおはなしのあと、最後に歌われたのは「瑠璃色の地球」(松本隆/作詞、平井夏美/作曲)。会場は優しいハーモニーに包まれて、コンサートは幕を閉じました。

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ご来場者からは「生で合唱を聞ける機会もなかなかないし、絵本も素敵な内容でした!」「絵本の内容、読み聞かせも歌も大人もポロっときてしまうすばらしいものでした」「初めて出会えた絵本に綺麗な歌声、とても素敵な時間でした。娘はまだ言葉は理解できませんが、歌、絵本は好きなので何か感じてくれたと思います」というご感想をいただきました。(来場者アンケートより抜粋)

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明治大学混声合唱団の皆さん、そしてご来場くださった皆さん、ありがとうございました♪

読書振興センターでは、心を動かす音楽とともに誰もが本に親しめるイベントを、これからも企画していきます!

Posted at:16:00

【四番町図書館】「ヨムキクちよだ2023」イベントレポート②

5月14日(日曜日)まで千代田区立図書館各館で開催したヨムキクちよだ2023では、今年度も各館で子どもや保護者の皆さんに向けてさまざまなイベントや図書展示を開催しました。

今回のブログでも、前回に続いて四番町図書館が行ったスペシャルおはなし会の様子をお届けします!

まずは4月29日(土曜日・祝日)に開催したどようびおはなし会スペシャル

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いつもの四番町図書館のおはなし会に、版画家・絵本作家のまつどふみこさんをゲストにお迎えして、街のある工場にやってきたツバメの飛来から巣作り、子育て、巣立ちまでを見守りながら絵本『おじさんとつばめ』(ジーウィズ株式会社/訳、FumikoWorkshop)にしたというエピソードを交えながら、読み聞かせをしていただきました。


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ツバメは人間のサポートを得て巣作りをする鳥。耳をすませば、独特の鳴き声が聞こえる...「土食って、虫食って、口渋~~~い」だそうです。

事前申し込みなしの自由参加でしたが、いつものおはなし会の1.5倍くらいの入場者(31人)で、2階の児童室いっぱいに椅子が並びました。

子どものころにツバメをよく見たというお父さんから質問が出たり、ツバメの写真や卵を興味深げに見る子どもたち、終了後にツバメの本を借りていく子どももいました。

「絵本を描いた人のお話が聞けて良かった」という感想をいただきました。

そして5月5日(金曜日・祝日)に千代田区役所1階区民ホールで開催したのは、けんけんぱーくのこどもの日おはなし会スペシャル

毎年恒例のイベントですが、区民ホールでの開催は初めて。久々に広々とした空間に、コロナ後初めて解禁したマットを敷き詰めて、自由に座ってもらうスタイルとなりました。

最初は遠慮がちに座っていた子どもたちも、どんどん距離を縮め、「かぶとゲーム」では、新聞紙で作った兜をかぶり、折り紙を丸めた刀を使って、マットの上で元気に飛んだり跳ねたり。

賢プロダクションの声優さんたちも、会場に響きわたる元気な声で、子どもたちを巻き込んで読み聞かせをしたり、最後は大きなスクリーンでオリジナル作品『へっこき侍』を写しながら、持ち前の表現の豊かさで会場を一つにして熱演。1回目(午後2時~2時30分)は子ども14人・保護者15人、2回目(午後3時~3時30分)は子ども14人・保護者17人に参加いただきました。

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オープニングは、おなじみの♪けんけんぱーくの歌から始まりました。最初は遠慮がちに後ろに座っている子どもたちも...

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丸の中から飛び出したのは?? 子どもたちは紙芝居に夢中です。

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次は大型絵本の登場。「えーらい、えらい、なにがえらい?」歌いながらおはなしが進んでいきます。

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こどもの日にちなんで、こいのぼりの絵本で読み聞かせ。1回目と2回目では読む本が違います。

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会場には、入場の時に渡した折り紙で作ったこいのぼりを貼ってもらいました。

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図書館スタッフが新聞紙で折った兜をかぶって、音楽に合わせてダンス!?

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最後は大スクリーンに映し出された『へっこき侍』(西本七星/作、岡田潤/絵)の絵と声優さんたちの芸達者なせりふ回しでみんなを釘付け。あっという間の30分でした。

「ヨムキクちよだ2023」で行った、四番町図書館のスペシャルおはなし会のレポートをお届けしました♪

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:11:30

【四番町図書館】「ヨムキクちよだ2023」イベントレポート①

5月14日(日曜日)まで千代田区立図書館各館で開催のヨムキクちよだ2023

四番町図書館が行ったイベントの様子を、2回の記事に分けてお届けします!

4月22日(土曜日)に行ったのは「大人も注目!外国語絵本の翻訳家に聞く絵本の魅力」。場所はおなじみ、神田神保町の児童書専門店ブックハウスカフェ1階のガリバー。

壁際に並んだソファに座り、希望者は飲み物をオーダーして、ゆったりとしたサロン風の雰囲気の中で開催されました。

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四番町図書館では、昨年度から「知識の入り口は児童書から」をコンセプトに、子どもだけでなく大人にも読んだもらいたい絵本を積極的に紹介したり、大人のための絵本講座を開催したりしてきました。

今回はその流れの中で、中学生以上を対象に募集し、定員15名をオーバーする応募がありました。

今回は外国の児童書の翻訳家に登場いただき、国が違えば表現も違う、でも、そこに流れる共通の思いをくみ取って日本語で表現する難しさや魅力について語っていただきました。

おひとり目は、主に英語圏の本を翻訳している長友恵子さん

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近訳著3冊についてエピソードを語っていただきました。

『ONE WORLD たったひとつの地球』(ニコラ・デイヴィス/作、ジェニ・デズモンド/絵、徳間書房)では環境問題について。『ブックキャット』(ポリー・フェイバー/作、クララ・ヴリアミー/絵、徳間書房)では戦時中図書館に住み着き本を守った猫の話、『せんそうがおわるまで、あと2分』(ジャック・ゴールドスティン/作、合同出版)では風刺のきいた絵柄で第一次世界大戦に出兵した幼馴染の話など、どれも時世を映し出す内容です。

長友さんは2年前、戦争で難民になった女の子のおはなしが描かれた絵本『せんそうがやってきた日』(ニコラ・デイヴィス/著、レベッカ・コッブ/絵、鈴木出版)を出版したことで、世界情勢により目がいくようになり、今後も社会性のあるテーマに取り組んでいきたいと語っていました。

翻訳家の仕事は、そのほとんどが調べること。そして、もちろん語学力は必要だが、一番大切なことは、それを伝える正しい、美しい日本語だと言います。


おふたり目は、当初フランス語の絵本を翻訳されている橋爪千代子さんの予定でしたが、事情により急遽、国内外の問題提起型絵本を出版している株式会社イマジネイション・プラスの代表取締役社長 乙部雅志さんにお願いしました。

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乙部さんは、「絵本は時代を映す鏡、それに合った言葉、思いを伝える情熱が伝わってくる言葉で翻訳してほしい」との思いから、あえてプロの翻訳家に依頼しないで、この作品はこの人に訳してほしいと直感的に頭に浮かんだ人にお願いすることも多いと言います。

紹介していただいた『みんなにやさしく』(パット・ズィトゥロウ・ミラー/著、ジェン・ヒル/イラスト)は作家のドリアン助川さんに、『じじつはじじつ、ほんとうのことだよ』(ジョナ・ウィンター/文、ピート・オズワルド/絵)は元TBSニュースキャスターの金平茂紀さんに依頼し、訳者の発信力を加味して、その世界観を伝えています。

今回のイベントでは、参加者から多くのコメントをいただきました。

作品に向き合う翻訳家の思いや葛藤を伺うことで、絵本の奥深さを実感された方、また、編集者の作品を最大限に生かす翻訳へのこだわりを知り「読者に思いが届く日本語の大切さ、そして、絵本の奥深さを感じた」という声が上がっていました。

講演会「大人も注目!外国語絵本の翻訳家に聞く絵本の魅力」の様子をお届けしました!

次回の記事では4月29日(土曜日)と5月5日(金)に行った、2回のスペシャルおはなし会のレポートをお届けします!

Posted at:18:10

「えほんの世界へようこそ!」リハーサルを行いました!

千代田区立図書館では、5月14日(日曜日)までの期間、こどもの読書週間に合わせて「ヨムキクちよだ2023」を開催中です♪

5月13日(土曜日)は千代田図書館にて、明治大学混声合唱団と千代田図書館の学校司書による「えほんの世界にようこそ!明治大学混声合唱団と読み聞かせのコンサート」を開催します。

本イベントのリハーサルを先日行いましたので、少しだけ様子をお届けします。

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千代田図書館のイベントに明治大学の皆さんが出演するのは初めてです。

今回は、合唱と読み聞かせが交互に楽しめるイベントとなっています。

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明治大学混声合唱団のフレッシュでパワフルかつ一体感のあるハーモニーと、区内の学校図書館で活躍する図書館司書の語り口は、とても素晴らしかったです。

楽しく盛り上がれる歌もあれば、心動かされる大迫力の歌も。

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本番がとても楽しみですね。ぜひ5月13日(土曜日)は、親子で会場へお越しください!



また、千代田区立図書館公式Youtubeチャンネルでは、明治大学混声合唱団の皆さんからのメッセージ動画を公開中です♪

こちらも合わせて、ぜひご覧ください。

当日、みなさんにお会いできることを楽しみにしています!



「えほんの世界へようこそ!明治大学混声合唱団と読み聞かせのコンサート」

千代田図書館司書の読み聞かせに合わせて、明治大学混声合唱団のみなさんによる絵本の世界をイメージした合唱を楽しめるコンサート。

赤ちゃんから大人までお楽しみいただけます。

【日 時】5月13日(土曜日)

      1回目:午前11時30分~

      2回目:午後3時00分~

     各回45分 ※開場は各回開演15分前

【場 所】千代田区役所1階 区民ホール

【参加費】無料

【定 員】各回50席程度(申込不要)※ベビーカーでの入場可能。途中入退場自由。

詳しくはこちら

Posted at:10:30

【学校支援】春休みの研修を行いました!

千代田図書館の学校支援担当司書は、区立幼稚園・保育園・こども園・小学校・中学校・児童館で読書支援活動を行っています。

今回の「ちよぴたブログ」では、学校支援担当司書が春休み期間を利用して行った研修の様子をレポートしてもらいました♪

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普段は、区内の学校や幼児の施設で司書の仕事をしている私たち。

この日は春休み中ということもあって、野外でストーリーテリング手遊び・わらべうたの研修を行いました。

ストーリーテリングとは、話し手がお話を覚えて聞き手に話し、伝えること。絵を見ながらではなく語り手の言葉だけで、情景を想像しながらお話を楽しんでもらいます。

研修では、子ども達にストーリーテリングを行うことの必要性を話したり、『こすずめのぼうけん』(ルース・エインズワース/作、福音館書店)等を題材にストーリーテリングを実際にやってみたりしながら、「新学期には子どもたちのために、この話を覚えよう!」と気持ちを新たにするのでした。

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「おはなしのろうそく」(東京子ども図書館/編)シリーズは、ストーリーテリングの教科書です。

次に司書たちの間で、子どもが喜ぶ手遊び・わらべうたを教え合いました。

「いっぴきの のねずみ」「たけのこ めだした」「ここはてっくび」「べんけいが」...

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「いっぴきの のねずみ」の手遊びを楽しむ保育園の子どもの様子を聞いて「それは、きっと子どもが喜ぶ!」と動き方をみんなで練習しました。

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研修の日は、桜もまだ散らずに咲いていましたよ。八重桜はまだつぼみ、4月になっても楽しめそうです。

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新年度を迎え、司書たちは気持ちも新たに区内の各教育施設での読書支援活動を行います。
春の気持ちのいい気候の中で行った研修の様子をお届けしました。

Posted at:15:50

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
5校目 東洋高等学校の展示開催中!


千代田図書館9階第2展示ウォールでは「千代田区内中学校・高等学校展示」の最後となる5校目、東洋高等学校図書委員会の展示が3月28日(火曜日)から始まりました!

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この「千代田区内中学校・高等学校展示」の企画を開始した令和2年度から、今回で3年連続での参加となる東洋高等学校の図書委員会。

委員会活動を紹介いただくとともに、テーマに基づいた図書委員おすすめの本を展示しています。

今年のおすすめ本のテーマは「異世界×成長」

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本のおすすめポイントやあらすじを、思い思いにポスターにして、絵と文章で表現しています。高校生の皆さんはどんな本を選んだのでしょうか。

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今回展示したポスターでおすすめされている本の中から、千代田区立図書館所蔵の本10冊も合わせて、展示しています。

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この「展示中」の掲示を目印に、気になった本をお手に取っていただけます。(展示資料はすべて貸出可、貸出中の場合はご了承ください)

また、2023年4月発行に図書委員会が発行する「図書館広報誌Lamp」最新号も、合わせて展示しています。

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こちらでも「異世界×成長」をテーマにしたおすすめ本の、さらに詳しい紹介が読めるほか、学校祭「東洋祭」への出展、学校図書館の蔵書点検などの活動報告を読むことができます。

「クラスと図書館の架け橋に」をコンセプトに活動する、東洋高等学校 図書委員会の皆さんの展示を、この機会にぜひご覧ください♪

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

東洋高等学校 図書委員会

【展示期間】 開催中~4月10日(月曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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今年度の「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」は、二松学舎大学附属高等学校錦城学園高等学校三輪田学園中学校・高等学校共立女子中学高等学校、そして東洋高等学校と、これまでで最も多い5校の展示を行いました。

今年度も、区内で学ぶ中学生・高校生が日々取り組む、多彩な学校活動の様子をご紹介することができました。展示に参加してくださった各校の皆さん、ありがとうございました!

Posted at:17:00

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
4校目 共立女子中学高等学校の展示が始まりました!


千代田図書館9階第2展示ウォールでは「千代田区内中学校・高等学校展示」の4校目、共立女子中学高等学校図書委員会の展示が3月13日(月曜日)から始まりました!

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今回、千代田図書館での展示に初めて参加する共立女子中学高等学校。

中学1年生から高校3年生までの皆さんが一緒に活動する図書委員会の様子をポスターで紹介するとともに、委員の皆さんがおすすめする本の展示も行っています。

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日ごろ、学校図書館のカウンター当番や図書だよりの発行、生徒の皆さんに本に親しんでもらうためのおすすめ本の掲示作成などの活動を行う図書委員会。毎年10月開催の共立祭では、自分たちで決めたテーマで教室を飾り付けて、学校内で集めた本を古本として販売し、売上を寄付する古本市を行っています。

今年度の共立祭の展示テーマは「ベルサイユの書庫」でした。

千代田図書館での展示も、このテーマに基づいたポスター作成と5冊の本の紹介をしています!(資料は全て貸出可、貸出中の場合はご了承ください)

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ポスターに掲載されている学校図書館内の展示や古本市の様子に、温かく懐かしい気持ちになる方も多いのでは?委員の皆さんが楽しんで活動していることが伝わってきます!

掲示と合わせて、2006年から今年までに発行した図書だよりや、委員会で制作したポスターを見ることができるファイルも展示しています。

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ぜひ、手に取ってご覧ください♪(ファイルはすべて貸出不可、館内でご覧ください)

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

共立女子中学高等学校 図書委員会


【展示期間】 開催中~3月27日(月曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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Posted at:17:00

コンシェルジュブースの展示と休館のお知らせ


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千代田図書館9階 コンシェルジュブース
向かって右側、千代田区のまち情報コーナーで、2022年10月に開催した「はじめての神保町街あるき」のマップを展示しています♪

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当日巡った街あるきのコースを、写真や参加者の声とともに紹介しています。

(このイベントは2022年10月に終了しています)

千代田区のまち情報コーナーでは、前回ご紹介した「ちよぴたノート」や図書館情報誌のほか、街あるきに役立つ地図やパンフレットなどを配布しています。

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日差しが暖かな日も多くなり、春の訪れを感じられるようになりました。千代田図書館から足を延ばして、神保町の古書店巡りはいかがでしょうか。


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図書館システムの更新に伴う全館休館のお知らせ

千代田区立図書館は、図書館システムの更新を行うため、次の期間、全館休館するとともに、サービスを一時休止いたします。

【全館休館期間】 3月1日(水曜日)~12日(日曜日)

【対象館】 千代田図書館、日比谷図書文化館、四番町図書館、

      昌平まちかど図書館、神田まちかど図書館、

      ちよだパークサイドプラザ区民図書室

※男女共同参画センターMIWは通常開館しますが、資料の貸出・返却などはできません。

また、千代田区立図書館のWebサービスも下記の期間休止いたします。

【千代田区立図書館ホームページ 休止期間】

2月28日(火曜日)午後10時~3月13日(月曜日)午前9時

※蔵書検索やマイページ、貸出施設予約など、すべてのWebサービスがご利用になれません。

【千代田Web図書館 休止期間】

2月28日(火曜日)午前10時~3月13日(月曜日)午前10時

その他、詳細はこちらのページをご覧ください。

ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

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Posted at:15:20

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
3校目 三輪田学園中学校・高等学校の展示開催中!


千代田図書館9階第2展示ウォールにて、「千代田区内中学校・高等学校展示」の3校目、三輪田学園中学校・高等学校読書サークルクラブの展示が2月14日(火曜日)から始まりました!

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読書サークルクラブは、中学・高等学校合わせて現在8名が在籍する部活動で、千代田図書館での展示は昨年度に続き2回目です。

年に一度の文化祭(三輪田祭)では、部員で話し合って決めた本を読み、その感想や作者が作品に込めた思いなどを語り合う読書会を行い、その様子をまとめて展示発表しています。

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今年度行った読書会のテーマは「Happiness」。部員みんなで選んだ4冊の本『卵の緒』(瀬尾まいこ/著、マガジンハウス)『また、同じ夢を見ていた』(住野よる/著、双葉社)『青い鳥』(モーリス・メーテルリンク/作、講談社)『古都』(川端康成/著、新潮社)はいずれも、展示を見ながらお手に取っていただけます。(資料は全て貸出可、貸出中の場合はご了承ください)

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本を読んでお互いの感想や考えを聞き、みんなで語り合うことで、一人で読むときとはまた違った読書の喜びと出会えるのが読書会です。中学生・高校生の皆さんの思いを丹念につづった読書会のレポートを、この機会にぜひご覧ください♪

また、レポートや本の他に、部員たちそれぞれが「人生とは・・・のようなもの」を考え、POPにしたものを展示しています。こちらは『また、同じ夢を見ていた』の主人公の口癖「人生とは・・・のようなもの」から連想し、作成しました。

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人生とは、「ゲーム」「電車」「パフェ」「卵焼き」...。個性豊かな言葉が並んで、見ているだけで楽しくなります。

部活動の紹介や読書会レポートと合わせて、こちらもお見逃しなく!

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

三輪田学園中学校・高等学校

読書サークルクラブ

【展示期間】 開催中~2月28日(火曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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Posted at:17:00

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
2校目は錦城学園高等学校です!


千代田図書館9階第2展示ウォールにて開催中の「千代田区内中学校・高等学校展示」、2校目の展示が1月31日(火曜日)から始まりました。

今回は、錦城学園高等学校による源氏物語絵巻です。

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古典の授業でグループワークを行い、『源氏物語』54帖の内容を各帖1枚の紙にまとめました。展示では54枚すべて掲示しています。

あらすじをまとめたり、内容や登場人物をイメージしたイラストなどを描いたり、それぞれのグループの工夫やこだわりが感じられる作品がずらりと並びます。

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わかりやすい人物相関図や、象徴的なモチーフが添えられているものなどもあり、ひとつずつじっくりと眺めたくなる力作ぞろい!

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授業で習った古語の活用形などを覚えることが苦手で、ちょっと古典文学と距離を置いていた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。錦城学園高等学校では、生徒たちに古典作品をしっかりと読む経験をしてほしいという先生の思いから、この源氏物語絵巻づくりを国語の授業に取り入れたそうです。それぞれの作品からは、生徒のみなさんが『源氏物語』にじっくりと向き合ったことが伝わってきます。そして、「ちょっと古典っておもしろいかも♪」と思わせてくれます。

ぜひご覧ください!

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

錦城学園高等学校

【展示期間】 開催中~2月13日(月曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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展示では、『源氏物語』に関連する図書をご紹介しています。あわせてご覧ください。

(展示本はすべて貸出可。貸出中の場合はご了承ください。)

Posted at:17:40

【レポート】恐竜絵本作家・黒川みつひろさんのワークショップ「恐竜の絵を描こう!」


1月21日(土曜日)千代田区役所1階 区民ホールにて、絵本作家 黒川みつひろさんのワークショップ「恐竜の絵を描こう!」を開催しました!

黒川先生のイベントは恐竜大好きの子どもたちにとって待ちに待ったイベントで、定員15組に対し約10倍の申し込みがあり、狭き門を突破したご家族に参加いただきました。

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今日の絵のお題は「ティラノサウルス」

模型が登場すると、場内から「わーっ!」っと歓声が上がり、早くも熱気に包まれます。

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黒川先生がホワイトボードに貼った模造紙に、まず、頭の部分を描きます。それを見ながら、手元の紙に、クレヨンや色鉛筆で描いていきます。次は胴体...と、パーツごとに順番に少しずつ描いていくことで、どんどんティラノサウルスが描かれていきます。子どもと一緒にお父さん、お母さんも真剣です。家族みんなで楽しむイベントならではの光景です。

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30分後、完成しました!! 黒川先生がテーブルを回り、完成した絵に落款を押してくれました。

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出来上がった絵を頭の上にかかげて、大喜び♪ なかなか壮観です。

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休憩タイム。

黒川先生の化石コレクションを手で触れる貴重な機会を得て、子どもたちがずらっと並びます。「これはアンモナイト」「これは恐竜の爪?牙?」と、興味津々です。

休憩後は化石の説明。みんな真剣に聞いています。

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続いて、恐竜の質問コーナー、手品と続きます。

最後は、じゃんけん大会。お絵描きの見本として黒川先生が描いたサイン入りの絵(全部で7枚)が賞品です。

全員参加。スタッフに勝った人(あいこは負け)が残って、そこで勝った人に賞品が渡されました。ルールは単純なだけに、ちょっとエキサイトしてしまいました...。

最後は、リトルホーンの入った絵を賭けてじゃんけん。ゲットして大喜びの男の子!

閉会後はサイン会。ひと家族1冊、整理券番号順にサインしてもらい、黒川先生と記念写真を撮って終了。お土産は今夏リニューアルオープンする福井県立恐竜博物館のチラシと恐竜シール2種、黒川みつひろ作きょうりゅうぬり絵2種。

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来場者の感想(アンケートより)

「恐竜が大好きなので参加できて本当に楽しかったです」

「2回目の参加ですが、今日は先生の絵の描き方が学べてとてもよかったです」

「子どもが飽きないように工夫されてよかったです。ありがとうございます」

「黒川先生のおかげでもっと恐竜が好きになりました」

「わかりやすく教えていただいたので、子どもも上手に描けました」

「今回こんな素敵なイベントに参加できてうれしく思います」

Posted at:10:30

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
1校目は二松学舎大学附属高等学校の展示から!


千代田図書館9階第2展示ウォールにて、2年前から実施している「千代田区内中学校・高等学校展示」を、今年度も行います!
新型コロナウイルスの影響を受け、部活動や委員会活動の発表の機会が少ない状況が続く区内の学校に、千代田図書館の展示スペースを成果発表の場として活用いただき、各校の特色ある活動をご紹介していきます♪

今年度の1校目は、二松学舎大学附属高等学校。昨年に引き続き、図書委員会理数科研究部書道部が合同で展示を行っています。

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図書委員会は、校舎6階にある学校図書館の利用を促進するため、生徒たちがタブレット端末を使っておすすめ図書のPOPを作成、学校のエントランスなどに掲示しています。

今回は、生徒たちが作ったおすすめ図書POP9点と、千代田図書館に所蔵のある資料10点を展示、おすすめコメントとともに本を手に取っていただけます。(資料は全て貸出可、貸出中の場合はご了承ください)

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▲図書委員会が作成したPOP全点はファイルに綴じています。お手に取ってご覧ください(館内閲覧のみ)

理数科研究部は、学校からもほど近い皇居のお濠 千鳥ヶ淵の水質調査を経時的に行っています。夏場にお濠の水が緑になるほど発生するアオコの発生原因の調査と水質改善を目的として、千鳥ヶ淵に生息する微生物の調査を行い、顕微鏡写真などで観察結果をまとめました。千代田図書館を利用する皆さんにとっても身近な千鳥ヶ淵で、こんなに多様な生物が観察されることに、ぜひご注目ください!

書道部は、昨年9月の文化祭で行った書道パフォーマンスと、校内での作品展示の様子をまとめたポスターを展示。まだ公開に制限を設けた状況での文化祭となりましたが、3年ぶりに実施することのできた書道パフォーマンスでの、いきいきとした表情と大迫力の作品をご覧ください。

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

二松学舎大学附属高等学校

図書委員会+書道部+理数科研究部

【展示期間】 開催中~1月30日(月曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳しくはこちら

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今年度は、4月まで全5校の展示を予定しています。

区内の中学生・高校生による、それぞれに特色ある学校活動の展示をお楽しみに♪

Posted at:13:30

【レポート】第1回ちよぴた落語会

12月15日(木曜日)、千代田区役所1階 区民ホールにて「第1回ちよぴた落語会」を開催しました!

千代田図書館の主催として、初めてとなるホールでの落語会。当日は小学生から大人まで、幅広い年齢層の皆さんに来場いただきました。

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出演は、落語芸術協会に所属する二ツ目の若手人気噺家春風亭昇羊さん笑福亭茶光さん三遊亭花金さん。今回は昇羊さんに会のまとめをお願いしました。

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落語会は自己紹介を兼ねたフリートークから始まり、一席目へ。

「ちよぴた落語会」の記念すべき第一声は三遊亭花金さん、演目は「寄合酒」でした。

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二席目は笑福亭茶光さん、3人の中で唯一の関西出身です。上方落語の「手水廻し」で会場は大爆笑!

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トリを務めるのは春風亭昇羊さん。今回の出演順は、開始直前に楽屋で決め、後輩から先輩への順番となりました。

昇羊さんの「二階ぞめき」で、一階の区民ホールは大盛り上がり!

ネタの後は、高座で次回以降への思いを語られ、終演となりました。

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第1回ちよぴた落語会

当日の演目

一.「寄合酒」三遊亭花金

一.「手水廻し」笑福亭茶光

一.「二階ぞめき」春風亭昇羊



来場者の感想(アンケートより)

「落語に興味があり、初めて生で聴くことができ、とても良い経験になりました」

「噺の熱さを間近で感じられた」

「3人3様の熱演で、とても素晴らしかった。また参加したい」

「仕事で凹んでいたので、笑って元気になりました」

「最初から最後まで笑いっぱなしの、とても楽しい会でした!」

皆さんからのアンケート、ありがとうございました。温かいご感想をいただき、出演者そしてスタッフ一同の励みになります。

外は寒くても、笑いに包まれた区民ホールは熱気のある空間に。年の瀬も近づきつつあるこの時期に、笑って一年を締めくくるイベントとなりました♪

出演者の皆さん、ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:16:30

【レポート】はじめての神保町街あるき

10月8日(土曜日)と13日(木曜日)に、千代田図書館コンシェルジュが神保町の街をご案内するイベントはじめての神保町街あるきを初開催しました!今回のちよぴたブログは、その様子をお伝えします。

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まずは神保町駅に集合。今回のルートはこちらです。

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大きな画像を見る(PDF:462KB)

神保町駅出口からほど近い学士会館の説明をした後、さらに詳しくトリビアをご紹介!小学館、集英社、有斐閣、と数々の出版社を経由し、次の場所へ。

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神保町さくら通りに入り、山形屋紙店に到着しました。

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第1回目を開催した8日は定休日でしたが、お店の雰囲気が伝わるようにと営業中の写真を用意しました(写真右)。

山形屋紙店は、明治初期創業の老舗和紙専門店です。店舗の裏手には、関東大震災や東京大空襲を耐え抜いたレンガ造りのがあり、今でも和紙の保存に使われています。「お店の存在は知っていたけれど、裏に蔵があるなんて知らなかった」と、参加者の皆さんは驚きとともに趣のある蔵を見上げていました。

一行は古書店が立ち並ぶ靖国通りへ。

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矢口書店古賀書店はメディアで数多く取り上げられ、ご存知の方も多いようでした。昭和初期の関東大震災復興期に多く用いられた、看板建築という建築様式で建てられた外観がとても印象的です。

神保町にはこういった建物をはじめ、歴史を感じる建物が数多く残っています。アール・デコ調の一誠堂書店もそのひとつ。イベント終了後に、気になる建物をもう一度見に行った参加者もいました。

神保町に集まっているのは、書店だけではありません。カレー店、中華料理店、喫茶店などのグルメも魅力のひとつです。細い路地に入り、老舗喫茶店ラドリオミロンガ・ヌォーバの前も通りました。

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10月13日の回では夕暮れ時と重なり、同じ路地でも昼間とは違った印象です。
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再び靖国通りに出て、特色ある古書店や建替工事中の三省堂書店をご紹介しました。そして画材店の文房堂、天麩羅はちまきなどが並ぶ神田すずらん通りに入り、ゴールの小学館ギャラリーBH神保町 本と街の案内所に到着!見どころをギュッと詰め込んだ、約1時間の街あるきでした。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

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曜日や時間帯、季節によって刻々と印象が変化する神保町。まだ訪れたことのない方も、よく通っているという方も、ぜひ新たな魅力を発見しに何度でも足をお運びください。

千代田図書館コンシェルジュは、これからも図書館から地域の魅力を発信していきます♪

Posted at:13:30

【レポート】"SDGsを遊んで学ぶ"カードゲームの体験イベントが開催されました


8月11日(木曜日・祝日)、千代田図書館9階の第2研修室で、遊びながら楽しくSDGsを学べるカードゲーム「ミライーね!カードゲーム」の体験イベントが行われました。

千代田図書館を利用する子どもと保護者の皆さんに自由に参加いただき、カードゲームで遊んでいただきました。遊びながら楽しくSDGsを学び、考えるきっかけを作ることを目的とした体験会です。

このカードゲームは、SDGsの17の目標がキャラクターとなって描かれたカードの課題を、「マテリアル」と「未来アクション」のカードを集めて解決するというもの。"資源" "人" "お金"の「マテリアルカード」を集め、課題解決に必要な"学校" "病院" "植林" "法律" "太陽光発電"など、さまざまな「未来アクションカード」を交換することで、クリアを目指します。

「ミライーね!カードゲーム」について、詳しくはこちらをご覧ください

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この日参加してくれたのは未就学児から高校1年生までの子ども達と、その保護者の皆さん。

小学校2年生の参加者に「SDGsって聞いたことある?」と聞くと、「知ってる!学校でお話しを聞いたことある」という答えが。子どもから大人まで、今ではきっと誰もが耳にしたことのあるSDGsという言葉。でも、言葉だけは知っていても、具体的にどんな課題があり、それをどうやって解決したらいいか、すぐに思い浮かぶというひとは少ないかもしれません。

体験会の中で、ルールの説明を受け、ゲームを進めるうちに「この課題を解決するにはどうしたらいい?」「問題解決にどんなことが必要?」という会話が、参加者の間で自然と生まれていました。

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千代田図書館の司書もゲームを体験!一度ルールを覚えれば、年齢の区別なくみんなで遊べるのがカードゲームの良いところですね♪

ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。

ゲームをきっかけに調べてみたいことが見つかったら、図書館の本をぜひご利用ください!千代田図書館9階には、SDGsの目標ごとに特集している展示コーナーを設けているほか、四番町図書館の2階児童室でも「SDGsを学ぶ本」の展示などを行っています。

Posted at:10:10

【レポート】千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業
③英語「ヒーローってだれのこと?」

夏休み恒例のイベント「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業」。今回は3つ目の授業「英語」の様子をレポートします。

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8月18日(木曜日)に、英語「ヒーローってだれのこと?」を実施しました。

講師は、人気の英語教材『ドラえもんはじめての英語ドリル』シリーズ(小学館)の著者 宮下いづみさん。英語教室や大学の授業など、幅広い年代を対象に英語を教えている先生です。

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アシスタントはNeil Debnam(ニール・デブナム)さん。授業のお手伝いをしてくださいました。

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授業のはじめは、音に合わせてアルファベットの発音練習から。

次に「Which do you ○○ ?」 という表現をつかって、どちらが好き?どちらが強い?などといろいろなことを比べてみます。

「今は雨が降ってるけど、では、いちばん強い天気って何かしら?」

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「Rain?」「Thunder!」「Storm!」

さまざまな意見が出たところで、イソップ寓話の『北風と太陽』をNeilさんに英語で読んでもらいます。強いのはどちらでしょうか?

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その後、「"強い"ってどんなこと?」をそれぞれ考えて単語を書き出してイメージを膨らませたり、千代田図書館所蔵の絵本をいくつか並べた中から「これがいちばん強い!」と思う1冊を選んだりして、今回のテーマ「ヒーローってだれのこと?」に徐々に近づいていきます。

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最後に、先生からの「Who is your hero?」 という問いかけに対する答え、「○○ is my hero. 」をノートにまとめます。ヒーローはこんな人、という説明をいっぱい書いたりカラフルなイラストを加えたり、それぞれのヒーロー像が完成しました!

「ノートに書いたヒーローのことを、よかったら画用紙にも描いてみてくださいね。」と先生から宿題を出されたところで今回の授業は終了。

宮下さん、Neilさん、ありがとうございました!

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今年の「夏のわくわく課外授業」は3教科すべて終了しました。各授業のレポートはをちよぴたブログに掲載しています。

「社会」のレポートはこちら

「図工」のレポートはこちら



また、報告展示を2022年9月1日(木曜日)から14日(水曜日)まで、千代田図書館9階 第2展示ウォールで行います。そちらもどうぞお楽しみに。

Posted at:15:15

【レポート】千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業
②図工「ペットボトル万華鏡を作ろう」

「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業」、今回は「図工」の様子をレポートします!

前回「社会」のレポートはこちらから


◎○◎●


7月26日(火曜日)に、図工「ペットボトル万華鏡を作ろう」を実施しました。講師は、千代田区一番町にある日本カメラ博物館 学芸員の井口芳夫さんです。

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今回の授業では、使用済みのペットボトルを使います。いらなくなったものを再利用して作るエコアートです。

そのほかの材料はこちら。カラフルなビーズやリボン、マスキングテープなどを準備しました。

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材料を確認したら、さっそく万華鏡作りに取りかかります。講師がお手本を見せ、作り方を説明してくれています。うまくできるでしょうか?

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万華鏡は、内部に入れた鏡に映る模様を楽しむもの。まずは、鏡をペットボトルに入れる作業からスタートします。万華鏡の重要なパーツ、3枚の薄い鏡の板を貼り合わせます。

「少しだけ隙間を開けて鏡の板を並べたら、セロテープでくっつけてください」

「少しって?」

「1ミリくらい。この板が0.5ミリだから、その倍くらいです」

「え~!?超むずかしいです~!!!」


それでも、子ども達はめげずに鏡と鏡の間隔が均等になるよう、定規を当てたり、薄い板を挟んでみたりと工夫していました。

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細かい作業に悪戦苦闘しながら万華鏡のパーツを完成させたら、ビーズやセロファンなど、鏡に写す材料を選びます。器の中からスプーンですくって、紙皿に載せて。なんだかお菓子作りのようにも見えます。

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すべてのパーツを組み合わせたら、万華鏡の完成!

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万華鏡の模様は、タブレット端末で撮影して大きなスクリーンに映し出します。一人一人が作った万華鏡を映し、それぞれ違った模様を見比べて楽しみました。

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お家にあるコンパクトカメラやスマートフォンでも、模様を見たり、写真に撮ったりできるので試してみてくださいね。

最後に、井口さんが万華鏡の仕組みを解説してくれました。

「万華鏡は、光の反射を利用したものです。今日の授業は『図工』ですが、じつは『理科』のお勉強も入っていたんですよ」

鏡の反射は小学5年生の理科の授業で学びます。参加した児童からは「学校の授業で鏡について習ったけど、こんな役割があることにおどろいた」という感想が出ました。

学校で教わったことを、楽しく応用した授業になりました。

井口さん、ありがとうございました!

今回は、日本カメラ博物館のワークショップを出張授業として行っていただきました。現在、日本カメラ博物館では小中学生対象の動画配信ワークショップ「ペットボトル万華鏡を作って写真を撮ろう」の参加申込を受け付けています(8月31日(水曜日)まで)。

日本カメラ博物館ワークショップの詳細はこちらから


◎○◎●

夏のわくわく課外授業の報告展示を、2022年9月1日(木曜日)から14日(水曜日)まで千代田図書館9階 第2展示ウォールで行います。そちらもどうぞお楽しみに。

Posted at:16:30

【レポート】千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業
①社会「地球のステージ 世界の知っておきたいこと」

学校とはひと味違った学びを体験できる、夏休み恒例のイベント「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業」。新型コロナウイルス感染症対策をとりながら、今年は「社会」「図工」「英語」の3教科を行っています。(いずれも事前申込制、受付終了)

今回は、7月23日(土曜日)に開催した社会「地球のステージ 世界の知っておきたいこと」の様子をレポートします♪

社会の講師は桑山紀彦さん。心療内科医として国内外で診療や医療支援活動に従事しながら、NPO法人 地球のステージを立ち上げ、世界各国での体験や人々との出会いを語りと音楽で伝える活動を行っています。

授業は、桑山さんが世界を巡るきっかけのお話から始まりました。

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岐阜県に生まれ、飛騨高山の自然に囲まれて育った桑山さん。大学生の時に「世界の5つの大陸を巡って、5つの山を見たい」と思い立ち、世界各国を旅して回りました。とは言っても、始めから国際協力やボランティア活動に積極的だったわけではなく、「"ボランティア"や"人助け"という言葉は、どちらかというと苦手でした。自分には関係ないことだと思っていたんです」と桑山さんは言います。

その気持ちを大きく変えたのが、医師になって4か月目に訪れたフィリピンで「お金ちょうだい」と話しかけてきた少女 ロエナスとその家族に出会ったことでした。目の病気のあるおばあさんに、思わず自分用の目薬を差し出したところ、涙を流して感謝するおばあさんの姿に、自分がこれまで多くの人に支えられながら各国を旅行できたことを振り返り、今度は自分が恩返しするために世界で働こう、と決意したそうです。

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「僕は、世界のいろんな国を訪れるたびに、その国の人たちの名前を覚えて帰ってこようと決めています。日本でその国のニュースを見たときに、フィリピンの○○さんはどうしているかな?チリの△△さんは大丈夫かな?と、自分に身近な出来事として感じられるからです。ぜひ、皆さんもそうしてほしいと思います」

お話は2001年に医療支援を行ったアフガニスタン、そして現在も継続的に教育支援を行っているミャンマーへと続いていきました。アフガニスタンでは、カブールやヘラートで出会った困難の中でもたくましく生きる子どもたちの姿を、ミャンマーでは、少数民族のパオ族が暮らすミャッセ・ミャー村で、貧しくても学ぶことをあきらめない若者や子どもたちとの出会いを、それぞれの写真や動画を交えながらお話しいただきました。

「例えばアフガニスタンがニュースで語られる時、"貧しい国""危険な国"と言われることも多いですが、それだけで終わるわけがありません。僕はアフガニスタンの人々と出会って、こんなに強く生きている人々はいない、と感じました」

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アフガニスタン ヘラートの国内避難民キャンプで出会った子どもたち。水タンクを太鼓がわりに、歌を歌って大人たちを励ましていました。

授業の最後には、千代田図書館の学校支援司書からブックトークを行いました。桑山さんのお話を聞いて感じた「生きる力」をテーマに、調べものや読書につながる本を紹介。司書おすすめの本とともに、自分が興味を持ったことを本探しにつなげるコツもお話ししました。

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「社会」の授業は、保護者の皆さんにもご参加いただきました。子どもになじみやすい桑山さんの優しい語り口は、大人も魅了するほどすばらしく、熱心に耳を傾ける姿が印象的でした。

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桑山さん、ありがとうございました!

今年の「夏のわくわく課外授業」は【図工】【英語】と続きます。こちらのレポートもお楽しみに♪

Posted at:09:00

【レポート】東京家政学院中学校・高等学校の図書委員会を訪問しました!

7月8日(金曜日)、東京家政学院中学校・高等学校を千代田図書館の学校支援司書が訪問しました。今回は学校からご依頼いただき、図書委員会の中学1年生と高校1年生の皆さんへ「学校図書館の本の選び方」というテーマでレクチャーを行いました。

東京家政学院中学校・高等学校では、2学期に図書委員会による「選書ツアー」を予定しているとのこと。「選書ツアー」で購入した本は、それぞれの学年のフロアに置かれ"学年の本"として貸出を行い、学校図書館に所蔵されるそうです。

図書館にふさわしい本を選ぶときに心がけることは?本屋さんで自分のために買う本を選ぶ時との違いは?学校図書館の本を選ぶにあたって、生徒の皆さんへお話ししました。

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「これから、ある数字を書いていきます。この数字は何を表しているでしょう?」

そう言って司書がホワイトボードに書いたのは、「0,1,2,3,4...」と0~9までの数字の列。その下に「6,3,16,10,16...」と1桁または2桁の数字を10個。その下にまた「6,5,16,10,15...」と数字を10個。さらにその下に「7,7,16,12,14...」と数字を10個。ホワイトボードには、10個の数字でできた列が4つ書かれました。

勘のいい生徒は、ここで「0~9」が図書館の「分類」を表しているのに気がついたようです。では「6,3,16,10,16...」「6,5,16,10,15...」「7,7,16,12,14...」といったその下の数字の列は、何を表しているのでしょう?列に並んだ10個の数字を全部足すと、それぞれ「100」になるようですが...。

生徒の皆さんが考え込む様子を見て、司書がその列の先頭に「小」「中」「高」と1文字ずつ書きました。

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「これは、小学校・中学校・高等学校の学校図書館に必要な本の配分比率を"分類別"に表したものです」

公共図書館でも学校図書館でも、多くの図書館の本は日本十進分類法に基づき「0 総記」「1 哲学」「2 歴史」...といった"分類"ごとに分けられています。ここまでは、普段から図書館になじみのある図書委員会の皆さんもよく知っていること。しかし、0~9類には具体的にどんな本が分類されているのでしょうか?

「自分が好きな本を図書館で探す時、分類なんて気にしたことがないという生徒さんもいるかもしれません。でも、図書館の分類は"人生の扉"になってくれます」

「0 総記」「1 哲学」「2 歴史」と言われても、なかなかピンとこない図書館の分類。具体的にどんな本があり、中高生の皆さんにどんな関わりがあるかをお話ししました。その上で、小学校・中学校・高等学校と年齢が上がっていくにつれて、配分比率の変化に注目します。比率を見ると、小→中→高と一貫して増加するのが「1 哲学」と「8 言語」の本

「自分の内面を見つめる"哲学"の本と、グローバル化が進む社会に欠かせない"言語"の本は、中学・高校で読んでおきたい本としてぜひ覚えておいてください」と司書から生徒の皆さんに伝えました。

レクチャーの後半では「今まで見たことがなかった棚を見てみよう」と、実際に学校図書館を見て、生徒一人一人が気になった棚とそこにあった本について話し合いました。好きな本やいつも読む本と違い、これまで気にしたことがなかった棚になにがあるのか、見慣れた学校図書館を少し新鮮な目で見ることができたのではないでしょうか。

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最後に、司書から「良い図書館の棚は、見ているだけで社会のことがわかり、視野が広がるものです。ぜひ、分類ごとの棚の意味を考えながら、図書館の本を選んでみてください」とお伝えしてレクチャーは終了。

お話を聞いてくださった東京家政学院中学校・高等学校 図書委員会の皆さん、ありがとうございました!

Posted at:14:20

【レポート】休館日に接遇研修を行いました!


千代田図書館
では、休館日を利用してスタッフの研修や避難訓練などを定期的に行っています。6月26日(日曜日)には、サントリーパブリシティサービス株式会社より講師を招き、スタッフの接遇研修を行いました。

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今回の研修の目的は、「近年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ますます多様化しているお客様のニーズの変化を確認すること」、そして「お客様のご要望を正しく読み取って対応する方法を学び、考えること」です。

まずは数人ずつのグループに分かれ、いま業務の中で感じている変化について話し合いました。図書館を利用するお客様の目的やニーズに、どんな変化を感じるか?メモに書き出しながら、スタッフ間で共有します。日ごろの業務の中で見過ごしがちな小さな変化も、言葉に出して伝えることで、他の人の共感を得たり、また新たな視点に気づかされたりします。

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「お客様のニーズや、それに応える接客方法は常に変化するのが当たり前ですが、新型コロナウイルスの流行でさらに加速しました」と講師から。

変化をとらえ、接客や対応方法をアップデートするために、一緒に業務を行う仲間たちと考えを共有することの大切さを再確認しました。

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グループワークに加えてゲームも交えながら、和気あいあいとした雰囲気で研修は進みました。研修の後半では、複雑化・多様化するお客様のニーズに応えるために欠かせないコミュニケーション方法について学習しました。

接客対応の中で重要な「表情」「声」「対人距離」「話し方」「聴き方」など、要素ごとに分けてより良いコミュニケーションのコツをつかんでいきます。マスクを着けての接客が当たり前となった昨今、いかに相手が伝えたいことを的確に読み取り、こちらの答えを的確に伝えるかということは、さらに重要になっています。普段の業務の中で当たり前に行っている接客対応についても、その理論を知り、快いコミュニケーション方法を探っていきました。

講師からは、「複雑化するお客様の要望に寄り添うために一番大切なことは、お互いに尊重し合うことです。そのために適切な対応方法を知り、業務で余裕がないと感じる時でも、いつでも思い出せるようにしておきましょう」との言葉がありました。

こうして、限られた時間を目いっぱい使っての研修が終了しました。受講したスタッフからは「とてもためになった。これからのよりよい接遇に活かしたい」「お客様とだけでなく、スタッフ同士のコミュニケーションにも役立つ内容だった」という声が上がりました。

また、6月20日(月曜日)には、同様の接遇研修を日比谷図書文化館でも行いました。

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こちらでも、実施後「コロナ禍における接遇を学習できた。利用者に寄り添える対応を心がけたい」「研修を通じてよりよい接遇マナーを学べたので、業務にも活かしていきたい」「相手に伝わることを意識し、声のトーンや表情、傾聴も丁寧に配慮したい」という感想が上がりました。

今回は、休館日の図書館で行った研修の様子をレポートしました!

Posted at:12:00

ヨムキクちよだ2022 ふりかえり~日比谷図書文化館・四番町図書館~


こどもの読書週間
(4月23日から5月12日まで)にあわせて、千代田区立図書館5館でさまざなイベントを開催する企画ヨムキクちよだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年・2021年と連続で中止になっていましたが、今年は無事にすべてのイベントを行うことができました!皆さまには感染症拡大防止対策にご協力いただき、ありがとうございました。

今回のちよぴたブログでは、日比谷図書文化館と四番町図書館で行われたイベントの様子をご紹介します。

日比谷図書文化館

こどもの読書週間in千代田区立図書館<ヨムキクちよだ2022>関連講座

現在の子どもたちの文化と本事情

(5月6日(金曜日)開催 場所:日比谷図書文化館地下1階 日比谷コンベンションホール)

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児童文学評論家赤木かん子さんは、子どもの頃に読んでいたタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー♪

日々子どもたちと接している赤木さんならではの視点で、子どもたちの変化や、子どもたちが求める本についてお話ししていただきました。

子どもたちが育つ環境のなかで生まれた携帯やSNSなどの新しい文化の誕生に触れながら、新しい本を求めていく子どもたちの様子や変化を軽快に話す赤木さん。

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参加者のなかには、学校司書や児童図書館員の方もいらっしゃいました。今の子どもたちの意外な選書に会場からは驚きと感嘆の声が何度もあがり、「目から鱗でした!」というお声が多く寄せられました♪

赤木かん子さん、ありがとうございました!


四番町図書館

①ほのぼの、じんわり、創作愛が伝わりました~♪

「ママとパパも楽しい!絵本作家によるおはなし会」

(4月23日(土曜日)開催 場所:四番町図書館 特設スペース)

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今回は絵本作家をお招きして、ご自身の作品を読んでいただこうという企画。出演は2月にしろくまシリーズ第二弾『しろくまはおにいちゃん』(飛鳥新社)が発売されたうつみのりこさんと、『ラーメンのおうさま』(ほるぷ出版)など、たべもののおうさまシリーズでおなじみの山本祐司さんのおふたり。

それぞれの子育てエピソードなどをまじえての読み聞かせは、ほのぼのとした人柄が伝わり、会場は笑顔に包まれました。お土産はお二人のオリジナル塗り絵。

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②いつもの絵本や紙芝居がもっともっと楽しい

「けんけんぱーく*の子どもの日おはなし会スペシャル」

(5月5日(木曜日・祝日)開催 場所:ブックハウスカフェ ひふみ座)

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昨年は中止(夏にタイトルを変えて開催)となってしまいましたが、今年は無事開催することができました。

神保町のブックハウスカフェ2階ひふみ座にて、1回30分、全2回のステージ。オープニングの歌から始まり、三者三様の声とアクションで掛け合い紙芝居やクイズ付きの大型絵本などテンポよく読み聞かせ、子どもたちは大喜び!

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お土産は四番町図書館スタッフ手作り兜のリースでした。

「けんけんぱーく」はアニメやナレーションの声でおなじみの賢プロダクションの声優さんたちによるよみきかせ集団です。

以上、日比谷図書文化館と四番町図書館でのヨムキクちよだ2022の様子をお届けしました!

千代田図書館で開催した展示などの様子や、第13回ことばと音のフェスティバル♪のレポートも、あわせてご覧ください♪

Posted at:15:00

【レポート】本と出会う 読書サロン 第22期イベント
講演会「ウィキペディア 情報収集から編集、活用まで」


千代田図書館で月に1回行っている、本を通じた交流の場「本と出会う 読書サロン」。毎回決められたテーマに沿った本を各メンバーが選んで持ち寄り、紹介し合っています。

5月17日(木曜日)、6月から始まる第22期を記念した講演会「ウィキペディア 情報収集から編集、活用まで」を行いました!

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ゲストに元ウィキペディア日本語版管理者海獺(らっこ)さんをお招きし、「ウィキペディアと書籍」というテーマでお話しいただきました。

海獺さんは、約5年間にわたりウィキペディア日本語版の管理者を務め、現在でも精力的にウィキペディアを編集しているほか、学校などでの情報リテラシーに関する講座も行っています。

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私たちが日々行うインターネット検索で、必ずと言っていいほど目にする「ウィキペディア」のページ。そもそもウィキペディアとはどんなもの?そんな話題から講演は始まりました。

ウィキペディアは、現在300もの言語版が存在する、GoogleやYouTubeに続いて世界で5番目にアクセス数が多いサイト。日本語版には132万あまりの項目が存在するそうです。手始めに「2022年4月に閲覧されたウィキペディアの記事ランキング」を見てみると、この春に新しく始まったドラマやアニメ、偉業を成し遂げたスポーツ選手、中には週刊誌のスキャンダル記事などで話題になった人名も...。気になったことを調べるときに、まずウィキペディアの項目を読んでみる、という人も少なくないのではないでしょうか?

しかし「ウィキペディアは読むものじゃありません、書くものですよ」と海獺さん。

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ウィキペディアは「誰でも自由に書ける百科事典」である、ということは広く知られています。でも専門家でもないのに記事を書いたり、編集したりしてもいいの?

ここからはウィキペディアの編集に関する具体的なポイントについて、数冊の本を紹介しながらお話しいただきました。

まず紹介に上がったのが、筒井康隆の作品「美藝公」『筒井康隆コレクション 6』(出版芸術社)収録)。

実際に海獺さん自身が執筆した記事をもとに、どんな情報が書いてあるものが「よい記事」なのか、というポイントを確認していきます。海獺さんによると、ウィキペディアの編集における三大方針は「独自研究は書かないこと、中立的な観点を持つこと、検証可能性があること」。特に「検証可能性」は客観的な事実の積み上げ、つまり出典を伴った表記を必要とするという、編集上の大事なポイント。「美藝公」の記事執筆にあたっては、大宅文庫や様々な図書館に通い情報を集めたそうです。

「ウィキペディアに書いてあることを鵜吞みにしてはいけません。そのかわり、ウィキペディアの信頼性は"情報が常にアップデートされていること"で担保されていると言えます」と海獺さん。

講演の終盤には、実際に編集ページを見せながらリアルタイムで記事を更新する一幕も。シリア出身のドイツ語作家 ラフィク・シャミの項目を、作家人生をつづったラフィク・シャミのエッセイ集『ぼくはただ、物語を書きたかった。』(西村書店)を出典として更新しました。

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記事を編集中の海獺さん。

「情報を調べることができれば、専門家でなくてもウィキペディアを書くことができます。記事が間違っている、と気づいたらぜひ資料をあたって自分で直してみてください。トライ&エラーも大切ですよ」

最後は質問コーナー。参加者の皆さんから集めた「質問シート」に目を通しながら、一問一問に回答いただきました。

「どんな人にウィキペディア編集に加わってほしいですか?」という質問に、海獺さんが「それはもちろん、図書館ユーザー。本が好きな皆さんです」とはっきりと答えていたのが印象的でした。

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ウィキペディアの使いかたや編集法だけでなく、現代社会にあふれる情報との付き合いかた全般に関わる示唆に富んだお話しを聞くことができました!

海獺さん、ありがとうございました。

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第22期「本と出会う読書サロン」は、6月~2022年3月の毎月第3火曜日、午後7時から千代田図書館で開催しています。第22期の本紹介のテーマは、6月「花」7月「鳥」8月「風」9月「月」10月「海」11月「川」12月「山」1月「陸」2月「島」3月 「砂漠」です。興味のあるテーマの回だけの参加も可能ですので、気になったら見学だけでもしてみませんか?まずはメンバー登録をどうぞ。→詳細はこちらから

Posted at:16:40

【レポート】「アロハ!たのしいフラとウクレレのじかん」


5月8日(日曜日)、千代田区役所1階 区民ホールで、第13回ことばと音のフェスティバル♪「アロハ!たのしいフラとウクレレのじかん ~ハワイの物語といっしょに~」を開催しました!

今年度の「ことばと音のフェスティバル♪」は、3年ぶりの通常開催となりました。開催にあたっては、新型コロナウイルス感染対策として、ステージと観客席の間隔を十分にとり、会場収容人数の半数以下の入場としました。また、参加者は事前申込制、入場前に検温・手指消毒にご協力いただいています。

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出演は、仲坪由紀子さん(フラ)/写真左と、草野とおるさん(ウクレレ)/写真右。

俳優でもあるお二人のゆかいなおしゃべりとともに、ハワイの伝統的なダンスと音楽をお楽しみいただきました。

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ステージは、楽器を鳴らしながらの華やかなダンスで始まりました。

「フラは、昔のハワイの人々にとって、言葉や文字でもあったんです」と仲坪さん。フラの手の動きや身ぶりには、その一つ一つに意味があります。「手話のようなものかもしれないですね」と草野さん。

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ハワイのいろいろな楽器も紹介。フラで使われるのは、ひょうたんやココナッツの実、グアバの木に石など、ハワイの自然がもたらす材料を使った楽器ばかりです。

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もちろん、ウクレレもフラに欠かせない楽器のひとつ。草野さんが演奏しているのはテナーウクレレで、今回はオリジナル曲も演奏していただきました。

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こちらは古典フラの「Hula Kahiko(フラ カヒコ)」。お祈りや自然を讃える詩などに節をつけた「Oli(オリ)」を唱え、踊ります。

後半には、仲坪さんによるおはなしのコーナーも。

ハワイの神話や言い伝えをもとにした"目が見えず耳も聞こえない女神・カイオナのおはなし"と、ハワイのさまざまな雨の名前を紹介した"雨のおはなし"。ハワイの人々の、「雨は祝福のシャワー」という考え方が印象的でした。ふたつのおはなしと一緒に、それにまつわるフラも披露してくれました。

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最後はみんなでフラを体験!

"雨のおはなし"に登場した歌「Pua Lililehua(プア リリレフア)」から、4つの手の動きを教えてもらいました。

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「サルビアの花」を意味する「プア リリレフア」。歌に込められた"愛しいあなた"への思いを、手の動きで表現します。

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つぼみが咲くように両手を上に向けて「花」を表しているところ。

その場に立ち上がって、またはイスに座ったまま、子どもも大人も楽しくフラ体験♪

初夏の一日、東京にいながら南国の風を感じられるような時間でした!

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仲坪さん、草野さん、そして参加してくださった皆さん、ありがとうございました!

千代田区立図書館の「ヨムキクちよだ2022」は5月12日(木曜日)まで。楽しい本との出会いを見つけに、ぜひ図書館へお越しください!

Posted at:17:10

「ヨムキクちよだ2022」が始まりました!

4月5日のブログでもお知らせした「ヨムキクちよだ2022」が、現在開催中!
今回は、千代田図書館で参加できる催しを中心にご紹介します。

     


千代田図書館9階の第2展示ウォールでは、こどもの読書週間展示「本をひらく せかいがおどる」を開催中。

「おどろう!」をテーマに、思わず踊りだしたくなるような楽しい絵本や児童書35冊を集めました。ぜひご覧ください!

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展示を見たあとは、コンシェルジュブースへどうぞ。

スタンプを集めてプレゼントをゲット!「としょかんをめぐろう!スタンプラリー」にご参加ください。

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「ヨムキクちよだ2022」の各イベントに参加、または昌平・神田まちかど図書館に来館でスタンプを2つ以上集めた方へ記念品をプレゼントする「としょかんをめぐろう!スタンプラリー」は、毎年人気の企画です。

この機会に、区立図書館5館をめぐってみてはいかがでしょうか♪


     



千代田区役所1階のさくらベーカリーでは、「おはなしに出会えるパン屋さん」を開催中です。

店内には、千代田図書館の展示「本をひらく せかいがおどる」で紹介している絵本に出てくる動物をかたどったパンや、ことばと音のフェスティバル♪にちなんでハワイをイメージしたパンなど、かわいいパンの数々が並んでいます!



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お買い物の際にレジで千代田区立図書館の貸出券を見せるとミニサブレのプレゼントもあります。(ミニサブレは数量限定、なくなり次第終了)

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ぜひお立ち寄りください♪


               


おはなしに出会えるパン屋さん2022

【場 所】千代田区役所1階 さくらベーカリー

【期 間】開催中~28日(木曜日)、5月9日(月曜日)~12日(木曜日)

【時 間】午前8時~午後6時

※土曜日・日曜日・祝日および5月2日(月曜日)、5月6日(金曜日)は休業

【協 力】さくらベーカリー

               


みなさんのご参加をお待ちしています♪

Posted at:17:30

【レポート】「つくってへんしん!おもしろマスク」


4月16日(土曜日)、千代田図書館10階子ども室で、ミニワークショップ「つくってへんしん!おもしろマスク」を開催しました!

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マスクの上から付けるマスクカバーを飾るのは、色とりどりの紙のパーツ。

さまざまな形から好きなものを選んで、マスクカバーにペタペタ貼り付けたら「おもしろマスク」の完成です!

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おもしろい顔になるようにパーツを選んだり、好きな色のかわいいパーツをたくさん集めたり...。

子どもも大人も、思い思いにマスクカバーを彩って「おもしろマスク」が完成しました!

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参加してくださった皆さん、ありがとうございました♪

千代田区立図書館では、4月22日(金曜日)から、親子で読書に親しめるさまざまなイベントが盛りだくさんの「ヨムキクちよだ2022」が始まります!

こちらも、どうぞお楽しみに。

詳しくはこちらのブログをご覧ください

Posted at:16:00

今年度さいごの「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
東洋高等学校 図書委員会が展示中!


新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、いろいろな場面で制約がありながらも学校生活をがんばる中学校・高校のみなさんに、日ごろの成果発表の場として図書館を活用してもらうことを目的に昨年度から始まった企画「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」

今年度のさいごは、東洋高等学校 図書委員会です。

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東洋高等学校 図書委員会の皆さんには昨年も参加していただきましたが、今年度は"私の本棚"というテーマで生徒有志8名が制作したポスターを展示しています。

ミステリー」「何度も読み返したい」「私が本を好きになったワケなど、それぞれがさらにテーマを設定し、思い思いの本を紹介しています。

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紹介している本は、絵本やベストセラー小説、新書、図鑑、趣味の雑誌などじつに多様です。どれも違ったタイプの8枚のポスターですが、好きな本をおすすめしたい!という共通の思いを強く感じることができます。

ポスターで紹介している本のうち、千代田図書館所蔵の18冊もあわせて展示していますので、お手にとってご覧ください♪

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クラスと図書館の架け橋にをコンセプトに活動する図書委員会は、図書館運営や週1回の定期会などのほかに、さまざまな活動を行っています。

委員会活動を報告する図書館広報誌Lampも、ぜひご覧ください。

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

東洋高等学校 図書委員会

【展示期間】 開催中~3月31日(木曜日)

【休 館 日】 3月27日(日曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

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今年度の「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」は1月からスタートし、千代田区立神田一橋中学校二松学舎大学附属高等学校三輪田学園中学校・高等学校の展示を行いました。


展示に参加してくださった各校の皆さん、ありがとうございました!

千代田図書館は、これからも区内で学ぶ皆さんを応援します♪

Posted at:11:40

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
三輪田学園中学校・高等学校が展示中!


1月から開催している、千代田図書館9階第2展示ウォールでの「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」。

千代田区立神田一橋中学校二松学舎大学附属高等学校に続いて3校目の展示となるのは三輪田学園中学校・高等学校 読書サークルクラブです!


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読書サークルクラブは、みんなで決めた共通の本を読んで感想を語り合う読書会を行う部活動。
展示では、読書を通じて学年を超えた交流が生まれる、特色ある活動のようすを紹介しています!

まずは部の紹介から。この部活動の目玉となっているのが、三輪田祭(文化祭)での展示発表です。

毎年部員たちで決めたテーマに基づいて数冊の本を読み、読書会の様子をレポートする掲示を作り、発表しています。

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掲示では、2017年~2020年の三輪田祭の様子も紹介。近年は華道部とのコラボレーションで、本のイメージに合わせた生け花とともに展示しています!

三輪田祭は昨年度、今年度ともに学内生徒のみへの公開となっており、この機会により多くの方に見てもらいたいと、千代田図書館での展示に参加してくれることとなりました。

今年度のテーマは「信じる」

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『銀の匙』(中勘助/作、朝日出版社)『教室に並んだ背表紙』(相沢沙呼/著、集英社)『星の子』(今村夏子/著、朝日新聞出版)『くちびるに歌を』(中田永一/著、小学館)の4冊が部員たちの話し合いで選ばれました。

話題の新刊から中高生の人気を集める本、国内外の古典まで、毎年テーマに合わせてバランスよく選ぶことを心がけているとのこと。


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読書会の中で、部員たちがどんなことを話し合い、そしてどんなことを感じたか、詳しくまとめられています。

みんなの感想を聞き、登場人物の行動や気持ちなどを話し合うことで、一人だけで本を読むときには得られない視点や受け止め方に気づくことができるんですね。

読書会のレポートとともに作成した「おすすめおしえてノート」も展示。

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これは『教室に並んだ背表紙』の作中に登場する「おすすめおしえてノート」をイメージして作った、本のおすすめPOPです。部員が思い思いに書いた本の紹介文を、千代田区立千代田図書館に所蔵のある本とともに、ぜひご覧ください♪

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

三輪田学園中学校・高等学校 読書サークルクラブ

【展示期間】 開催中~3月2日(水曜日)

【休 館 日】 2月26日(土曜日)~28日(月曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

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区内中学校・高等学校の展示は、3月末まで予定しています。

それぞれの学校の特色ある活動を、ぜひご覧ください!

Posted at:14:00

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
二松学舎大学付属高等学校が展示中!

1月から始まった、千代田図書館9階第2展示ウォールで開催中の「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」。千代田区立神田一橋中学校「好きな本を紹介!100字POP展示」に続いて、二松学舎大学付属高等学校 図書委員会+書道部+理数科研究部 の展示が始まりました!

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学園祭が2年連続で関係者のみに公開のオンライン形式となり、外部の方に生徒たちのがんばりを見ていただく機会がなくなってしまったとのこと。そんなとき、この企画を知り、千代田図書館で展示をすることとなりました。

壁に大きく貼りだしているのは、書道部理数科研究部


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書道部は、コロナ収束を祈念する「和プロジェクト」に参加した時の様子をまとめました。

みんなでひとつの思いを込めて書き上げた文字を掲げた書道部のみなさんの表情がとてもすてきです。


理数科研究部がまとめたのは、皇居のお濠 千鳥ヶ淵の微生物について。

千鳥ヶ淵の水質調査は、理数科研究部の活動のひとつです。コロナによって調査が行えないときもあったそうですが、こうやって研究発表ができるのは部の活動を止めずに続けていたからこそ。

身近な場所にこんなにたくさんの微生物が生息していることや、こんなにしっかりとした研究に取り組んでいるんだ!など、いろいろな驚きを与えてくれるレポートです。

こちらに並んでいるのは、図書委員会が作成したおすすめ図書のPOPです。

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すべて、タブレット端末の専用アプリを使って委員それぞれが作成したそうです。

「ひとり1台ずつ与えられた端末を、このコロナの中でしっかりと有効活用できましたよ」と先生。

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ファイルの中には、作成したPOPがすべて収められています。

どうぞお手にとってご覧ください。(館内のみ閲覧可、貸出できません)


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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

二松学舎大学付属高等学校

図書委員会+書道部+理数科研究部

【展示期間】 開催中~2月13日(日曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

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展示は、3月末まで予定しています。

区内の学校の、それぞれ特色ある活動をぜひご覧ください!

Posted at:11:00

今年度も始まります!「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」


新型コロナウイルス感染症の影響を受け、部活動や委員会活動など、さまざまな学校活動の発表の場が少なくなる状況が続いています。

千代田図書館では、今年度も「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」として、図書館の展示スペースを中高生たちの成果発表の場として活用いただき、区内の中学校・高等学校の特色ある活動をご紹介していきます♪

2021年度の1校目は千代田区立神田一橋中学校

国語の授業で1年生・2年生が作成した「100字POP」77点を展示しています。

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「100字POP」とは、自分の好きな本の魅力を100字以内で伝えるというもの。

限られた文字数を使って、POPを見た人にどうやって「読んでみたい!」と思ってもらえるだろう?

中学生の皆さんが考え、工夫して書いたことが手書きの文字からも伝わってきます。

また、77点の「100字POP」の中から、千代田図書館に所蔵のある本13冊もあわせて展示しています。

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紹介した本が展示されているPOPは、こちらの「展示中!」の表示が目印。

壁面に展示したPOPの右上に書かれた番号が、展示中の本1冊ずつに付いています。

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「100字POP」でおすすめされている本は、絵本や児童書から、最近の話題の本、国内外の文学の名作や古典作品、はたまたノンフィクションや科学・数学の本まで、実に個性豊か。

千代田区の中学生が本の魅力を伝えるPOPの数々を、ぜひご覧ください♪

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千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館

神田一橋中学校「好きな本を紹介!100字POP」

【展示期間】 開催中~1月22日(土曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

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「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」では、2月以降も区内にある高等学校の部活動や委員会活動の様子を展示し、各校の活動をご紹介していきます。

どうぞお楽しみに!

Posted at:10:40

【レポート】第12回ことばと音のフェスティバル♪
「『劇団かかし座の親子で楽しむ影絵げきじょう』」


11月28日(日曜日)、日比谷図書文化館 地下1階 日比谷コンベンションホール(大ホール)で、第12回ことばと音のフェスティバル♪『劇団かかし座の親子で楽しむ影絵げきじょう』の振替公演を開催しました!

ことばと音のフェスティバル♪は、例年4月23日から5月12日の「こどもの読書週間」にあわせて開催している「ヨムキクちよだ」のイベントのひとつです。昨年度は緊急事態宣言発出をうけて中止、今年は5月1日に実施予定で準備をすすめていましたが、またしても緊急事態宣言発出により中止。しかし、多くの方に楽しみにしていただいていたこのイベント、なんとしてもやりたい!と感染状況を見極めつつ調整をかさね、振替公演を開催することができました。

今回は、その公演の様子をお伝えします。

音楽とともに会場が暗くなると、スクリーンにシルエットが現れました。影絵げきじょうのスタートです!


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鳥やウサギなど、さまざまな生き物たちが次から次へと現れる様子にみんな釘付けです。

舞台が明るくなり、劇団かかし座のおふたりが登場。

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今回の影絵は、ふたりだけでさまざまなキャラクターを演じ分けます。冒頭の影絵ももちろん、ふたりだけですべて演じていました。

物語を始めるまえに、すこしだけみんなで光と影の手遊びの時間。

まずは自分で影絵を作ってみます。ぶらぶら~っと手の準備運動をしたら、両手を頭の上でクロス。そして手首や指先を柔らかく動かしてみると...

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鳥です。客席でもたくさんの鳥が羽ばたいていました。

ほかにも、犬やフクロウなどにも挑戦。使うものは自分の手だけなので、おうちでもすぐに遊べますね♪

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つぎはシルエットクイズ。

スクリーンに現れる動物はなんでしょう?

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キリンです。これも手だけで作れてしまうんですよ!すごいですね。

影絵の世界に親しんだところで、いよいよ影絵劇「三びきのこぶた」のはじまり。

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かかし座の影絵は、人形を操るひとの姿を見せるのが特徴のひとつです。そして、操るだけでなく、ときには前に出てきて影絵と人間が共演する場面も。

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めまぐるしく展開する舞台に、みんな大盛り上がり。あっという間の45分間でした。

かかし座の皆さん、ありがとうございました!

コロナ禍の中、この日がひさしぶりのおでかけという方も多かったようです。
「子どもと一緒に親子で楽しめました」「イベントをやってくれてうれしい」という声をたくさん聞くことができました。皆さんに楽しんでいただき、私たちもとてもうれしいです。
まだまだ感染症拡大には警戒が必要ですが、引き続き安心して楽しく参加できるイベントを計画していきます。お楽しみに。

Posted at:10:30

【レポート】本と出会う 読書サロン 第21期イベント
講演会「ノルウェー語を仕事にすること 語学から翻訳まで」


千代田図書館で月に1回行っている、本を通じた交流の場「本と出会う 読書サロン」。毎回決められたテーマに沿った本を各メンバーが選んで持ち寄り、紹介し合っています。

現在開催中の第21期を記念し、講演会「ノルウェー語を仕事にすること 語学から翻訳まで」を行いました!

※本イベントは、2021年6月に開催を予定していましたが、緊急事態宣言発出をうけて開催中止となったイベントの振替開催です。

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ゲストは、ノルウェー語講師・翻訳・通訳・講演会講師青木順子さん

毎日「ノルウェー度100%」な生活を送る青木さんを惹きつけてやまない、ノルウェーとの出会いやその魅力についてお話しいただきました!

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ノルウェーとの出会いは、1992年に参加した「オーロラツアー」でのこと。

悪天候でオーロラを見ることは叶わなかったものの、犬ゾリに乗ったり先住民族のサーミ人のテントを訪ねたりという楽しい体験や人々との交流から「ノルウェーは物質的にも精神的にも豊かな国なんだという印象を抱き、この国をもっと知りたくなりました」と青木さん。

その後、ノルウェー語を学ぶために現地の大学へ複数回の留学に踏み出します。

当時は簡単に情報も手に入らず、現地にアジアからの留学生は一人だけという中、何度もあきらめそうになりながら勉学に励んだエピソードをお話しいただきました。

帰国後、2000年に日本国内でのノルウェーの情報発信を目的としてウェブサイト「ノルウェー夢ネット」を立ち上げます。

このサイトでの情報発信や語学講座を行いながら、ノルウェー語の語学書や絵本の翻訳などにも携わるようになります。

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「言語を習得するだけでなく、ノルウェーの社会や生活、人の価値観などを知ってほしいんです」と青木さん。

青木さんが「ノルウェー語というマイナーな言語翻訳の特権」と話していたのが、著者との深い関係を築けるという点。

これまでに翻訳した絵本を例に挙げながらお話しいただきました。

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絵本『パパと怒り鬼-話してごらん、だれかに-』(ひさかたチャイルド、大島かおりさんとの共訳)の作者グロー・ダーレさんとの出会いは、東京国際ブックフェアの翻訳者セミナー。講演を聞いて、家庭内暴力という社会的な題材を絵本にしていることに大きな衝撃を受け、翻訳したいという想いを抱きます。

デリケートな問題を題材にし、また文章の多い絵本は敬遠されるなか、様々な人の協力を得て日本での出版にこぎつけたこの絵本は、新聞の社会面でも取り上げられるなど日本でも大きな反響を得ました。

その後に手がけた『うちってやっぱりなんかへん?』(偕成社)『わたしの糸』(西村書店)も書店で出会い、「この本が好き」という気持ちから翻訳が始まったそうです。

作者のトーリル・コーヴェさんは短編アニメーションを絵本にする手法で知られており、『わたしの糸』のアニメの一部を見せていただく一幕もありました。


どちらも、翻訳する作品を愛しながら、作者と丁寧なやり取りを重ねて翻訳を進める青木さんのお仕事への姿勢を感じられるお話でした!

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最後は質問コーナー。

参加者の皆さんから集めた「質問シート」に目を通しながら一問一問に回答いただきました。

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ノルウェーの風景や魅力的な図書館・書店などの写真の数々も見せていただきながらの講演で、参加者の皆さんのみならず図書館スタッフも「いつかノルウェーに行ってみたい!」という想いを抱いた1時間でした。

青木さん、ありがとうございました!

現在第21期「本と出会う読書サロン」を、12月~2022年3月の毎月第3火曜日、午後7時から千代田図書館で開催しています。

「色」をテーマに本を紹介している第21期、各月のテーマは12月「紫」1月「銀」2月「黒」3月「緑」
興味のあるテーマの回だけの参加も可能です。気になる方は見学だけでもしてみませんか?

まずはメンバー登録をどうぞ。→詳細はコチラから

Posted at:16:00

【レポート】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー
「神保町で世界旅行気分」編


千代田図書館で定期的に開催しているイベント、千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー。昨年に引き続き、参加人数を減らすなど新型コロナウイルス感染拡大防止対策をとりながら今年も行うことができました。今回のちよぴたブログは、そのイベントの様子をお伝えします。

神保町ツアーは、トークショーと街歩きツアーの2部構成。

今回のテーマは神保町で世界旅行気分です。そこで、第1部のトークショーには「旅の図書館」副館長の大隅一志さんをゲストにお招きしました。

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長年、観光に関する研究に携わっている大隅さんならではの視点で、旅・観光の歴史や日本人の海外旅行の変遷、とっておきの旅をするための図書館活用術などなど、図書の紹介を交えながらお話しいただきました。

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大隅さんが「今日イチ紹介したい」とおっしゃったのが、日本人初の海外旅行のお話。

幕末や明治初期には使節団など行政機関による日本人の海外渡航はありましたが、ここでとり上げるのは民間による海外旅行です。

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1908(明治41)年3月18日に横浜港を出発し、太平洋~北米大陸~ヨーロッパ~ロシアを巡り同年6月21日に敦賀に到着。参加者56名の98日間の世界旅行でした。旅行費用は2,340円。現在の金額に換算すると約1,200万円になるそうです!移動には船や列車のほか、自動車、馬車、地下鉄、ゴンドラ、登山電車などいろいろな乗り物が使われていました。
今とは違い簡単に海外の様子などの情報を得ることができない時代に、日本では見られない景色を見たり知らなかった技術を目の当たりにしたり、当時参加した人々の驚きや感動はとても大きなものだったのではないでしょうか。

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トークの後半では、旅気分に浸れる本、旅のテーマを見つける本、情報を得るための本や雑誌、などなどたくさんの資料をご紹介いただきました。旅行記や小説を読んで追体験したり、すてきな写真がならぶガイドブックを見て「いつか本物を見に行くぞ!」と目標をたててみたり、本を通して自分なりの旅の楽しみをつくりたいですね。

「旅の図書館」には、今回紹介された資料はもちろん、たくさんの旅に関する資料があります。興味のある方はぜひ利用してみてください。

大隅さん、ありがとうございました!

つづいて第2部街歩きツアーです。

千代田区役所庁舎を出発し、神保町古書店街をめざします。

まず最初に訪れたのは、さくら通り入口のすぐ脇にあるイタリア書房

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イタリア、スペイン、ポルトガル、中南米のラテン系洋書の専門店です。

この日はお休みでしたが、歩道に面したディスプレイに飾られた図書などを、皆さん興味深く眺めていました。

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「看板は見たことあったけど、足を止めたことはなかった」

「となりのお店には何度も来ているのに、こんなところがあったなんて気づいていなかったです」

「古いお店の外観のお話を聞いたら、ほかのお店の壁も気になってきちゃったわ」

街歩きの中で、皆さんいろいろな発見があったようです。

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ツアーの中では、英米文学を扱う北沢書店、韓国文学のチェッコリ、西洋古典や仏独原書が豊富に揃う田村書店、戦前から中国と深い関わりのある内山書店など、外国書を扱うお店を中心に古書店から新刊書店まで幅広くご案内。
さらに、神保町に数多く存在する中華料理店をはじめとする
世界の味を楽しめる飲食店などおすすめスポットもクイズを交えながらご紹介しました。


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小学館ギャラリーBH 本と街の案内所に到着して、ツアーは終了です。気軽に海外旅行に出かけられるのはもう少し先になりそうですが、身近な場所で旅気分を味わっていただけたらうれしいです。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

今回の神保町ツアーで巡ったのはこちらのコースです。

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大きな画像を見る(PDF:385KB)

Posted at:10:30

【レポート】図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業
②社会「水を使わず生きられる?」


前回の図工の授業
に続いて、今回も「夏のわくわく課外授業2021」のようすをお届け!

8月19日(木曜日)に行った、社会「水を使わず生きられる?」をレポートします。




社会の講師は近藤美奈子さん

私たちのくらしに欠かせない資源「水」の大切さについて、ゲームを交えて学びました。

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みんな知っている通り、私たちが住む地球のほとんどは水でおおわれています。

では「私たちが今すぐ使うことのできる水は、全体のどのくらい?」

答えは、0.01~0.02%。地球全体の水をお風呂1杯分とすると、たったスプーン1杯分しか、すぐに使うことはできません。

「今日ここに来るまでに、水を使った人?」

近藤さんが聞くと、「歯をみがいた」「水を飲んだ」「手を洗った」。みんなから、次々と声が上がりました。

まず、普段のくらしでどのくらいの量の水を使っているか、ゲームで体感してみましょう!「家」「学校」それぞれでサイコロを振り、どんな行動にどれだけ水を使っているのか記録していきます。

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みんなが使える水の量は300リットル。これだけあれば沢山のことができそうですが「洗濯をする→60リットル」「お風呂にはいる→100リットル」・・・生活に欠かせないことにも、意外と多くの水を使っています。サイコロを10回振り終わるまでに、全員が300リットルを使い切ってしまいました。

この数字は、ゲーム上のことではありません。例えば歯磨きをする時に2分間水を出しっぱなしにすると、使う水の量は20リットル。飲み残しの牛乳を排水口に流すと、きれいな水に戻すためには、なんと1200リットルが必要になるそうです!

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日本人は1日に300リットルの水を使っていると言われています。みんな、ゲームをしてみてどうだった?本当に、これから先も毎日300リットルの水を使い続けていいのかな?ここからは、みんなが大切に水を使い続けられるための行動"水アクション"を考えてみよう!」

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家や学校で、どんなことをしたら水を大切にできるかな?

「水アクションプランシート」に書き込みながら、みんなで考えていきます。

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わからないことを調べたい時には、図書館の本を使いました。


みんなからは、「顔を洗ったら、いそいで水を止める」「お皿を洗う時は、先によごれをふき取る」「シャワーを浴びる時、顔や体を洗うあいだは水を出さない」「お風呂に入ったあとの水は、洗濯や掃除に使う」「お風呂の水は、いつもより少し浅くためるようにする」・・・などなど、たくさんの「水アクション」が集まりました。

今度は、みんなが考えた「水アクション」のある世界で、水を使う量にどんな変化が現れるか、ゲームをもう一度行います。

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水アクションを実行したら、使う水の量は半分で済むことに。

1回目と同じように使える水の量は300リットル。1回目は全員が残り0リットルでしたが、2回目では6人合わせて390リットルもの水を、使わずに残すことができました!

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「今日考えた"水アクション"のプランを行動に移して、できることから始めてみましょう」

私たちは、水を使わずに生きることができません。くらしの中でどうやって水を大切にするか、みんなで実感しながら学ぶことができました。

近藤さん、ありがとうございました!



「夏のわくわく課外授業2021」のレポートは、9月6日(月曜日)~20日(月曜日・祝日)まで千代田図書館9階 第2展示ウォールでも展示します。こちらも、ぜひご覧ください♪

Posted at:13:30

【レポート】図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業
①図工「SDGsを知って つくろうコラージュ」


夏休み恒例!学校とはひと味違う学びの時間夏のわくわく課外授業。感染症対策を施しながら、今年も無事に実施することができました。

今年はSDGsをテーマにした2つの授業を行いました。今回は、8月17日(火曜日)に行った図工「SDGsを知って つくろうコラージュ」の様子をお伝えします。




はじめに、SDGsの基礎をお勉強『SDGsのきほん 未来のための17の目標』シリーズ(ポプラ社)などの編集に携わる原田哲郎さんと一緒に○×クイズをしながら学びます。


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「SDGsって聞いたことある人?」という原田さんの問いかけに、「知ってる!」とみんなの手が挙がりました。これならクイズも楽勝でしょうか?

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クイズは全部で10問。たとえば、こんな問題がありました。

"現在、私たちは、地球が自然回復できる量をこえて資源を消費している。" ○か×か?

答えは、○です。わかりましたか?

ことばの意味は知っていても、具体的にどんなことなのかを説明するのはおとなでも難しいSDGsを、原田さんは「このままだと、地球が2個必要!地球に住んでいる人が、今のままずっと暮らせるようにしましょう」と、やさしいことばに言い換えて説明してくれます。

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「自分はこの目標に興味があるな、というところから始めてみましょう。今日このあとにやるコラージュのワークショップはSDGsの目標12が関わるものですが、このようにたのしみながら始めてみるのもいいと思います」と、原田さんからバトンを渡されて後半に移ります。

原田さんのお話に出てきた目標12とはつくる責任 つかう責任」です。いまのような大量生産・大量消費を続けていては地球が持続不可能になります。持続可能な地球のために掲げられたのが目標12で、具体的には廃棄物の削減リサイクルの推進再生可能エネルギーの活用などが考えられています。日本の都市廃棄物排出量の多さは世界4位。廃棄物の発生を減らす努力が必要です。
そこで、今回やるコラージュづくりでは材料にお菓子の箱や読み終わった雑誌などを使い、捨てられてしまうものを別のものに生まれ変わらせることに挑戦します。

コラージュづくりの講師は、フォトコラージュアーティストのチヒロボさんです。

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「アーティストってどんな人?」「コラージュってどんなもの?」などのチヒロボさんの自己紹介のあとに、いよいよコラージュづくりを始めます。

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デザインや作り方に悩んだら、チヒロボさんが相談に乗ってくれます。

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コラージュができたら、紙を切り抜き、タンブラーに入れたら完成。

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授業のテーマ「SDGs」の文字が入った作品もありました!

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出来上がったタンブラーをみんなで見せ合って、授業は終了。

世界にひとつのオリジナルタンブラー、みなさん大事に使ってくださいね。そして、使うときにはSDGsのことを意識してもらえるとうれしいです。


原田さん、チヒロボさん、ありがとうございました!

Posted at:10:30

夏休みの本探しはおまかせ!レファレンジャーに聞いてみよう


毎年、夏休みの図書館に出動し、子どもたちや保護者からの読書相談にお答えしている「調べ物戦隊 レファレンジャー」

今回は、レファレンジャーがどんなふうに本を探してくれるのか、ブログでシミュレーションしてみました!

レファレンジャーに聞いてみよう ①調べものの本


夏休みの自由研究などに必要な、調べものの本。知りたいことを調べるには、どうやって本を探したらいいのでしょう?

今回は例として、この夏テレビなどでよく目にした「世界の国旗」についての調べものを相談してみました。

まずは、千代田図書館10階でヒアリングシートを記入します。ヒアリングシートは、千代田区立図書館ホームページから印刷して、図書館に持ってくることもできます。

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「調べたいテーマが決まっていたら、まず百科事典で調べてみましょう」とレファレンジャー。図書館には、子どもにもわかりやすく書かれている事典が揃っています。

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今回は『総合百科事典ポプラディア』(ポプラ社)を使って「国旗」という言葉を調べてみました。

説明文には「国旗のなりたち」「国旗はどういうところで使われているか」「特徴のある各国の国旗」などが書かれています。ここで言葉の意味を知ると同時に、さらに調べたいこと、気になることをピックアップします。

次に向かうのは、児童図書の棚。図書館の本は、内容ごとに「分類」に従って並べられています。

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千代田図書館の児童書コーナーは「昆虫」「ほ乳類」「環境」など、わかりやすい見出しがつけられているので「分類」を知らなくても安心!簡単に本を探すことができます。

「国旗」の本は「28」の分類の場所に並んでいます。棚を見ると、世界中の国旗のデザインや、国旗の由来を知ることができる本がありました!

ここで、レファレンジャーから「調べものをするときには"本の出版年"も気にしてみましょう」とアドバイス。世界の国旗は、新しく制定されたり、変更されたりすることもあるためです。より新しい本を探すということも、調べもののコツのひとつですね!

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各国の国旗の本を見ていると、日本と似た国旗の国を見つけました。緑地に赤い丸の国旗の国「バングラデシュ」です。(写真左)

この国のことがもっと知りたくなったら「29 地理」や「38 世界の習慣・衣食住」の棚を見てみましょう。さらに、国旗のデザインから、色や形の持つ意味について調べたくなったら「70~73 芸術・図画」の棚を探してみるのもよさそうです。

このように、百科事典から始まって、各分類の棚でさらに詳しく書かれた本を探していきます。

およそ20分で、調べものにぴったりな数冊の本を見つけることができました!ここからは自分で本を読んでみて、借りる本を決めたり、さらに資料を探したりします。

最後に調べた本の書名や出版者などの出典も忘れずにメモしておきましょう。

また「調べたいことがまだ決まっていない」という方も、ぜひご相談を!

好きな教科や興味のあることを聞き、調べもののヒントが書かれたアイディアカードを見ながら本探しにつなげることもできます。

レファレンジャーに聞いてみよう ②読書の相談

調べものに加え、子どもからも保護者からもよく相談されるのが「読書感想文などのために読む本を探したい」ということ。

どんな本を読んだらいい?という相談に最も大事なのは「子どもの話をよく聞くことです」とレファレンジャー。これまでおもしろいと思った本は?読んでいる本の量は?と、じっくり聞きます。

読書をちょっと苦手と感じている子どもでも、短いお話を集めた本を勧めたり、習いごとや好きなスポーツから読みたい本を探したりと、その子に合う本を一緒に考え、探すことができます。

そして保護者の方にお勧めしたいのが、千代田区立図書館のブックリストから探す方法。年に2回発行している乳幼児・小学生向け「おはなしトレイン」中学生向け「BOOK TRAIN」は、ホームページでこれまで発行したリストを見ることができます。

また、千代田図書館10階の「児童資料関連コーナー」「01 図書館」の棚には、子ども向けのブックガイドも揃っていますので、本を探すときにはぜひ参考にしてください。

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△レファレンジャーは、胸のバッジとカラフルエプロンが目印です!

レファレンジャーは子どもの本探しのプロフェッショナル。本を探す過程には、夏休みに限らず図書館を上手に利用するヒントがたくさんありました!

この夏も千代田図書館、四番町図書館に出動するレファレンジャーに、ぜひ声をかけてくださいね♪

調べもの戦隊 レファレンジャー

千代田図書館

【期 間】 開催中~8月31日(火曜日)

      ※8月22日(日曜日)を除く

【時 間】 午前9時~午後5時

【場 所】 10階 児童書コーナー

四番町図書館

【期 間】 8月26日(木曜日)~29日(日曜日)

【時 間】 午前10時~午後5時

【場 所】 2階 児童室

詳しくはこちらのページをご覧ください

Posted at:10:50

【レポート】四番町図書館でお仕事体験!「こども一日図書館員」


四番町図書館
で夏休み期間に行われるイベント「こども一日図書館員」

小学3~6年生を対象にした恒例のイベントで、図書館のお仕事が体験できる!と子どもたちから人気を集めています。

今年は1回あたりの人数を少なくするなど、新型コロナウイルス感染防止対策をとった上で開催しました。

こども一日図書館員の仕事は、任命式からスタート!黄色いエプロンと名札をつけ、四番町図書館の栗田館長から任命書を受け取ります。


図書館の仕事を体験するために、まずは公共図書館という場所がどんなところか学びます。

司書が一番はじめにお話ししたのは、個人情報を守ることの大切さ。

図書館は、利用者に関する個人情報を預かっています。本の貸し借りをするだけでなく、大切な個人情報をしっかりと守ることも図書館の仕事のひとつです。


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そして図書館の仕事を知る上で欠かせないのは「資料」のこと。図書館に置いてある本・雑誌・新聞・CD・DVDなど、全部を合わせて「資料」と呼びます。

四番町図書館が持つ資料はおよそ8万7000点。2020年4月から仮施設に移転し、現在は資料全体の1/3弱がこの仮施設の中にあります。

たくさんの資料を整理するために、図書館では資料の1点1点をどこに置くか(住所)を決める「分類」を行っています。

本の背についているラベルには、その分類が書かれています。

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△背に貼られた小さなシールが、本の分類が書かれたラベル。

資料は、その内容によってまず「0」から「9」まで大まかに分けられ、そこからさらに細かく、2ケタや3ケタの数字を付けて分類されていきます。

この細かい数字を見るだけで「難しそう...」と思ってしまいますよね。

でも、本は1冊ずつが住所を持っていること、ラベルを見ればその住所が書いてあることがわかれば大丈夫!

このことを知ると、図書館で読みたい本や必要な本を探すことがもっと簡単に、もっとおもしろくなるはずです。

図書館や資料について学んだら、四番町図書館をすみずみまで見てみましょう!

四番町図書館は各階ごとに、先ほど習った「分類」にしたがって本が並べられています。

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書架のほかにも、普段はスタッフしか入ることのできない閉架書庫作業スペースも見学しました。

体験の後半はいよいよお仕事の実践編!

まずは資料の情報が書かれたレシートを元に、書架の中から資料を探し出します。

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△書架の並び方や、分類を思い出しながら...慣れないとなかなか大変です。

続いて、図書館事務室で資料の貸出・返却の操作方法を習います。

図書館カウンターで大切なあいさつや声がけも練習して、実践の最後は1階のカウンターへ!

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お昼ごろの時間帯の図書館には、たくさんの利用者がやって来ます。本を借りる人、返す人、予約した資料を取りに来た人、小さなお子さんと一緒に来た人...。その中には、たくさんの本を一度に借りる利用者や、本を返すついでに予約資料が来ていないか問い合わせる利用者もいます。

練習を思い出して、分からないことはカウンターのスタッフの力を借りながら、慣れない手つきでも丁寧に貸出・返却などの作業を行いました。

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△返却の時には本が壊れたり忘れものがないか、しっかり見るのも大事な仕事です。

最後に感想文を書き、栗田館長から修了証を受け取って、図書館員のお仕事は終了です。

こども一日図書館員の皆さん、おつかれさまでした!

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仕事の体験を通して、図書館のことをたくさん知ってくれた参加者の皆さん。

今日の体験をもとに、図書館の上手な使い方や本の探し方などを、ご家族やお友達にもぜひ教えてあげてくださいね♪

Posted at:11:00

学校と区立図書館をつなぐ 学校支援担当司書のお仕事紹介②


2回にわたってお送りしている学校支援担当司書へのインタビュー。

区内の小学校・中学校や幼稚園・保育園・こども園、児童館などの教育施設で、子どもたちや保護者、教員の皆さんへの読書支援活動を行う学校支援担当司書の仕事内容や、日々の支援の中で印象に残っていることなどを聞いています。

前半のインタビュー記事はこちらをご覧ください




小学校の学校図書館で子どもたちに人気の本や、おすすめの新着図書を教えて下さい。

今、子どもたちに大人気なのは「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズ(廣嶋 玲子/作、jyajya/絵、偕成社)。テレビアニメ化されて、4~6年生を中心に大人気の児童書です。

貸出数の多さでいうと、「かいけつゾロリ」シリーズ(原ゆたか/作、ポプラ社)や、さまざまな図鑑もやっぱり人気。低学年の子どもたちには、ページをめくるだけで楽しい図鑑や科学絵本などが根強い人気があります。

私の担当する小学校では、昨年、突然2年生に「宝石の本」ブームがやってきました。だれかが何かの本に夢中になると、周りの子どもたちもつられて読みたくなるのでしょうか?学校図書館でどんな本が人気になるのかというのは、司書にも予測不可能なことなんです!

おすすめしたい新着図書としては『ねこ学校のいたずらペーター』(アンネリース・ウムラウフ=ラマチュ/作、アダルベルト・ピルヒ/絵、杉山 香織/訳、徳間書店)や昨年秋に新装版が出た『くまの子ウーフ くまの子ウーフの童話集』(神沢 利子/作、井上 洋介/絵、ポプラ社)。

また、複数の科目をまたいでの学習につながるSDGs関連の資料や、東京の伝統工芸についての資料などは授業で使いたいと言われる頻度が高いので、毎年新刊をチェックして購入しています。

支援先で子どもたちと接する中でのおもしろいエピソードや、印象に残っているエピソードはありますか?

小学校の他に、保育園やこども園でも読書支援をしていますが、印象に残っているのは0歳児に向けて読み聞かせをした時のこと。私が『もこ もこもこ』(谷川 俊太郎/作、元永 定正/絵、文研出版)を読むと、0歳の赤ちゃんたちの目が絵に釘付けになり、指さして反応してくれる子も。大人に比べてまだまだ視覚が発達中の赤ちゃんも、こんなに絵本を見てくれるんだ!とびっくりしました。

保育園では、子どもたちに教えた「にぎりぱっちり」の手あそびをしている時のこと。両手の手のひらを合わせて、手の中から何が出てくる?と想像をふくらませて遊んでいました。「ひよこ!」「ぞう!」「おばけ!」...と出てきたところで、誰かがそれを「パクッ!」と食べるとそれが全員に伝わって、こんどは手のひらから出てきたいろいろなものを何でも食べる遊びに早変わり。子どもたちの想像力の広がりに触れた経験でした。

小学生の支援で嬉しいことは、やっぱり「あの本おもしろかったよ」と言ってもらうこと。紹介した本をきっかけに読書の楽しみに気づいてくれることです。

特に高学年になると忙しくなる児童が多く、図書館での貸出数も減りがちなのですが、そんな子どもたちに「こないだ教えてくれた本みたいにおもしろいの、もっとある?」と声をかけてもらえると嬉しいですね。

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学校支援担当司書は、夏休み期間には「調べもの戦隊レファレンジャー」として千代田図書館や四番町図書館に出動!調べもののお手伝いや読書相談にお答えしています(写真は昨年のようす)

子どもたちに読書や図書館の魅力を伝えるうえで、心がけていることや工夫していることはありますか?

子どもに本を勧めるときには、まずその子のことを知ることを大切にしています。「普段どんな本を読む?」「どんなものが好き?」と、話しながら子どもの興味を丁寧に聞き取ります。

小学校の学年が進むにしたがって心がけていることとしては、入学したてで、読書の入り口に立ったばかりの子どもたちには「図書館には、こんなにいろんな本があるよ!」ということを、まず伝えます。もう少し大きくなると、新しい世界に出会ったり、新しい知識を得ることができる、読書の楽しみがわかるような本を勧めたいと思います。高学年になると、好きな本が決まってくる子も多いので、その子の好みからつなげて、読書の幅をさらに広げるようなお手伝いができればと思っています。

どの子どもたちにも、授業やオリエンテーションでは、「図書館は物語や知りたいことと出会える場所だよ」「いろいろな本があって、いろいろなことを知ることができるよ」ということを伝えています。

子どもに読書を楽しんでもらうために一番大事なのは、学校図書館を子どもにとって魅力的な場所に整えておくことではないかなと思います。さまざまな本を揃えて、場所の雰囲気を整えて、本のことを何でもわかる大人がいること。

そうすれば、子どもたちにも自然に読書や図書館の楽しみが伝わるのではないかと思い、日々仕事をしています。



2回にわたるインタビュー、いかがでしたか?

普段、私たちがあまり知ることのない学校図書館での読書支援のようすや、教育施設でのお仕事について知っていただけたのではないでしょうか。

ちよぴたブログでは、学校や幼稚園・保育園・こども園や児童館と区立図書館をつなぐ学校支援担当司書の活動を、これからもお伝えしていきます♪

Posted at:10:00

学校と区立図書館をつなぐ 学校支援担当司書のお仕事紹介①


今日6月11日(金曜日)は、学校図書館の日です。

千代田図書館 読書振興センターでは、区内の小学校・中学校や幼稚園・保育園・こども園、児童館などの教育施設に司書を派遣し、子どもたちや保護者、教員の皆さんへの読書支援活動を行っています。

今回のちよぴたブログでは、その学校支援担当司書にインタビュー!

普段のお仕事は何をしているの?学校図書館ってどんな場所?といったことを、2回にわたってご紹介します♪



学校支援担当司書の、日々の仕事内容について教えてください。

小学校や中学校の図書館での貸出・返却のお仕事や蔵書点検のほか、どんなことをしていますか?

小学校では、毎年4月に全学年の児童へ図書館の使い方を説明する図書館オリエンテーションや年に5回の図書だよりの発行、また図書委員会の活動支援なども行います。

低~中学年の「図書」の時間では教室に出向いて、本の読み聞かせやストーリーテリング(語り手が物語を覚えて、聞き手に語ること)をすることもあります。時には、社会とのつながりを学ぶ授業の一環として児童の前で司書の仕事について話したり、著作権などの情報リテラシーにつながる話をすることも。

これらに加えて学校支援担当司書の仕事の中で特徴的なのは、やはり学校の授業支援だと思います。先生方や児童から依頼されて、授業での調べ学習などに必要な教材や資料を手配します。例えば、低学年であれば「ザリガニの育てかた」から高学年だと「SDGsについて」まで、公共図書館でのレファレンス業務と同様に幅広いテーマの調べものがあります。

図書館の資料を使う授業は国語に限らず、社会や理科、図工など多くの科目に関わってきます。

また、5年生の「嬬恋自然体験交流教室」や6年生の修学旅行では、訪れる場所の地理や伝統工芸、伝統食などについても授業の中で調べます。資料を使って調べものをする授業のニーズは、どの教科でも年々増しています。

先生方も気軽に授業の相談をしてくれて、千代田区の先生は図書館の上手な使いかたをわかっている方が多いなと感じます。区立図書館から派遣されている強みとしては、学校図書館だけでは用意できない資料を、区立図書館の蔵書からも探すことができるということ。「授業の役に立ちました!」「こんな本が欲しかったんです!」と言っていただけるのは、とっても嬉しいことです。

学校図書館の外では、千代田図書館で年2回発行している「おはなしトレイン」「BOOK TRAIN」の選書や発行などもしています。千代田図書館に社会科見学などで訪れる児童の皆さんをお迎えして本を読んだり、お話しをすることもありますよ。

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2020年度冬休み期間に千代田図書館で行った「おはなしトレイン」「BOOK TRAIN」展示。

今年も夏休み期間に展示を行いますので、お楽しみに!

学校図書館と公共図書館では、どんなところが違うのですか?

一番の違いは「学校図書館は学校教育に資するためにある」ということ。

さまざまな利用者が訪れる公共図書館と違って、学校図書館は児童・生徒や先生、そして保護者といった特定の利用者へ向けて、児童・生徒の健全な教養を育成するための本、学習のための本を集めています。

読書の楽しみを知ることができる本や手に取りやすく楽しめる本を並べて、本と出会える楽しい場所にしておくことも大切だと思います。

学校図書館に求められる機能は、読書に親しむ場としての「読書センター」の他に、学習の支援となる「学習センター」、また必要な情報にアクセスできる「情報センター」の3つです。

そのため、本だけでなく、例えば地域学習に役立ちそうなパンフレットや新聞の切り抜きなど、学習のための資料も積極的に集めます。

学校支援担当司書の、学校での1日の仕事の流れを教えて下さい。

朝、2時間目が始まる前くらいに小学校に到着したら、まずは図書館を開けてパソコンを立ち上げます。これで、いつ誰が図書館に来ても大丈夫。

あとは「図書」の授業などがある日であれば教室に出向いて読み聞かせをしたり、図書館での児童の本選びを手伝ったり。授業のない時は、授業の支援に使う本のリストアップや、これから学校が購入する本の情報提供として選書やリスト作りをします。

お昼は職員室で、先生方と給食を食べます。昼休みも図書館を開けておき、午後はまた授業や、同じく図書館内での仕事。

壊れた本の修理や、古い本を集めて廃棄すること、本棚の整理や清掃も司書の仕事ですが、まとまってこれらの仕事ができるのは、授業が終わって子どもたちが帰った後、放課後が多いかもしれません。

夕方になると、それぞれの学校を出て、学校支援担当司書たちは千代田図書館に帰ります。千代田図書館に戻ったら、依頼のあった読み聞かせ用や教材用の資料を集めたり、小学校以外の支援先である幼稚園・保育園・こども園や児童館で行う、読み聞かせ用の本の選書などを行います。

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千代田図書館に帰った後、週に1回行っている学校支援担当司書ミーティングのようす。

日々の仕事の情報共有や、全体で行う業務などについて話をします。



インタビューは次回に続きます!

次回は、それぞれの支援先で司書が体験したエピソードや、読書の楽しさを伝えるために心がけていることなどを話してもらいます。ぜひ、お楽しみに♪

Posted at:18:10

子どもたちが選ぶ"大切な本・忘れられない本"
~「千代田区子ども読書調査」より;中学生編~


前回のブログ
に引き続き、千代田図書館 読書振興センターが行う「千代田区子ども読書調査」から、千代田区内の子どもたちが選んだ"大切な本・忘れられない本"をご紹介していきます!


昨年11月に行った「第6回千代田区子ども読書調査」の質問項目「大切な本や忘れられない本がありますか?」に対する回答の中から、区立中学校・中等教育学校の1~3年生で多く挙がった作品や千代田区立図書館に所蔵がある本をピックアップしました。

※書名をクリックすると、本の詳しい情報がご覧いただけます。

中学1~3年生の「大切な本・忘れられない本」

小学生、中学生ともに毎回多く挙げられる「ハリー・ポッター」シリーズに続き、『ぼくらの七日間戦争』が人気を集めました。昨年度の小学4~6年生の調査で上位に挙がった本が、今年中学生になった生徒たちから変わらぬ支持を得ているようです。

また、小学校・中学校の国語の教科書に載っている『西の魔女が死んだ』『星の王子さま』を挙げる生徒も複数いました。

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『ぼくらの七日間戦争』

宗田 理/作

ポプラ社

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『西の魔女が死んだ』

梨木 香歩/著

新潮社


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『星の王子さま』

サンテグジュペリ/著、池澤 夏樹 /訳

集英社

※『星の王子さま』は、この池澤夏樹 訳以外の新訳や絵本など、さまざまな形で出版されています。また、それらに加えて、古くから親しまれている内藤濯 訳も区立図書館で所蔵しています。


ヤングアダルト世代に人気の小説からは、数学をテーマにした作品を2タイトルご紹介。どちらも数学の天才少年・少女が登場する物語で、未知の学問に誘ってくれる大人にとっても魅力的な本です。

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『お任せ!数学屋さん 1』

向井 湘吾/著

ポプラ社

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『青の数学 1』

王城 夕紀/著

新潮社


『舟を編む』は、国語辞書の編纂に奮闘する人々を描くお仕事小説。作品をきっかけに、舞台である「本の街」神田神保町にも興味を持ってもらえるといいな...なんて考えてしまいます。

その他にも、海外長編小説の『レ・ミゼラブル』や、シリアから内戦の状況をTwitterで発信し続けた少女の手記『バナの戦争』など、多様な作品が挙げられました。

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『舟を編む』

三浦 しをん/著

光文社

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『レ・ミゼラブル 上』

ユーゴー/作

岩波書店

※ここで紹介しているのは少年少女版(豊島与志雄/編訳)です。このほか、千代田図書館には新潮文庫(佐藤朔/訳)や、ちくま文庫(西永良成/訳)などの『レ・ミゼラブル』日本語完訳の所蔵があります。


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『バナの戦争』

バナ・アベド/著

飛鳥新社

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今回の調査でも、千代田区の学校に通う子どもたちが、日々さまざまな本に触れていると感じることができました!

千代田区立図書館は現在、緊急事態宣言発出にともない臨時休館中ですが、ホームページまたは電話で事前予約をした資料の受け取り・貸出サービスは継続して行っています。ぜひご利用ください。

サービス内容詳細など図書館の最新情報については、
区立図書館ホームページをご確認ください。

資料の予約方法についてはこちら

Posted at:12:00

子どもたちが選ぶ"大切な本・忘れられない本"
~「千代田区子ども読書調査」より;小学生編~


千代田図書館 読書振興センターでは、子どもと子どもをとりまく大人の読書活動を推進するさまざまな取り組みを行っています。そのひとつに「千代田区子ども読書調査」があります。千代田区立小学校・中学校に通う子どもの読書の状況や変化を把握し、読書活動推進に関する施策に活用することを目的として、平成27年11月から毎年実施しています。


今回のちよぴたブログでは、昨年11月に行った「第6回千代田区子ども読書調査」の質問項目のひとつ、「大切な本や忘れられない本がありますか?」に対する回答の中から、多く挙げられたタイトルや千代田区立図書館に所蔵がある本をご紹介します。

小学1~3年生の「大切な本・忘れられない本」


小学校低学年で最も人気が高かったのは「かいけつゾロリ」シリーズ。前回の調査でも上位に挙げられていました。第1作が発表されてから30年以上経った今も、変わらず子どもたちから愛され続けている作品です。

また、『ずーっとずっとだいすきだよ』『ハニーのためにできること』など、身近な動物との別れを描いた本も挙げられていました。コロナ禍でペットを飼う人が増えているといいますが、動物を家族に迎え入れることについて、本を通して子どもと一緒に考えてみるのもよいかもしれません。

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『かいけつゾロリのチョコレートじょう』

原 ゆたか/作・絵

ポプラ社

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『ずーっとずっとだいすきだよ』

ハンス・ウィルヘルム/作 久山 太市/訳

評論社

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『ハニーのためにできること』

楠 章子/作

童心社


小学4~6年生の「大切な本・忘れられない本」


小学校高学年では、3年連続で「ハリー・ポッター」シリーズが一番人気です。そのほかに『かがみの孤城』『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』『君の膵臓をたべたい』など、児童書に限らず大人にも話題のベストセラー作品も多く挙げられました。親子で同じ本を読んで感想を語り合うのも楽しいですね。

そして、「鬼滅の刃」シリーズのタイトルが多く挙げられていたのは納得の結果でしょうか。原作はマンガですが、ノベライズ本や関連本なども多く出版され、子どもが活字に触れるきっかけにも繋がっているようです。

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『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

J.K.ローリング/作、松岡 佑子/訳

静山社

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『かがみの孤城』

辻村 深月/著

ポプラ社

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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

ブレイディ みかこ/著

新潮社

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『君の膵臓をたべたい』

住野 よる/著

双葉社

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書名をクリックすると、本の詳しい情報がご覧いただけます。また、資料の予約方法についてはこちらをご確認ください。

次回は「中学生」編をお送りします!お楽しみに♪

Posted at:14:00

千代田図書館が「子供の読書活動優秀実践図書館」に選ばれました!


文部科学省
は、平成14年度より「子供が積極的に読書活動を行う意欲を高める活動を推進するため、特色ある優れた実践を行っている」学校や図書館などに対し表彰を行っています。その令和3年度の子どもの読書活動優秀実践図書館に、千代田区立千代田図書館が選出されました!

4月23日(金曜日)、子ども読書の日記念 子どもの読書活動推進フォーラムにおいて表彰式が行われました。

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文部科学大臣表彰は、各都道府県と各都道府県教育委員会が「子供の読書を推進する活動が顕著な学校、図書館、団体・個人」を推薦、外部有識者からなる審査会委員の審査を経て被表彰者が決定します。

千代田図書館は、都立中央図書館からの推薦を受け、千代田区立図書館としては初めての表彰となりました。

千代田区立図書館各館は現在臨時休館中ですが、開館を再開したときには、子どもから大人まで、多くの皆さんにまた読書を楽しんでいただけるよう、引き続きさまざまな読書推進活動に取り組んでいきます。


千代田区立図書館 臨時休館

【期 間】 2021年4月25日(日曜日)~緊急事態宣言が解除されるまで

【対象館】 千代田図書館、日比谷図書文化館、四番町図書館

      昌平まちかど図書館、神田まちかど図書館


休館中にご利用いただける一部サービスについては

千代田区立図書館ホームページでご確認ください。
ちよだパークサイドプラザ区民図書室と千代田区男女共同参画センター
MIWの利用については、千代田区ホームページでご確認ください。

Posted at:13:30

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」開催中!
最終回は東洋高等学校 図書委員会

千代田図書館9階 第2展示ウォールで開催中の「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」。これまで3校の様々な活動をご紹介してきましたが、最終回となる4校目は東洋高等学校 図書委員会の展示です。

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「クラスと図書館の架け橋に」をテーマに活動している図書委員会。例年、学園祭である東洋祭では古本市を開催し、その収益をシャンティ国際ボランティア会が主催する「絵本を届けるボランティア」に寄付していました。

しかし、新型コロナウイルスの影響を受けて今年度の東洋祭は「東洋フィルムコンテスト(TFC)」として動画作品を募集するオンライン開催となり、図書委員会も出品をすることになったそうです。

TFCで募集されたのは「SDGs(国連サミットで採択された"持続可能な開発目標")から発想される動画作品」

図書委員会では、SDGsで掲げられている17の目標のひとつ「質の高い教育をみんなに」をテーマに、自分たちで絵本を選び、東南アジアの言語に翻訳する活動を行いました。

展示では、動画作品づくりの過程をまとめた内容として、神保町の街を歩いて絵本を選んだこと、シャンティ国際ボランティア会に取材に行ったこと、翻訳での苦労についてなどを、生徒たちの手描きで紹介しています。

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絵本は、カンボジアで主に使われるクメール語と、ラオスで使われるラオ語にそれぞれ翻訳しました。

翻訳に選んだ絵本はどれも、日本の子どもたちにはおなじみのもの。しかし「おにぎり」など外国の人々には馴染みのない単語や、「いただきます」といった日本語独自ともいえるあいさつは、どう訳したらいいのでしょうか?

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実際に翻訳を行った絵本(写真左)。クメール語・ラオ語の複雑な形も手描きしました。

(東洋高等学校蔵、実際の絵本は展示していません)

未知の言語について調べ、絵本に合った表現や言葉選びをして翻訳した生徒たちの奮闘のようすを、ぜひご覧ください!


また、翻訳に選んだ絵本とともに、SGDsの「質の高い教育をみんなに」をテーマに図書委員会が選んだおすすめの本も展示しています(展示資料はすべて貸出可)。

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こちらも全てに生徒たちのおすすめコメントが付いています♪


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展示「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」

東洋高等学校 図書委員会

【展示期間】 開催中~3月27日(土曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳細はこちらをご覧ください


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これまでの展示の様子

・正則学園高等学校 花いけ男子×書道

・三輪田学園中学校・高等学校 図書委員会

・千代田区立九段中等教育学校 美術科・美術部

Posted at:14:30

「千代田図書館コンシェルジュの謎解きガイドブック」開催中!

先月のコンシェルジュ通信でご紹介した「千代田図書館コンシェルジュの謎解きガイドブック」が、現在開催中です!



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大きな画像を見る(PDF:1198KB)



ガイドブックが手に入るのは、千代田図書館9階コンシェルジュブース



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こちらで、謎解きガイドブック・なぞときマップ・なぞときヒントのセットをお配りしています。

配布しているセットはこちらのページからもダウンロードできます



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ガイドブックを手に入れたら、あとは期間中のお好きなときに謎解きを楽しむだけ。

歴史・建物・古書店・グルメ4つのカテゴリーで出題される謎を解きながら、街のおすすめスポットやトリビアを知ることができますよ!

すべての謎を解いた方には、ささやかなプレゼントを差し上げます♪

寒さもゆるみ、春を感じる陽気の日が多くなってきました。

せっかく春めいてきたのに、遠出したり、大勢で集まったりすることが難しい状況が続いています。

ですが、こんな時だからこそ、謎解きを通じて身近な街の魅力を発見してみてはいかがでしょうか?

千代田図書館にお越しの際には、コンシェルジュブースにぜひお立ち寄りください♪

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千代田図書館コンシェルジュの謎解きガイドブック

【期  間】 開催中~3月21日(日曜日)

【配布場所】 千代田図書館9階 コンシェルジュブース

詳細やガイドブック等のダウンロードはこちらから

Posted at:16:30

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」開催中!
第3回は千代田区立九段中等教育学校

千代田図書館9階第2展示ウォールで開催中の「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」。3校目となる千代田区立九段中等教育学校 美術科・美術部の展示が3月1日(月曜日)からスタートしました!

今回は、1年生が美術の時間に制作した作品と、美術部の作品をあわせて展示します。

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まずはこちら。

1年生の作品「文字絵」です。

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漢字の持つ意味を組み込んでデザインされた文字がずらり。

個性やアイデアがたくさんあふれていて、楽しいです♪


こちらは美術部の作品です。

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これは4つでひとつの作品。

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フルカラー印刷で使われる4色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)をそれぞれベースカラーにして、同じモチーフを描き分けました。発想力がすてきです。

美術部の作品は、油絵や切り絵、水彩画や色鉛筆画などさまざま。

ぜひ、じっくりご覧ください!


緊急事態宣言下では部活動が自粛になっているとのこと。

「クラスとはまた違った、人とのつながりであったり関係性であったり...部活でそういうものがつくられていたんですよね。」と語る美術科で部顧問の先生。部活動が思うようにできないもどかしさが伝わってきます。


みんなで集まることは難しくなってしまいましたが、そんな中でもそれぞれがコツコツと作品を仕上げ、部誌を発行することができました。

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こちらはお手に取ってご覧いただくことができます。

生徒たちの想いが描かれた作品の数々、ぜひお立ち寄りください。

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展示「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」

千代田区立九段中等教育学校 美術科・美術部

【展示期間】 開催中~3月14日(日曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

詳細はこちらをご覧ください

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これまでの展示の様子

・正則学園高等学校 花いけ男子×書道

・三輪田学園中学校・高等学校 図書委員会

Posted at:16:45

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
三輪田学園中学校・高等学校 図書委員会が登場!


新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた区内中学校・高等学校の部活動や委員会活動を応援、活動の成果を発表していただく「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」

1月に展示を行った「正則学園高等学校 花いけ男子×書道」に続き、今月千代田図書館内で展示してくれるのは三輪田学園中学校・高等学校図書委員会です!

三輪田学園高等学校図書委員会の皆さんは、千代田図書館が行っている「神保町へようこそ!中高生のための古書店街ツアー」に、2018年・2019年と参加してくれました。

今回は、その時見聞き、体験したことをまとめた2年分のレポートを展示しています!

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「神保町へようこそ!中高生のための古書店街ツアー」とは、2017年度から千代田図書館が行っている区内中学校・高等学校の生徒向け街歩きツアー。

区外から通っている生徒さんも多く、本が好きだけど古書店に入るのはちょっと勇気がいるな...という中学生・高校生に向けて、古書店街の成り立ちや街の歴史、区立図書館の取り組みなども交えながら街歩きを行い、地域の魅力をご紹介しています。

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2019年にご参加いただいたときの様子

過去の「古書店街ツアー」開催の様子はこちらをご覧ください

※今年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため定員を半数にし、古書店等への立ち入りを実施せずにツアーを行っています。

2018年夢野書店北沢書店を見学してそれぞれの店主さんにお話を伺ったり、2019年は多くの人でにぎわった「神田古本まつり」の様子を見学したりと、どちらにも目を輝かせながら参加してくれた皆さんの事を、私たち千代田図書館スタッフもよく覚えています。

三輪田学園高等学校の生徒の皆さんがツアーに参加してどんなことを感じてくれたのか、ぜひ展示をご覧ください♪

また、展示では図書委員会のその他の活動もご紹介しています。

こちらの壁面に展示しているのは、中学校と高等学校の委員それぞれが各学期に編集・発行している図書だより。各号で決めたテーマに関連する幅広い本の紹介を掲載しており、読みごたえがあります。

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図書展示は、三輪田学園の学校図書館で今年度行なわれた「映像化された本」

こちらは高校2年生の委員が8タイトルの本を選び、おすすめコメントを書いたPOPを作りました。千代田図書館でもヤングアダルト世代に人気の本ばかりです。

おすすめコメントとともにぜひお楽しみください!

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展示「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」

三輪田学園中学校・高等学校 図書委員会


【展示期間】 開催中~2月27日(土曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

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Posted at:15:20

コロナ禍に負けない!
「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」


新型コロナウイルス感染症の拡大で、いろいろとがまんの日々が続いています。

旅行やともだちとの約束など楽しみにしていた予定を泣く泣く変更したのも、ひとつやふたつどころではない!という方も多いのではないでしょうか。

それはおとなだけでなく、こどもも同じ。

学校生活にも大きな影響が出ています。

文化祭や発表会、大会などが次々と中止になり、日々がんばっていた成果を発揮する場が失われてしまいました。

図書館として何かできることはないか、と考えた読書振興センターは「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」を開催し、図書館の展示スペースを中高生たちの成果発表の場として活用してもらうことにしました。

現在展示しているのは、「正則学園高等学校 花いけ男子×書道」

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"花いけ男子"とは、一体どんな男子?

いわゆる華道とはちょっと違っていて、制限時間内に花を活けて出来ばえを競う"花いけバトル"に情熱を注ぐ男子たちのことです。

部活を見学させていただいた時は、実際に5分間の花いけバトルをしていました。

全体のバランスを見極めつつ花材を選び作品を仕上げていく、という作業を短時間で行います。見学している生徒たちからは、アドバイスやエールなどの声がけが入ります。勝敗は作品の出来で判断され(細かいルールがあり、減点などもあるようですが)、下級生が上級生に連勝する、というドラマもあり、その様子はなんだかスポーツのようでもありました。

そして、書道

部員は現在2名ですが、他校の書道部とのコラボレーションによる書道パフォーマンスにも取り組むなど、精力的に活動しています。書道パフォーマンスは、大きな筆を使って数メートルもある大きな紙に、音楽に合わせて動きながらその歌詞やメッセージなどを書くのだそうです。

文化祭や全国大会などでパフォーマンスを披露していましたが、2020年はできませんでした。大勢の人の前でパフォーマンスできる日が戻ることを待ちながら、そして、新入部員の加入も待ちながら、活動を続けています。

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今回の展示では、部活に打ち込む姿にメッセージをのせたポスターと、書道や生け花に関連する図書を展示しています。

ポスターは、この展示のために制作されたものです。力強い文字がひと際目を引きますね。

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また本日、展示にご協力いただいた正則学園高等学校の萩原先生(写真左)、鳴海先生(写真右)、小嶋先生が千代田図書館に来てくださいました!

先生方、ありがとうございました。

「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」は、3月にも開催します。

図書委員会の活動紹介美術部の作品などの展示を予定しています。

ぜひご覧ください。

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展示「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」

正則学園高等学校 花いけ男子×書道

【展示期間】 開催中~2021年1月31日(日曜日)

       休館日:1月23日(土曜日)~25日(月曜日)

【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

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Posted at:17:40

学校支援担当司書に聞きました!ブックリスト作成のヒミツ


千代田図書館の学校支援担当司書が夏休みと冬休みに発行している子ども向けのブックリスト「おはなしトレイン」「BOOK TRAIN」

「おはなしトレイン」乳幼児向け小学生向け「BOOK TRAIN」中学生向けに選書し区内の園児・児童・生徒の皆さんに配っているほか、千代田図書館で行う展示も毎回好評いただいています。

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こちらは今年の夏休み期間の展示のようす。

館内でこの展示を見かけると、「夏休み/冬休みの時期だな」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、このブックリストを作成している学校支援担当司書に、リストの完成までの過程や本選びのコツを聞いてみました!


ブックリストの本が選ばれるまで

学校がお休みの間の読書を児童・生徒の皆さんに楽しんでもらうため、小学生向けの「おはなしトレイン」は2008年から、「BOOK TRAIN」は2012年から発行を始めました。

リストに載せる本を選び始めるのはおよそ2か月半前から。11人いる学校支援担当司書全員がおすすめの本を持ち寄ることから始まります。

はじめに集められる本は、リストに載せる数の4~5倍になる場合もあるのだとか!

持ち寄られた本には推薦した司書がおすすめコメントを書いたしおりを挟んでおき、別の司書が本を読んだらそこにコメントを書き加えていきます。

こうして一冊一冊に目を通し、最終的にリストに載せる本が2~3回の会議を経て選ばれます。

もうすぐ発行される「2020年冬号」には、全部で21冊の本が選ばれました♪

本を選ぶポイントとは?

ブックリストに載せる本を選ぶポイントは「長く読み継がれてきた名作」「これからロングセラーになりそうな新刊」「季節に合う本」「絶版になっていたが復刊した本」などさまざまです。

学校支援担当司書が区内の支援先で接するさまざまな年代の子どもたちの顔を思い浮かべながら「あの子たちはこんな本が好きかな?」「この年代の子どもたちはこんな本を喜んでくれるかな?」と、本を選んでいるそう。

また、本を選ぶうえで欠かせないのは日ごろの情報収集です。

書店の新刊おすすめリストやウェブサイトはもちろん、千代田図書館やそれぞれの学校図書館の新着図書が並ぶ書棚も日々チェックしています。

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司書が愛用していて保護者の皆さんの本選びにも参考になりそうなのが、東京子ども図書館や子どもの本を多く刊行している出版各社が出している推薦図書のリストをまとめた本。

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千代田図書館であれば10階の「児童資料関連コーナー」にまとめられていますので、図書館で子どもの本を探すときは、ぜひここや新着図書の棚をご覧ください!思いがけない本との出会いがありそうです。

おすすめした本を手に取ってもらう喜び

さて、「おはなしトレイン」「BOOK TRAIN」づくりは本を選ぶだけではまだ終わりません。今度はすべての本におすすめの文章、レビューを書いていきます。

乳幼児向けのリストでは保護者に、小学生・中学生向けでは子どもたちに向けて本のおすすめポイントがしっかり伝わるようレビューを書き、図書館内で何度もの確認を経てブックリストの完成です。

各教育施設に配布した後、図書館には「おはなしトレイン」「BOOK TRAIN」を手にやってくる子どもたちの姿が見られることも。学校が夏休みや冬休みの期間中に千代田図書館で行う展示でも、毎回多くの方に展示図書を利用いただいています。

また、区内の各学校図書館でも「おはなしトレイン」「BOOK TRAIN」の特集展示を行い、児童・生徒はもちろん先生方にも本を手に取っていただいています。

今回の展示もどうぞお楽しみに!

「おはなしトレイン」「BOOK TRAIN」の展示といえば、毎回工夫の凝らされたかわいい装飾も楽しみの一つ!こちらも展示担当の司書がテーマを決めて、ブックリストづくりと並行して準備を進めています。

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最後に少しだけ準備のようすをお届けします。

今回のテーマは何でしょうか?

展示はいよいよ12月14日(月曜日)からスタート♪ぜひ、お楽しみに!

Posted at:10:00

【レポート】本と出会う 読書サロン 第20期オープニングイベント
「講演会『本屋として生きるということ』」

本を通じた交流の場として「読書の会」が主催で行う「本と出会う 読書サロン」を、千代田図書館で定期的に開催しています。1冊の本について語りあう読書会とは違い、テーマに沿った本を各メンバーが選んで持ち寄り紹介しあうのがこの会の特徴です。

今回は、10月から始まる第20期のメンバー募集を兼ねたオープニングイベントとして開催した講演会「本屋として生きるということ」の様子をご紹介します。

ゲストは、東京・谷中にある書店ひるねこBOOKS店主の小張隆さん


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ひるねこBOOKS開店までの経緯や日々のお仕事、様々な取り組みなどについてお話いただきました。

まずは、お店を開く前のお話から。

小張さんは大学卒業後、児童書を扱う出版社に営業職として勤務されていました。営業といっても、ただ自社の出版物だけを売っていればよいというものではなく、営業先の学校や施設等ではどのような児童書が揃っているかなど事前に下調べをし、場合によっては他社の本をおすすめすることもあったといいます。そうして『怪談レストラン』などのヒットシリーズや『おしいれのぼうけん』などのロングセラー作品に携わり手応えを感じる一方で、「自分がいいなと思った本を手渡していきたい」という思いが強くなっていったのだそうです。

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30歳を迎えた頃に「このままでよいのだろうか」という気持ちがふくらんできたこと、沖縄の本屋さんで手にしたチラシとの出会いなどに後押しをうけ、出版社を退職後、谷根千の愛称で親しまれる谷中にお店をオープンしました。

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トークの中では、日々のお仕事のほかに街の中で書店を営む魅力も語ってくださいました。

私たち千代田図書館も「千代田ゲートウェイ」をコンセプトの1つに掲げ、地域の情報や魅力を発信する活動を行っています。なんだか共通点を見つけられたみたいで、励みになります。

小張さんが繰り返し伝えていたのは、「本屋はメディアだ」ということ。

ただ本を売るだけではなく、積極的に社会に対して問いかけていったりアクションを起こしたりすることも大切だと考えているとのことです。そのひとつとして、SNSなどの発信にも力を入れています。実際に、ひるねこBOOKSのSNSを見て今回の講演会に足を運んだという方が多くいらっしゃいました。

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ひるねこBOOKS ホームページはこちら

Twitter/Facebook/Instagram アカウント @hirunekobooks



最後は質問コーナー。会場にいる方々からの質問に、時間の許す限りお答えいただきました。

皆さんから集めた質問カードをチェック。

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「お店を開いて後悔したことは?」との質問に対して、「後悔とは違いますが...」と前置きしつつ「本を読まない人がこんなに多いんだ」という回答に笑いが起きるなど、終始なごやかな雰囲気の中、イベントが終了しました。

「人って、いろんなものでできている。そのときどきで、その人に合うものを提供できれば」と語る小張さん。地域で暮らす人々や本の作り手など様々な人と関わる本屋という仕事の魅力を知ることができました。

小張さん、ありがとうございました。

第20期「本と出会う読書サロン」は、10月~2021年3月の毎月第3火曜日、午後7時から開催します。第20期各月のテーマは10月「肉」、11月「果物」、12月「魚」、1月「野菜」、2月「米」、3月「菓子」に関する小説・エッセイ。興味のあるテーマの回だけ、といった参加も可能です。気になる方は見学だけでもしてみませんか?

まずはメンバー登録をどうぞ。→詳細はコチラから

Posted at:10:10

【レポート】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー
「本の街 スポーツの街」編

今回は、9月12日(土曜日)に開催した千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「本の街 スポーツの街」編の様子についてお伝えします。


毎年、春と秋の年2回開催しているこのイベント。

春は残念ながら開催を見送りましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策をとりながらも楽しんでいただけるよう検討を重ね、この度の開催となりました。

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千代田図書館での第1部トークショーのゲストは、ノンフィクション作家の野地秩嘉さん

2011年に刊行した著書『TOKYOオリンピック物語』(小学館)を中心に、オリンピックが日本にもたらしたレガシー(開催国・都市における有益な社会的遺産)についてお話しいただきました。

1964年の東京大会は、新幹線首都高速などの交通機能や、絵のみで案内表示を行うピクトグラムなど、現在も社会に大きな影響を持つレガシーが多く残された大会だったと野地さんは言います。

なかでも、世界中に鮮烈な印象を与えたシンボルマークと公式ポスターをデザインした亀倉雄策や、各国の選手たちの食事を一手に引き受ける選手村の調理システム作りに奔走した帝国ホテルの村上信夫シェフなど、東京大会の影の立役者となった人々のお話を、執筆時の取材エピソードとともにお聞きすることができました。

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来年開催予定の大会では、どんなレガシーが生み出され、後世に残っていくのでしょうか?

トークの最後には、会場の盛り上がりに欠かせない音楽や、インターネット配信、スポーツマーケティングなど、野地さんが注目する次のレガシーについてお話しいただきました。

この話題については、現在Webメディア「みんなの試作広場」で連載中の「TOKYOオリンピック2020と技術レガシー」でも読むことができますので、ぜひご覧ください。

野地さん、ありがとうございました!

トークショーの後は千代田図書館を出発し、第2部の街歩きに出かけます!

千代田区役所庁舎の斜め向かいにあるかがやきプラザの建つ場所は千代田区役所の旧庁舎があったことで知られますが、日本の体育教育にゆかりのある場所でもあることはあまり知られていないのではないでしょうか?

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じつはこの場所には、明治33~37年まで日本体育大学の前身である日本体育会体操学校がありました。

図書館近隣の意外なエピソードをご紹介した後は、1964年に建設され、この夏改修を終えたばかりの日本武道館の屋根を眺めながら内堀通りを進みます。

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神保町に差しかかり、古書店が多くなってきました。神保町交差点は1964年大会の聖火ランナーが走ったことで知られるスポット。当時の写真をお見せしながらお話ししました。

ここから靖国通りをもう少し進むと、神田小川町のスポーツ用品店街につながります。

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ツアーの一行は神保町の細い路地を抜け、スポーツに関する古書を多く扱うビブリオへ。

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お店のウインドウには、スポーツイベントの年代物ポスターや選手のサイン色紙がズラリ。ビブリオには本だけではなく、スポーツに関するグッズや資料が多く並んでいます。

最後は「小学館ギャラリーBH 本と街の案内所」に到着。後半は雨になってしまいましたが、無事に終えることができました。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

今回の神保町ツアーで巡ったのはこちらのコースです。
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大きな画像を見る(PDF:398KB)

Posted at:14:10

【レポート】夏のわくわく課外授業2020 ②総合「調べる学習にチャレンジ!」

前回にひきつづき、「夏のわくわく課外授業」の様子をお伝えします。

前回のレポートはこちら


8月5日(水)に、日比谷図書文化館で総合「調べる学習にチャレンジ!」を実施しました。

講師は全国学校図書館協議会 学校図書館スーパーバイザー藤田利江さんです。

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"総合"とは「総合的な学習の時間」。1998年に行われた学習指導要領の改訂に伴って導入された教育課程です。探求的なものの見方・考え方を働かせながら横断的・総合的な学習に取り組み課題解決へとつなげていきます。文字にして説明しようとするとなんだか難しそうですが、「なぜ?」を見つけることが今回の授業でいちばん大事なポイント。虫のこと、宇宙のこと、動物のこと...自分の興味のあることならなんでもOK!教科の枠は考えずに、まずは自分が知りたいことを発見しましょう。

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知りたいことが決まったら、さらに疑問を考えます。

疑問を紙に書き出したら、その答えをさがします。さあ、ここでの出番です。用意された百科事典などの参考図書を使って調べます。答えが見つかるかな?

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藤田さんやアシスタントの平岡さんにも手伝ってもらいながら、参考資料を読み込みました。

答えを見つけたら、カードにその答えを書きうつします。

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そこでひとつポイント。

書いてあったことには「 」をつけること。また、その答えが載っていた本のタイトルとページ数も忘れずに。本の引用をするときのルールも、あわせて学びます。

材料がそろってきたら、最後の仕上げ。テーマ、調べたこと、見つけた答え、感想などを1枚の紙にまとめていきます。余白には絵を描いてみるのもいいですね。

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疑問を見つけてから1つの紙にまとめるまで、およそ90分間。ここまで仕上げることができました!

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みんな、限られた時間の中とてもがんばりました。

書き足りないところは、夏休みの間に完成させてくださいね。もっと調べたいことが出てきたら、ぜひ図書館を利用してください♪

藤田さん、平岡さん、ありがとうございました!


8月31日(月曜日)から9月13日(日曜日)まで、千代田図書館9階の第2展示ウォール「夏のわくわく課外授業2020」の授業レポートと授業に関するおすすめ本を展示します。ぜひお越しください!

Posted at:11:15

【レポート】夏のわくわく課外授業2020 ①理科「地層から化石を取り出そう」

8月の訪れとともに梅雨も明けて夏本番!

読書振興センターでは、今年も夏の恒例イベント「夏のわくわく課外授業」を開催しました!

今回のブログでは、8月3日(月)に日比谷図書文化館で行った理科「地層から化石を取り出そう」の様子をお届けします♪

講師は、千代田区内にある城西大学 水田記念博物館大石化石ギャラリー学芸員の宮田真也さんと、博物館企画統括の髙橋謙輔さんです。

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「皆さんは、化石といえば何を思いうかべますか?」と宮田さん。すぐに子どもたちから「恐竜!」「アンモナイト!」と声が上がりました。

本や映画などで誰もがきっと見たことのある化石ですが、そもそも化石って何でしょう?というところから今日の授業は始まります。

化石とは、生物が生きていた痕跡

その生物はどのくらい前に生きていたものなのか?どんな場所に住んでいたの?どんな気候の土地だった?

取り出された化石はどんな生き物だったのかを知ると、その化石が出てきた地層の年代や地層が積もった環境を知ることができます。

さて、ここで髙橋さんからクイズ!進化の反対ってなんだ?」

「退化?」という声が多く聞こえてきましたが、正解は......「絶滅」です。進化とは、生き物が長い時間をかけてその形や暮らし方が変化すること。機能が失われたり形を変えたりすることを指す退化も、進化のひとつであるといえます。絶滅して命が絶えてしまったら、その先で進化することはできなくなるのです。
「だからみなさん、がんばって生きのびましょうね。」(宮田さん)

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化石について学んだら、いよいよ化石を取り出す体験の始まりです!

ハンマーやマイナスドライバーなどを安全に使って化石を割るため、自分と周りの人を守る準備はしっかりと。

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今回は、栃木県那須塩原市の塩原層群宮島層という約30万年前のカルデラ湖の堆積物からなる地層のなかから植物化石を見つけます。

約30万年前といえば、近年話題の「チバニアン」に区分される時代です。


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「植物の他に、もしかしたら虫やカエルなどの生き物も見つかるかもしれません」という先生のことばを聞き、期待が高まります。

どんな化石が出てくるのでしょうか?配られた原石の側面にみえる地層のきれいな横縞に沿って、さっそく割ってみましょう!

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安定しない形の石を割るのに始めは苦戦していた子も、だんだんと上手に。

地層の中から、木の葉の化石が出てきました!

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化石になっても葉の形や葉脈がくっきりと見え、とてもきれいです。同じ地層の中から、何種類もの違った形の木の葉の化石を取り出すことができました。

化石を見つける上で重要なことは「気づき」です。

木の葉の形が現れなくても、割った断面をルーペで拡大して「これは何?」「もしかしたら生き物かも!」と観察するのも、とても楽しい体験でした。

参加者のみなさん、割った原石は持ち帰ってまだまだ地層の観察をしてみてくださいね!

宮田さん、髙橋さん、ありがとうございました!

Posted at:14:55

千代田区の子どもたちが選ぶ「大切な本・忘れられない本」~中学生編~

前回のちよぴたブログでは、昨年11月に千代田図書館 読書振興センターが行った「第5回千代田区子ども読書調査」より、千代田区の小学生が選んだ「大切な本・忘れられない本」のうち、回答が多かった本や千代田区立図書館に所蔵がある本をご紹介しました。

小学生が選んだ「大切な本・忘れられない本」はこちらから



今回は同じく「第5回千代田区子ども読書調査」で、中学生が選んだ「大切な本・忘れられない本」をご紹介します!

本の詳しい情報は、書名をクリックしてご覧ください。



中学生の「大切な本・忘れられない本」

「大切な本や忘れられない本がありますか?」の問いに、「ある」と回答した中学生は65.3%

多い本には十数票が寄せられた小学生の調査結果とは異なり、じつに多種多様な本の回答がありました。



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『ねないこ だれだ』

せなけいこ/さく・え

福音館書店


小学生と同じく、家や幼稚園、保育園などで身近な大人に読んでもらった体験が印象に残っている生徒も多いようで、この他にも『100万回生きたねこ』(佐野 洋子/作・絵、講談社)、「おさるのジョージ」シリーズ(M.&H.A.レイ/著、福本友美子/訳、岩波書店)の名前もあがりました。



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『はてしない物語 上』

ミヒャエル・エンデ/作、上田真而子・佐藤真理子/訳

岩波書店




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『すえっこОちゃん』

エディス・ウンネルスタッド/作、下村隆一・石井桃子/訳

ルイス・スロボドキン/画

フェリシモ



子どもから大人までワクワクさせてくれる世界の児童文学もやはり人気です。

また、一度読み始めたら止まらないYA(ヤングアダルト)のシリーズものについても、多くのタイトルがあがりました。



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『都会(まち)のトム&ソーヤ 1』

はやみねかおる/著

講談社



この他『十二国記』シリーズ(小野不由美/著、新潮社)や『アルスラーン戦記』シリーズ(田中芳樹/著、KADOKAWA)、『テメレア戦記』シリーズ(ナオミ・ノヴィク/著、ヴィレッジブックス)なども人気がありました。大人の皆さんも、これをきっかけに手に取ってみてはいかがでしょうか?

ほかにあげられたヤングアダルト作品はこちら。



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『怪物はささやく』

シヴォーン・ダウド/原案、パトリック・ネス/著

池田真紀子/訳、ジム・ケイ/イラストレーション

あすなろ書房



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『中学生までに読んでおきたい哲学 2 悪のしくみ』

松田哲夫/編

あすなろ書房



中学生や高校生の時に教科書で読み、今でも大切な一冊になっているという大人も多い日本文学の作品も多く寄せられました。

梶井基次郎の『檸檬』、『人間失格』(太宰治/作、岩波書店)や『父の詫び状』(向田邦子/著、文藝春秋)など。



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『檸檬』

梶井基次郎/著、富田彩子/写真

PHP研究所




最後にご紹介するのは話題のベストセラー。2018年の本屋大賞を受賞した『かがみの孤城』をはじめ、映像化されたライトノベルや漫画まで入れるときりがないほど、たくさんの本が集まりました。



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『かがみの孤城』

辻村 深月/著

ポプラ社



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『ふたご』

藤崎彩織/著

文藝春秋



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『仮面病棟』

知念実希人/著

実業之日本社






今回ご紹介したのはほんの一部。千代田区の中学生の皆さんが、日頃から多くの本に触れていることを実感できました!

「第5回千代田区子ども読書調査」結果の詳細はこちらからご覧ください。

Posted at:13:00

千代田区の子どもたちが選ぶ「大切な本・忘れられない本」~小学生編~


千代田図書館 読書振興センター
では、千代田区立小学校・中学校に通う子どもの読書の状況や変化を把握し、今後の読書活動推進に関する施策に活用するため「千代田区子ども読書調査」を行っています。

今回のちよぴたブログでは、昨年11月に行った「第5回千代田区子ども読書調査」より、千代田区の小学生・中学生が選んだ「大切な本・忘れられない本」のうち、回答が多かった本や千代田区立図書館に所蔵がある本をご紹介します。

「大切な本や忘れられない本がありますか?」の問いに、「ある」と回答した小学生は75.4%

今の子どもたちはどんな本が好きなのでしょうか?大人の皆さんも子ども時代にきっと好きだった名作や、最新刊が次々と出版される人気のシリーズなど数多くのタイトルが寄せられました。

本の詳しい情報は、書名をクリックしてご覧ください。

小学1~3年生の「大切な本・忘れられない本」

小学校低学年では、入学前に家族などに読んでもらったと思われる絵本や読みもの、小学3年生の国語の教科書に載っている『ちいちゃんのかげおくり』を挙げる子どもが多く見られました。

また、本を読みながら冒険や謎解きが楽しめる「かいけつゾロリ」シリーズや「おしりたんてい」シリーズも大人気でした。

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『ちいちゃんのかげおくり』

あまんきみこ/作、上野紀子/絵

あかね書房

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『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』

原ゆたか/さく・え

ポプラ社

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『おしりたんてい』

トロル/さく・え

ポプラ社

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『いやいやえん』

中川李枝子/さく、大村百合子/え、子どもの本研究会/編集

福音館書店

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『若草物語 上』

ルイザ・メイ・オルコット/作、海都洋子 /訳

岩波書店



小学4~6年生の「大切な本・忘れられない本」

小学校高学年になると、大人が読んでも楽しめる国内外の読みものが多く挙げられるようになります。『ぼくらの七日間戦争』の初版は1985年、『エルマーのぼうけん』日本版の初版は1963年!記憶に新しい『ハリー・ポッターと賢者の石』も、日本での初版は1999年です。
長く読まれている本が子どもたちにも根強い人気を誇る背景には、やはり保護者の皆さんや学校図書館司書など、子どもたちの周りの大人の影響も大きいのではないでしょうか?

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『ぼくらの七日間戦争』

宗田理/作

ポプラ社

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『エルマーのぼうけん』

ルース・スタイルス・ガネット/作

福音館書店

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『ハリー・ポッターと賢者の石』

J.K.ローリング/作、松岡佑子/訳

静山社

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『ハチ公物語-待ち続けた犬-』

岩貞るみこ/作、真斗/絵、田丸瑞穂/写真

講談社

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『ワンダー』

R・J・パラシオ/作、中井はるの/訳

ほるぷ出版



「第5回千代田区子ども読書調査」結果の詳細はこちらからご覧ください。

次回は「中学生」編をお送りします!お楽しみに♪

Posted at:17:30

ふたたびお会いできる日を待ちながら
~写真でふりかえる「ことばと音のフェスティバル♪」~

春。新しい季節は、いつもだったら活発に動きまわる日々を過ごしていたのに、今年はいつも通りとはいかない状況になってしまいました。

千代田区立図書館は現在、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言をうけ、5月31日まで休館し、イベント等も中止しています。(状況により期間変更になる場合あり)

毎年、こどもの読書週間(4月23日~5月12日)に行うイベント「ヨムキクちよだ」も、今年の開催は中止いたします。楽しみにしてくださっていた方々には、たいへん申し訳ありません。


そこで今回は「ヨムキクちよだ」復習編!イベントのひとつ「ことばと音のフェスティバル♪」のこれまでを特集します。


「ことばと音のフェスティバル♪」
はその名の通り、赤ちゃんから大人まで、皆さんにことば音楽に親しんでもらうイベントです。これまで様々なゲストがことばと音楽のコラボレーションを届けてくれました♪

2019年から2016年までをさかのぼって各回の様子をふりかえりつつ、イベントに関連した図書もあわせてご紹介します。

イベントの詳しいレポートは、各回のタイトルをクリックしてご覧ください。


2019年5月3日開催 「アルケミストのうたをつむぐコンサート」


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ボーカルとピアノの2人組 アルケミストと、ボイスパーカッションの渡辺悠さんをお迎えしてお送りしたコンサート。客席から募集した3つの言葉をもとに即興で歌・ピアノ・ボイスパーカッションを合わせ、その場で一曲を作り上げるコーナーは大盛り上がり!

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パウロ・コエーリョの小説『アルケミスト- 夢を旅した少年』からユニット名をつけたアルケミストには、文学作品から生まれた曲もたくさん演奏していただきました。


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『アルケミスト- 夢を旅した少年』

パウロ・コエーリョ/著

山川紘矢、山川亜希子/訳

地湧社




2018年4月28日開催 「よみしばい『モモ』」


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シアターオルト
の皆さんによる「よみしばい『モモ』」を上演。"よみきかせ"の気軽さと"おしばい"の迫力を組み合わせたスタイルの演劇で、世界中で愛されているミヒャエル・エンデの名作が区民ホールに登場しました。


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公演前のワークショップでみんなが作った風船のお花が、物語の最後に登場!参加型のお芝居に、子どもも大人も引きこまれました。


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『モモ』

ミヒャエル・エンデ/作

大島かおり/訳

岩波書店



2017年5月3日開催 「チリンとドロンの 世界のわらべうたと絵本のコンサート」


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うたとコントラバスのデュオ、チリンとドロンが登場!操り人形や様々な楽器を織り交ぜながら、世界中のわらべうたをたくさん演奏していただきました。

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ふしぎな言葉のリズムが楽しい絵本『ぱぽーぺぽぴぱっぷ』の読み聞かせも。


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『ぱぽーぺぽぴぱっぷ』

谷川俊太郎/文

おかざきけんじろう/絵

クレヨンハウス




2016年5月1日開催 「親子で楽しむ!はじめてのジャズ」


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千代田区内にある正則学園高等学校 ビッグバンド部の皆さんと、千代田図書館の司書とのコラボ公演!息がぴったりの演奏、それぞれのソロが決まった後は温かい拍手が起こりました。


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小さな子どもも聞きなじみのある「きらきら星」やジャズのスタンダードナンバーの演奏と組み合わせて、司書が絵本『つきよのおんがくかい』などを読み聞かせしました。


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『つきよのおんがくかい』

山下洋輔/作

柚木沙弥郎/絵

福音館書店



今回の中止はとても残念ですが、次回の開催までにしっかりと準備をしておこうと思います!どうかそのときまで楽しみに待っていてくださいね♪

Posted at:17:00

日比谷図書文化館コンシェルジュが千代田図書館のガイドツアーを体験!


「ちよぴたブログ」では、千代田図書館のコンシェルジュと日比谷図書文化館の受付コンシェルジュが月替わりで「コンシェルジュ通信」を書いています。

各館の最新情報コンシェルジュおすすめの街情報などをお届けしている「コンシェルジュ通信」。千代田図書館と日比谷図書文化館それぞれの特徴や違いを、ブログ記事を通して感じていただけているのではないでしょうか。

今日は、日比谷図書文化館の受付コンシェルジュの皆さんが千代田図書館へ来館。

お互いの業務を知る一環として、千代田図書館コンシェルジュが行っている「館内ガイドツアー」を体験いただきました!

「館内ガイドツアー」は、千代田図書館の機能コンセプトや特徴を知っていただくために行っています。

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千代田図書館では調査研究ゾーン一般開架ゾーンなどを設けています。

勉強やお仕事の調べものをしたい時は参考資料やビジネス図書が揃う調査研究ゾーン、ゆっくりと読書を楽しみたい時は北の丸公園を見下ろす一般開架ゾーンと、ご来館の目的に合わせてお使いいただけます。

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施設や各資料のコーナーの説明に加えて、現在館内で行っている展示についても詳しくご紹介。

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千代田図書館のコンシェルジュブースには、コンシェルジュが自ら作成しているグルメファイルがあります。

新刊書店や古書店、出版社が並ぶ"世界一の本の街"神保町には、カレー店や喫茶店が多数あります。古書店巡りや街歩きの参考にして下さる利用者も多いグルメファイルは、神保町古書店街の近くにある千代田図書館ならではの取り組みです。

各館が持つ特徴や機能にあわせて、千代田と日比谷それぞれのコンシェルジュは様々な仕事をしています。ガイドツアーの体験は、千代田図書館の取り組みを知っていただくよい機会になりました。

この「館内ガイドツアー」は、千代田図書館に来館の方はどなたでもご参加いただけます。

所要時間は20~30分、コンシェルジュのいる時間帯でしたら受付できますが、団体でご参加の場合は事前にご予約ください。

詳しくはこちらのページをご覧ください

Posted at:18:10

【レポート】出張ブックトーク講座 ~麴町学園女子中学校~

こんにちは。

皆さんは「ブックトーク」を知っていますか?簡単にいうと、あるテーマに沿って数冊の本を順序立てて紹介することで、ブックトークを聞くひとに本の魅力を伝え、手にとるきっかけを与えるものです。

今回は、千代田図書館の学校支援担当司書が区内の学校で出張ブックトーク講座を行った様子をお伝えします。


講座は、麴町学園女子中学校1年生の皆さんに行いました。

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本日の講座の流れを説明したのちに、司書によるブックトークの実演をします。

アイルランド」をテーマに、2冊の本を紹介しました。これは、生徒の皆さんに課題として設けられているテーマと同じです。

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テーマの「アイルランド」は、修学旅行の訪問先。「アイルランド」をテーマにしたブックトークを授業で採り上げることにより、本に親しむだけでなく、アイルランドへの理解を深めることへも繋がります。

約5分間のブックトークを、みな熱心に聞き入っていました。

実演がおわると、本の探し方やブックトークをどう組み立てていくかなどの講義に移ります。

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実際に紹介するときにはどのくらい本の内容を伝えたらいいの?2冊目の本は、どうやって紹介する?などトークを組み立てるときに考えたいポイントを整理します。また、司書ならではの図書館での本探しのコツも伝えます。生徒と一緒に講座を聞いていた先生方も、メモを取りながら頷いていました。

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いろいろな点を意識すると難しく思えてくるブックトークですが、大切なのは紹介する本に興味を持ってもらうこと。

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聞いている人に『この本を読んでみたいな』と思わせるのがブックトークのねらいです。自分のことばで発表することが大事ですよ。自分らしいブックトークを作ってくださいね。」

というメッセージで今回の講座は終了しました。


講座終了後「さっきのブックトークの本が気になる」と声をかけてくれたので、少しだけ本を開いておしゃべりしました。紹介した本の魅力が伝わったようで、うれしいです♪

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麴町学園女子中学校の皆さん、ありがとうございました。

ブックトークを楽しんでくださいね!

Posted at:11:30

読書のおともに♪オリジナルしおりをつくりました

2020年がスタートしました!

読書振興センターは今年も、本にまつわるお話や、まち情報などをお伝えするとともに、皆さんの読書がちょっと楽しくなるような活動にも引き続き取り組んでまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。


実はさっそく、この冬に始めたことが。

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ちよぴたブログ オリジナルしおりです!

昨年末から、千代田図書館内で配布しています。


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読書振興センターのスタッフがデザインしました♪

(色や内容は時期によって変わる予定です)

自動貸出機の近くや・・・

 

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サービスカウンターなどに設置。

 
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コンシェルジュブースにもございます。

どうぞお気軽にお立ち寄りください。


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読書のおともに、ぜひご活用ください!

Posted at:16:00

【レポート】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー
「古書店街にみる時代の移り変わり」編


12月7日(土曜日)、千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「古書店街にみる時代の移り変わり」編を開催しました!

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毎回様々なテーマで街の魅力をご紹介している神保町ツアー。21回目となる今回は、フリーライターの岡崎武志さんを第1部のゲストにお迎えしました。

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神保町をはじめ全国の古書店についての著書も多く、"古書店通"として知られる岡崎さん。東京に住み始めたのは1990年ですが、10代の終わりごろから神保町古書店街には、関西から何度も「遠征」をしていたそうです。

現在、およそ160店の古書店が集まる"世界一の本の街"神保町。この古書店街のなりたちをお話しいただく中で岡崎さんが引用したのは、茨木のり子の詩集『鎮魂歌』(思潮社、1965年刊行)に収められた詩「本の街にて―伊達得夫氏に―」

多くの詩集や詩誌「ユリイカ」を発刊した、出版社書肆ユリイカの経営者で編集者の伊達氏に捧げられたこの詩の中に、書肆ユリイカが小さな事務所を構えていた神保町の様子が描かれています。

書肆ユリイカの他にも、1960~70年代には漫画雑誌「月刊漫画ガロ」の出版社青林堂や現在も続く美術の私塾美学校など、新しい文化が神保町から生まれていきました。

「こういう新しい文化が集まってきたのは、やはり神保町が"本の街"だったからじゃないでしょうか」と岡崎さん。

また、古書店になじみのない方でも楽しめるように、神保町の店名をいくつも挙げながら古書店巡りの楽しみ方も教えてくれました。

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古書店のなかでも、特に好きだというのが店頭に並ぶ均一棚。この日持ってきてくださった本の中の1冊『名言随筆 サラリーマン(六月社)の著者は、当時新聞記者をしていた司馬遼太郎。1955年に本名の「福田定一」で書いたこの本は、現在は数万~数十万円の値がつけられることもある貴重な1冊で、岡崎さんはなんと均一棚でこの本を見つけたそうです!

このような掘り出し物はもちろん、他にも安く売られている20~30年前の旅行ガイドブックを見てはタイムトラベル気分を味わったり、まれに古書市で売られている誰のものかわからない日記帳を買い、読んで楽しんだり...。

「自分で面白がる気持ちがあると、本はもっと面白いです。古書店の棚から自分の読みたい本を探すこともいいけれど、冒険心を持って本を探すとさらに楽しくなりますよ」

古書の楽しみを、存分に語っていただきました。

岡崎さん、ありがとうございました!


第2部は図書館を出発し、千代田図書館コンシェルジュの案内で神保町古書店街へ!

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神保町の歴史的なスポットをご案内しながら、今回は2店の古書店に立ち寄りました。

1店目はSF、映画、ミステリーなど20世紀のサブカルチャーにまつわる本を多くそろえ、2階には「ブックカフェ二十世紀」もある@ワンダー
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2店目は、神田古書センタービル2階にある昭和期の漫画専門店で、本だけでなくたくさんの漫画関連グッズが手に入る夢野書店です。
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上の写真でスタッフが掲げているモノクロの写真は、1964年にこの辺りで撮られたもの。まだ神保町に路面電車(都電)が走っていた頃です。この年には、前回の東京オリンピックの聖火ランナーが靖国通りを走りました。

第1部の岡崎さんのトークでも話された書肆ユリイカは、老舗喫茶店ラドリオ、ミロンガ・ヌォーバが立ち並ぶこちらの路地に面した小さなアパートの2階にありました。神保町の歴史の香りが感じられる一角です。

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古書店街を歩き、すずらん通りの「小学館ギャラリーBH 本と街の案内所」でツアーは終了。

10月に台風の影響を受け中止となったための振替開催でしたが、無事に開催することができました。

ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!

今回の神保町ツアーで巡ったのはこちらのコースです。

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大きな画像を見る(PDF:253KB)

Posted at:17:00

100字で思いを伝えます!神田一橋中学校展示「好きな本を紹介!100字ポップ」


千代田図書館9階第2展示ウォールでは、千代田区立神田一橋中学校の2年生が国語の授業で作成した、100字ポップを12月10日(火曜日)まで展示中です。


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古典や小説、ノンフィクションやエッセイなど、さまざまなジャンルから自分の好きな本を1冊選び、その魅力を100字で紹介。手書きの文字から、本に対するいろいろな思いが伝わってきます。


この授業を担当した、神田一橋中学校の三谷先生が展示の様子を見に来られたので、急遽インタビューを敢行!100字ポップ作成のいきさつや、本や図書館に対する想いなどを聴くことが出来ました。

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そもそものきっかけは、文化祭で行われるビブリオバトルの準備として、まずは生徒たちが本を理解しその魅力を見つけるにはどのような作業ができるだろうかと考えたことだったそう。

そのヒントとなったのが、四番町図書館で行っていたコメントコンテスト。これは、四番町図書館の司書が選んだ10冊の中から好きな本を1冊選び、200字以内でおすすめコメントを書くというもの。(昨年の様子についてはこちら

「さらに思いを凝縮させるには・・・100字だ!」

ということで、100字ポップが生まれました。


作成過程での生徒の様子をうかがったところ、「本はすぐに選べたけれど、いざ書くとなるとなかなか思うように進めることができない子どもたちも多かった」そうです。

まず、何を書いたらよいかわからない。書いてみたら100字では収まらない...。そんな生徒には、先生が「キャラクターや作品の展開など自分のグッとくるポイントは何かを考えてみたらどうか」とアドバイス。すると、そこから核となる部分を見つけ出して書きだすことができ、個性豊かな100字ポップ49点が完成しました。

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ポップの横には「ペンリー」(神田一橋中学校図書館のゆるキャラ)


神田一橋中学校では読書の時間が設けられており、生徒たちは学校生活の中で本に親しむことを身につけていきます。今回作成した100字ポップは学校の文化祭でも展示され、その展示を見た生徒が紹介された本を借りたりするなど、生徒たちの新しい本との出会いにつながりました。


そんな子どもたちに本とのつながりを生んだ展示が、学校を飛び出して千代田図書館へ。

三谷先生は、生徒たちには学校の図書館だけでなくぜひ公共図書館にも行ってもらいたい、と思っているそうです。

「さまざまな世代の人が利用する公共の図書館には学校にはないジャンルの本もたくさん置いてあるし、そこから大人の世界を覗けたりできますよね」と、その魅力も楽しそうに語ってくれました。

「自分たちの作ったものが展示されているのはどんな場所だろう」と、この展示をきっかけに図書館へ足を運び、触れる本の世界の幅をどんどん広げていってもらえるとうれしいです。


さらに、三谷先生と図書館との思い出も聞いてみました。

じつは三谷先生は千代田区出身。小学生の頃からまちかど図書館によく通っていたのだとか。

「本が好きっていうよりも、図書館という空間が好きだったんですよね」

まちかど図書館は、学校とつながったところにあるのに、そこは学校じゃなくていろんな人がいて見たことのない本もたくさんある、なんだか不思議な場所。そのうち静かで集中できる図書館で過ごす時間は先生の日常になりました。

そして、大学受験のときには毎日のように千代田図書館に通っていたそうです。お気に入りの席も決まっていたみたいです。そういうエピソードを聞けるのはとてもうれしいです♪

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「せっかく"本の街"にいるのだから、子どもたちに本とのつながりをつくってあげたい」

と、にこやかに、ときに熱く語ってくれた三谷先生。

すてきなお話をありがとうございました!

そして、たくさんの思いが込められたこの展示をぜひご覧ください。

神田一橋中学校展示「好きな本を紹介!100字ポップ」

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【会 期】 開催中~12月10日(火曜日)

【場 所】 千代田図書館=9階 第2展示ウォール

【主 催】 千代田図書館 読書振興センター、学校支援担当

詳しくはこちら

Posted at:10:00

【レポート】本と出会う 読書サロン 第19期オープニングイベント「講演会『子どもの本の翻訳って?』」


千代田図書館では、本を通じた交流の場として「本と出会う 読書サロン」を年2期(6月~9月、12月~翌年3月)、「読書の会」主催で行っています。1冊の本について語りあう読書会とは違い、テーマに沿った本を各メンバーが選んで持ち寄り紹介しあうのがこの会の特徴です。

今回は、12月から始まる第19期のメンバー募集を兼ねたオープニングイベントとして開催した講演会「子どもの本の翻訳って?」の様子をご紹介します。


ゲストは、翻訳家のさくまゆみこさん

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これまで200冊以上の絵本・児童書などの翻訳を手がけてきたさくまさんに、まずは子どもの本を翻訳するということについてお話しいただきました。

一般に翻訳というと外国語を日本語に訳すパターンと、日本語を外国語に訳すパターンがありますが、さくまさんの主なお仕事は外国語(おもに英語)から日本語への翻訳。

外国語のスキルが必須なのはもちろんですが、原文で書かれていることをちゃんとした文章で子どもたちにおもしろく伝えるためには、日本語がとても重要になります。


翻訳に至るまでの流れから実際の作業についてお話いただく中で感じたのは、さくまさんは本との出会いをとても大切にしているということ。

「翻訳すべき本は、子どもにとって窓になる本であるように」

本を開くことが、日常と違うすばらしい景色を見られるものであってほしい。もしも嫌なことがあれば、本がそこから逃れられる場所であってほしい。窓を開けるのは子どもだが、その窓を用意してあげるのが大人の役目であるとおっしゃいました。


また、翻訳の作業に要する長い時間の中で、その本に書かれた作者の思いを追体験することになるといいます。『路上のストライカー』(マイケル・ウィリアムズ/作、さくま ゆみこ/訳、岩波書店)や『ローザ』(ニッキ・ジョヴァンニ/作、ブライアン・コリアー/絵、さくま ゆみこ/訳、光村教育図書 )は、国や文化の違いはあっても日本の子どもたちの心にきっと届くものがあるはずだと感じ、翻訳に取り組んだというお話をしてくださいました。

後半には、「アフリカ子どもの本プロジェクト」についてのお話もありました。

さくまさんの著書『エンザロ村のかまど』をきっかけに発足したこのプロジェクトでは、ケニアにドリームライブラリー(子ども図書館)を作り、その運営を支えたり、日本の子どもたちにアフリカの文化や子どもたちのことなどを紹介する活動を行っています。

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『エンザロ村のかまど』

さくまゆみこ/文 沢田としき/絵

福音館書店


図書館の建物や、そこで本を読むこどもたちの様子などをスライドでご紹介いただきました。

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青空の下、ライブラリアンによる読み聞かせにたくさんひとが集まっています。読んでいるのはスワヒリ語に翻訳された日本の絵本。


最後に、この活動をきっかけに日本での翻訳・出版に至った本をご紹介いただきました。

タンザニアのポップアート「ティンガティンガ」の手法で描かれた動物たちの絵が鮮やかな絵本『なかよしの水 タンザニアのおはなし』。前作『ごちそうの木』とともに、スイスやドイツなど数多くの国で翻訳されている絵本です。

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『なかよしの水 タンザニアのおはなし』

ジョン・キラカ/作 さくま ゆみこ/訳

西村書店


1時間と、とても短い時間ではありましたが、翻訳の難しさや大変さ、そしてなによりもその仕事の喜びや楽しさがたっぷりと聞けた講演会でした。

さくまさん、ありがとうございました!


第19期「本と出会う読書サロン」
は、12月~2020年3月の毎月第3火曜日、午後7時から開催します。第19期各月のテーマは小説(12月「歴史」、1月「SF」、2月「ミステリー」、3月「恋愛」)。これらのテーマで、読書サロンのメンバーがどんな本を紹介するのか、気になる方は見学だけでもしてみませんか?

まずはメンバー登録をどうぞ。→詳細はコチラから

Posted at:16:00

【レポート】ランチタイムの日比谷公園で「Lunch Time Open Library」
開催中!

10月6日(日曜日)まで、日比谷公園では「HIBIYA Shibafu de café 2019」が開催されています。

日比谷図書文化館では、今日と明日金曜日の2日間「Lunch Time Open Library」としてこのイベントに参加しています♪

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Lunch Time Open Library

【日時】10月3日(木曜日)・4日(金曜日)

    午前11時30分~午後1時30分

※雨天中止



日比谷図書文化館をはじめ、千代田区立図書館各館で役割を終えた本(リサイクル本)を集め、芝生の上でランチやお茶を楽しむ皆さんに自由に本を手に取っていただけます。

小さな子どもも楽しめる絵本や紙芝居、小説にビジネス書、雑誌やビジュアル本まで幅広いジャンルのリサイクル本をご用意しました♪

気に入った本はご自由にお持ち帰りいただけます(無料)

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初日の今日は、気持ちのよい晴れ♪芝生を囲むバラの花壇も見頃です。

噴水広場にはお弁当やスイーツ、飲み物を売るキッチンカーが並んでいました。

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子どもと一緒にピクニックに来たお母さんたちや、ランチに立ち寄ったビジネスパーソンの皆さんに本を手に取っていただきました。

「図書館がこういう活動をしているのを初めて知りました!子どもが本好きなので、持って帰って読みたいと思います」という嬉しい声も。

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ゆっくり本をご覧になりたい方は、ランチタイム前後の時間帯がおすすめ。

都心のオアシス日比谷公園の、普段は足を踏み入れることのできない芝生の上でひと息つきませんか?

「Lunch Time Open Library」は、雨が降らなければ明日も開催しますので、ぜひお越しください♪

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「HIBIYA Shibafu de café 2019」の詳細については前回のブログでご紹介しましたので、こちらをご覧ください。

Posted at:14:15

【レポート】出張読み聞かせ講座「めざせ!読み聞かせマスター!」
~共立女子大学 編~

 

読書振興センターでは、情報発信やイベント・講座の開催などにより、子どもや子どもをとりまく大人の読書推進に取り組んでいます。

学校支援担当司書による読み聞かせ講座もそのひとつ。

今回は、その講座の様子をお伝えします!

 

 

学校支援担当司書は、普段は千代田図書館から区立小中学校やこども園などへ行き子どもたちや教員、保護者の読書活動を支えるのが主な仕事ですが、依頼をうけて講座の講師を務めることもあります。

本に親しみ、読書への関心を高めるきっかけとして、子どもたちに絵本の読み聞かせにチャレンジしてほしいという思いもあり、2015年より千代田区にある小学校から高校を対象として出張読み聞かせ講座を行っています。これまでに講座を受けた学校では、小学校の朝読書の時間や高校の文化祭などで実際に読み聞かせを実践しているそうです。講座がその後の活動に結びついていると聞くと、私たちもとてもうれしいです♪

今回もまた依頼を受けて出張した先は・・・共立女子大学

いつもの講座は高校生までを対象としていますが、千代田区立図書館との連携がきっかけとなり今回の講座が実現しました。

 

 

集まったのは、共立女子大学・短期大学の学生図書委員会のみなさん。

ウォーミングアップをかねて、最初に講師による絵本の読み聞かせが披露されました。

 

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「自分が読み聞かせをしてもらうのはひさしぶり」

と懐かしみながら、みなさん楽しんでいました。

 

みんなで読み聞かせを味わったら、レクチャー開始。

講師が見本をみせながらポイントを確認していきます。

 

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読むときのポイントは、第一に全員にしっかりと届く声で読むこと。大きな声で読むことが基本です。また、スピードに気をつけること。緊張していると、つい早口になりがち。でも、絵本はあらすじだけでなく絵も楽しむもの。じっくりと絵も楽しめるペースをこころがけます。そのほかに、本の持ち方ページのめくり方にも気を配ります。注意するポイントがたくさん…なかなか奥が深いです。

 

ポイントは、読み方だけでなく本の選び方にもあります。

まず大前提としては、自分の好きな本を選ぶこと。その上で気をつけたいことは、距離があっても楽しめるものになっているかどうか。小さいものや細かい絵だと、遠くからよく見えません。本や絵の大きさ、シンプルな絵や、遠くからでもはっきりと見える絵を選ぶとよいです。

それでも本選びに迷ってしまったら、ベストセラーよりロングセラーをおすすめします。いま人気がある本もよいけれど、長く愛されているロングセラーの本を手にとってみてください。

 

今回の対象は大学生ということもあり、いつもよりも少し踏み込んだ内容も織り交ぜながら講座を進めます。学齢別のおすすめする絵本の傾向についての解説なども行いました。

そうしてひととおり座学をおえたところで、実践開始!

少人数のグループに分かれて、交代で読み聞かせの練習をします。

 

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なかなか本をまっすぐに持ちつつ読む、ということがむずかしいようです。

そこへ講師がアドバイス。

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読み聞かせの楽しさと難しさをみんなで体験したあとは、大型絵本を使った読み聞かせについてみんなで考えました。10月19日(土曜日)・20日(日曜日)に開催される学園祭 共立祭で、主に未就学児を対象に大型絵本の読み聞かせをするのだそうです。

 

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大型絵本の読み聞かせは2~3人のグループで行います。本を支える人・めくる人と読む人とに分かれるため、メンバー同士でタイミングを合わせることが必要になります。また、どこに立てばよいか、見やすい高さはどの辺りか、などの位置を考えることも重要。実際に読み聞かせを聞く側になってみるなど、実際に動きながら試していました。

 

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講座の終盤に設けられた質問の時間では、「絵本の中に節まわしが出てきたら、どういう音程で読めばいいですか?」など、読み聞かせ練習の体験の中から生まれた疑問の声がいろいろ出ました。

 

最後に、講師からメッセージ。

「できるだけ、大きな気持ちで楽しんで読んで。読み手がその絵本を楽しんでいることは、聞いている人にも伝わるもの。『上手に読もう』とガチガチになって読むよりも、楽しさが伝わってくる読み方のほうがずっといいです。あとはしっかり練習して、本の内容を自分の中に沁み込ませて、自分の身体からおはなしを伝えられるようになってくださいね。」

 

 

終始おだやかでアットホームな雰囲気の中行われた今回の講座。この雰囲気の中だったら、子どもたちもきっと安心して読み聞かせを楽しむことができるにちがいありません。共立祭が楽しみですね♪

共立女子大学・短期大学 学生図書委員会のみなさん、ありがとうございました!

Posted at:10:15

【レポート】夏のわくわく課外授業③
図工「図書館の"親切サイン"を作ろう」

夏休み恒例イベント「夏のわくわく課外授業」の様子を「社会」 「英語」とお伝えしてきましたが、いよいよ最後の科目のレポートです。

8月5日(月曜日)に図工「図書館の“親切サイン”を作ろう」を開催しました!

 

今回の先生は、本間由佳さん。

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明星大学デザイン学部で教鞭をとるほか、子どもが楽しみながら学べる教材の開発やデザインを手がけるなど、「学び」と「デザイン」のプロフェッショナルです。

 

この授業では、頭をいっぱい使っていろいろなことを考えます。

そのウォーミングアップとして、最初に紙タワー作りにチャレンジしました。

材料はA4サイズのコピー用紙5枚と、セロハンテープのみ。制限時間は5分。自立する、いちばん高いタワーを作った人が優勝です。

さっそくスタート!

 

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紙を折ってみたり、積み上げてみたり、みんないろいろと試行錯誤してタワーを作り上げます。出来上がったタワーは、形も高さもさまざま。同じ材料を使っているのに、ふしぎですね。

 

さあ、ウォーミングアップや自己紹介を終えたところで、本題に入りましょう。

図工のテーマは「図書館の“親切サイン”を作ろう」です。

まずは、サインについて考えます。サインとは「人々の行動のよりどころとなる情報を具体的なかたちで表したもの(※)」と定義づけられます。そして、「人々がよりスムーズに行動し、より快適に過ごし、より豊かに生活できるように、『サイン』をさまざまな角度から考えながら計画し設計すること(※)」がサインデザインです(※ 公益社団法人日本サインデザイン協会ホームページより引用)。

例えば、街中にあるトイレのサインもいろいろと種類があります。乳幼児用や身障者用、オストメイト用の設備を整えているというサインや、高齢者や妊婦やLGBTの人など年齢性別を問わず利用できるというサインなど、その街や施設を訪れるあらゆる人を想定して設置されています。

それはどんなもので、どんなひとが、どんなことに使うのか。

これらをヒントに、なにが親切なのかを考えていきます。

 

親切サインを考える前に、先生から今日のルールが発表されました。

 

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3つのルールを確認して、いよいよ親切サイン作りスタート!

かゆいところに手が届くような ちょっとした親切」を探しに、図書館内の調査にみんなで出かけました。図書館内については、コンシェルジュがいろいろ教えてくれます。

 

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基本的な情報を教えてもらったあとは、各自で調査。「ちょっと親切が足りないかな?」「こうしたら親切かな?」というポイントはどこにあるのでしょうか?

 

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気になることは、すかさずメモ。

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調査から戻ったら、アイデアスケッチをしてデザインを決めます。「これの場所がわかりにくいな」とか、「これの使い方を教えてもらったらもっと便利!」など、調査のときに感じたことをかたちにしていきます。

 

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いろんなひとの目線で、いろんな立場になって考えたサインが出来上がりました。

今回の授業では、何気なく図書館で過ごしていると気付かなかったことを考えるきっかけになりました。ここで考えたサインや調査での視点などにヒントをもらって、より親切な図書館を目指していきます!

本間さん、ありがとうございました!

 

9月2日(月曜日)から23日(月曜日)まで、千代田図書館9階の第2展示ウォールでは「夏のわくわく課外授業2019」3教科の授業レポートと授業に関するおすすめ本を展示します。

さらに期間中は、図工の授業で作成したサインを千代田図書館内に設置します。どこに、どんなサインが設置されるのでしょうか?ぜひ、お越しください♪

 

Posted at:10:30

【レポート】夏のわくわく課外授業②
英語「英語でまち案内をしよう」

 

千代田図書館の夏の恒例イベント「夏のわくわく課外授業」先日の「社会」の授業に続き、今回は、8月3日(土曜日)に開催した英語「英語でまち案内をしよう」の様子をお伝えします。

 

先生は、小学生から高校生までに英会話や多読など、英語の幅広いスキルを教えるEunice English Tutorialを主宰し、都内の大学でも教鞭をとる宮下いづみさんです。

 

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まずはウォーミングアップ。日本語とは違う英語の発音を感じるために、音楽に合わせながら口に出してみます。

 

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英語でのコミュニケーションは、自己紹介から。

「Hello, my name is ○○.」の後に、自分の名前のスペルを教えると外国の方でも覚えやすそうです!例えば「Chiyoda」なら「“C” for Canada.」「“H” for hat.」…というように。

さっそく実践してみましょう♪この日の授業は、日本の大学に留学中のAshishさんにもお手伝いいただきました。

みんな、順番に自己紹介と自分の名前のスペルを説明します。

 

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「こちらにどうぞ」「ここは○○です」など、今すぐにも使えそうな簡単な表現もみんなで練習しました!

 

次は英語での道案内の練習。東西南北を表す単語は体を動かしながら発音して、楽しく覚えます。

 

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2班に分かれて「Turn left.」「Turn right.」の指示の練習も。相手チームが壁にぶつからないように、上手に誘導できるかな?

 

授業の後半は「ミニ英語まち案内辞典」を手づくりしました。

まず、外国人の友達に紹介したい日本の場所や食べ物をみんなで考えます。

「小学生のみんなが、いま好きなものは何?自分の暮らしの周りのことや習慣も、海外の方から見たら珍しくて面白いものが多いから、ぜひ紹介してあげて」と宮下先生。

 

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「ミニ英語まち案内辞典」のノートに今日習った自己紹介、それから自分で考えた“紹介したいもの”を書いていきます。みんなが紹介したいのは「東京スカイツリー」「浅草の雷門」「皇居」「ジブリ美術館」「きもの」「アニメ」「タピオカ」…イラストを添えたり、紹介の文を先生や保護者と一緒に考えたり。どうしたらわかりやすく伝わるかを自分で考えながら、思い思いに書いていきます。

 

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東京には、たくさんの人が外国から旅行にやってきます。オリンピック・パラリンピックを迎える来年にはさらに多くの人が訪れ、小学生の皆さんとも接する機会が増えそうです。

紹介したいもの、知ってほしいことを書きとめた辞典ができたら、外国人のお友達もたくさんできそうですね!

今日の授業で作ったのは辞典の始まりの部分。ぜひ、家に帰って続きを書いてみてくださいね♪

 

授業の中では、千代田図書館に所蔵する英語の絵本の紹介もしていただきました!

図書館には、日本の文化を紹介するものや簡単な会話から学べるものなど親子で楽しみながら英語にふれられる英語絵本も多く所蔵していますので、皆さんも参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

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こうして盛りだくさんの授業は終了。

宮下さん、Ashishさん、ありがとうございました!

Posted at:14:15

【レポート】夏のわくわく課外授業①
社会「からだで話そう 手話で話そう」

 

7月はスッキリしない天気が続いていましたが、ようやく太陽が姿を現してくれるようになりましたね。いよいよ夏本番!千代田図書館の夏の恒例イベント「夏のわくわく課外授業」もスタートしました!

今回は、7月27日(土曜日)に開催した社会「からだで話そう 手話で話そう」の様子をお伝えします。

 

この授業の先生は、NPO法人ホープの皆さん。

千代田区を中心に高齢者や障害者の生活を支える活動をおこなっている団体で、以前読書振興センターが映画のバリアフリー上映会を開催したときにもご協力いただきました。

今回は永田潔さん五由出晴夫さん安武陽一郎さん成瀬千夏さんにお越しいただきました。

 

はじめに、手話で自己紹介。

これは何を表す手話だと思いますか?

 

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これは、「名前」という意味を表す手話です。

てのひらが、他方の手の親指が印鑑を表し、紙に判を押す動作から「名前」を意味する手話になったのだそうです。

このように、手話では形や動作をもとにして表されることが多いのですが、それについては後ほど詳しく教えていただきます。

 

まずは、ジェスチャークイズでウォーミングアップ。

「バナナ」「ゴリラ」など簡単なクイズから始まり、問題はちょっとずつ難しくなっていきます。

 

では、これはなんでしょう?なんだか、つらそうな表情をしていますね。

 

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正解は、「すっぱい」です。

指先をすぼめて口元に持っていき広げたこの動きは、手話の「すっぱい」を意味します。

ジェスチャークイズを楽しんでいたら、いつの間にか手話の勉強に移っていました。

 

ここから改めて、手話のいろいろな表現を学んでいきます。

さきほど学んだ「すっぱい」のほかにも、味覚を表す表現は「からい」「おいしい」「甘い」などいろいろあります。これらに共通している動きは、手を口元に持っていくこと。また、手の動きや位置だけでなく、顔の表情もとても大事です。

 

つぎに、自己紹介をするためのいろいろな手話、苗字・家族(父・母・兄弟姉妹など)の表し方、地名の表し方などを教えていただきました。

例えば「千代田」は手で「千」「田」の形を作って表します。「神田」は手を合わせ神様を拝む動作の後に手で「田」の形を、「富士見」富士山の形を両手で作った後に「見る」動作をして表す・・・など、地名の手話も漢字の形や動作をもとに作られていることが分かりました。ジェスチャーみたいで面白いですね!

 

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これが「田」の手話。指を3本ずつ垂直に重ねて「田」という漢字の形を表しています。

 

先生たちの手話のお手本を見たら、二人一組で会話を練習します。

「私の名前は○○です、よろしくお願いします。あなたの名前は?」

「あなたの家族は何人ですか?」「私の家族はお父さん、お母さん、私、妹の4人です」

「あなたの家はどこですか?」「○○です」「私の家と近いですね」

 

この他にも、困っている人がいる時に使えそうな表現「大丈夫ですか?」「救急車」「薬」「痛い」などの手話も教えていただきました。

 

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今すぐに手話で長い会話や難しい会話をすることは難しくても、“どうしたら相手に伝わりやすいかな?”と考え、伝えようとするところからコミュニケーションは始まります。

手話に対する理解を深め、コミュニケーションのきっかけとなる授業でした。

NPO法人ホープの皆さん、ありがとうございました!

Posted at:13:30

【レポート】四番町図書館の人気イベント「こども一日図書館員」

 

いよいよ、子どもたちが待ちに待った夏休みがやってきました!

今回は、四番町図書館恒例、夏休みの人気イベント、小学3~6年生を対象にした「こども一日図書館員」のようすをお届けします♪

 

黄色いエプロンをつけ、任命書を受け取ったら一日図書館員の仕事がスタート!

図書館で働くために、まず公共図書館や本について知るところから始めます。

 

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図書館には本がたくさん!四番町図書館は、105,000点以上の本・CD・DVDなどの「資料」を持っています(平成30年度)。

こんなにたくさんの資料を整理するために、図書館では1冊1冊に本の住所を示す「分類」を行っています。

大きな分類は「0」~「9」まで10個。例えば、「4」は自然科学の本の分類記号です。算数の本や宇宙の本、昆虫や動物など生物の本、そして人間の体のことが書かれた本も「4」の仲間。そこから、本の内容によってさらに細かく分類され、図書館の書棚に並べられます。

千代田区立図書館では、子どもの本は分かりやすく2桁までの数字を使って簡単に分類しています。

 

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たくさんの本の分類を覚えることはとても大変そう…。細かい数字を見るだけで「難しそう!」と思ってしまいますよね。

でも、本は1冊ずつが住所を持っていることがわかっていれば、これから図書館で本を探すことがもっと簡単に、もっとおもしろく感じられるはず。家のちかくの図書館や小学校の図書館の本も、ぜひ分類や並べ方に注目してみてくださいね。

レクチャーでは、本の分類の他に、図書館のルール個人情報を守ることの大切さなどについても知ってもらいました。

 

図書館や本について学んだら、四番町図書館の探検に出発です!

さっき習った分類ごとに分けられた書棚や、児童書や絵本を集めた子ども図書館を見て回ったら、図書館の地下室へ。普段立ち入ることのできない、電動式の大きな書棚が並ぶ閉架を見学しました。

 

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こちらは第2閉架。古い新聞や文庫本、新聞の記事を小さくした縮刷版がズラリと並びます。

 

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「縮刷版で、自分の生年月日の新聞記事を探してみよう」と司書。みんな目を輝かせて記事に見入っていました!

 

続いては図書館のバックヤードで本の貸出・返却の操作方法を習います。カウンターで大切なあいさつや声がけも練習したら、いよいよ図書館のカウンターへ!

 

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貸出券を預かって、バーコードをスキャンして…貸出の時は「〇月〇日までのご利用です」「ありがとうございました」とあいさつも忘れずに。

 

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返却の時は、忘れ物が挟まっていたり本が壊れていないかしっかり見て、バーコードを読み取ります。

はじめは緊張していた子どもたちも、利用者の皆さんに「ありがとう」「がんばってね」と声をかけられて、いきいきと仕事に取り組んでいました。

 

カウンターでの仕事の他にも、予約された本を書棚から探し出す作業、返却された本を書棚に戻す作業も体験。

 

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レシートに印字された情報をもとに資料を探します。さっき習った「本の分類」を思い出しながら本を探して…発見!

 

最後に四番町図書館の栗田館長から修了書を受け取って、こども一日図書館員の仕事は終了です。

 

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参加してくれた皆さん、ありがとうございました!

 

四番町図書館では、7月24日(水曜日)と8月5日(月曜日)~7日(水曜日)にも「こども一日図書館員」を行います(参加受付は終了しています)。

カウンターで頑張る子どもたちを見かけたら、ぜひあたたかい声をかけてあげてくださいね♪

Posted at:16:45

【レポート】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー
「本の街のバックヤード 東京古書会館」編

 

5月23日(木曜日)、千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「本の街のバックヤード 東京古書会館」編を開催しました!

今回は、5月25日(土曜日)まで千代田図書館で開催していた企画展示「図書館から始まる"ぶらり旅" まるごと神保町」の関連イベントとして、東京古書会館の見学と神保町古書店街の街歩きを楽しんでいただきました。

 

ツアーは東京古書会館からスタート!

読書や古書店めぐりが好きという方でも、古書会館が何をしているところか知っている方はあまり多くないのではないでしょうか?

今回見学させていただいた東京古書会館は、2003年に建て替えられた地下1階、地上8階建てのビル。まず始めに、東京古書組合大場さん(写真右)から、この場所で行われている古書の交換会(古書籍の市場)の仕組みや、東京古書会館の役割などを説明していただきました。

 

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東京古書会館では、日本全国から集められた古書籍を取引する、様々なジャンルの交換会が月曜日から金曜日まで毎日行われています。交換会では古書店を経営する組合員のみが出品・入札することができ、ここで落札された本がそれぞれの古書店の店頭に並び、新しい読者や研究者、全国の図書館や資料館、大学などに渡っていきます。

時おり、このような交換会で歴史的・文化的な価値の高い貴重な資料が発見された、というニュースが報じられることがあります。目利きの古書業者どうしによって取引される交換会は、文化財となるかもしれない貴重な資料が失われるのを防ぐ役割も果たしているんですね!

 

東京古書会館について知ったところで、いよいよ交換会の見学へ!今回のツアーでは、東京古書組合神田支部(神田古書店連盟)が運営する交換会を特別に見学させていただきました。

案内してくださったのは神保町にある山吹書房店主の松井さん(写真右)。

 

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組合員の入札を待つ古書の束がずらりと並んだ会場を見ながら、参加者の質問にもひとつひとつ丁寧に答えていただきました。

松井さん、大場さん、貴重な機会をありがとうございました!

 

一行は東京古書会館を後にして、神保町古書店街の街歩きに出発!

 

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老舗の古書店や大型新刊書店が軒を連ねる靖国通りを渡って喫茶店が並ぶ路地を通り、すずらん通りのビルの一室でひと息。ここを拠点にして古書店めぐりに出かけます。

 

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今回巡ったのは小宮山書店一心堂書店悠久堂書店村山書店の4店舗。いくつもの古書店を見比べることで、それぞれの専門分野や個性が見えてきます。

 

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短い見学時間でしたが、参加者の皆さんは「古書店について知った後だと、それぞれの古書店の違いがよくわかっておもしろい」「少し入りづらいと思っていた店に入れてよかった!」と楽しんでくださった様子。

 

ツアーの後半は、街の歴史的なスポットや古書店街のなりたちをご紹介しながら神保町を歩きます。

 

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さくら通りの和紙専門店 山形屋紙店。江戸時代の元禄年間、この辺りに旗本・神保家の武家屋敷があったことから街の名前が「神保町」となったと言われています。

 

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この他にも文学にまつわるエピソードなどをご紹介しながら、ツアーの最終目的地千代田図書館へ!最後に、館内の企画展示「図書館から始まる"ぶらり旅" まるごと神保町」をご紹介してツアーは終了しました。

ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!

 

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今回の神保町ツアーで巡ったのはこちらのコースです。

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Posted at:10:30

【レポート】「本と出会う 読書サロン 第18期オープニングイベント」を開催しました

 

千代田図書館では、月ごとに決めたテーマに関する本を一人一冊持ち寄り紹介しあう、本を通じた交流の場「本と出会う 読書サロン」を年2期(6月~9月、12月~翌年3月)、「読書の会」主催で行っています。

今回は、6月から始まる第18期のメンバー募集とオープニングを兼ねて開催した講演会「ビジュアル本編集のポイント」の様子をご紹介します。

 

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ゲストは編集者島本脩二さん

現在はフリーの編集者として活躍されている島本さんですが、お話しは出版に関わり始めた小学館での経験から始まりました。

 

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小学館では『週刊ポスト』『GORO』『マミイ』『写楽』などの編集部員、さらに『P.and』『TOUCH』の編集長を務めた島本さん。これらの雑誌編集に関わりながら、当時多くの若者に影響を与えた書籍・矢沢永吉さんの『成りあがり』を生み出しました。

 

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講演には貴重な『成りあがり』の初版本や、YMOの希少な写真集などをお持ちくださいました!

 

1960年代から写真の製版技術が進歩し、出版にも広く使われるようになってきたことも重なり、学生時代から写真や絵に興味を持っていた島本さんは、写真集を作りたいという思いを持つようになります。

当時から出版界には“写真集は売れない”という傾向があったそうですが、島本さんは「大きくて、厚くて、高価で、著名な写真家の作品を手を洗って正座して見るような『墓石のような』写真集ではなく、もっとくつろいで気軽にビジュアルを楽しめる写真集を作りたかった」といいます。

そうして生まれたのが“レコードを聴きながら見る” 『PEACE』 『LOVE』をはじめとした数々の写真集、さらには1982年に企画編集してベストセラーとなった、憲法原典と写真を組み合わせた『日本国憲法』でした。

 

講演の中盤には、1986年に偕成社の創業50周年記念として出版した『世界の子どもたち』のお話しを聞くことができました。小学館の仕事のかたわら編集を担当した『世界の子どもたち』は、世界35か国に写真家を派遣し、そこで撮影した“ふつうの子どもたち”の衣食住や移動といった生活のようすを収めた写真絵本シリーズです。35冊の絵本は全国の公立図書館や学校図書館に置かれ、多くの子どもたちの手にとられてきました。

このシリーズは2014年に、今度は偕成社の創業80周年記念出版として36冊の『世界のともだち』シリーズとして新たに刊行、第64回産経児童出版文化賞大賞を受賞しました。

 

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左の写真で島本さんが手に持っているのが千代田図書館にも所蔵の『世界のともだち』シリーズ。『世界の子どもたち』シリーズと比べながら、前回と変えなかったところ・新しくなったところをお聞きすることができました。

 

「編集者が本を作る時に考えることは “何を” “誰に” “どのように” 伝えるか、という3つのこと」と島本さん。短い時間でしたが、どの本にも「読者に届けたい」という熱意を持ち、楽しみながら本を作ってきたようすが確かに伝わる講演会でした。

島本さん、ありがとうございました!

 

第18期「本と出会う読書サロン」6月~9月の毎月第3火曜日、午後7時から開催します。第18期各月のテーマは「喜」 「怒」 「哀」 「楽」。これらのテーマで、読書サロンのメンバーがどんな本を紹介するのか、気になる方は見学だけでもしてみませんか?

まずはメンバー登録をどうぞ。→詳細はコチラから

Posted at:17:45

【レポート】第11回ことばと音のフェスティバル♪「アルケミストのうたをつむぐコンサート」

 

5月3日(金曜日・祝日)、千代田区役所1階区民ホールで、第11回ことばと音のフェスティバル♪「アルケミストのうたをつむぐコンサート」を開催しました!

 

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今年の出演者は、ボーカルとピアノの2人組 アルケミスト(写真左)と、ボイスパーカッションの渡辺悠さん(写真右)です。

 

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初夏を思わせる晴天に恵まれたこの日、午前と午後2回上演したコンサートには、ベビーカーに乗った赤ちゃんからご年配の方まで、たくさんの方にお越しいただきました!

 

アルケミストは、ボーカル担当のこんやしょうたろうさんと、ピアノ担当のいじりけいたさんのユニット。ブラジルの作家、パウロ・コエーリョの小説『アルケミスト- 夢を旅した少年』から名付けています。

午前の回では小さな子どもも一緒に歌える童謡のメドレーが入った楽しいプログラムを、午後の回では『ねこはしる』(工藤直子/著、童話屋)をモチーフにした楽曲「ラン」「ユメミ」など、優しい歌声とピアノの音色を堪能できるプログラムをお送りしました。

 

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午前と午後どちらの回でも行ったのが「即興のコーナー」。客席から与えられた3つの言葉をもとに、アルケミストと渡辺悠さんが即興で歌・ピアノ・ボイスパーカッションを合わせ、その場で一曲を作り上げます。

 

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「どんな言葉がいい?好きなものでも、パッと思い浮かんだものでも何でもいいよ」とこんやさん。3つの言葉から、どんな歌ができるのでしょうか?

 

午前の回では「パトカー」「うた」「ママ」、午後の回では「かえで」「家族旅行」「ぶどう」という言葉が、それぞれ客席の子どもや大人からあがりました。

3つの言葉が書き出されるとすぐに、いじりさんのピアノが奏でられ、渡辺さんのボイスパーカッションがリズムを刻みはじめます。

 

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こんやさんの歌は、つぎつぎに3つの言葉を織り込みながらひとつのおはなしになっていて、まるで短い小説のよう。目の前で新しい歌が紡ぎだされていくのを子どもから大人まで耳をすませて聞き入りました!

これこそCDでは聞けない、生のコンサートならではの体験ですね。

 

コンサート中、「子どものころから、本を読んで物語の続きを自由に想像するのが好きでした」と話していたこんやさん。『ねこはしる』や、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』など、本から生まれた楽曲の数々も演奏いただき、客席の皆さんに「ことば」と「おと」をたっぷり楽しむ時間を過ごしていただくことができました♪

 

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アルケミストのお二人、渡辺悠さん、ありがとうございました!

ヨムキクちよだ2019は5月12日(日曜日)まで開催中。ぜひご家族そろって千代田区立図書館にお越しください♪

Posted at:16:15

【レポート】四番町図書館でプログラミング体験イベント!

 

3月30日(土曜日)、四番町図書館で子ども向けのラウンジセミナー「お気に入りの本のせかいを、プログラミングでひろげよう!」を開催しました。

 

2020年から小学校の授業にも導入されることになり、注目を集めているプログラミング教育

今回のセミナーでは、小学校1~3年生を対象に、お気に入りの絵本の世界から想像力をふくらませて、プログラミングを使ってアニメーションを作りました。

 

講師は(株)LITALICOワンダー水道橋の皆さん。

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子どもたちは1人1冊持ち寄ったお気に入りの本をもとに、どのようなアニメーションを作るのでしょうか?

まずは、「こんな世界にしたい」「こんなキャラクターがいい」「こんな動きをさせたい」というみんなの考えを、紙に鉛筆で書いていきます。

 

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作りたいアニメーションが決まったら、いよいよプログラミングを体験!

ひとり1台ずつタブレット端末が配られ、まずはアニメーションの背景から選んでいきます。

 

今回使うのは子ども向けプログラミング学習用ソフト「スクラッチ」。カラフルなブロックを積み重ねることで、小さな子どもも直感的な操作で画面の中の絵を動作させることができます。

 

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次に作るのは、アニメーションで動かすキャラクター

ソフトに用意されたたくさんのキャラクターから選ぶ子もいれば、自分で絵を描いて動かしたい!という子も。

タブレット端末を使って絵を描くのは大人でもなかなか難しいですが、みんな頑張って描いています。

 

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背景・キャラクターが揃ったら、いよいよ絵を動かします!

参加者の中にはタブレット端末を使い慣れている子もいれば、ほとんど初めて触るという子も。

配られたテキストを見て講師に手伝ってもらいながら、プログラミングを進めていきました。

 

休憩を挟みながら、2時間のセミナーはあっという間に終了。

タブレット端末で絵を自分で描いてつくったものや、プログラミングを何度も試して動きや会話を工夫したものなど、さまざまなアニメーションができました!

仕組みを使って自由に創作できるプログラミングだからこそ、出来上がったものにはそれぞれの子どもが持つ個性がはっきりと表れるんですね。

 

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▲持ってきた恐竜の絵本のイメージに近い背景やキャラクターを選んで、たくさんの恐竜がおもしろい動きをするアニメーションを作りました。

 

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▲セミナーの最後には保護者の皆さんにも作品をお披露目!自分でおはなしを作って、2つのキャラクターが会話するアニメーションを作りました。

 

今回作った作品は、皆さんのおうちのパソコンなどから続きを作ることもできます。

続きを作ったり、この日の思い出を家族に見せて楽しんでくれたら嬉しいです♪

講師の皆さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:10:50

【レポート】手軽に読める電子図書の絵本をご紹介!千代田Web図書館講習会

 

千代田図書館では、毎月第2木曜日の午前11時から「赤ちゃん向けおはなし会」を行っています。

 

3月14日(木曜日)、今月のおはなし会にもたくさんの赤ちゃんと保護者の皆さんが参加してくれました!

 

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おはなし会のテーマは「げんきいっぱいピクニック」

10階の子ども室で、赤ちゃんとふれ合いながら楽しめる手あそびやわらべうた、絵本の読み聞かせなどの楽しいひと時を過ごしました♪

 

そしてこの日はおはなし会に続き、千代田Web図書館で借りてスマートフォンやタブレットで読める子ども向け電子図書についての講習会を行いました。

 

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まずは、講師が千代田Web図書館の利用方法をご紹介。

インターネットにつながる端末からであれば24時間いつでも電子図書を見ることができる千代田Web図書館。さまざまなジャンルの資料6,500点を揃えています。こちらは貸出券を作り、パスワード登録をしている千代田区在住・在勤・在学の方が利用できるサービスですが、どなたでも閲覧できる資料も一部あります。

 

千代田Web図書館

くわしい利用条件や使い方はご利用ガイドをご覧ください。

 

この講習会では実際に電子図書を見ていただきながら、紙の本とはひと味ちがった楽しみ方ができる絵本をご紹介しました♪

 

まずは「音声機能付き絵本」。今回は『さんびきのこぶた』(のん☆/絵、アイフリークモバイル)と、『あめふりコンコン』(もりたゆにこ/作・絵、アイフリークモバイル)を見ていただきました。

 

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絵本を読み上げる音声や音楽などが付いた絵本で、自動再生や自動でページをめくる機能もあります。繰り返して絵本を楽しみたいときや、読み聞かせに慣れない保護者の方にもおすすめです。

 

つぎに「英語読み上げ機能がある絵本」をご紹介。

 

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こちらはクリック一つで英語/日本語の音声と表示を切り替えることができます。

紹介したのは『はなさかじいさん』(いもとようこ/文・絵、Soshi Uchida/英訳、岩崎書店)。

 

最後にご紹介したのが「電子図書から紙芝居が作れる絵本」

 

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絵の面と文章の面に分かれて印刷されるので、おうちで簡単に手作り紙芝居を作って楽しめます。

 

千代田Web図書館では、このような絵本・児童書の電子図書102点所蔵しています(2019年2月末現在)。

私たちの生活に欠かせないものになりつつあるスマートフォンやタブレット。ときには電子図書を活用して、子どもと一緒に読書を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

今回は、千代田図書館の「赤ちゃん向けおはなし会」と「千代田Web図書館講習会」の様子をお届けしました♪

Posted at:15:40

「答えは街の中にある 神保町クイズラリー」番外編クイズ~解答編~

 

前回のブログでお送りした番外編クイズ、チャレンジしていただけましたか?

予告どおり、今回は正解を発表します。

 

 

「答えは街の中にある 神保町クイズラリー」番外編クイズ

~解答編~

第1問

神保町の靖国通り沿いにある、大正13年創業のカレー店「共栄堂」で食べられるのは○○カレー?

答え ①スマトラ

“カレーの街”としても知られる神保町の中でも最も古いカレー店のひとつ「共栄堂」。冬季限定の人気メニュー焼きりんごは4月まで。神保町名物の味をご賞味ください。

 

第2問

神保町・すずらん通りにある「キッチン南海」のショーケースにある置物は、なんの動物?

答え ③ぞう

平日のランチタイムにはいつも長い行列ができる洋食屋「キッチン南海」。味もボリュームも大満足のランチを食べて、午後へのパワーをチャージ!

 

第1問・第2問の答えは、じつは千代田図書館で開催中の企画展示「図書館から始まる"ぶらり旅" まるごと神保町」の中にありました。お気づきになりましたか?

 

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こちらの展示は3月23日まで。3月25日からは展示内容が変わります。ぜひお越しください。

 

第3問

以前「九段下ビル」があった俎板橋(まないたばし)の交差点近くに、新しい校舎を建設中の大学は?

答え ①専修大学

 

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多くの大学や教育施設がある千代田区に、またひとつ学びの場が加わります。

千代田区立図書館は区内9校11館の大学図書館と連携しており、区内在住の方はご利用いただけます。利用条件および方法は各館によって違いますので、詳しくは千代田区立図書館ホームページをご確認ください。

 

第4問

神保町交差点、神保町駅A5出口付近にある「集英社文庫」と「集英社新書」の看板。正しい並びはどっち?

答え ①上が「集英社文庫」、下が「集英社新書」

 

 

 

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白山通りと靖国通りが交わる神保町交差点。看板の対角線にある岩波広場は、古書店街のイベントでたびたびにぎわいます。

3月末には春の古本まつり「神保町さくらみちフェスティバル」が開催され、甘酒の無料サービスや二胡の演奏会も予定されています♪

 

 

第5問

神保町交差点近くにある「神保町ブックセンター」横のカベ、丸い窓の中に飾られている辞典は?

答え ②広辞苑

 

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昨年岩波書店から刊行された『広辞苑 第七版』は10年ぶりの改訂新版。ちなみに大辞林三省堂大言海冨山房から刊行されています。すべて千代田区内にある出版社です。

 

第6問

白山通りの一ツ橋交差点近くにある「学士会館」の敷地内にあるのは、なんの記念碑?

答え ②日本野球発祥の地 記念碑

日本に初めて野球を伝えたとされるホーレス・ウィルソン氏の野球殿堂入りを記念して2003年に建立されました。重厚かつモダンな雰囲気をもつ学士会館は、関東大震災後に建築された震災復興建築で、国の有形文化財に登録されています。

 

 

いかがでしたか?

ここでは紹介しきれない、楽しくて魅力的なスポットが神保町にはまだまだたくさんあります。

だんだん暖かくなってきたこの季節、ぜひ街あるきを楽しんでください♪

 

Posted at:10:20

「答えは街の中にある 神保町クイズラリー」番外編クイズ!

3月20日(水曜日)まで、千代田図書館では「答えは街の中にある 神保町クイズラリー」を開催中です。

 

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クイズを解きながら街歩を楽しんで、千代田図書館オリジナルクリアファイルをゲット!どなたでもご参加できますので、ぜひチャレンジしてください♪

くわしくは→こちらのブログ記事をご覧ください。

 

このクイズラリーで出題されているクイズは8問ですが、準備の段階ではたくさんの神保町に関するクイズを作成しました。

もっと皆さんに紹介したい!

ということで、今回のちよぴたブログでは、候補にあがった問題の一部を「答えは街の中にある 神保町クイズラリー」番外編クイズとして出題することにしました!!

問題は全部で6問。本編とあわせて、番外編もぜひお楽しみください。

それでは、スタートです!

 

「答えは街の中にある 神保町クイズラリー」番外編クイズ

 

第1問

神保町の靖国通り沿いにある、大正13年創業のカレー店「共栄堂」で食べられるのは○○カレー?

①スマトラ

②ジャワ

③スリランカ

 

第2問

神保町・すずらん通りにある「キッチン南海」のショーケースにある置物は、なんの動物?

①うさぎ

②とら

③ぞう

 

第3問

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以前「九段下ビル」があった俎板橋(まないたばし)の交差点近くに、新しい校舎を建設中の大学は?

①専修大学

②明治大学

③日本大学

 

第4問

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神保町交差点、神保町駅A5出口付近にある「集英社文庫」と「集英社新書」の看板。正しい並びはどっち?

①上が「集英社文庫」、下が「集英社新書」

②上が「集英社新書」、下が「集英社文庫」

 

第5問

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神保町交差点近くにある「神保町ブックセンター」横のカベ、丸い窓の中に飾られている辞典は?

①大辞林

②広辞苑

③大言海

 

第6問

白山通りの一ツ橋交差点近くにある「学士会館」の敷地内にある記念碑は、次のうちどれ?

①マンガ喫茶発祥の地 記念碑

②日本野球発祥の地 記念碑

③カレー発祥の地 記念碑

 

 

ふだん千代田図書館や神保町をよく訪れる方でも、意識していないと見落としてしまうような街のちょっとした風景の数々。この機会に歩いて見つけてみませんか?

答えは次回のちよぴたブログで発表しますので、どうぞお楽しみに!

 

Posted at:12:25

【開催レポート】たのしくスタンプ マイ図書館バッグ作り

 

今回は、2月2日(土曜日)に千代田図書館で開催した「たのしくスタンプ マイ図書館バッグ作り」の様子をレポートします。

 

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大人にも子どもにも図書館を利用する楽しみが増えてほしい!と企画した、図書館で気軽に手作りを楽しめるイベントです。

生成りのトートバッグにいろいろな形のスタンプを押して、図書館で借りた本を入れるオリジナルバッグを作っていただきました。

 

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今回用意したのは、ペットボトルのふたや発泡スチロールなどにスポンジシートを貼り付けた様々な形のスタンプ、木材にひもやゴムを巻き付けたスタンプなど、どれも身近な材料で作れるものです。

他にも食品用ラップの芯や小さく切った消しゴムなど、使い方を工夫すれば素敵なスタンプになる材料を用意し、自由に使っていただきました。

 

まずは画用紙の上にスタンプを押して、バッグのデザインを考えます。

どんなバッグを作ろうかな?想像が膨らみます。

 

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デザインが決まったら、バッグの上にスタンプをペタペタ!洗濯しても落ちない、布用の絵の具を使いました。

スタンプの他にも筆で自由に絵を描いたり、手のひらに絵の具を塗って手形を押したりと、参加者の皆さんから楽しいアイデアが次々に生まれました!

 

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好きな色をたくさん使いたいから、1つのスタンプに2色塗ったり、半円のスタンプをうまく組み合わせて、素敵な花の模様を作ったり・・・。

 

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こちらは、四角や丸のスタンプを組み合わせて、男の子が大好きな車のバッグを作ったお母さん。絵の具の塗り方も工夫して、かっこいいバッグが完成しました!

 

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こちらのお母さんは姉妹の手形をバッグにスタンプ!今日の思い出がつまったバッグですね♪

 

作業に熱中すると、あっという間に時間が過ぎていきます。大人も子どもも目いっぱい楽しんでくれました。

 

参加してくださった方からは

「スタンプすることがだんだん楽しくなってきて、世界で一つのオリジナルバッグができました」

「久しぶりに絵を描き、わくわくした気持ちになりました」

「子どもと一緒に夢中で作りました」

「子どもが楽しそうにデザインを考えていました。学校の図書バッグにするそうです。手作りだと愛着を持って使ってくれそう」

といった感想をいただきました。

 

作ったバッグを持って、また図書館に本を借りに来てくださいね♪

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:16:20

大学生の読書を語る 帝京大学MELIC×読書人のイベントに行ってきました!

12月16日(日曜日)に神保町で、『書評キャンパスat 読書人2017』刊行記念イベント【帝京大学MELIC×読書人presents】「帝京大生はなぜこんなに本を読むのか 共読ライブラリー成功のヒント」が開催されました。

 

書評専門紙「週刊読書人」に連載されている「【書評キャンパス】大学生がススメる本」は、大学生が自ら選んだ本の書評を書く人気コーナーです。

 

「週刊読書人ウェブ」からもご覧いただけます↓

「【書評キャンパス】大学生がススメる本」

 

昨今報じられる「若者の読書離れ」に対し、書評紙としてできることは何か?と始められたこのコーナー。本の選定は学生に任せて本代は読書人が負担すること、文章の書き方にアドバイスはするが価値観の押しつけはしないこと、執筆原稿に対して原稿料を支払うことなどのルールを決め、大学図書館を窓口に希望者を募ったところ、予想以上の反響があったそうです。

「書評してみたい!」という、全国の大学生から寄せられた原稿は1年間50回途切れることなく続き、「週刊読書人」の人気コーナーに。

このたび、2017年度の連載が一冊の本にまとめられました。

 

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『書評キャンパスat 読書人2017』

大学生と「週刊読書人」編集部/著

読書人

(本の詳しい情報は書名をクリック)

 

大学生の力がこもった書評50点に加え、書評を受けた著者・編集者からのコメント編集部による原稿の添削例なども掲載されており、学生だけでなく大人にもおすすめしたい一冊です。

 

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「まだまだ“読書離れ”していない、熱心に本を読んでいる学生が多くいることを実感しました」と語る読書人社長の黒木さん

 

この日は、帝京大学メディアライブラリーセンター(MELIC)の堀野さんと、同大学の学生団体「共読サポーターズ」の石山さん、富樫さん、小林さんの3人が登壇し「大学生の読書のこれから」について語りました。

4年生の石山さんは、「書評キャンパス」第2回の書評も執筆しています。

 

帝京大学が2012年に編集工学研究所 所長の松岡正剛さんをスーパーバイザーに迎えて始めたプロジェクト「共読ライブラリー」は、「読み合い、薦め合い、評し合う」のコンセプトのもと、大学全体で学生の読書を推進する様々な試みを行っています。まずは堀野さんから、共読ライブラリーのこれまでの取り組みについてのお話しがありました。

 

側面が黒板になった本棚を使い、学生同士だけでなく著名人、教員・職員との本を介したコミュニケーションを生み出す「黒板書架」は、共読ライブラリーを代表する取り組みのひとつ。

この他にも、共読サポーターズが運営する図書展示ビブリオバトル学修支援プログラム「読書術コース」など、学生と本をつなぐ仕掛けがたくさん。

大学図書館を「いつも何かが起こっている場所」として学生に認識してもらうことを読書推進の第一歩と位置付け、第2期の2016年からはさらに新しい試みを行っています。

 

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そんな「共読ライブラリーのセカンドステージ」の活動の一つとして紹介されたのが「どこでも図書館」。書架付きの三輪自転車や岡持ち型の書架で、図書館をデリバリーするというものだそう。おもしろい試みですね!

 

イベントの後半は読書人編集部による、共読サポーターズの3人へのインタビュー。

共読サポーターズの活動で書いた本のレビューを、さらに多くの人に読んでもらいたいという思いで書評にチャレンジしたという「書評キャンパス」執筆者の石山さんは、「編集部からの書評添削が、相手に伝えるための言葉選びを考えるきっかけになりました。社会人になる前にまた読書人で書評したいし、後輩にも参加を薦めたいです」と話してくれました。

 

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リラックスした雰囲気で、MELICや共読サポーターズの活動への思い入れを自由に語るなか、学生3人から

「黒板書架で他学部の先生が薦めていた本を読んでみたら、普段読むジャンルとは違っていたけどおもしろかった」

「共読サポーターズに入り、先輩と話せる場があってよかった」

「この人が読んでいるから読んでみたい、という本がある」

と、“読書を通じて誰かとつながる喜び”が繰り返し語られたことが印象的でした。

 

図書館を通じて、読書で“人とつながる”“世界とつながる”ことをもっと感じてもらうことができたら、「若者の読書離れ」という言葉が聞かれなくなる日もそう遠くないかもしれません。

学生たちの率直な声を聴くことで、これからの読書の可能性を感じたトークイベントでした。

 

お話しを聞かせてくれた帝京大学の皆さん、読書人編集部の皆さん、ありがとうございました!

Posted at:16:10

【開催レポート】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー
「本の街でひらく 絵本のとびら」編

 

 12月15日(土曜日)、千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「本の街でひらく 絵本のとびら」編を開催しました!

今回は「絵本と児童書」をテーマに、街歩きと書店でのトークをお楽しみいただきました。

 

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ツアーは千代田図書館10階の児童書スペースからスタート!

世界一の本の街・神保町で、子どもの頃に読んだ懐かしい一冊に出会える古書店や、現在も読み継がれる童話作家たちゆかりの場所などを巡りました。

 

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千代田図書館を出て徒歩5分ほど、現在の集英社ビル付近には、かつて北原白秋の弟・北原鐡雄が創立した「アルス」という出版社がありました。この会社では、北原白秋のもと児童雑誌『赤い鳥』で童謡を発表していた歌人の巽聖歌が働いていました。

巽聖歌は『ごんぎつね』などで知られる童話作家新美南吉の友人で、1932年(昭和7年)竹橋にあった東京外国語学校に合格が決まった南吉とともに、この場所から竹橋まで駆けて合格発表を見に行ったというエピソードがあります。

 

ツアーは進み、一行は神保町古書店街へ。古書店街の真ん中、さまざまなジャンルの古書店8店舗が入る神田古書センタービルで2軒の古書店に立ち寄りました。

 

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絶版の絵本や児童書児童雑誌が揃う5階のみわ書房と、懐かしい漫画本や雑誌から、かるた、すごろくまで取り揃える2階の夢野書店。参加者の皆さんは、どちらのお店でも「懐かしい!」「これ、子どもの時に好きだった」と目を輝かせていました。

 

古書店街をさらに進み、新美南吉と並んで現在まで多くの童話が読み継がれている宮沢賢治ゆかりの地もご紹介しました。

 

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靖国通りの向こう側、ビアホール「ランチョン」の並びにはかつて映画館「神田日活館」がありました。1928年(昭和3年)の上京の際ノートに記した詩「神田の夜」には、この日活館やその周辺と思われる街の描写があります。

 

古書店街を折り返してさらに歩き、第2部のゴール、児童書専門の新刊書店ブックハウスカフェへ到着。

イベントの第2部は、ブックハウスカフェでお茶を飲みながら、店長の茅野さんと千代田図書館司書によるおすすめ絵本の紹介をお楽しみいただきました。

 

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ブックハウスカフェは2017年の5月5日にオープン、絵本・児童書の品揃えは神保町随一の書店です。

「絵本は赤ちゃんからお年寄りまで年代問わず楽しめる唯一の本のジャンルです。子どもや子育て中の方だけのものと思わずに、ぜひ手に取ってください」と茅野さん。

 

はじめに、千代田図書館の司書が絵本『しんせつなともだち』(方軼羣/作、君島 久子/訳、村山 知義/画、福音館書店)を読み聞かせしました。

 

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1965年初版の、寒い冬にじんわりと優しさがしみるような一冊です。

 

この絵本を皮切りに、二人から合わせて11冊の絵本をおすすめしました。

司書からは、子どもの頃からずっと大好きというしかけ絵本『まどから★おくりもの』(五味太郎 /作、偕成社)や、「大人向けのプレゼントにも、子どもを膝に乗せて読み聞かせするのにも向いています」という『ハリーのクリスマス』(メアリー・チャルマーズ/作、おびかゆうこ/訳、福音館書店)などを紹介。

 

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茅野さんからは、今年出版されたばかりの『クリスマスのあかり』(レンカ・ロジノフスカー/作、出久根育/絵、木村 有子/訳、福音館書店)、「高い画力とユーモアが魅力」という『リスとはじめての雪』(ゼバスティアン・メッシェンモーザー/作・絵、松永美穂/訳、コンセル)と、まだ日本ではあまり知られていない作者の本もおすすめしていただきました。

 

この他にも、『トムテ』(リードベリ/作、ウィーベリ/絵、山内清子/訳、偕成社)や『ゆき』(ユリ・シュルヴィッツ/作、さくまゆみこ/訳、あすなろ書房)など、紹介した11冊の絵本はどれも、この季節にぴったりなものばかりでした。

 

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書店員と司書、それぞれの観点で語られる思い入れたっぷりの絵本の紹介に、参加者の皆さんも熱心に聞き入る、あたたかい時間となりました。

ブックハウスカフェの茅野さん、そしてご参加くださった皆さん、ありがとうございました!

 

今回の神保町ツアーで巡ったのはこちらのコースです。

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大きな画像を見る(PDF:261KB)

Posted at:14:40

「本と出会う 読書サロン 第17期オープニングイベント」を開催しました

 

千代田図書館では、本を通じた交流の場として「本と出会う 読書サロン」を年2期(6月~9月、12月~翌年3月)、「読書の会」主催で行っています。

今回は、12月から始まる第17期のメンバー募集とオープニングを兼ねて、参加者が読書会の楽しみについて語り合ったイベント「人と社会が見えてくる読書会 ~本で語り合う方法~」の様子をご紹介します。

 

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読書サロンメンバーを代表して登壇したのは、読書サロンの発足に携わり2009年の第1回から参加している小泉さん(写真左)と、2015年より参加している池田さん(写真右)です。

今回のイベントでは、これまでに千代田図書館で行ってきた読書サロンの活動をご紹介するとともに、「読書会」とはどのようなものか、またその楽しみかたについても広くお話しいただきました。

 

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小泉さんは出版営業を経て児童書に関わる仕事をしていた頃、九州で行った農家のお母さんたちとの読書会の思い出を話してくれました。

参加者に本に親しんでもらうための読書会をしようと考えた小泉さん、初めは1冊の本をみんなで読む「輪読会」をやってみたところ、うまく読む難しさや恥ずかしさを感じたのか、数回のうちにメンバーが減っていってしまったそうです。それならばと今度は「本の表紙を見て話す読書会」「1冊の本をめくり、読んでみたいページについて話す読書会」と、メンバーが本を通じて自由に語り合う内容に変えていったことで、うまく読書会が運ぶようになったとのこと。本を介して人とのコミュニケーションが生まれるおもしろさを感じた体験が、千代田図書館での読書サロンの活動につながっているといいます。

 

次に池田さんが、これまでの読書サロンに登場したテーマや、千代田図書館以外でも行われている様々な読書会の形を書き出して、紹介してくれました。

 

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千代田図書館の「本と出会う 読書サロン」では、各回決められたテーマに沿った本をメンバーが1冊ずつ持ち寄り、紹介しあいます。

「赤」「青」「白」「緑」などの色や「国語」「算数」「理科」「社会」などの教科、または「旅人」「甘い」といったキーワードなど、人によって多様なとらえ方のできるテーマで、どの本を選ぶかが読書サロンの楽しみのひとつだと池田さんはいいます。

 

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「読書サロンの1時間で、みんなの心に残る本を選びたい。テーマに合った本を探すことは知的なゲームのようです」

 

手書きのボードの他にも、多くの本を持参いただきました!机の上に積み上げた本の中から取り出した一冊は『読んでいない本について堂々と語る方法』(ピエール・バイヤール/著、筑摩書房)。

 

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「読書会に参加する前にしっかり本を読んでおかなきゃ、と不安に感じる方も多いのでは?」

池田さんは、読書サロンでは、あらすじや本の情報よりも「その本がなぜ好きか」「その本とどうして出会ったか」を聞くことがおもしろいと話してくれました。

「まぁ僕もまだ、この本をしっかり読んではいないんですけどね!」

 

イベント後半には、参加者として集まってくださった読書サロンのメンバーにその場で本を紹介していただく一幕も。

メンバーの一人は、本の紹介とともに「読書サロンに参加して本を紹介しあうことで、書評やネットの口コミを読むだけでは感じられない空気を感じられる。その空気感がリアルでとてもおもしろい」と、読書サロンの魅力を伝えてくれました。

おすすめの小説や、考えるきっかけをくれたノンフィクションなどの紹介を聞いて、ふだんの読書サロンの和やかな雰囲気を味わっていただくことができたのではないでしょうか?

 

小泉さん、池田さん、読書サロンメンバーの皆さん、ありがとうございました!

第17期「本と出会う 読書サロン」は、12月~2019年3月の毎月第3火曜日、午後7時から開催します。第17期各月のテーマは「近い」「小さい」「狭い」「軽い」。これらのテーマで、読書サロンのメンバーがどんな本を紹介するのか、気になる方は見学だけでもしてみませんか?

まずはメンバー登録をどうぞ。→詳細はコチラから

 

Posted at:14:50

区内中学校へ巡回展示中!「本でタイムトラベル!150年前の世界」

皆さん、こんにちは。

読書週間を含む10月26日から11月11日まで、千代田図書館9階第2展示ウォールで展示していた「本でタイムトラベル!150年前の世界」はご覧いただけましたか?およそ150年前に出版され今も読み継がれている世界の名作文学や、国内外の歴史的な出来事にまつわる小説やノンフィクションなど、30冊の資料を展示しました。
 

この展示は日比谷図書文化館で開催中の特別展「江戸から東京へ~江戸城無血開城から東京の新たな幕開け~」の連動企画「図書館でふれる 江戸・明治の世界」のひとつで、ご覧いただいた方からは「いちどにこれだけの名作がずらりと並ぶのは圧巻だね」との感想をいただきました。そして、多く寄せられたのは「展示されている本のタイトルは知っているけど、実は読んだことがない!」という声。『レ・ミゼラブル』『罪と罰』『海底二万海里』など、名作として耳にしたことはあっても読んだことがないという方は多いようでした。

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『海底二万海里』
J・ベルヌ/作 福音館書店

 

展示では、わくわくするような空想冒険小説、人間の本質とは何か?と問いかけてくるような長編大作、みずみずしい少年少女の成長物語、などなど多彩な作品がならびました。

そこで「せっかくならば、多感な時期の中高生たちにも読んでほしい!」と、学校支援担当司書と協力し、中学校でも巡回展示を行うことになりました。
 

今回、展示が決まったのは千代田区立麹町中学校の図書室。

明るくてとてもきれいな図書室、お昼休みには多くの生徒が本を借りに訪れていました。

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学校支援担当司書や先生と協力して、展示の設営にとりかかりました。

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「地図の近くにはどの本のタイトルを掲示する?」

「ここに空きスペースを作ったら、生徒たちが何か手を加えることもできそう」

いろいろとアイデアを出し合いながら、麹町中学校版の展示が出来上がりました!


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この展示をきっかけに、新しい本との出会いがありますように!

麹町中学校の皆さん、図書室に遊びに来た際にはぜひ本を手に取ってみてくださいね。

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展示本のリストはこちらからご覧いただけます。

「本でタイムトラベル!150年前の世界」ブックリスト(PDF:633KB)

(千代田図書館展示版 ※今回麹町中学校で展示したものとは一部異なります)

Posted at:10:30

麹町小学校で「出張読み聞かせ講座」

 

今回は、千代田区読書振興センターが千代田区内の小学校・中学校・高等学校で行っている「出張読み聞かせ講座」のようすをお届けします!

今年で4年目を迎える「出張読み聞かせ講座」。学校支援担当司書が学校へ出張して、小学生~高校生へ読み聞かせの楽しさや、読み方のコツを教えています。

 

子どもたちにとって馴染みのある、絵本の読み聞かせ。読んでもらうことはあっても「読んであげる」という体験は新鮮なもの。

小学校では、朝読書の時間などに高学年から低学年への読み聞かせを行うことがあるそうです。また中学校や高校では、文化祭の出し物や、図書館や保育の仕事に興味を持つ学生に向けた体験として、学校からの要望をいただき講座を開催しています。

 

先日は、千代田区立麹町小学校で5・6年生の図書委員21名の皆さんへ「出張読み聞かせ講座」を行いました!

 

図書委員会では、12月に1・2年生に向けた絵本の読み聞かせを計画しているそうです。

まずは司書から皆さんへ、ゆかいなおはなしが小さな子どもに大人気の絵本『おもちのきもち』(かがくいひろし/作、講談社)を読みました。

 

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「絵本を読んでもらうの、ひさしぶり!」という声も聞こえ、みんな楽しそうに聞き入っていました。

 

「これから、絵本を読み聞かせするときの悪いお手本を見せるから、“良い読み方”についてみんなで考えてみよう」と司書が読んでみせます。

すると…「声が小さくて聞こえない~!」「こっちを向いて読んでほしい」と、すぐに元気な声があがりました。

 

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ページをめくる手で絵が隠れてしまうのも「悪いお手本」のひとつ。

 

読み方について知ったあとは、読み聞かせに適した絵本の選び方についてもお話ししました。絵が細かすぎる本や、文字が多すぎる本…、自分で読んで楽しい本でも、読み聞かせには向いていない場合があります。

1・2年生のみんなに、どんな本を読んだら喜んでもらえるかな?

読み方にも、本の選び方にも「聞いてくれる相手のことを考える」ことが大切なんですね。

 

コツを知ったら、いよいよ実践!読み聞かせをするグループに分かれ、学校図書館の絵本から1人1冊本を選び、練習します。

 

「絵本選びに迷ったら、いつでも司書に相談してね!」

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子どもたちにとって特に難しい「本の持ち方」も練習!本をしっかりと支え、見やすいように開きます。

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練習タイムが始まると、読む子も聞く子もみんな真剣!さっき教わったコツを意識しながら友達に読み聞かせます。

 

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全員が1人1冊の読み聞かせ練習をしたところで、今回の講座は終了です。

参加した児童からは

「ていねいに教えてくれたので、またやってみたくなった」

「本が大好きなので、夜に兄弟にもよみきかせしてあげたい」

「みんながしんけんに聞いてくれてたのしかった」

という感想をいただきました。

 

図書委員会の皆さん、ありがとうございました!

練習を重ねて、12月の読み聞かせも楽しんでくださいね♪

Posted at:10:30

千代田図書館に区内大学から図書館実習生が来てくれました!

千代田図書館では、毎年区内の大学から図書館実習生を迎えています。今年は法政大学大妻女子大学からそれぞれ1人ずつ、2名の実習生が来てくれました。

今回の「ちよぴたブログ」では、実習生が10日間の実習期間で体験した図書館にまつわる様々な仕事をご紹介します。

 

 

実習初日、午後の研修の一コマ。この研修では図書館の資料について学びました。

 

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図書館の書棚に並べられる資料は、その内容やテーマなどをもとに分類されており、公共図書館・学校図書館・企業の図書館などそれぞれの利用者に合わせた並べ方配置「決まり」を持っています。

 

大学で図書館について学ぶ2人ですが、実習にあたり、まずは千代田図書館の資料の並べ方や特色ある書棚などを覚えることから始めました。

多くの図書館では文庫本新書、調べ物に使われる参考図書地域資料などがその他の本と分けて並べられることが一般的です。千代田図書館ではこれらに加えて、千代田区にゆかりのある文学者の資料出版にまつわる本棚の資料などを分けてまとめ、特色ある書棚を作っています。

 

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館内の配置がわかってきたところで、配架の実習が始まりました。図書館に返却された資料をもとの場所に戻し、次に利用する方が手に取りやすいように書棚を整えていきます。

 

 

また別の日には、企画展示の関連講演会「南極における気象観測の変遷」の会場設営や来場者受付をお手伝いしました。

 

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図書館のフロア内の一角を使っての講演会というのは、千代田図書館らしい催しです。

実習生にとって、新鮮な体験になったのではないでしょうか?

(講演会当日のようすは→コチラ

 

 

そして実習も終盤にさしかかった9月13日(木曜日)には、千代田図書館10階で毎月第2木曜日に行っている赤ちゃん向けおはなし会で、赤ちゃんと保護者に向けた絵本の読み聞かせわらべうたに挑戦しました!

 

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司書からレクチャーを受け、読み聞かせやわらべうたの練習をしてきた2人。当日の朝まで練習を重ねておはなし会に臨みます。

 

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開館前、参加する赤ちゃんがゆったり座れるように子ども室にマットを敷くことからおはなし会の仕事は始まります。

 

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いよいよおはなし会の始まり!この日も多くの方が参加してくれました。

 

初めは少しだけ緊張しているかな?という2人でしたが、赤ちゃんと一緒にわらべうたや手あそびを楽しみ、絵本を読み始めるころにはリラックスしたようす。

今回は、『いないいないばあ』(松谷みよ子/文、瀬川康男/絵、童心社)『くだもの』(平山和子/作、福音館書店)をそれぞれ読みました。

 

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明るくはっきりと、子ども室の後ろまで声を届かせるように絵本を読むことができました♪

 

 

実習生には、今回ご紹介した仕事のほか、図書館に欠かせない仕事を広く体験していただきました。

 

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実習生のお2人、おつかれさまでした!

Posted at:15:00

【レポート】新しくなった九段小学校 図書館もオープン間近!

千代田区では、9月から九段小学校・幼稚園の新校舎の運用がはじまりました。

今回は、新しくなった九段小学校の図書館の様子をお伝えします。

 

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校舎のデザインは、関東大震災によって焼失した後に建造された復興小学校を再現したもので、アーチ型の窓や木目調の内装が印象的です。廊下や壁面のサインも木製で、やわらかな空間をつくっています。

 

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廊下を進んでいくと、頭上に「図書館」のサイン。

窓下と壁面の両側には棚が備え付けられており、奥まで続いています。ここは廊下ではなく、すでに図書館の中に入っていたのです!

 

千代田区立図書館の学校支援担当司書も、新しくなった学校図書館の全面運用に向けて準備で大忙しです。そんな忙しい中をおじゃまして、図書館内を見学させてもらいました。

 

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図書館は利用目的によって2つに部屋が分かれています。

ひとつは、文学の本や絵本が置かれているおはなしのへや

 

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中には、子どもの背の高さに合わせた本棚やアーチ型の絵本棚があります。絵本棚の前にはじゅうたんが敷かれていて、ここに座って好きな本を読むこともできます。

 

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もうひとつは、図書館 メディアルーム

 

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調べ学習やメディア端末を使った授業もできるようになっていて、1クラス分の児童が座れる座席が40席あります。椅子は座り心地がよく、曲線のデザインや暖色を使った座面などがかわいらしく、司書のお気に入りのひとつです♪

 

 

おはなしのへやから楽しそうな声が聞こえてきたので行ってみると、3年生のクラスが絵本の読み聞かせをしていました。みんな、上履きを脱いでじゅうたんの上でぎゅっと集まっています。

 

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あたらしい図書館でみんなが絵本を楽しむ様子は、見ているこちらまで笑顔になりました。

図書館が、学校でのお気に入りの場所のひとつになったらうれしいです。

九段小学校の皆さん、新しい図書館をたくさん使ってくださいね♪

 

Posted at:10:50

【開催レポート】展示関連講演会「南極における気象観測の変遷」

9月7日(金曜日)、千代田図書館で開催中の展示「天気をはかる ~気象庁143年をものがたる人と技術~」の関連講演会「南極における気象観測の変遷」が開催されました。

 

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展示共催者の気象庁から講師をお招きして行うイベント関連は、7月に実施した「夏のわくわく課外授業」に続いて2回目。

(1回目の「夏のわくわく課外授業2018」の様子はこちらから)

今回は気象庁の観測部計画課南極観測事務室室長の荻原裕之さんに、南極での気象観測の意義やその変遷、これまでの成果についてお話しいただきました。

 

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荻原さんは1979年に東京管区気象台測器課に入庁、富士山測候所や八丈島測候所を経て、1987年2月から1年間、第28次南極地域観測隊で昭和基地の越冬観測に参加しました。

 

気象庁は、1957年に第1次観測隊が南極での観測を始めてから、今年11月に出航する第60次観測隊に至るまでの60年以上にわたり、昭和基地を中心とした日本の南極観測に参加しています。

南極では、気温、湿度、風向・風速などの各種気象要素を地上の百葉箱で観測する地上気象観測と、気球を取り付けたラジオゾンデ(上空の気象要素を観測する無線送信機つき気象観測器)で上空を観測する高層気象観測を行います。加えてオゾン観測日射放射観測も行っており、現在ではこれらすべての観測データを気象庁から配信しています。

 

極地での気象観測は世界各国の気象予報に活かされるほか、地球全体の気象の傾向などを知るためにも大きな役割を果たしています。

南極観測の歴史の中でも、特に1982年に第23次観測隊が南極大陸上空のオゾン全量の減少を観測したことは、その後のオゾンホール発見に大きく貢献しました。

 

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講演では、年間平均気温-10度と厳しい気候の南極で、日本国内と同じように気象観測を続けるための試行錯誤とその成果を振り返っていきます。観測開始から現在に至るまでの観測機器や観測場所などの変遷を、自身の越冬体験も交えてお話しいただきました。

 

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日々の観測に加え、食糧のチェックや必要とあらば医療行為まで、南極での生活は「とにかく休みがなかった」と振り返る荻原さん。和やかな話しぶりから、苦労とともに楽しさも伝わってきました。

 

たくさんの資料と写真に加えて、ビデオも見せていただきました!

 

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これはラジオゾンデをつけたヘリウムガス入りのゴム気球を飛ばすところ。気球は、飛ばす前に灯油に漬けることで割れにくくなるそうです。なぜ割れにくくなるのか、その原理はわかっていませんが、第3次観測隊が外国の観測隊から教えてもらったという極地ならではの技術が現在も活きています。

 

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こちらは昭和基地に吹くブリザード(猛吹雪)のようす。猛烈な風の音と、数メートル先の人影がほとんど見えない視界の悪さを実感することができました。

 

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講演の最後に、「現在では持ち帰ってこられないのですが…」と見せてくれたのは南極の石。なんと38億年前のもの!右の白っぽい石には苔も残っています。

 

極地で多岐にわたる観測をしながら日常生活を営み、冬を越す観測隊の任務の厳しさを知るとともに、限られた人しか足を踏み入れることができない南極への憧れや好奇心が刺激される講演会でした。

荻原さん、ありがとうございました!

 

千代田図書館の展示「天気をはかる ~気象庁143年をものがたる人と技術~」は10月27日(土曜日)まで開催中。気象や南極観測に関する資料はもちろん、第1次南極地域観測隊の観測野帳やこれまで気象庁の観測を支えてきた機器などの貴重な展示物もご覧いただけます!

 

展示「天気をはかる ~気象庁143年をものがたる人と技術~」

【会 期】 開催中~10月27日(土曜日)

【休館日】 9月23日(日曜日)~26日(水曜日)

※蔵書点検のため休館

【会 場】 千代田図書館9階 展示ウォール

【共 催】 気象庁

 

Posted at:15:30

コンシェルジュ通信Vol.37:見て、聞いて、調べて、地域情報 発信中!!

千代田図書館のコンシェルジュブースでは、私たちコンシェルジュがおすすめするスポットや文化施設、地域情報等を手作りのファルや案内マップにして紹介し、どなたにでもご覧いただけるようにしています。

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今回はその中の1つ “見聞調録” について紹介します。

私たちは街案内をする中で見て、聞いて、調べたこと本や関連する地域情報と一緒に紹介する『千代田図書館コンシェルジュの見聞調録』として、年に6回発行しています。

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“見聞調録”とは【見聞録】(見たり聞いたりしたことの記録)に「調べたこと」を追加した造語です。

 

前身の『本と街の案内所 見聞調録』は、神保町にゆかりのあるテーマをメインに2009年8月(Vol.1)から2017年3月(Vol.48)まで発行しました。

その後は『千代田図書館コンシェルジュの見聞調録』として、2017年6月から新たに発行を開始し、現在に至るまで、コンシェルジュならではの目線で千代田区にまつわる様々なテーマで情報を紹介しています。

2018年9月発行予定の最新号では、『千代田区の過去を地図や写真で探る(仮)』をテーマに、江戸、明治、大正、昭和と時代ごとの千代田区にまつわる資料やスポットを紹介します。

 

千代田図書館コンシェルジュブースの正面には、今から200年ほど前の千代田区の部分を引き延ばした『文化改正御江戸絵図』のフロアマットが敷かれているのですが、この足元の地図を不思議そうに見つめている方がよくいらっしゃいます。

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そこで、『文化改正御江戸絵図』の紹介を中心に、時代ごとの千代田区の姿を知ってもらえるようにと、次号ではこのテーマを選びました。コンシェルジュのおすすめや豆知識も掲載予定です。

 

また今回は『文化改正御江戸絵図』に、千代田図書館の場所を目印にして、現存する清水門などをわかりやすく記した案内マップも作成中。完成次第コンシェルジュブースで展示いたします。

ぜひ、楽しみにしてくださいね。

 

“見聞調録”は、千代田図書館のコンシェルジュブースでは2009年8月発行分からの全バックナンバーをご用意しています。

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日比谷図書文化館のコンシェルジュブースでも2017年6月発行分より配布しています。

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千代田図書館HP・コンシェルジュサービスからも、ご覧いただけますよ。

 

心惹かれるテーマを見つけたら、ぜひコンシェルジュブースに足を運んでくださいね。

紹介している書籍や資料、スポットなどを参考に、新しい千代田区を発見してみてはいかがですか?

 

 

 

Posted at:12:30

【開催レポート】夏のわくわく課外授業2018 〈国語〉

8月18日(土曜日)、千代田図書館の夏休み恒例イベント 「夏のわくわく課外授業2018」 の最後の科目、国語「遊んで学べる!辞書カルタをつくろう」を開催しました!

 

講師は、国立国語研究所准教授の柏野和佳子さんです。

 

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国語の授業では『広辞苑』(岩波書店)や、『新レインボー小学国語辞典』(学研教育出版)などの改訂にも携わってきた柏野先生に、辞書の使い方を楽しく遊びながら学びます。

 

授業は辞書のクイズからスタート!言葉を辞書に登場する順番に並び替えましょう。

「辞書に載っている言葉は、どんな順番で並んでいるか知っていますか?」と先生。

すぐに、みんなから「あいうえお順!」と声が上がりました。

 

はじめは簡単な並び替えの問題から、だんだん難しくなっていきます。

「母(はは)」「パパ」「馬場(ばば)」「幅(はば)」の並び順は?

 

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グループのみんなで相談しながら並び替えて…

(答えは「母」→「幅」→「馬場」→「パパ」の順番)

 

つぎに、実際に辞書を引きながら、さまざまな「言葉の不思議」を見ていきます。

 

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ブログをお読みの皆さんは、辞書をどんな時に使いますか?

知らない言葉の意味を調べるため、漢字でどう書くかわからないときに調べるため…それももちろん役に立つ使い方ですが、「自分で意味を“知っている”と思う言葉を改めて調べてみるのもおすすめの使い方です」と柏野先生。

 

たとえば「天気」という言葉。

晴れ、雨、曇り…などの気象全般を指す時もありますが、「明日天気になぁーれ!」と言う時の「天気」は晴れを思い浮かべますよね。

このように一つの言葉でせまい意味・広い意味の両方を持つものや、「皮」「歯」など、一つの言葉で全く違う複数の意味を持つものなど、一つ一つの言葉を実際に辞書で引いて確かめながら、言葉が持つ意味の広がりについてワークシートで学びました。

 

続いては辞書の引き比べです。先生が用意してくれた辞書に加えて、参加者の皆さんがおうちで使っている辞書も使い、一つの言葉にいくつの意味が書かれているか比べてみます。

 

「かお」「め」「くち」それぞれの言葉を辞書で引くと、一番多く意味が書かれているのはどの言葉でしょうか?

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「『かお』は4個!」「『め』は15個」「『くち』は10個」「こっちは『め』の意味が16個!」…みんな懸命にページをめくります。

一つの言葉の意味を表すのでも、子ども用にわかりやすく代表的な意味だけ書いてあるもの、また慣用句なども含めてたくさんの意味が書いてあるものと、使う辞書によって違いがあることがわかりました。

 

授業の後半は、辞書カルタを作ります!

まずはお手本として「夏」をテーマにした辞書カルタや『広辞苑』の「オノマトペ(擬音語と擬態語)カルタ」で遊びました。

 

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言葉の意味を書いた読み札を聞き、その言葉を表す絵札を探して取るのが辞書カルタ。似た言葉の絵札も混ざっているので、言葉の意味をしっかりと聞いて考えないと取れません。

 

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遊んだ後は、いよいよカルタづくりに取りかかります。

辞書をぱらぱらとめくりながら、みんな思い思いの辞書カルタを作りました!

 

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読み札には辞書の文章を書き写し、絵札にはイラストと言葉の頭文字を描きます。

 

作ったカルタを集めて、さっそく遊んでみましょう。

「好きな言葉」でカルタを作った子、自分でも「夏」の言葉を集めて作ってみた子、「スポーツ」「楽器」「数字のことわざ」など自分だけのテーマを決めて作った子…個性豊かなカルタを混ぜて遊ぶと、さらに楽しいですね!

どのテーブルにも、楽しそうな声が響いていました♪

 

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知りたい言葉の意味を調べるだけでなく、その言葉の周辺の意味や、応用的な使い方とも新しく出会えるのが辞書引きの魅力。子どもも大人も、今回の授業を通して、辞書を引くことがもっと楽しくなったのではないでしょうか。

柏野先生、ありがとうございました!

 

9月3日(月曜日)から22日(土曜日)まで、千代田図書館9階の2展示ウォールでは「夏のわくわく課外授業2018」3教科の授業レポートと授業に関するおすすめ本を展示します。ぜひ、こちらもご覧ください♪

Posted at:17:30

【開催レポート】四番町図書館の「こども一日図書館員」

前回、前々回は千代田図書館のイベント「夏のわくわく課外授業2018」の様子をお伝えしました。今回は、こちらも夏の恒例イベント、四番町図書館「こども一日図書館員」のレポートをお届けします♪

「こども一日図書館員」は小学3~6年生を対象に、図書館について学び、司書の仕事を体験していただくイベントです。この日は、6名が参加してくれました。

 

黄色いエプロンを付けたら、まずは一日図書館員の任命式

みんな少し緊張した面持ちで任命書を受け取っていました。

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任命されても、すぐに図書館のお仕事ができるわけではありません。

まずは、司書の仕事や、図書館で扱っている本や雑誌などの資料についてのお勉強です!

 

司書の仕事は、図書館カウンターに座って行う本の貸出・返却の他にも、本の修理、新しい本の選定や購入、本を借りられる状態に整える装備、調べ物のお手伝いをするレファレンス…などなど、ここには書ききれないほどたくさんあります。

 

また、図書館にある本・CD・DVDなど資料の数は、四番町図書館だけで117,615点、そのうち新しく受け入れた資料は一年間で6,654点になります(どちらも平成29年度の点数)。

図書館ではこんなにたくさんの資料を、どのように整理しているのでしょうか?

 

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その秘密は本の背についている小さなラベル。図書館の本は内容によって、大きく10のグループに分かれています。それをさらに細かく分類した数字と、作者の名前のはじめの一文字などを記したラベルが、1冊1冊の本の住所を表す役割をしているのです。

 

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本の細かい分類が小さな文字でたくさん書いてある本も見せてもらいました!

 

次に図書館内の見学へ。

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先ほど習った、本を分ける10のグループの順番に書棚を見て回りました。四番町図書館では、ラベルの他にも、本の内容に関連する見出しで本を整理しています。

 

普段は入ることのできない図書館の地下室にも、この日は特別に入ってもらいました!

ここは図書館の書棚に出さない本や古い資料の保存する閉架書庫

 

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背の高い電動式書棚にみんな興奮!ボタンの操作もさせてもらいました。

 

図書館について学んだあとは、実際に司書のお仕事に挑戦!

まずはカウンターで行う貸出・返却の読み取り機の操作を練習します。

操作だけでなく、利用者の個人情報を扱う上で大切なことについても説明を受けました。

 

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司書からは「利用者に元気よくあいさつして、貸出券をお返しするときも丁寧にね」というアドバイスも。

 

練習が終わったらいよいよ図書館のカウンターへ!

利用者から、貸出する本と貸出券をお預かりして読み取りをして…。緊張しながらも、上手にできました!最後は貸出券を返しながら「ありがとうございます!」とあいさつ。

 

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返却された資料に破損や汚れ、忘れ物がないか点検することも、司書の大切な仕事です。

 

カウンターの他にも、予約された本を書棚から探すお仕事も体験しました!

本の情報が印刷された紙をもとに本を探し出し、利用者に貸し出す準備をします。

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ラベルを手がかりに本を探して…ありました♪

 

すべての仕事を終えて、最後に修了書の授与式が行われました。これで一日図書館員のお仕事は終了です。

初めて知ること、体験することがたくさんあり、図書館をより身近に感じることができたのではないでしょうか?

参加してくれた皆さん、おつかれさまでした!

 

仕事を体験したみんなから寄せられた感想をご紹介します

「図書館の地下室で、動く本棚や保存している本を見て知っておどろきました。カウンターのバーコードを一度はやってみたいと思っていたのでうれしかった」

「本をさがすお仕事も、番号の迷路みたいでとてもたのしかった」

「図書館には色々な仕事があるのでたくさんの人が働いているのだとわかった」

「本の順番まできちんと整理していたので、こんどから学校で図書をかりたら、しまうとき気をつけたいと思った」

Posted at:16:10

【開催レポート】夏のわくわく課外授業2018 〈図工〉

前回にひきつづき、千代田図書館の夏休み恒例イベント「夏のわくわく課外授業2018の様子をレポートします!

 

7月28日(土曜日)に行ったのは図工「印刷と製本に挑戦!じぶんだけのノートをつくろう」

講師は、北海道札幌市と千代田区神田小川町に会社がある山藤三陽印刷女子手づくり部の皆さんです。

 

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この授業では、シルクスクリーン印刷で表紙を作った後、それを和綴じ製本でノートに仕上げます。

 

さっそく自分だけのノートの表紙づくりを開始!

好きなイラストや自分の名前など、思い思いのデザインを鉛筆で描いていきます。

 

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つぎにこのデザインを、布が張られたスクリーンに鉛筆で写し、スクリーンマーカーでなぞっていきます。

 

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スクリーンに描いたマーカーが乾いたら、スクイージーというへらを使って、絵の上に乳剤を均等にのばします。

 

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さらに乳剤を乾かしたら、洗い油をつけた筆でスクリーンマーカーの線を消していきます。これでシルクスクリーンの版が完成しました!

 

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印刷に使うのは、水彩絵の具にでんぷん糊を混ぜたもの。紙の上に置いた版の上部に絵の具を置き、スクイージーできれいにのばします。

 

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きれいに印刷できているかな?絵の具をのばしたスクリーンをそっとはがすときは緊張の一瞬!

 

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先ほど洗い油で消したマーカー部分だけに絵の具が落ち、紙に絵が印刷されるというのが、シルクスクリーン印刷の仕組みです。

みんな、とてもきれいに印刷できました!

 

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版の絵の具を落とせば、くり返し印刷できます。

布用絵の具を使って、Tシャツなどに印刷してみるのもおすすめとのこと。持ち帰った後、おうちでももう一度印刷に挑戦してくれたらうれしいです♪

 

休憩をはさみ、授業の後半は和綴じ製本を習います。

重ねた紙を糸で縫って綴じる伝統的な和綴じ製本も、先生が用意してくれたオリジナルのテンプレートを使えば簡単!

紙に重ねると、どの手順で縫っていけばいいかひと目でわかります。

 

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テンプレート、表紙、ノート用紙をぴったりと揃えたらクリップで止め、テンプレート通りに4つの穴を開けます。

好きな色の糸を選んで針を通したら、いよいよ製本開始!みんなで一緒に縫っていきます。

 

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しっかりと綴じられるように針と糸を行ったり来たりさせて、4つの穴に糸をすべて通し終えたら完成です!

普段図書館や書店などで手にする本ではなかなか見かけない和綴じ製本に、保護者の皆さんからも感心の声が上がりました。

 

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少し難しいところは手伝ってもらいながら…今回は「四つ目綴じ」でノートを作りました。

 

ノートづくりの合間には、印刷の仕組み本のつくりなどについてもお話しいただきました。

自分の手を使って印刷と製本を体験し、その仕組みを知ることで、本をより身近に感じられたのではないでしょうか?

世界に一冊だけのノート、夏休みの楽しい思い出をたくさん書き込んでくださいね♪

 

山藤三陽印刷 女子手づくり部の皆さん、ありがとうございました!

Posted at:12:00

【開催レポート】夏のわくわく課外授業2018 〈理科〉

小学4~6年生とその保護者を対象にした、千代田図書館の夏休み恒例イベント「夏のわくわく課外授業2018

今回は、7月26日に行われた理科「地球温暖化と海 ~海を測るフロートの仕組み~」の授業風景をレポートします♪

 

講師は、気象庁 東京管区気象台 気象防災部 地球環境・海洋課の地球温暖化情報官、井上博敬さんです。

 

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気象庁といえば、連日の猛暑や台風の進路など私たちの生活に関わる情報を発信しつづけている天気のスペシャリスト。だから、今日は空の話を聞かせてくれる…かと思いきや、テーマは。海の観測が、気象とどう関係するのでしょうか。

 

「100年前と比べて、気温は上がってると思う?下がってると思う?」

「あがってる!」

みんな、地球温暖化ということばを知っていたり聞いたことがあるので、すぐに答えられます。では、どのくらい上がっているのかというと、世界の平均気温は0.73℃、日本は1.19℃、東京は2.5℃上昇しているのだそうです。一方、海水の温度の上昇は0.54℃と、気温に比べると穏やかです。

 

気温に関する基本的なデータを見たところで、クイズコーナー!

 

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地球全体に対して海の面積はどのくらいあるのでしょう?

 ①40% ② 50% ③ 70% ④ 90%

「70%!」「え~でも、もっと海が多い気もする…」「さあ、どれだ!」

みんなで出した答えは、③番の70%。正解は…

 

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みごと!③番が正解でした。

ほかにも、海の深さはどのくらい?とか、地球に存在する水のうち何%が海水なの?といったクイズも出され、海の特徴を学びました。

次は、みんなお待ちかねの実験コーナーです。

 

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先生がみんなに配ったのは、お弁当によく入っている魚の形をしたしょうゆ入れ。ふたの代わりにナットをつけています。

まずはこれを好きな色に塗ります。カラフルにしたり、金魚っぽくしたり、みんな集中して自分の魚を彩っていきます。

 

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魚ができたら、500mlのペットボトルに水をほぼ満水まで入れ、その中に魚を入れます。魚はどうなるのでしょうか?握ってみたり、さかさにしてみたり、魚が浮いたり沈んだりする様子を観察してみます。

 

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あら?金魚が増えてる?

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これは、海洋の水温や塩分を観測する機器フロートの仕組みを簡易的に再現したもの。海の中ではレーダーと通信ができないため、海中で観測したデータを送るためにフロートは海面に浮き上がって通信します。データを送ったらまた沈んで観測をし、浮かんで通信、をくり返します。フロートが沈んだり浮いたりするのは、重りなどで重さを変えるのではなく、かかる圧力が関係しています。圧力がかかってフロートが沈む様子を、ペットボトルを外側から押すことによって再現してみたのでした。

 

まとめも終わり、残った時間は先生への質問コーナー。

「48億年前の海って、どんなものだった?」

「一番最初に海から上がってきた生き物ってなに?」

海について疑問に思っていることが、次々と飛び出します。

「う~ん、そうだねぇ」と言いながら、テンポよく応じる井上先生。時間いっぱいまで、こどもたちの質問に答えてくれました。

 

井上先生、ありがとうございました!

 

理科の授業は、現在千代田図書館9階展示ウォールで開催中の展示「天気をはかる ~気象庁143年をものがたる人と技術~」の関連企画として行いました。

ここでは、気象に関する本やパネルのほか、実際に使われていた観測機器などが展示されています。ぜひ、お立ち寄りください♪

Posted at:13:00

神保町の魅力を伝えます!中高生のための古書店街ツアー

千代田区内には中学校・高校があわせて21校ありますが、区外から通っている生徒が多くを占め、千代田区に通っているけれど学校と最寄り駅以外はあまり知らないということも多いようです。

そこで千代田区読書振興センターでは、昨年11月より区内校に通う中学生・高校生の皆さんへ、図書館の取り組みと神保町古書店街の魅力を千代田図書館コンシェルジュがお伝えする「中高生のための古書店街ツアー」を行っています。

 

先日、今年度最初のツアーを開催しました!

参加してくれたのは、千代田区神田三崎町にある東洋高等学校の皆さん。

「普段、生徒たちは『街』を意識しながら歩くことがあまりないように思います。せっかくですから学校周辺の街並みを知ってもらいたい」という先生の思いからツアーにお申し込みいただきました。

 

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はじめに神保町の名前の由来や古書店街のなりたちについてのレクチャーを行い、館内の見学からツアーは始まります!

千代田図書館9階のレファレンスサービスカウンターの前には「としょかんのこしょてん」展示や出版にまつわる本棚があります。館内にも、街の魅力をお伝えする一角があるんですよ♪

 

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千代田図書館を出発し、一行は神保町古書店街をめざし靖国通り沿いを進みます。

児童書専門の新刊書店ブックハウスカフェ、看板建築という特徴的な外観で神保町の風景としてよくメディアなどで紹介される矢口書店古賀書店などを経て、到着したのが神田古書センタービル

 

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こちらのビルには、明治初期に創業した老舗古書店の高山本店をはじめ、趣味・芸術・漫画・近代文学などジャンルの違う古書店が8店入っています。今回は、ビル2階にある漫画専門の夢野書店の見学をしました。

 

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店内には懐かしい漫画本やおなじみの漫画雑誌のバックナンバー、サイン色紙やフィギュアなど、ところ狭しと並べられています。自分の知っているタイトルを見つけたり、原画を見せてもらったり、見るものがたくさん。お店の方からは、夢野書店の前身である中野書店創業時のお話などを伺うこともできました。

 

次に見学したのが一誠堂書店。文科系の古書全般を扱う老舗の古書店です。

 

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店舗の2階には、革の表紙の分厚い洋書や筆で書かれた和本など、たくさんの古書が揃っています。こちらでも、普段はガラスケースに入っている本を出していただき、お店の方に説明を受けながら実際に触れることもできました。

薄い和紙に印刷された100年以上前の本、触るのにもちょっと緊張してしまいますよね!

 

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暑い日中のツアーとなったこの日、途中で水分補給のための休憩を取りながら、一行は靖国通りを進んでいきます。

関東大震災後に建てられた十一軒長屋を昔の写真と比べながら見学し、老舗の古書店、大型の新刊書店などを経て、すずらん通りに入りゴール! 皆さんおつかれさまでした。

 

ツアーを終えて、先生から参加した生徒の皆さんに送られた

「毎日暑くてつらくて、つい歩くときに下を向いてしまうよね。でも、ちょっと顔をあげてみてください。魅力的な街が見えてきます」

というメッセージが印象的でした。

これからも街を見つめつづけ、神保町という街の魅力をどんどんお伝えしていきます!

Posted at:14:10

コンシェルジュ通信Vol.36:街案内に欠かせない大切な仕事~街を歩いて情報収集

私たち図書館コンシェルジュは、館内の案内だけでなく千代田区の街案内も行っています。そのため、日頃から街の情報を集めるようにしています。

その中でもよく聞かれるのが、千代田図書館からも近い神保町古書店街についてです。そこで私たちは定期的に神保町を歩いています。

今回のコンシェルジュ通信は、街を歩きながらどんなふうに情報収集をしているのか、6月下旬に行ったときのようすを交えながらご紹介します。

 

この日は、七夕が近いこともあり、店の軒先に七夕の笹飾りが飾られていました。こんなちょっとした街の変化ものがさず見ています。

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 “世界一の本の街”とよばれる神保町の古書店街には、150店舗以上の古書店があると言われており、それぞれの古書店が扱うジャンルも多岐にわたります。

私たちはまず新人のうちに、実店舗を構えている約100店舗の古書店を実際に訪れ、それぞれの古書店の特徴を覚えていきます。何のジャンルを専門に扱っている店?棚にはどんなインデックスがある?どの年代の本が多い?などなど、細かな特徴を覚えていきます。

また、古書店までの道順や目印、看板など、どのように案内したら分かりやすいかをお客様の目線で確かめていきます。

 

こうして実際に自分の目で確かめた情報は、例えば、具体的な書名はわからない、データベースには載っていないなど、検索だけでは補いきれないお問い合わせの時に活かしています。

 

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また古書店だけでなく、街の変化にもアンテナを張っています。新規オープンした店舗などは、テレビや新聞をご覧になったお客様から問い合わせを受けることがよくあるため、すぐに見にいくようにしています。

 

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今年4月に、岩波ブックセンター信山社の跡地にオープンした神保町ブックセンターでは老舗古書店が載った「神保町の歩き方」看板も見ることができますよ。神保町ならではの看板ですね。

オープン直後に行ったメンバーから、「カーペットからカフェのメニュー表まで、岩波文庫の表紙デザインがモチーフになっていたよ。」と聞き、個人的にも興味がわいたので、その後すぐに行ってきました。

メンバー間でそれぞれが得た情報を共有しているので、お客様から「テレビで放映していた、新しい書店はどこかしら?」とお問い合わせをいただいた際にも、すぐにお答えすることができました。

 

また私たちが肌で感じた街の魅力や集めた情報は、日々の街案内だけではなく、「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー」などにも活かしています。

先日は、5月に開催した「神保町ツアー」に参加された方が、「ツアーに参加した後、神保町の違った面が見えて、古書店通いが楽しくなっています」と声をかけてくださいました。ツアーをきっかけに、より街の魅力を感じていただけるようになったと聞き、とてもうれしくなりました。

 

【開催レポート(前編)】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「神保町古書店街の150年」編

【開催レポート(後編)】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「神保町古書店街の150年」編

 

このように、図書館と街の魅力をお伝えできるよう、日々情報収集してお待ちしています!

千代田図書館にいらっしゃった際には、ぜひ私たちコンシェルジュに気軽に声をかけてください。

 

Posted at:18:30

【取材レポート】春の読書旬間 in お茶の水小学校

皆さん、こんにちは。

千代田区読書振興センターでは、区立の教育関連施設に学校支援担当司書を派遣し、さまざまな読書活動の支援をしています。それぞれの学校で特色ある読書活動が行われていますが、今回は千代田区立お茶の水小学校春の読書旬間の様子をレポートします。

                                 

学校の図書館ではおはよう おやすみ いまなんじ?と題しじかんをテーマに展示が行われています。

 

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「こどもの読書週間」にあわせて千代田図書館で開催された「ヨムキクちよだ2018」(4月23日~5月13日)で展示した図書に、学校支援担当司書がじかんをテーマに選んだ図書を加えて紹介しています。展示中央にある大きな時計は司書の手づくりです!

 

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この展示で紹介されている図書から選んだ本で、低学年(1~3年生)と高学年(4~6年)それぞれを対象におはなし会が行われました。

 

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低学年のおはなし会ではこの3作品。

『ねこどけい』(きしだえりこ/作 福音館書店)

「魔法のかさ」(R.ファイルマン/原作 東京こども図書館『おはなしのろうそく 30』収録)

『こんや、妖怪がやってくる』(君島久子/文 岩波書店)

これらに加えて、手あそび「やすべえじいさん」をしました。『ねこどけい』と『こんや、妖怪がやってくる』は読み聞かせで、壇上のスクリーンに映し出される絵本の中のかわいい絵とともにお話を楽しみました。「魔法のかさ」は、絵を見ながらではなく話し手の言葉だけで聞き手が情景を想像しながらお話を楽しむストーリーテリングで行われました。

 

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「魔法のかさ」は、魔法使いが忘れていったかさのお話。拾ったかさは魔法のかさで、そのかさを持っている人は、ある数字を数えるとそれぞれの場所に飛んで行ってしまうのですが、そんなことは誰も知りません。ある日、かさを持って市場に出かけたおかみさんが、たまごを数えると…

想像力をはたらかせるのがストーリーテリングを楽しむコツ。はたしてみんな物語を楽しむことができるのでしょうか?

話し手が「1、2、3ひゅー!」と言ったところで児童たちからどっと笑い声が起こりました。いきなり飛んでしまったおかみさんの姿が頭の中に思い浮かべることができたようです。その後も「ひゅー」と言うたびに笑い声が聞こえ、ストーリーテリングを楽しんでいました。

 

高学年のおはなし会ではこの4作品。

『よあけ』(ユリー・シュルヴィッツ/作・画 福音館書店)

「魔法のかさ」(R.ファイルマン/原作 東京こども図書館『おはなしのろうそく 30』収録)

『メアリー・スミス』(アンドレア・ユーレン/作 光村教育図書)

『こんや、妖怪がやってくる』(君島久子/文 岩波書店)

手あそびは「でんでらりゅうば」をしました。

 

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学年に合わせて、作品も変えていきます。『よあけ』では、日の出前の薄暗い朝の静けさが声からも伝わってきました。司書の語りを聞きながら、映し出される美しい絵に魅入っているようでした。

続く、ストーリーテリング。高学年もお話の世界をうまく想像できるのでしょうか?

「さあ、次はストーリーテリングです。」と聞いてみんながとった姿勢は…

 

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頭を下げて、耳だけに集中するようです。なるほど、そんな作戦があったのですね!姿勢の効果もあって(?)みんな集中して「魔法のかさ」を聞いていました。

 

読み聞かせとストーリーテリングの合間には、てあそびをします。

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てあそびも、高学年になると難易度が上がります。歌にあわせて片方の手をいろいろな形に変え、もう片方の手に添えます。グーにした手をポンと手のひらにのせて「なるほど」のポーズ、人差し指と中指をあてて「お寿司」、など形に名前をつけて覚えます。なるほど、親指、お寿司、キツネ、なるほど、親指…なにかの呪文のようですね。覚えたらスピードアップ!みんなで夢中になっていました。

 

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先生からの「読書旬間の本の紹介を見た人?」という質問に多くの児童が手を挙げてくれました。そのうち3分の1くらいの児童が実際に本を借りたそうです。

また、図書館のカウンターには読書旬間中に展示された本を借りるともらえるしおりがたくさん用意されており、すでにもらったという児童もたくさんいました。

しおりは保護者の図書館ボランティアの方々による手作りです。

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読書をより楽しめるよう考えられた、さまざまな工夫やしかけ。こどもたちにもしっかり伝わっていました!

これをきっかけに、本好きなこどもたちが増えてくれるとうれしいです。

Posted at:10:40

四番町図書館で「親子で楽しく!英語で読み聞かせ」を開催しました

6月16日(土曜日)、四番町図書館でラウンジセミナー「親子で楽しく!英語で読み聞かせ~迫力満点の写真絵本で見て感じて!~」を行いました。

現在、千代田図書館で開催中の企画展示「未知へ誘うヴィジュアルの世界~ここはどこ?これは誰?これって何?~」の関連イベントである今回のラウンジセミナーは、小さな子どもでも楽しめる英語絵本を使い、遊びながら英語に親しむワークショップです。

 

講師は『イギリスの小学校教科書で楽しく英語を学ぶ』(小学館、共著)などの著書や、日本経済新聞で連載中の「おもてなし会話術」で知られる、田園調布雙葉高校・実践女子大学・武蔵野大学非常勤講師の宮下いづみさん

 

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「Hello, everyone. How are you?」

今回のイベントは、始めから終わりまで英語で行われました!

まずは英語の手あそび歌から。

 

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「Head, Shoulders, Knees and Toes」は子どもから大人までおなじみの1曲ですね。

みんなも、楽しそうに体を動かしていました♪

 

今回読んだのは、ナショナルジオグラフィックならではの迫力ある生き物の写真や諸外国の風景写真を使った、センゲージラーニングの英語教材絵本「Our World」のシリーズです。

 

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1冊目の絵本は『My Body, Your Body』

写真を見ながら、体のパーツを英語で言ってみよう!

 

絵本の文章を読むだけでなく、写真を見ながら英語で簡単な質問をしたり、体を動かしながらその動作を英語で言ってみたりすることで、目でも英単語を覚えることができますね。

 

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こちらの絵本は『Art Class』

「Red plus yellow is orange!」

実際に色を混ぜて色水遊びをしながら、英語の色の名前を学びました。

 

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『Where Are the Animals?』

写真を見ながら動物を探す絵本を読んだ後は、会場でも折り紙のカエルをかくれんぼさせるゲームで大盛り上がり!

 

イベント後半では、四番町図書館に所蔵する英語の絵本も読み聞かせしていただきました。

 

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自然の中のいろいろな風景に登場する「緑色」をシンプルな英語でつづる絵本『green』(Laura Vaccaro Seeger, Roaring Brook Press)は、宮下さんに続き子どもたちも文章を声に出しながら読み進めました。

 

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最後には、体全体でアルファベットを表現しながら、子どもも大人もみんなで「Coconut Song」を歌いました!

英語の絵本に手あそび歌、ゲームを交えることで、頭や耳だけでなく全身で英語に親しんでいただくことができたのではないでしょうか?

 

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また、イベント終了後には宮下さんから保護者の皆さんへおすすめする英語の絵本の紹介も。

今回使用した四番町図書館の絵本は、どれもカウンター右手のアメリカンシェルフに所蔵しています。また、今回のセミナーで使用した英語教材の展示も今月いっぱい行っています。

 

2013年に日比谷図書文化館、四番町図書館に設置されたアメリカンシェルフには、米国大使館アメリカンセンターより「米国の歴史・文化・価値観を知るための本」が寄贈されています。

四番町図書館には英語の絵本や児童書が多く揃っており、日本語訳との読みくらべのできる絵本や、日本ではなかなか手に入らない絵本もあります。

来館の際にはぜひご覧ください♪

 

また、千代田図書館では7月21日(土曜日)まで企画展示「未知へ誘うヴィジュアルの世界~ここはどこ?これは誰?これって何?~」を開催していますので、こちらにもお越しください。

 

今回は四番町図書館のラウンジセミナーの様子をレポートしました♪

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:16:50

【開催レポート(後編)】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「神保町古書店街の150年」編

5月26日(土曜日)、千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「神保町古書店街の150年」編 を開催しました!

今回は、第2部の街歩きツアーの様子をお伝えします♪

 

第1部では、ゲストの飯澤文夫さんに、江戸時代の切絵図を手がかりにして神保町古書店街の成り立ちをお話しいただきました。

続く第2部、街歩きツアーへ出発する前にコンシェルジュが皆さんをご案内したのは、千代田図書館9階のコンシェルジュブース前にある古地図マットです。

 

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これは千代田区立図書館が所蔵する『文化改正御江戸絵図』の千代田区の部分を引き延ばしたマットで、第1部で紹介された『飯田町駿河台小川町絵図』よりもおよそ40~50年前の街並みが描かれています。

こちらの絵図にも、清水門俎橋(まないたばし)の表記を確認することができます。

 

いよいよ千代田図書館から神保町古書店街へ出発!

現在、千代田図書館と神保町を結ぶ最も大きな道は靖国通りですが、江戸~明治期にかけては、この通りが「裏神保小路」、その南側、現在のさくら通りすずらん通り「表神保小路」と呼ばれていました。

 

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第1部でも紹介された神保町の名前の由来となった神保氏の屋敷は、この「表神保小路」、現在のさくら通りにある山形屋紙店のあたりにあったと言われています。山形屋紙店は明治12年創業の老舗(下の写真左)で、店舗の裏には大正期に建てられたレンガ造りの蔵が残っています。

同じさくら通りには、関東大震災後の昭和4年に建てられた、震災復興建築のビルがあります。地震に強い鉄筋コンクリート造りの建物に、スクラッチタイルの装飾が施されたこのビルは、現在日本タイ協会が使用しています。(下の写真右)

 

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新しい出版社のビルやマンション群の中に歴史的な建物が点在するさくら通りを抜けて、一行は靖国通りへ。

古地図や江戸・東京の地形に関する資料を多く扱う創業120年以上の老舗古書店、秦川堂書店を見学しました。

 

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秦川堂書店を見学した後は、靖国通り沿いに建つ明治36年創業の一誠堂書店ラドリオミロンガ・ヌォーバなどの喫茶店が並ぶ路地など、神保町の歴史的シンボルともいえるスポットを次々に巡り、駿河台下交差点からすずらん通りへ入ります。

 

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この日は、年に一度の「神田すずらんまつり」が行われており、出店が立ち並ぶ商店街は大にぎわいでした。

お祭りの様子を楽しみながらすずらん通りを歩き、ツアーの終着地小学館ギャラリーBH神保町「本と街の案内所」へ到着です。

 

今回のツアーで巡ったのはこちらのコースです。

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江戸時代の古地図から始まり、明治から大正、昭和、そして平成と、それぞれの時代の歴史が息づく神保町古書店街を、ゆったりと歩きながらお楽しみいただきました。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:11:50

【開催レポート(前編)】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「神保町古書店街の150年」編

5月26日(土曜日)、千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「神保町古書店街の150年」編 を開催しました!

ちよぴたブログでは、第1部のゲストのトークと第2部の街歩きツアーに分け、当日の様子をお伝えします♪

 

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第1部のゲストは、明治大学史資料センター研究調査員、帝京大学非常勤講師の飯澤文夫さんです。

学生時代から大学での勤務、そして現在は「神保町を元気にする会」と共催の明治大学リバティアカデミーの公開講座「本の街・神保町で考える」を受け持つなど、神保町とはおよそ50年のつきあいになるという飯澤さん。

 

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この日、神保町古書店街で初めて買ったという記念すべき1冊を持ってきてくださいました!

駿河台下の三茶書房で買ったという『田中英光 愛と死と』(竹内良夫・別所直樹/著、大光社)。

 

千代田区神田神保町1~3丁目を中心に、現在180軒近くの古書店をはじめ新刊書店、出版社や出版プロダクション、取次店、印刷・製本業者が立ち並ぶ神保町古書店街。

飯澤さんいわく「こんな街は世界広しといえど他にない」という神保町が、どのような歴史を辿って「世界一の本の街」になったのかを、豊富な資料とともに解説いただきました。

 

江戸時代、江戸城の周辺には武家屋敷が立ち並んでいました。

「神保町」の名前は、延宝または元禄年間に小川町(現・神田神保町2丁目)に屋敷地を拝領した旗本の神保氏が住んでいたことに由来するといわれています。

飯澤さんが用意してくださった『飯田町駿河台小川町絵図』には安政年間の神保町、そして千代田図書館周辺の街並みが記されています。この絵図は「切絵図」と呼ばれる江戸時代の住宅地図のようなもので、細い道筋や屋敷に住む人名まで書かれています。

 

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切絵図をよく見ると、九段坂清水門俎橋(まないたばし)など千代田図書館周辺に今も残るおなじみのスポットが。大正12年の関東大震災後に整備される靖国通りなどいくつかの道を除いて、街の形は当時からほとんど変わっていません。

「街を知るために、古地図と現在の地図を比べての街歩きはおすすめですよ!」とお話しされました。

 

またこの切絵図には、九段坂下(現在の昭和館のあたり)に洋学・洋書の研究機関「蕃書調所」も記されています。

蕃書調所は明治期に入り開成学校へと再編され、のちの東京大学の前身となりました。

この他にも、明治初期には武家屋敷の跡地に数々の学校・病院ができ、その周辺には次第に学術書や専門書を扱う書店が増えていきます。現在は出版社または新刊書店として知られる有斐閣三省堂岩波書店も開業時は古書店としてのスタートでした。

 

明治25年の大火、そして大正12年の関東大震災を乗り越えながら、さらにその規模を拡大していった神保町古書店街。

教員や学生の需要もあり次々と古書店が開業する中で、一誠堂書店は多くの古書店主を輩出したことでも知られています。

「神保町には書店同士が学びあい、高めあう環境がある」と飯澤さんは言います。

 

第二次世界大戦中、東京大空襲の戦火を免れ、現在も歴史ある街の姿をとどめる神保町古書店街。

平成に入ってからも、裏通りには個性的な古書店や飲食店が増え、なお多くの人々に愛されています。

 

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この街の起こりから現在に至るまで、楽しいお話しと充実の内容であっという間の一時間でした!

飯澤さん、ありがとうございました。

後半は、いよいよ神保町古書店街の街歩きへと出発です♪

Posted at:16:00

「本と出会う 読書サロン 第16期オープニングイベント」を開催しました

本と出会う 読書サロン」をご存じですか?

年2期(6月~9月、12月~3月)千代田図書館で開催されている、読書の会が主催する本を通じた交流の場です。

1冊の本について語りあう読書会とは違い、テーマに沿った本を各メンバーが選んで持ち寄り紹介しあうのがこの会の特徴です。

 

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こちらは、読書サロンで紹介された本の一部です。

読書サロンでは小説、ビジネス書、絵本、写真集などさまざまなジャンルから選ばれた本との出会いが待っています。

 

今回は、そのメンバー募集をかねたオープニングイベントとして開催された講演会の様子をお伝えします。

 

ゲストは、子どもの本を数多く手掛ける出版社偕成社社長・今村正樹さん

 

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子どもを育てる、子どもの本を育てる」と題し、子どもの本のこれからや子どもをとりまく社会との関係についてなどをお話しいただいました。

 

「やっぱり、今このテーマで触れる話題というと…」

そう言って語り始めたのは、5月2日に亡くなられた絵本作家かこさとしさんについてです。

 

かこさとしさんの代表作のひとつ『からすのパンやさん』。

愛らしいからすの夫婦やたくさんの種類のパンなどが登場し、世代を超えて愛され続けています。

 

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『からすのパンやさん』

かこさとし/作 偕成社

 

絵本といえばこのようにかわいいキャラクターが登場したり楽しいストーリーが展開する作品だというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?

しかし絵本にもいろいろ種類があり、おはなしの世界を楽しむ絵本もあればノンフィクションの絵本もあります。

かこさんは、愛らしい作品を手掛けると同時にノンフィクションの絵本の創作も精力的に行っていました。

ノンフィクションの絵本に対して、知識を身につけるお勉強のための読み物というイメージを持ってしまうと、あまり手を伸ばそうという気持ちがおきにくいかもしれません。

事実に対して子どもの興味をいかに引っ張っていくかが重要になってきます。細部にまできっちり丁寧に描かれた作品は、本を開くたびにいろいろな発見があります。そうやって楽しみながら知識が身につく作品を、かこさんは数多く生み出していました。

 

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『太陽と光しょくばいものがたり』

藤島昭、かこさとし、村上武利、中田一弥、落合剛、野村知生/共著

かこさとし/絵 偕成社

 

そんな作り手の思いを受け止めて、子どもに本を手渡す大人としての使命感を持って本を世に出していることが、今村さんのお話しの端々から伝わってきました。

学校の授業で読書感想文を書くことについて、いま書店が直面する困難について、図書館に対する疑問(?)などなど、ときに熱く、ときにユーモアを交えてお話しくださいました。

 

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その中で印象に残ったのが

「人がよい方向へむかっていくと信じて本を出したい」

というフレーズ。

正しい知識、深い好奇心によって人は進歩していく。その知識や好奇心の源になるような本を子どもに手渡したい。本がどんな読み手に渡るのか、渡った先にどのように残るのか。1冊の本がたどるストーリーを常に頭に描いて本を創り続けているのだと感じました。

 

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今村さん、ありがとうございました!

 

イベント終了後は、今村さんに質問をする方や第15期の読書サロンで紹介された本を手に意見交換をする方々などの姿が見られました。

読書振興センターでは今後も本を通したコミュニケーションの場づくりのお手伝いを行っていきたいと思います。

読書サロンの開催は毎月第3火曜日の午後7時から。

参加者は近隣の方だけでなくお仕事帰りの方も多く、生活スタイルもさまざまなメンバーで本を通じた交流を楽しんでいます。

図書館は休日に行くところ、とは限りません。

千代田図書館は、平日22時まで開館しています。

気軽にちょっと立ち寄って、本との出会いを楽しんでみませんか?

 

本と出会う 読書サロン 詳細はこちら

Posted at:14:40

学校図書館での「図書館オリエンテーション」に行ってきました!

千代田区立図書館の学校支援担当司書は、毎年度のはじめ、千代田区立小学校・中学校の児童・生徒の皆さんに学校図書館の使い方を紹介する「図書館オリエンテーション」を行っています。

 

このオリエンテーションで、小学校の低学年では学校図書館での本の借り方・返し方や本の扱い方、読みたい本の探し方などを、高学年では参考図書や年鑑を使った調べ物などを学びます。さらに中学校では、著作権や参考文献の書き方といった、情報を正しく活用する方法についても紹介しています。今年度もそれぞれの学年にあわせた内容で、4月中旬から5月にかけて行いました。

 

今回「ちよぴたブログ」がおじゃましたのは、千代田区立麹町小学校1年1組の図書館オリエンテーション。

今日は国語の授業内「図書の時間」で、初めて小学校の図書館を使います。

 

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図書館ってどんなところかみんなに知ってもらうために、まずは司書が絵本の読み聞かせを行いました。

 

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『しずかに!ここはどうぶつのとしょかんです』(ドン・フリーマン/作・絵、なかがわ ちひろ/訳、BL出版)

動物たちにも図書館で本を読ませてあげたいな…主人公カリーナの楽しい想像がふくらむおはなしに、みんなじっと聞き入っていました。

 

「はじめに質問です。図書館の本にあって、みんなのおうちの本にないものは?」

司書の問いかけに、元気に手があがりました。

本と本の間にはさんである見出しの紙?ここまで読んだという目印のしおり?

答えは、本に貼ってある「ラベル」「バーコード」。これは、図書館の本を探したり、借りたりするときにとても大切なものなのです。

 

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麹町小学校の図書館には1万冊以上の本があります。その中から読みたい本がどこにあるかを探すのに役立つのが、本の背中の部分に貼ってある「ラベル」。

数字と作者の名前の頭文字で、本の住所を表しています。

 

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つぎに、図書館の本が仲間ごとに10のグループに分けられていることをお話ししました。

たとえば動物の本は「4」、乗り物の本は「6」、物語の本は「9」となっています。

 

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本を見つけるときに役立つ10のグループ分け。図書館を使う中で、子どもたちはゆっくりと覚えていきます。

 

授業の最後は、本の借りかたを練習しました。子どもたちはそれぞれ借りたい本を1冊ずつ選び、カウンターでクラスと名前、出席番号を伝え、バーコードを読み取ってもらって本を貸出してもらいます。

 

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はじめに先生のお手本から。みんなしっかり見ています。

 

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初めて借りた学校図書館の本。みんなとてもうれしそうに本を抱えていました!

1年1組のみんな、これからも休み時間や図書の時間を通じて、ぜひ学校図書館で読書を楽しんでくださいね!

 

子どもたちに学校図書館を活用してもらう取り組みのひとつ、学校支援担当司書の図書館オリエンテーションのご紹介でした♪

Posted at:10:50

イベントレポート「第10回ことばと音のフェスティバル♪ よみしばい『モモ』」

4月28日(土曜日)、千代田区役所1階区民ホールで、第10回ことばと音のフェスティバル♪「よみしばい『モモ』」を開催しました!

今回のちよぴたブログでは、当日の様子を詳しくレポートします。

 

まずは、出演するシアターオルトの皆さんの自己紹介から始まりました。

 

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「今日は、来場者の皆さんにもお芝居に参加してもらいたいんです」

風船を使って、お芝居の中に出てくる「ある小道具」を作るワークショップが始まりました!

 

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細長い風船を、われないように気をつけながら何度かねじって…

できあがったのはお花の形のような風船。さて、どこで登場するのでしょうか?

 

ワークショップの後、いよいよ「よみしばい『モモ』」の開演です。

「よみしばい」の名の通り、俳優さんが手に本を持ち、セリフやお話しを読みながらお芝居を進めます。お芝居の間には、楽器で俳優さんの動きに合わせて効果音をつけたり、シーンに音楽を合わせたりする演出も。生演奏が入ることで、臨場感あふれる物語の世界が生まれました。

 

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子どもたちが慣れ親しんでいる「読み聞かせ」と、俳優の表情や動きを見せる「お芝居」を組み合わせた「よみしばい」で、小さな子どもたちもお話しの世界に引き込まれていきます。

 

 

『モモ』は、こんなおはなしです。

とある都会のはずれ、むかし劇場だったという廃墟に、ひとりの女の子が住み着くようになりました。

女の子の名前はモモ。いつ生まれたかも、どこから来たかもわからない不思議な女の子です。

 

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この街の人々はしだいに、モモのところにおしゃべりに行くことが楽しみになります。モモは、時間をかけて人の話にじっと耳を傾けることのできる能力を持っていたのです。

 

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無口な道路掃除夫のおじいさん・ベッポと、おしゃべりな観光ガイドの若者・ジジは、モモの親友です。

 

ある日この街に、「時間貯蓄銀行」を名乗る男たちが現れました。時間を節約し、余った時間を預けることで豊かな生活が送れる…男たちは人々にささやいて回ります。

無駄なおしゃべりや無駄な考えごと、日常の楽しみをすべてやめて時間を節約することこそ豊かな人生につながるのだという考えは人々の間に広まり、街の様子は変わってしまいました。

 

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「時間貯蓄銀行」の男はモモのところにもやってきました。人とは少し違う時間の流れを持っているモモ。男たちに目をつけられてしまいます。

 

ベッポやジジまでモモのもとを去ってしまい途方に暮れていると、1匹のカメが現れました。カメの名前はカシオペイア。「わたしについておいで」とモモを導きます。

 

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カシオペイアに導かれ、モモは時間をつかさどるマイスター・ホラに出会います。

「時間貯蓄銀行」の男たちの正体は時間どろぼうで、人々をだまし、人々の心の中にある「時間の花」を奪って貯蔵庫にため込んでいるのだ、と教えられたモモ。マイスター・ホラが時間を止めている間に貯蔵庫を見つけ出し、時間の花を開放する冒険に出かけます。

 

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時間どろぼうに追われながら「時間の花」のありかを突き止めたモモ。モモが一輪だけ持った「時間の花」を扉にかざすと、貯蔵庫が開きました!

 

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最初に皆さんがワークショップで作ったお花の形の風船は、このシーンで使われる「時間の花」だったんですね!

 

 

終演後、来場者の皆さんからのアンケートには

「ひさしぶりに『モモ』を読みたくなりました」

「参加型のお芝居で、子どもたちがとても楽しそうだった」

「効果音の生演奏が刺激的だったようで、子どもがとてものめり込んでいた」

「大人も楽しめる内容でした」

といった声が寄せられました。

 

今年の「ことばと音のフェスティバル♪」では、世界中で愛されているミヒャエル・エンデの『モモ』のよみしばいをお届けしました。

千代田区読書振興センターではこれからも、親子そろって気軽に本に親しめるイベントを行っていきますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね。

Posted at:18:30

【速報】「ことばと音のフェスティバル♪」と
「春のレファレンジャー」「工作ワークショップ」を本日開催しました!

本日4月28日(土曜日)、千代田図書館では「ヨムキクちよだ2018」のイベント、第10回ことばと音のフェスティバル♪「よみしばい『モモ』」「緊急出動!春のレファレンジャー」「工作ワークショップ」を開催しました。

 

千代田区役所1階の区民ホールで行った第10回ことばと音のフェスティバル♪「よみしばい『モモ』」

小さなお子様から大人まで、たいへん多くの方々に楽しんでいただきました!

 

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こちらのイベントの様子は、近日中にこの「ちよぴたブログ」で詳しくレポートします♪

 

千代田図書館10階には、「読書の味方」レファレンジャーが登場。

 

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いつもは夏休み期間に千代田図書館に登場しますが、今日は緊急出動!

 

子どもたちの本探しのお手伝いや、保護者の皆さんの読書相談にお答えしました。

 

こちらは工作ワークショップ

小さなお子様でも簡単に作れるミニノートこいのぼりしおりの工作を楽しんでいただきました♪

 

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ミニノートは4種類。好きな色を選び、紙を折って作りました。

 

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色とりどりのおりがみを編み込んで作るこいのぼりしおり。

思い思いの色で、カラフルなこいのぼりが完成しました!

 

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ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!

Posted at:17:30

「和綴じ製本で『読書ノート』を作ろう」実施レポート

今回は、2月17日(土)に千代田図書館で開催したイベント

「和綴じ製本で『読書ノート』を作ろう」の様子をお伝えします。

 

講師は丁 寅次(ちょう・とらじ)先生。

お茶の水にある おりがみ会館などで「和綴じ教室」や「水引き教室」の講師を

務めていらっしゃいます。

 

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最初は本の中身を折る作業から。

読書ノートとして記入する部分ですね。

袋綴じとよばれる和本の代表的な綴じ方で、中の紙を二つ折りにして

折り目の反対側を糸で綴じます。

ずれないように、1枚ずつ丁寧に折っていきます。

 

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すべて折って重ねたら、本を束ねて留める位置にしるしを付けます。

まず右端から1cmとり、その内側8mmに線をひく。

上下からそれぞれ3cmと4.5cmを測り、さきほどの8mmと

交わるところに点を打つ...

ミリ単位の繊細な作業が続き、思わずため息をもらす参加者も。

「ため息つかない!」

先生の喝に思わずふき出し、緊張がほぐれたところで作業続行。

しるしの部分に目打ちで穴を開けます。

「ストレス解消!」「気持ちいい~」

普段あまりやらない作業を、皆さん楽しんでいる様子です。

 

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本体の準備ができたら、次は表紙を選びます。

どれもすてきな柄で、迷ってしまいますね。

世界に一つしかない、自分だけの読書ノートです。

皆さんじっくり選んでいました。

 

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表紙を決めたら、いよいよ糸で綴じていきます!

・・・と、その前に、しるしを付ける作業をします。

ミリ単位に計測し、さらに割り算も。

ふたたび繊細な作業ですが、ゴールは近いのでがんばりましょう!

 

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点をつけたところに目打ちで穴を開けます。

このときには皆さん作業にも慣れてきて

リズムよく目打ちを打つ手元は職人さんのようでした。

 

さあ、今度こそ本を綴じる作業です。

四つの穴で綴じるシンプルな形「四つ目綴じ」という方法です。

「いちばん簡単で、いちばん難しい」

先生曰く、シンプルゆえにきれいに仕上げるのが難しい綴じ方とのこと。

緩まないようにキュッと綴じて、完成!

 

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「何を読もうかしら。」

「その表紙だと『源氏物語』が似合うわね」

自分だけの読書ノートづくりを楽しんでいただけたようです。

お気に入りのノートと一緒に、読書を楽しんでくださいね♪

丁先生、参加者の皆さん、ありがとうございました!

 

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Posted at:13:45

楽しいイベントたくさん!千代田区立図書館のクリスマスイベント

12月9日(土曜日)、昌平まちかど図書館

「クリスマスぬいぐるみおとまり会」を行いました!

 

子どもたちお気に入りのぬいぐるみが、夜の図書館に

一晩おとまりするぬいぐるみおとまり会

昌平まちかど図書館では初めての開催となりましたが

定員となる10組の親子にご参加いただきました。

 

子どもたちは、まず図書館でぬいぐるみと一緒に

絵本の読み聞かせやクリスマスの手あそびを楽しみ、

そのあとぬいぐるみが、昌平まちかど図書館におとまりをしました。

 

ぬいぐるみは、12月11日(月曜日)に参加してくれた子どもたちのもとへ。

お迎えに来てくれた子どもたちには、

ぬいぐるみが図書館で選んだ絵本と、

おとまり会の様子を記録したアルバムを一緒にお渡ししました♪

 

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子どもたちは、みんな嬉しそうに

絵本とアルバムを受け取ってくれたそうです♪

ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!

 

 

そして今週末は、四番町図書館神田まちかど図書館

親子でクリスマスを楽しむ、いつもより特別な

おはなし会を開催します!

 

神田まちかど図書館 クリスマスおはなし会

【日 時】 12月16日(土曜日)

午前11時~11時45分

【場 所】 神田まちかど図書館

【対 象】 乳幼児~小学生とその保護者

 

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『ごろんご ゆきだるま』(たむらしげる/作・絵、福音館書店)や

『ケーキができたわけ』(さとうわきこ/作、女子パウロ会)など

冬やクリスマスにまつわる絵本の読み聞かせや、わらべうたを楽しんだあと

クリスマスツリーづくりの工作をします

 

また、神田まちかど図書館のカウンターでは、

12月25日(月曜日)までに本を借りた方に、

手ぶくろしおりまたはツリーオーナメントをプレゼントしています!

(お一人につき1日1個まで、なくなり次第終了)

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四番町図書館 クリスマスおはなし会

【日 時】 12月17日(日曜日)

午後3時~4時

【場 所】 四番町図書館ラウンジ

【対 象】 幼児~小学生とその保護者

 

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四番町図書館のおはなし会では、

『みんなで たのしい クリスマス』(クレア・フリードマン/作、

ゲイル・イェリル/絵、ひさかたチャイルド)や、

『どんくまさんの くりすます』(蔵冨千鶴子/作、柿本幸造/絵、至光社)など

クリスマスの絵本の数々を読み聞かせしたり、

自分で飾りつけて作るさんかくぼうしの工作などを行います

 

ぜひ、今週末はご家族そろって、

楽しいクリスマスおはなし会にご参加ください!

Posted at:14:15

本と出会う読書サロン 第15期オープニングイベントを開催しました!

11月21日(火曜日)、「本と出会う読書サロン」第15のスタートとして

評論家、作家野上暁(のがみ・あきら)さんをお招きして、

新規メンバー募集を兼ねた講演会「体験的子ども文化の現代史」を開催しました。

 

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お話は、野上さんの幼児期の記憶から始まりました。

戦時中家族と疎開し、終戦後6歳まで長野で過ごされたそうです。

食糧難の時代の、いろいろな食べ物の記憶にまつわるエピソードに

おどろく方やうなずく方、年代によって反応はさまざまです。

「シマヘビのステーキがおいしかった!」

というお話には、思わず声を出してしまいました

しかしこの話には続きがあって、大人になってから食べたシマヘビは

硬くて食べるのが大変だったとのこと。

いつでもやわらかいお肉が食べられる世の中になったことに

感謝しなくてはいけませんね。

 

そして、お話は戦後児童文学へ。

1940~50年代に創刊された子ども雑誌をご用意いただきました。

貴重な資料に、参加者のみなさんも興味津々でした。

 

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野上さんのお話の中では、戦争について考えさせられる場面が

多くありました。

先ほどのシマヘビのお話もそうですが、

幼少期に観たという映画の話も印象的でした。

『原爆の子』『ひろしま』『ひめゆりの塔』などを観て、

子どもながらに戦争の怖さを知り反戦の心がうまれたそうです。

今の生活の中では戦争の怖さを感じる機会はあまりなく、

子どもたちが戦争について知るのは学校の授業の中だけかもしれません。

おとなも子どもも一緒に、平和について考えられる文化をつくり

大切に守っていきたいと思いました。

 

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こちらはイベント終了後のひとコマ。

参加者の方々が野上さんの著書を手に取りながらお話しされてます。

はやくも読書サロンが始まっているようです♪

 

 

12月から始まる「本と出会う読書サロン」第15では、

12月「器(うつわ)」 1月「皺(しわ)」 2月「皹(ひび)」

3月「再(ふたたび)」をテーマに、

メンバーが思い思いに持ち寄った本の紹介を行います。

現在メンバーを募集中。まずはお気軽に登録からどうぞ♪

 

メンバー登録方法

 

1~4のいずれかの方法でお申込みください。

1.メール

メール本文に氏名、電話番号、メールアドレスを明記し、

件名を「本と出会う読書サロンメンバー登録申込」として、

「読書サロン担当」宛に

お申し込みください。

メールアドレス dokusho.salon2016@gmail.com

 

2.FAX

申込用紙をプリントアウトし、必要事項を明記の上、

「読書サロン担当」宛に

お申し込みください。

FAX  03-3941-1541

申込用紙のダウンロードはこちらから

 

 3.電話

千代田図書館「読書振興センター」担当宛にお申し込みください。

電話 03-5211-4289・4290

 

4.来館

千代田図書館10階カウンターにてお申し込みください。

平日午前10時~午後6

 

Posted at:14:45

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「喫茶店と本のまち」編を開催しました!

11月11日(土曜日)、図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー

「喫茶店と本のまち」編 を開催しました!

 

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今回のテーマは「喫茶店」

神保町古書店街は、多くの文学者や文化人から長く愛される喫茶店や

新しい形態のカフェなどが数多くあることでも知られています。

 

第1部トークショーのゲストは、

イラストレーター喫茶店観察家飯塚めりさんです。

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日々の喫茶店巡りの記録を、かわいらしいイラストやコラムで紹介し

書籍やSNS、ウェブコミックの連載などで人気を博しています。

喫茶店巡りのイラストを描きはじめる前から

神保町がお気に入りの街だったという飯塚さん。

著書『東京喫茶帖(カフェノート)』(カンゼン)に掲載のものをはじめ

数多くのイラストをスライドで紹介しながら、

神保町でお気に入りのお店についてたっぷりお話しいただきました!

 

喫茶店を訪れるときには、ドリンクや食べ物のメニューはもちろん、

その内装にも注目するという飯塚さん。

「そのお店のメニューや内装で、店主がどういう人なのか、

どんなものが好きなのか想像しながら楽しみます」

 

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飯塚さんが特に「思い入れが強い」と語ってくれたのは

神保町の隠れ家的名店「トロワバグ」

ほっとできて好きだという、このお店の内装デザインについて調べたことを

きっかけに、東京の喫茶店の歴史へとつながっていったというお話は、

“喫茶店学”とも呼べるようなものでした!

 

連載中のウェブコミック『カフェイン・ガール』の最新回には

神保町のカレーが自慢の喫茶店や、

飯塚さんお気に入りの書店のエピソードが満載。

 

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作品にも登場するCafé HINATA-YAを、今では珍しい

手動エレベーターの実際の写真をまじえてご紹介いただきました。

 

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他にも、喫茶店を愛する飯塚さんならではのお話を

たくさん聞くことができました♪

飯塚さん、ありがとうございました。

 

第2部の街歩きツアーでは、秋の心地よい空気の中

神保町の老舗喫茶店やブックカフェに加え、

文学と喫茶店にまつわる街のトリビアや、歴史的建造物もご紹介しました。

 

千代田図書館を出て神保町古書店街へ。

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ミステリー・SFなどの古書や映画ポスター、パンフレットが並ぶ

「@ワンダー」の2階には、神保町ならではの古書店と一体化したカフェ

「ブックカフェ二十世紀」があります。

 

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都営地下鉄・東京メトロの神保町駅出口すぐ近くの路地は、歴史を重ねてきた

名店喫茶「さぼうる」「ラドリオ」「ミロンガ・ヌォーバ」などが立ち並ぶ

神保町らしい景色が楽しめる一角。

曜日を問わず、カフェ巡りを楽しむ多くの方でにぎわっています。

 

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文豪たちと喫茶店のエピソードとともに、古書店もご紹介。

 

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ツアーの後半はすずらん通りへ。

飯塚さんのトークで、お気に入りのお店として挙がった

「ティーハウスタカノ」「サロンド冨山房 フォリオ」なども

この通りにあります。また、画材・文房具店や書店に併設の

新しいカフェが多いのもすずらん通りの特徴です。

 

今回のツアーで歩いたのはこちらのコースです。

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すずらん通りを歩いて、今年7月に移転した

「小学館ギャラリーBH神保町 本と街の案内所」が今回のゴールです。

参加者のみなさん、おつかれさまでした!

 

みなさんも、図書館に立ち寄る行き帰りや、書店巡りに

ほっと一息つけるような、お気に入りの一店を見つけてみてくださいね♪

Posted at:10:30

「バリアフリー上映会『夢は牛のお医者さん』」を開催しました!

千代田図書館では読書週間(10月27日~11月9日)期間中、

図書展示「“はたらく”を読む」を開催中です。

さまざまな仕事や働き方生き方などをテーマにした図書を集めました。

                                 

この展示に関連して、ひとりの少女が夢にむかう姿を

26年間にわたって取材したドキュメンタリー映画

「夢は牛のお医者さん」バリアフリー上映会を開催しました。

 

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バリアフリー上映会は、聴覚障害をお持ちの方や音の聞こえにくい方も

映画を楽しめる日本語字幕つきの映画上映会です。

千代田区内にあるNPO法人ホープのみなさんにご協力いただき、

司会の話す内容や、映画の中の会話やナレーションを

その場でスクリーンに字幕をつけていきました。

 

上映会当日の10月29日(日曜日)は、台風が関東に接近

千代田図書館周辺も激しい雨にみまわれましたが

映画を楽しみにしていた方々が集まってくださいました。

 

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昭和62年。新潟県の山あいにある小学校に通う子どもたちはたった9人。

新入生がいなかったこの年に、3頭の子牛が“入学”しました。

牛たちとの生活、そして別れの中で、ひとりの少女の胸にある思いが生まれました。

「私がお医者さんになって牛たちの病気を治してあげる」

 

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夢に向かって努力しつづける少女の姿とそれを見守る家族のあたたかさ、

いのちに向き合う厳しさが、美しい自然の風景とともに描かれていました。

 

上映会には、この映画の主人公がちょうど牛と出会った頃と同じくらいの

小学生のお子さんも家族で来てくれました。

おうちに帰ってから、映画の感想と一緒に将来の夢についても

家族でお話ししてくれていたらうれしいです♪

 

「夢は牛のお医者さん」を観たかった~という方、

この作品の小説と絵本が「“はたらく”を読む」に展示されています。

ぜひ、お立ち寄りください。(貸出中の場合はご了承ください)

千代田区読書振興センターでは、今後も

本との出会いにつながる活動を行っていきます。

Posted at:13:30

図書館実習生に密着!学校図書館での実習と千代田図書館のおはなし会

今年も、区内にある大学から千代田図書館へ

3人の図書館実習生が来てくれました!

今年は法政大学共立女子大学大妻女子大学の3校からそれぞれ1人ずつ。

10日間の実習期間で、図書館にまつわる様々な仕事を体験しました。

 

 

この日は千代田区内にある小学校と中学校へ。

区立和泉小学校では、2人の実習生が

千代田図書館の学校支援担当司書に教えてもらいながら

学校図書館の本棚の整理や、本の展示作成などに取り組みました。

 

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9月の本の特集として2人が作った「月のほん」の図書展示

テーマにあった本を選び、折り紙やイラストで飾りつけました。

 

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「いろいろなジャンルの本を集めることを心がけました」

「こういう仕事をしてみたかったので楽しかったです!」

 

 

こちらはもう1人の実習生が向かった区立神田一橋中学校

こちらでも、昼休みの貸出・返却カウンターを担当したり

本の装備・受入れ作業や書庫の整理を体験しました。

 

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学校図書館の本を長く利用してもらうために

新しい本に透明なブックカバーをかける作業

ほこりや気泡が入らないように、そ~っと丁寧に・・・

慣れない作業に悪戦苦闘しながらも、きれいにできあがりました!

 

実習生から神田一橋中学校の生徒へ、

自分で選んだおすすめ本のPOPも作成しました♪

 

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おすすめしてくれたのは『大和言葉つかいかた図鑑』

(海野凪子/著、ニシワキタダシ/イラスト、誠文堂新光社)。

 

 

また、毎月第2木曜日に千代田図書館10階の子ども室で

行っている赤ちゃん向けおはなし会では、

それぞれ1冊ずつ絵本の読み聞かせに挑戦しました!

 

司書のレクチャーを経ておはなし会にのぞみます。

こちらはおはなし会前日の練習のようす。

 

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赤ちゃんとママ・パパが一緒に楽しめる、

かんたんな手あそびやわらべうたなども司書から習いました。

 

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今回のおはなし会で実習生の皆さんが読んだのは

こちらの3冊。(読んだ順番に)

『いないいないばあ』(松谷みよ子/文、瀬川康男/絵、童心社)

『くだもの』(平山和子/作、福音館書店)

『かお かお どんなかお』(柳原良平/作、こぐま社)

 

みなさん、初めは少しだけ緊張したようすでしたが

和やかな雰囲気の中、赤ちゃんにも伝わるように

明るく、優しく絵本を読むことができていました!

 

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千代田図書館のおはなし会は、毎月第2木曜日の午前11時から

0歳~3歳くらいの乳幼児と、その保護者を対象に行っています。

次回は10月12日(木曜日)です。

予約不要で、どなたでも参加できますので

赤ちゃんと、ぜひご参加ください♪

 

 

実習生のみなさんには、今回ご紹介した仕事のほか、

図書館内の配架カウンター業務資料の管理・選定

障害者サービスについての研修など、どれも図書館に欠かせない

多くの仕事を体験していただきました。

みなさん、おつかれさまでした!

Posted at:14:00

「夏のわくわく課外授業2017」レポート②【理科】

千代田図書館の夏休み恒例イベント

「夏のわくわく課外授業2017

今回は、理科の授業風景をお届けします。

 

◆◆8月17日 理科◆◆

「水のふしぎを調べてみよう」

 

理科の授業を担当してくださったのは、

日頃、子どもたちに水の大切さや、水を育む森や自然の大切さを伝える

活動に携わっている、梅原真幸(うめはら・まさき)さんです。

 

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「今日、水を使ったひと~」

「はーい」

 

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は私たちの生活に欠かせない、身近なものです。

そんな水の持つ力について、実験や工作を通して学んでいきます。

 

まず最初の実験。

水をコップいっぱいに注ぐと、ふちより上までもりあがっても

なかなか水がこぼれません。

これは、水がちいさくまとまろうとする表面張力のはたらきによるものです。

どのくらいまでこぼれずにいられるか

そーっとビー玉をひとつずつコップに落としてみました。

 

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表面張力を学んだら、次は工作です。

表面張力を利用した絵画技法、マーブリングにみんなで挑戦です!

 

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水を張ったバットに専用の絵の具を少したらし

竹ぐしの先に界面活性剤(食器用洗剤を水でうすめる)をちょっとつけ

水面に広がった絵の具に触れます。

すると、界面活性剤が表面張力のはたらきを弱め

絵の具がはじかれて水面にひろがって動きます。

それをくりかえすとマーブル模様ができてきます。

 

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模様ができた水面に紙をのせると・・・

きれいに模様がうつりました!

 

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あれ?イメージしていたものとちょっと違う?

さっきと同じ模様を作りたいのに、できないなぁ。

先生、なんでですか?

「この中の水は止まっていないんだよ。ずっと動いているから、

紙を乗せる瞬間まで模様は変わりつづけます

毎回予想できない作品が出来上がることを楽しんでくださいね」

 

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みんなマーブリングに夢中になり、あっという間の90分でした。

みなさんの楽しそうな姿を見ていたら、私もやってみたくなりました。

先生にコツを教えてもらったので、みなさんにもお教えします!

 

絵の具をたらす前に、バットの中の水のゴミをきれいにとりのぞくこと。

新聞紙できれいにとれるそうですよ。

 

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また、絵の具は時間がたつと沈んでいくので、なるべくはやく紙に写すこと。

そうすると絵の具がしっかり紙にうつり、水が汚れにくくなり

繰り返し同じバットの水で作品をつくれるそうです。

コツをつかむときれいな作品がつくれる上に環境にもやさしい!

一石二鳥ですね♪

梅原先生、ありがとうございました!

 

千代田図書館9階の第2展示ウォールでは、

9月1日(金曜日)から23日(土曜日・祝日)まで

「夏のわくわく課外授業2017の授業レポートを展示します。

こちらもあわせてご覧ください♪

Posted at:11:25

それいけ!レファレンジャー

夏休み期間中の千代田図書館は、いつもとちょっと違います。

子どもの読書推進のため、通常より1時間早い9時から開館しています。

そして、夏休みになると現れる

「調べもの戦隊 レファレンジャー」出動中です!

そのレファレンジャーから活動報告が届きました。

 

 

夏真っ盛り、本さがしにまよったら…

レファレンジャーがお助けします!

 

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現在、千代田図書館では、毎日朝9時から夕方5時まで、

レファレンジャーが出動し、自由研究や、読書感想文用の本など、

夏休みの宿題に役立つ本探しのお手伝いをしています。

今日は、この夏に受けたレファレンス(調べもの)や

読書相談をいくつかご紹介いたします。

 

<ケース①>

「群馬県神流町(かんなまち)で発掘された恐竜の歯の化石について調べたい!」

(小学1年生)

この男の子は大の恐竜好き。

お母さんと、お揃いの恐竜Tシャツを着た弟と来館してくれました。

夏休みに入ってから実際に神流町へ行き、化石発掘体験をしてきたとのこと。

小さな貝の化石を見つけることができたそうです。

「すごいね!」と驚いていると、

「去年、神流町で小学生と幼稚園に行ってる兄弟が

スピノサウルス類の歯の化石を見つけたんだって。」

と教えてくれました。

この夏の自由研究は、化石発掘体験のことと、恐竜について調べて

まとめたいということでした。

さっそくそこでレファレンジャーが本探しのお手伝い。

 

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まずは、知りたい恐竜を見てみましょう。

ちょっと難しいけど、参考図書を使って調べることにチャレンジ!

百科事典や図鑑の目次や索引を使います。

図鑑には色んなことが載っていて、

スピノサウルス類は白亜紀に存在していたということがわかりました。

「白亜紀について知りたい」「恐竜が化石になる過程を知りたい」

など興味関心は広がっていき…。

大好きな恐竜について、今まで知らなかった情報を

たくさん得ることができました。

 

調べた情報をノートにまとめたり、コピーをとったり。

どの本に載っていたか、メモをしておくことも忘れません。

最後はレファレンス担当の司書と一緒にオンラインデータベースを使って

「小学生がスピノサウルス類の歯の化石を見つけた」

という新聞記事を探しました。

これからおうちに帰ってまとめるとのこと。

また、まとめる時に困ったら相談にきてくださいね。

 

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<ケース②>

今度は読書相談です。

読書相談でダントツ多いのは

「読書感想文を書くのにおすすめの本を教えて!」です。

同じ相談でも、本が大好きで普段からたくさん読んでいる子、

図鑑は好きだけど物語はちょっと…という子、

この夏はノンフィクションを読んで感想文を書いてみたいという子、

本は苦手!という子…様々です。

「今まで読んで面白かった本はありますか?」

「いま興味のあることってなんだろう?」

「好きなものは何?」

レファレンジャーはできるだけ、相談者にピッタリな1冊を届けられるよう、

相談者の中にある「読みたい本のイメージ」を引きだすべくインタビューをします。

 

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「へぇ、刑事ものが好きなんですね、じゃあね…」

「怖い話に詳しいの?じゃあこの本知ってますか?この本はね…」

すぐに決められる子、決めるのに時間がかかる子。

これもまた様々ですが、レファレンジャーは根気よくお付き合いしますよ!

 

夏休みも折り返しました。

最後に慌てず済むように、まだ宿題が終わってないよという子も、

もう終わってしまってすることがない~という子も、

ぜひ千代田図書館に来てレファレンジャーに声をかけてください。

 

きれいな色のエプロンと、胸に付けたレファレンジャーバッチが目印です!

 

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※レファレンジャーは読み聞かせ方法絵本の選び方など、

 保護者の読書相談も承ります。

 

 

レファレンジャーは8月31日(木曜日)まで毎日出動しています。

 

ところで…

夏休みが終わったらレファレンジャーはどこに行くのでしょう…

 

レファレンジャーの正体は、

千代田区立図書館から、区立小・中学校などの教育施設に派遣されている

学校支援担当司書です。

学校の図書館で会ったことがあるかもしれませんね♪

Posted at:10:30

「夏のわくわく課外授業2017」レポート①【国語・社会】

千代田図書館の、小学4~6年生とその保護者を対象にした

夏休み恒例イベント「夏のわくわく課外授業2017が今年も始まりました!

今回は、国語社会の授業風景をレポートします♪

 

◆◆7月29日 国語◆◆

「“見る”読書感想文をかこう」

 

国語の授業の講師は、ワークショップデザイナーの

富山 幸代(とみやま・ゆきよ)さんです。

今回のテーマに合わせ、手描きの画用紙を使って自己紹介をしてくれました。

 

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夏休みの宿題の定番といえば読書感想文

その感想文を、今回は原稿用紙ではなく画用紙に

イラストや図、文字などを使ってかいていきます。

「とにかく楽しもう!」「手を信じて!」「ヘタって言わない!」

などのお約束をしたら、サインペンを使いこなす練習スタート!

 

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線や など、紙いっぱいに図形を描いて手を慣らしたところで

次は絵を描くことにチャレンジ。

親子でペアになって、お題の絵を描いたりしました。

 

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絵を描くことに慣れてきたら、いよいよ本日のメインテーマ

“見る”読書感想文に挑戦します。

読書感想文を書こうとしたけれど、あらすじを書いてしまっていた

という経験はありませんか?

 

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「描いてほしいのは感想です。本を読んで、こんな気持ちになった とか

これが気になる! 私ならこうしたい! など、感じたことを描いてみましょう」

イラストを使いながら、富山先生が丁寧に説明してくれます。

あらすじと感想文の違いを意識しながら、とりかかりました。

 

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はじめは悩んでいた子も、自分が気になったポイントを見つけてからは

集中してどんどん描き進めていきます。

深く印象に残ったシーンの絵を、とても丁寧にこまかく描いている子も。

白く大きな画用紙が絵や文字でカラフルに埋められていく様子は

見ていてとても楽しかったです。

 

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どれも読んでみたくなるような作品ができあがりました

みなさんの作品は、9月1日(金曜日)から

千代田図書館9階の第2展示ウォールで

イベントのレポートとともに展示する予定ですので、お楽しみに♪

 

富山先生、ありがとうございました!

 

 

◆◆7月30日 社会◆◆

「図書館で防災くんれん!?」

 

社会の授業の講師は、防災専門図書館司書の

堀田 弥生(ほった・やよい)さん矢野 陽子(やの・ようこ)さんです。

 

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自然災害から身を守るために知っておきたいことを、

映像を見たり工作などの作業をしたりしながら学びます。

地震、噴火、大雨、大雪…など自然災害にもいろいろ種類がありますが

今回は大雨地震について学習しました。

 

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まずは大雨がふったらどうなるかについて。

標高がわかる地図を見ると、同じ千代田区内でも

土地の高低差が30メートル位あることがわかります。

30メートルというと…ビルの1階から10階までの高さとだいたい同じ。

この千代田図書館の子ども室と同じくらいです!

「ここにスーパーがあるから・・・」

目印の建物を頼りに、地図に自宅の位置にしるしをつけて

標高図と照らし合わせて土地の高さを確認します。

「水は高いところから低いところへ流れます

だから、できるだけ高いところに逃げましょう

でも、一番大事なことは

「危険な場所には近寄らない」

そのためには、大雨情報などを注意深くチェックしておくなど

日頃から気をつけることが大切なんですね。

 

後半は地震について。

建物の揺れ方の違いを、工作を使って実験しました。

台紙に固定した三種類の高さの違う紙を、いろんなリズムで揺らしてみます。

低い紙だけ揺れたり、揺らす手を止めても高い紙は揺れ続けていたり・・・

これが高い建物だったら、などと揺れ方をみながら想像しました。

揺れる仕組みを知っていると、実際に建物の中で揺れを感じても

落ち着いて行動できそうですね。

 

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最後はみんなで避難訓練をします。

みんなで非常口を確認したあと、さあ出発!

と、思ったら部屋のドアが開きません。

 

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ドアの前に物が置かれ、出口が塞がれてしまっていました。

これは、実際の非常時でも起こるかもしれないことです。

落ち着いて、出口の確保をしましょう。

 

出口が開いて、こんどこそ出発!

避難のときの合言葉

「お・か・し・も」

(おさない・かけない・しゃべらない・もどらない)

を守って、非常階段を使って10階から1階まで降りました。

普段は入ることのない場所を歩ける、ちょっとわくわくする体験ですが

できればここを使う機会が訪れてほしくないものです。

しかし、災害はいつ起こるかわかりません。

そのときは、ここで学んだことを思い出して行動したいと思います。

 

ご参加いただいた皆さん、おつかれさまでした!

「夏のわくわく課外授業2017も、残すところあと1教科。

理科「水のふしぎを調べてみよう」

まだお申し込み可能です!ぜひ、ご参加ください♪

Posted at:14:05

「本と出会う 読書サロン」第14期がスタート!

「本と出会う 読書サロン」は、メンバー各自が毎月異なる

テーマに沿った本を持ち寄り、紹介し合う本を通じた交流の場です。

読書の会主催で毎月第3火曜日に千代田図書館で開催しています。

このたび14がスタートし、その初回が6月20日(火曜日)に行われました。

今回のテーマは「草木花

この日の参加者は13名でした。

 

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タイトルに「草木花」が入っているものや、

前月に開催された 第14期読書サロンオープニングイベント 

ゲストの多田多恵子さんから聞いたお話をきっかけに手にとってみた本など、

絵本や実用書、新書や小説、マンガなどさまざまなジャンルから

17冊の本が紹介されました。

ふしぎなことに、毎回本が重複することはないそうです。

 

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紹介する本を選んだ理由はさまざまです。

「なんと美しいことよ!」という感動を伝えたかったり、

古来の日本の原風景の姿を知ってほしいという思いが込められていたり、

植物の生き抜く強さをビジネスの場でのヒントにしたり、

みなさんの、本に対する視点や思いを聞いているだけで楽しい1時間でした。

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次回の読書サロンは

7月18日(火曜日)午後7時~ テーマ「日記」 です。

以降、8月「写真」 9月「大陸」と続きます。

興味のあるテーマの回のみの参加や見学のみも可能ですので、

お気軽にご参加ください♪

 

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参加および見学にあたっては、事前にメンバー登録が必要になります。

詳しくはこちらをごらんください。

 

 

Posted at:15:00

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー
「『映画の仲間(エキプ・ド・シネマ)』のある風景」編 を開催しました!

6月17日(土曜日)、図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー

「『映画の仲間(エキプ・ド・シネマ)』のある風景」編 を開催しました!

 

かつて多くの映画館があった神田・御茶ノ水地域。

今回は「映画」をテーマに、第1部ではトークショーを

第2部では神保町の映画にまつわる場所や古書店を巡る街歩きを行いました。

 

トークショーのゲストは、来年で開館50周年をむかえる

岩波ホール原田健秀さんです。

 

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今回のツアータイトルになっている

『エキプ・ド・シネマ』(フランス語で“映画の仲間”の意味)は

世界の埋もれた名画を世に紹介する運動で、

その思いのもとに岩波ホールでは映画を上映しています。

そのきっかけとなった1974年の「大樹のうた」公開のエピソードや

いままでの上映作品のこと、岩波ホールの現在やこれからなど

たくさんのお話を聞くことができました。

 

「作品に対してどれだけ本気か」と原田さんはおっしゃいます。

1990年に上映した『サラーム・ボンベイ!』をめぐっては、当時の支配人

高野悦子さんと岩波ホールで上映することについて意見が対立、

1年半もお互いに意見を主張しあう、なんてこともあったそうです。

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来年で定年を迎える原田さん。

最後の仕事は、思い入れのあるグルジアの作品でかざることになるようです。

「こんなに長く働けたのは、神保町の居心地がよかったから」

上限800円・期間は1週間、というルールで、

神保町で最高のしょうが焼きを探したりしたこともあるそうです。

映画も街も愛する原田さんでした。

 

第2部は街歩きです。

梅雨の季節で天気が心配されていましたが、

気持ちのよい天気のなかスタートしました!

 

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千代田図書館を出発し、まずは古書店街をめざします。

「@ワンダー」「ヴィンテージ」「矢口書店」

「石田書房」「虔十書林」「一誠堂書店」・・・

神保町には映画関連の資料を扱う古書店がたくさんありますが、

 

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今回は靖国通り沿いの「@ワンダー」に立ち寄りました。

ポスターやパンフレット、チラシなど映画関連の資料がたくさんならぶ

店内を自由に見学したあと、ふたたび古書店街をすすみます。

 

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「矢口書店」の裏側のさくら通りには、かつて「東洋キネマ」がありました。

現在は住友商事神保町ビルが建っています。

すずらん通りへと続くさくら通りは、戦前はメインストリートとして

とてもにぎわっていたようです。

 

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狭い路地に入ると、味わい深い喫茶店がたくさんあります。

 

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「さぼうる」「ラドリオ」はいろいろな映画やドラマの撮影で使われています。

ナポリタン、ウィンナーコーヒー・・・おすすめメニューはたくさんありますが

今回のツアーのテーマは「映画」です。

グルメはまた別の機会に

 

岩波ホールのほかにもうひとつ、神保町にある映画館をご紹介しました。

開館10周年を迎える「神保町シアター」です。

こちらでは、昭和のなつかしい映画を中心に上映しています。

 

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実際に、昭和のなつかしい映画のロケ地も歩きました。

「駿河台下交差点」は昭和38年公開の『伊豆の踊り子』に

「大屋書房」は「男はつらいよ」シリーズ第17作目『寅次郎夕焼け小焼け』に

登場しました。

 

ツアーのゴールは岩波ホール。

 

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館内では原田さんが出迎えてくださいました。

ロビーの壁一面にはこれまで上映された映画のチラシが貼られています。

その壁を背に、原田さんは再び映画について語ってくださいました。

 

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映画をとりまく環境は変化しています。

デジタル化が進み、またスマートフォンなどで

手軽に観られるようにもなりました。

その中で、“映画館の意味”を原田さんは問い続けています。

「映画は本来、暗闇で観るもの」

映画は暗闇という黒いキャンバスの上に描かれるもの、

という表現がとても印象的でした。

 

家でのんびりDVD鑑賞もいいですが、

たまには映画館のシートに座り、暗闇のなかに浮かびあがる

大きなスクリーンで映画を楽しんでみるのもいいですね♪

原田さん、岩波ホールのみなさん、ありがとうございました。

 

今回街歩きをしたのはこちらのコースです。(PDF:369kB)

このコースを参考に、ぜひオリジナルの街歩きルートも探してみてくださいね。

参加者のみなさん、おつかれさまでした。

Posted at:13:30

お茶の水小学校「読書旬間」のおはなし会

千代田区立お茶の水小学校では、年に3回「読書旬間(どくしょじゅんかん)」を設け

児童の皆さんが本に親しみ、読書活動を充実させるための

取り組みを行っています。

 

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今回の春の読書旬間では「本をひらいてぼうけんにでかけよう」をテーマに

図書館内で展示を行っています。

「こどもの読書週間」に合わせて千代田図書館で開催された

ヨムキクちよだ2017」で展示した図書のほかに

千代田図書館の学校支援担当司書が「ぼうけん」をテーマに選んだ図書を

あわせて165冊ほどが紹介されています。

先日、展示されている図書から選んだ本で

低学年(1~3年生)と高学年(4~6年生)に

「司書によるおはなし会」を行いました!

 

まずは低学年のおはなし会です。

「こんにちは~!」

と元気よく講堂に入ってきましたが、お話が始まると

みんな集中して静かにお話に聞き入りました。

 

最初の本は『のねずみタイニィのだいぼうけん』

(マーティン・ウォーデル/作 BL出版)の読み聞かせです。

のねずみタイニィは、お姉さんのケイティを誘って冒険に出かけました。

ところが、遊んでいるうちにケイティとはなればなれになってしまい・・・

 

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2冊目は『ふしぎなたけのこ』(松野正子/作 福音館書店)です。

どんどんのびるたけのこの様子に、思わず

「うわぁ~」という声があがっていました。

 

2冊読んだところで、ちょっと休憩をかねて手あそびをしました。

「茶つぼ」は歌に合わせて左右の手を交互に握ったり開いたりして

茶つぼに見立てる手あそびで、とてもシンプルだけど

意外とむずかしいです。

だんだんテンポアップして速いスピードにも挑戦しました。

 

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最後のお話は『ホットケーキ』(松岡享子/訳)です。

これは、読み聞かせではなくストーリーテリングという形で紹介されました。

読み聞かせは絵本を読みながら進めるのでいっしょに絵を見ることができますが

ストーリーテリングは、話し手がお話を暗記して話すので、

聞き手は頭の中で情景を思い浮かべながらお話を聞きます。

げらげら笑ったり、「え~」と声をあげたり、

フライパンから逃げ出したホットケーキのぼうけんを

それぞれ想像して楽しんでいました。

 

続いて、高学年のおはなし会です。

最初の本は『チムとゆうかんなせんちょうさん』

(エドワード・アーディゾーニ/作 福音館書店)です。

船乗りになりたくてたまらないチムは、ある日汽船に乗り込み・・・。

 

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2冊目の本は『とべバッタ』(田島征三/作 偕成社)です。

天敵から身を守るために茂みに住んでいたバッタが決心し、

大空へ向って飛んでいく…。

バッタの力強さを感じる1冊です。

 

そのあとは手あそび「茶つぼ」、ストーリーテリング『ホットケーキ』

と続きます。

高学年のおにいさんおねえさんになると、

あまり声を出して笑ったりしないのかな・・・と思っていましたが、

友だちや先生と「茶つぼ」のスピードを競い合ったり

ホットケーキを語る司書の話に大笑いしたり、

皆さんおはなし会を楽しんでいる様子でした。

おはなし会が終わって教室に戻る前、さりげなく片付けを手伝ってくれる姿は

頼もしいおにいさんおねえさんでした。

ありがとうございました

 

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おはなし会のあとに図書館に寄ってみると

「ぼうけん」がテーマの本がたくさん借りられていました。

さっそく本に興味を持ってくれたようで、とてもうれしいです。

ちなみに、読書旬間中に展示された本を借りると、

ひとり1枚しおりをもらえるそうです。

 

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しおりは、保護者による図書館ボランティアの方々の手作りです。

ひとつひとつ違うので、迷ってしまいますね♪

 

お茶の水小学校の皆さん、ありがとうございました!

千代田区読書振興センターでは、今後も区内の学校との

連携を深め、読書支援活動を行っていきます。

Posted at:12:05

本と出会う読書サロン 第14期オープニングイベントを開催しました!

5月16日(火曜日)、「本と出会う読書サロン」第14のスタートとして

植物生態学者多田多恵子さんをお招きして、

新規メンバー募集を兼ねた講演会「植物はすごい!ふしぎと驚き」を開催しました。

 

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大学では生物の多様性についての授業をしている多田さん。

学生たちに感じることの大切さを伝えるため、授業ではフィールドワーク

積極的に行い、体験する機会を多く設けるそうです。

今回の講演でも、お話だけでなく本物の植物に触れられるよう、

実験を交えつつ進めてくださいました。

 

まずは全員に笹の葉が配られ、それぞれ観察してみます。

自分が体長5mmの虫だったら?などと想像しながら

葉を眺めたあとは、いろんな面を触ってみます。

「葉の裏に毛が生えている」

「触る方向によってすべすべしていたりギザギザしていたりする」

「葉のギザギザがおろし金みたいだ」

参加者からいろいろな感想が飛び出し、会場は終始和やかな雰囲気に

つつまれていました。

 

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さらに、傷つけると不快な臭いを出すというキケマン

という植物の茎を折ってその臭いを確かめたり、

(その後「お鼻なおし」としてローズマリーが配られました)

2種類の種を上から落としてみて、その落ち方の違いを観察したり、

図書館にいながら、ちょっとしたフィールドワークの疑似体験ができました。

 

なかでも印象的だったのは、みかんの葉の観察の方法です。

葉をすかしてみると、小さなつぶがたくさん見えます。

「みかんの葉には満天の星空が見える」

と、多田さんはおっしゃいました。

手のひらに乗るような小さな葉っぱを、

星空に見立てるなんて素敵ですね

ちなみにこの星空の正体は、匂いの貯蔵タンクのようなもので、

特別な器具などを使わなくても、カメラの接写機能やルーペなどを

使えば見ることができるそうです。

みなさんも、ぜひ試してみてください。

 

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多田さんは植物の研究や大学での講義のほかに、

実用書から子ども向けの絵本まで、多数の図書を執筆されています。

千代田区立図書館に所蔵されているものもあるので

図書館にお立ち寄りの際は、ぜひお手にとってみてください。

また現在、多田さんはイギリスの王立植物園の植物に関する書籍の翻訳中だそうです。

そちらの出版も楽しみですね。

 

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たくさんの植物にまつわるお話をご紹介いただき

さまざまな視点で生物を見てみることで、新たな発見やおどろきが

生まれるのだということを感じることができました。

多田さん、ありがとうございました!

 

6月から始まる「本と出会う読書サロン」第14では、

6月「草木花」 7月「日記」 8月「写真」 9月「大陸」をテーマに、

メンバーが思い思いに持ち寄った本の紹介を行います。

現在メンバーを募集中。まずはお気軽に登録からどうぞ♪

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:11:20

「第9回ことばと音のフェスティバル♪」を開催しました!

5月3日(水曜日・祝日)、9回ことばと音のフェスティバル♪

「チリンとドロンの 世界のわらべうたと絵本のコンサート」を開催しました。

 

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今年は、松本野々歩さん(うた)と田中馨さん(コントラバス)による

デュオ「チリンとドロン」のお二人にご出演いただき

赤ちゃんから楽しめる、わらべうたと絵本のコンサートを行いました!

 

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小鳥がさえずる声とともにコンサートが開演。

澄んだ歌声と、あたたかい音色で奏でられる音楽に

赤ちゃんから大人まで惹きこまれました。

 

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アルゼンチンのわらべうた「手のダンス」

南米のわらべうた「のこぎりギコギコ」など、

子どもたちも、二人と一緒に歌ったり

親子で体を動かして楽しみます。

 

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午前の部では、赤ちゃんとママやパパが触れ合いながら、

ゆったり楽しめる歌を中心に。

 

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午後の部では、フランスのわらべうた「バンジョー」

インドネシアのわらべうた「料理のうた」など、

ダンスやリズム遊びが入った歌で盛り上がりました!

 

世界のわらべうたのあとは、絵本『ぱぽーぺぽぴぱっぷ』

(谷川俊太郎/文、おかざきけんじろう/絵、クレヨンハウス)

を読み聞かせしていただきました。

 

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楽しく不思議なことばの響きに合わせて

いろいろな楽器の音が飛び出す、とても素敵なプログラムになりました♪

 

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コンサートの最後は、ハンガリー民謡「踊ろうよ」

子どもも大人もダンス!

午前と午後、2回のコンサートとも、

たいへん多くのお客様にご参加いただきました。

 

「チリンとドロン」のお二人、ありがとうございました!

千代田区立図書館で開催中のヨムキクちよだ2017は5月12日(金曜日)まで。

「こどもの読書週間」は、ぜひ親子そろって千代田区立図書館にお越しください!

Posted at:15:20

0歳の赤ちゃんとお母さんのための絵本選び

先日、千代田図書館の司書が

千代田区立西神田児童センター「おしゃべりサロン」

赤ちゃんとお母さんのための読み聞かせと

絵本選びについてのお話しをしてきました。

 

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この「おしゃべりサロン」は、千代田区内在住の

0歳児のお子さまを持つ保護者を対象にした交流の場で、

千代田区立図書館の司書も定期的に出張しています。

 

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この日は11組の親子が参加してくれました!

 

0歳児に絵本の読み聞かせは早いのでは?

と思われるかもしれませんが

赤ちゃんも見やすい、絵や色のはっきりした絵本

大好きな家族の声で読んであげることで、

0歳児でも五感で絵本を楽しむことができるんです。

 

この日は、

『めんめんばあ』(はせがわせつこ/作、やぎゅうげんいちろう/絵、福音館書店)

『いいおかお』(松谷みよ子/文、瀬川康男/絵、童心社)

『もこもこもこ』(谷川俊太郎/作、元永定正/絵、文研出版)

などを読み聞かせしました。

 

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どれも簡単な言葉で書かれた、繰り返しのリズムが楽しい絵本です。

 

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どの赤ちゃんも、お母さんに抱かれてリラックスしながら

じっと絵本に見入って、お話しを聞いてくれました!

 

読み聞かせの合間には、

赤ちゃんに絵本を読み聞かせすることの大切さや

絵本選びのポイントなどを司書からお話ししました。

 

後半には、親子でコミュニケーションをとりながら楽しめる

手あそびわらべうたについてもお話ししました。

 

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手の中からかわいいひよこが出てくるわらべうた「にぎり ぱっちり」

ハンカチや小さい布など、身近にあるもので楽しめます。

 

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赤ちゃんは、歌いながら読めるわらべうた絵本も大好きです。

『ととけっこう よがあけた』(こばやしえみこ/案、ましませつこ/絵、こぐま社)

 

今回は、40分ほど、ゆったりとリラックスした雰囲気の中で

親子で絵本を楽しんでいただくことができました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

千代田図書館は、この他にも赤ちゃんと保護者の方が

絵本に出会い、親しむきっかけづくりを行っています。

 

千代田区内のすべての赤ちゃんとその保護者を対象に、

千代田保健所での3、4ヶ月乳幼児健診の際に行っている

ブックスタートのほか、

どなたでも参加できる赤ちゃん向けおはなし会も、

毎月第2木曜日(午前11時~約30分間)に開催しています。

(千代田区立図書館のおはなし会について、詳しくはコチラ

Posted at:14:00

麴町学園女子中学校での出張講座「ブックトーク講座」

先日、千代田区内の麴町学園女子中学校、千代田図書館の司書が

1年生のみなさん「ブックトーク講座」を行いました!

 

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麴町学園女子中学校では、1年生のみなさんが

“ブックトークを通じて自分の意見を人に伝えること”を目標に

「こうじまちBook Talk」として、授業でブックトークに取り組みます。

今回は事前授業として、ブックトークに親しみ

その作り方や本の調べ方、本番への心がまえを知るための講座を行いました。

 

あるテーマに沿って数冊の本を順序よく紹介し、

聞き手と新しい本との出会いを作るブックトーク

講座に参加した60名のみなさんの中には、

あまりなじみがない、聞いたことがないという生徒もたくさんいました。

 

それなら、まずは体験から!

さっそく、司書のブックトークをみなさんに聞いていただきました。

 

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今回は「時間のふしぎ」というテーマで

『モモ』(ミヒャエル・エンデ/文・絵、岩波書店)

『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』(本川達雄/文、福音館書店)

の2冊を紹介しました。

 

「好きな本を紹介することで、友達にも“おもしろそう!”

“読んでみたい!”と思ってもらうことが一番の目的です」と司書。

生徒のみなさんは2冊のブックトークを作り、発表するという課題に取り組みます。

この講座の時点では「好きな本」「みんなにも読んでほしい本」として

1冊目の本を選んだところ。

2冊目の本をどう探すか、司書が今回のブックトークの作り方を

お話しすることで、みなさんとその過程を確認していきます。

 

司書は、1冊目の『モモ』を読んで感じたこと、印象に残ったことを

書き出していくキーワードマップを作りました。

連想ゲームのように思いつく言葉を並べて、2冊目の本選びに

つながりそうなキーワードを探します。

 

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今回、マップから見つけたキーワードは「時間」。

キーワードが決まっても、それに合う本がうまく見つからなかったら?

そんなときに役立つのが図書館です。

「“本を探すための本”があるのを知ってる?」と、中高生向けの読書ガイド

紹介し、巻末のキーワード索引から本を探す方法を教えると

「知らなかった!」「おもしろそう!」とみなさんの反応が。

 

その他にも、図書館のブックリスト検索機の利用、

もちろん図書館で頼りにしてほしい司書の読書相談などをご紹介。

このように、2冊目に『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』を

選んだ過程を紹介しました。

 

2冊の本が決まったらいよいよブックトークづくり。

トークの中で、2冊のつながりをうまく説明することが一番難しく、

また一番おもしろいところになりそうです。

トークを作るときの心がまえに加え、みんなに向かって発表するときの

声の大きさや話す速度、姿勢についてもお話ししました。

 

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「ブックトークの主役は“本”です。完璧じゃなくても、

 自分の言葉で本のいいところを伝えられるよう、

 自分らしいブックトークを作ってみてください」

 

講座に参加してくださった麴町学園女子中学校のみなさん、

おつかれさまでした!今後の授業も楽しみですね♪

Posted at:11:20

冬休みに学校図書館もリフレッシュ!千代田小学校の蔵書点検

先日、学校支援担当司書が千代田区立千代田小学校で

学校図書館の蔵書点検を行いました。

 

蔵書点検とは、図書館の本が決められた棚にあるか、

迷子になっている本や、なくなった本はないかを点検する

図書館には欠かせない作業です。

学校図書館が神田まちかど図書館の中にある千代田小学校

同じく昌平まちかど図書館の中にある昌平小学校では

年に一度、冬休みの時期に学校支援担当司書が中心となって

蔵書点検を行っています。

 

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年が明け、まだ学校がお休みのこの日。

およそ9,100冊の本を所蔵している千代田小学校の学校図書館

司書5人で点検しました。

 

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まずはハンディターミナルを手に、この日図書館にある

本全てを1冊ずつ棚から引き出して、

本の表紙や裏表紙についているバーコードを読み取っていきます。

 

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本を引き出す時に、本と棚の間にたまったホコリを取り除くのも忘れずに!

また、千代田小学校の学校図書館では、神田まちかど図書館の本が

間違って本棚に入ってしまうこともあります。

今回は、バーコードを読み取る作業の中で3冊見つけることができました。(写真右)

 

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学校図書館にあるすべての本のバーコードを読み取り終わったら

今度は千代田図書館に戻り、図書館の本を管理する情報システムに

ハンディターミナルのデータを読み込ませていきます。

こうして、あるべき場所に戻されていない本や

行方が分からなくなった本のリストを作り、後日学校図書館で

そのリストと照らし合わせながら、あらためて本の捜索をします。

 

図書館で、読みたい時に読みたい本がきちんと見つかるという

「あたりまえ」をしっかり守り、図書館をリフレッシュさせる

一年に一度の蔵書点検

新学期にみなさんが学校図書館を快適に利用できるようにするために

お休みの期間には、こんな作業が行われています。

今回は、千代田小学校の学校図書館蔵書点検のようすをご紹介しました!

Posted at:13:40

千代田区立図書館が行っている障害者支援サービス

前回のブログ「コンシェルジュ通信 vol.19では

神田神保町にある大活字本の専門書店を取りあげました。

今回は、視覚障害者をはじめ、目で文字を読むことに困難を抱える方々が

図書館で利用できるデジタル録音資料「デイジー図書」と、

インターネット上で点字・音声資料や生活に必要な情報などを

得ることのできるネットワーク「サピエ」をご紹介します。

 

デイジー(DAISY=Digital Accessible Information System)は

デジタル録音図書の国際標準規格。

現在、千代田区立図書館では、資料を音訳して読み上げた

音声が録音されている音声デイジー再生機器の貸出を行っています。

(※ちよだパークサイドプラザ区民図書室を除く)

 

デイジー図書には、この他にもテキストデータと画像のみで

構成されているテキストデイジーや、

文字・画像情報に音声での読み上げが加わった

マルチメディアデイジーがあります。

 

このようなデイジー図書は、視覚に障害を抱える方々のみならず

高齢や病気に伴って視力の低下した方や、本を読むのに

ページをめくるのが困難な方も読書を楽しめるツールです。

小説や実用書、絵本といった読み物はもちろん、学術論文や専門書まで

多くの資料が全国でデイジー図書化されています。

 

データの圧縮技術が進み、一枚のCDに50時間以上の音声収録が

可能になっている音声デイジー。

従来のカセットテープでは10本以上になってしまう資料も、

1枚のCDに収めることができます。

また、読みたい章、読みたいページから再生できる目次機能

途中まで再生したところを記憶し、そこから再開できるしおり機能も。

 

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△ カセットテープ10本が1枚のCDに。

 

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△ 千代田区立図書館で利用できる再生機器

 

さらに、音声に加えて画像・文字を同時に鑑賞できる

マルチメディアデイジーを使うと、聴覚に障害を抱える方や

文字から情報を得るのが難しいとされる学習障害をお持ちの方など

さらに幅広く、多くの方に本に親しんでいただけます。

 

マルチメディアデイジーはパソコンやタブレットなどで再生し、

読み上げる音声の速度や表示される文字の大きさやハイライトの色なども調節できます。

千代田区立図書館でも、順次導入を進めていきます。

(写真は11月の休館日に行った館内の研修会から)

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そして、これらのデイジー図書や、点字図書のデータを、

インターネット上で全国のサピエ加入施設・団体から検索・利用できるのが

「サピエ」のメインサービス「サピエ図書館」です。

 

 

サピエ

運営:全国視覚障害者情報提供施設協会

システム管理:日本点字図書館

 

「サピエ」では、「サピエ図書館」の他にも、

地域の福祉や医療、災害時の情報など

生活に必要な情報をテキストで提供しています。

 

現在、千代田区立図書館では、障害者サービスの利用登録をされた方に

図書館を通じて「サピエ図書館」のデイジー図書を貸出しています。

こちらの登録は千代田区内にお住まいの方

または通学・通勤をされている方が対象で、

来館が難しい場合はファクシミリ、郵便、電話などでの登録、

また代理の方によるお手続きも可能です。

その他、千代田区立図書館で受けられる障害者サービスの内容や

詳しい登録手順、お問い合わせについてはコチラをご覧ください。

 

前回のブログ記事内でも、「情報は命」という言葉がありました。

私たちの身の回りで支援が必要な方、障害を抱える方が

その方の必要な情報をいつでも手に入れることができるよう、

まずはみなさまに知っていていただきたい図書館サービスをご紹介しました。

Posted at:11:20

本と出会う読書サロン 第13期オープニングイベントを開催しました!

11月15日(火曜日)、「本と出会う読書サロン」第13のスタートとして

神田神保町の歴史ある出版社冨山房

代表取締役社長坂本 起一さんをお招きして、

新規メンバー募集を兼ねた講演会「冨山房の児童書と私」を開催しました。

 

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『かいじゅうたちのいるところ』(モーリス・センダック/作)、

『いろいろへんないろのはじまり』(アーノルド・ローベル/作)、

『ジルベルトとかぜ』(マリー・ホール・エッツ/作)…などなど、

図書館でも大人気のロングセラー絵本を多数出版してきた冨山房。

今回の講演では、会社の歴史とともに、坂本さんがご自身を振り返りながら

これまでのお仕事について語っていただきました。

 

坂本さんのお仕事の原点は幼い頃の読書体験にあるといいます。

お母さんに絵本を読んでもらうのが大好きで、悲しいページでは

いつも涙してしまう子どもだったのだとか。

冨山房が大正から昭和にかけて出版していた

『日本童話宝玉集』『世界童話宝玉集』をはじめ、

古今東西の童話や昔話に親しんだことが、坂本さんの

その後の仕事に大きな影響を及ぼしました。

 

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大学在学中に冨山房の社長として会社を引き継ぐことに

なってからは、奔走の日々が続きました。

『大言海』『大日本地名辞書』といった歴史ある辞書を守りながら

新しい本も出したい…そんな中で出会ったのが

エリック・C・ホガードの『小さな魚』の原書だったそうです。

 

当時、冨山房は児童書の出版から離れていましたが、

幼いころから質の高い児童文学に親しんできた坂本さんは

この原書を辞書を引きながら読み、すぐに

「ぜひ翻訳して出版したい!」という思いを抱きました。

それから若い社員たちと一緒に翻訳権の取得にこぎつけ、

翻訳家を探し、出版した『小さな魚』は、発売直後に

その年の課題図書に選ばれ、NHKのラジオドラマとしても放送されました。

 

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講演会終盤の質疑応答では、千代田図書館所蔵の絵本を1冊ずつ

手に取りながら、出版時のエピソードを語ってくださる一幕も。

あっという間の一時間でしたが、冨山房の児童書出版のルーツ

知ることのできた、充実の講演会になりました。

坂本さん、ありがとうございました!

 

12月から始まる「本と出会う読書サロン」第13では、

12月「物」 2017年1月「空」 2月「国」 3月「春」をテーマに、

メンバーが思い思いに持ち寄った本の紹介を行います。

現在メンバーを募集中。まずはお気軽に登録からどうぞ♪

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:15:00

「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー in 神田古本まつり」
を開催しました!

11月5日(土曜日)、図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアーin 神田古本まつり

「オビから始まる本の愉しみ」を開催しました!

 

今回は、10月28日(金曜日)から11月6日(日曜日)まで

神田神保町古書店街で開催されていた

「東京名物 神田古本まつり」とタッグを組んでの開催。

まずは東京古書会館を舞台に、第1部のトークイベントを行いました。

 

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開幕のご挨拶に駆けつけてくださった神田古書店連盟初谷会長

お話の中で「東京古書会館に初めて訪れたという方は?」

尋ねると、多数の方から手が挙がります。

ふだん古書の取引が行われている東京古書会館のことや、

一般の方でも参加できる入札会についてもご紹介いただきました。

 

第1部のゲストは『オビから読むブックガイド』(勉誠出版)の

著者・竹内勝巳さんです。

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本を買ったらほとんどの人が捨ててしまう“本のオビ”

おもしろさに魅せられ、研究している竹内さん。

日本独特のものだという“本のオビ”にいち早く着目して取り上げたのは

作家・編集者の佐藤嘉尚が1970年代に創刊した雑誌「面白半分」

4代目編集長を務めた五木寛之が創設した「日本腰巻文学大賞」とのこと。

当時“腰巻”と呼ばれていた本のオビが初めて脚光を浴びた出来事でした。

 

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「面白半分」の廃刊後、改めて本のオビに着目し、価値をつけたのが

他でもない「古書店」だったと竹内さんは言います。

同じ作家の同じ作品の初版本でも、オビがついている・ついていないの違いで

ときには何倍も値段が違うのだとか!

お話の最後には、竹内さんの「オビコレクション」

実際に見せていただきながら、特徴的なオビの解説もしていただきました。

 

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竹内さんによると、本のオビには「饒舌なもの」「無口なもの」があるとのこと。

デザイン性の豊かなオビや、紙をこすると音が鳴る珍しいオビも見せていただき、

終始楽しい雰囲気でトークイベントは終了しました。

 

第2部は、事前にお申込みいただいた16名のみなさまに

ご参加いただいての街歩き。

一年のうちでも古書店街が最も盛り上がる神田古本まつりを、

千代田図書館コンシェルジュならではの視点でご案内するガイドツアーです。

 

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東京古書会館から千代田図書館を目指して歩きながら、

第1部の竹内さんのお話にも出てきた作家の作品も多く扱う

文芸書専門の古書店などもご紹介。

 

ツアーの途中では、青空古本市のメイン会場となっている

岩波ブックセンター周辺を自由にご見学いただく時間も設けました。

 

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古書店の立ち並ぶ靖国通りだけでなく、

喫茶店の並ぶ路地や、スクラッチタイルが印象的な看板建築の建物など

神保町ならではの名所にも立ち寄りながら最終目的地の千代田図書館へ。

 

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館内で現在行っている2つの展示などもご紹介してツアーは終了しました。

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ご参加いただいたみなさん、おつかれさまでした!

Posted at:16:00

実習生が体験!千代田図書館の赤ちゃん向けおはなし会

千代田図書館に、今年も、区内にある大学からの

実習生が来てくれています!

今年は法政大学専修大学共立女子大学の3校から合わせて4

10日間の実習期間で、図書館にまつわる様々な仕事を体験中です♪

 

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この日は、毎月第2木曜日に行っている赤ちゃん向けおはなし会

千代田図書館10階の子ども室に、

赤ちゃんとそのママ、パパ、おばあちゃんなど19組が参加してくれました!

 

今回のおはなし会では、実習生4名が

1人1冊ずつ絵本の読み聞かせにチャレンジ!

司書のレクチャー、前日の練習を経ておはなし会にのぞみました。

 

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読んだのはこちらの4冊。(読んだ順番に)

『もう おきるかな?』(まつのまさこ/文、やぶうちまさゆき/絵、福音館書店)

『ででこい でてこい』(はやしあきこ/作、福音館書店)

『くだもの』(平山和子/作、福音館書店)

『よういどん』(わたなべしげお/文、おおともやすお/絵、福音館書店)

それぞれ、赤ちゃんにも伝わるよう

やさしく、明るく読もうと取り組む姿が印象的でした。

 

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おはなし会では、このほかにも、司書が楽しいわらべうた

ハンカチを使ってできる手あそびなどを紹介して、

みなさんと楽しく過ごしました。

ご参加の保護者のみなさん、おうちでもやってみてくださいね♪

 

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千代田図書館のおはなし会は、毎月第2木曜日の午前11時から

0才~3才くらいの乳幼児と、その保護者を対象に行っています。

次回は10月13日(木曜日)です。

予約不要、どなたでも参加できますので

赤ちゃんと、ぜひご参加ください♪

 

おはなし会の体験はいかがでしたか?

実習生のみなさんに感想を聞いてみました!

「普段なかなか赤ちゃんと接することがなく、赤ちゃんのエネルギーを

 感じました。読んでいる絵本をじっと見つめてくれました」

「ゆっくり読む、ゆっくりページをめくるよう意識したつもりだったけど

 やっぱり緊張してしまいました。読みながら全体を見渡すことの

 難しさがわかりました」

「絵本を持つ高さや向きを、もっと工夫すればよかったかも。

 次の機会があれば、今日のことを活かしたいです」

…などなど、いい経験になったようす。

絵本を読んであげる、という一見シンプルなコミュニケーションにも

難しさや奥深さが隠れていることを実感してもらうことができました。

 

慣れない経験にも、ひたむきに取り組む姿勢が

今日の参加者のみなさんにも、十分に伝わったのではないでしょうか。

みなさん、おつかれさまでした!

 

実習生のみなさんには、今回のおはなし会のほか、

図書館のカウンター業務資料の登録

返却された本を図書館の書棚に戻す実習、

資料の選定障害者サービスなどについての研修など

図書館に欠かせない多くの仕事を、日々体験して知ってもらっています。

実習生のみなさん、この先の実習もがんばってくださいね!

Posted at:14:20

座談会「絵本のこれまで・これから」を開催しました!

8月27日(土曜日)、神田神保町の絵本・児童書専門店ブックハウス神保町

千代田区読書振興センターの共催で

座談会「絵本のこれまで・これから」を開催しました。

 

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この座談会の登壇者は6人。

先日、 「夏のわくわく課外授業2016」 で理科の授業を行っていただいた

絵本作家の舘野 鴻(たての・ひろし)さん

福音館書店で月刊絵本「こどものとも」「かがくのとも」を担当、

さらに『ジャリおじさん』(絵と文/大竹伸朗)など、

多くの絵本を手がけてきた編集者の澤田 精一(さわた・せいいち)さん

舘野さんの最新刊『つちはんみょう』を担当した

偕成社の編集者丸本 智也(まるもと・ともや)さん

そしてこの日の進行役も務めていただいた、絵本・児童書専門店の

ブックハウス神保町スタッフの茅野 由紀(ちの・ゆき)さんに加え、

千代田図書館の司書で、サービス部門を統括する

サービスプロデューサーの吉崎と、学校支援担当チーフの大垣も参加しました。

 

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登壇者のみなさん。

写真左から、茅野さん、丸本さん、舘野さん、澤田さん、大垣、吉崎。

 

茅野さんから6人の紹介があったあと、まずは

舘野さんと澤田さんの関係についてのお話から。

『この絵本が好き!2010年版』(別冊太陽編集部/編、平凡社)で、

2009年に刊行された絵本から好きな本を3冊選ぶというアンケート企画で

舘野さんの初めての絵本『しでむし』(偕成社)を挙げて、

「二〇〇九年の絵本を顧みたとき、この一冊で十分なのではないか」

と評した澤田さん。

当時の自分の思いや生活をすべて『しでむし』に注いだという舘野さんは

澤田さんの評を読んで「まだ描いてていいのかな」と励まされ、

その数年後に実際に対面するまで

「いつかお礼を言いたい。新作を読んでもらって感想を聞きたい」

と思い続けていたそうです。

 

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次に、澤田さんに、戦後から21世紀にかけての

絵本の変遷を簡単に解説していただきました。

「現在では大人も絵本を読むようになり、“絵本の読者=子ども”とは限らなくなった。

 いま、子どもに向かって絵本を作るエネルギーが薄れてきていないか?

 今日は“絵本とは何か”ということをお話しできたら」と澤田さん。

 

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子どものために絵本を選ぼうと、書店や図書館を訪れたお客様から

「“いい絵本”はどれですか?」と聞かれるのは書店員も図書館司書も同じ。

書店員や図書館司書にとっての“いい絵本”とは?

また、絵本を作る作家、編集者、出版社にとっては?

読者として、また子どもの父親・母親としてはどうか?

話はさまざまな方向に広がりました。

 

そんな中で、澤田さんの

「“いい絵本”よりも“おもしろい絵本”を作りたい。

 子どもの頭に手を入れて、引っかきまわすような、

 余計なお世話をする絵本を作りたいと思っている」

という言葉が印象に残りました。

偕成社の丸本さんは、まだ経験が浅いと謙遜しながらも

「自分の企画が一番おもしろいと思ってがむしゃらにやるしかない」と。

 

出版不況とも、活字離れともいわれる昨今

絵本を生み出す側と、絵本を読者に手渡す側、

そのどちらも熱い思いをもって絵本に向き合っていることが、

会場にお越しくださったみなさまにも伝わったのではないでしょうか。

 

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後半には、舘野さんが近年行っているという“昆虫食”についてお聞きしたり、

先日の「夏のわくわく課外授業2016【理科】」や、ブックハウス神保町で開催された

ワークショップで子どもたちが描いた昆虫の絵をスクリーンに映しての紹介も。

 

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熱く語り合いながらも、終始和やかなムードで

あっという間の90分でした!

その後に続いた会場からの質疑応答にも真摯にお答えいただき

こちらも、とても盛り上がりました。

登壇者のみなさん、ありがとうございました!

 

Posted at:17:00

「夏のわくわく課外授業2016」レポート②【理科】

千代田図書館の夏休み恒例イベント 「夏のわくわく課外授業2016」 

今回は、理科の授業風景をお届けします。

 

◆◆8月9日 国語◆◆

「ちよだの虫を絵にかこう フィールドワーク&スケッチ」

 

理科の授業を担当してくださったのは、

絵本作家の舘野 鴻(たての・ひろし)さんです。

 

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舘野先生はこれまでに多くの図鑑や児童書で生物画を手がけ、

『しでむし』『ぎふちょう』(ともに偕成社)など、

昆虫の生態を自ら調査し、緻密に描いた絵本を発表してきました。

今年4月に刊行された『つちはんみょう』(偕成社)でも

8という年月を、日本固有種のヒメツチハンミョウ

生態調査に費やし、絵本を描きあげました。

「理科」の授業では舘野先生と一緒に、千代田図書館の周辺で

身近な自然を探し、観察して、絵に描いていきます。

 

この日は朝から雨が降り、お天気が心配されましたが

授業の時間に合わせてくれたように雨がやみ、明るい日差しが。

さっそくみんなで生き物を探しに出かけました。

 

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ビルが立ち並ぶ千代田図書館の周りにも、植え込みや木の根元に

よく目を凝らすと、生き物たちの豊かな世界があります。

日がさしていっせいに鳴きはじめたセミや、

草むらに現れたバッタをみんなで追いかけました。

 

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途中、シマヘビの抜けがらも発見!

 

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「あとで絵に描くために、その生き物がどんな場所にいたか、

 どんな植物のところにいたかも覚えておこう」と舘野先生。

その場でメモしたり、草花も少しだけ持って帰ります。

 

採集した生き物をシャーレに移し、まずは鉛筆でスケッチ。

保護者の方にも一緒に絵を描いていただきました。

 

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ひとつひとつのテーブルをまわって、描き方のアドバイスをしたり

その場でスケッチを描いて見せてくれる舘野先生。

 

2時間の授業時間はあっという間でしたが、絵の具や色えんぴつを使って

みんな思い思いに絵を仕上げました。

小さな虫を一枚の紙に大きく引き伸ばして描く子、虫がいた周りの風景も描く子、

生き物の細かい模様までクローズアップしてじっくり描く子・・・と、

対象のとらえ方、描き方も十人十色で、そのどれもが力作でした。

ご参加いただいた皆さん、おつかれさまでした!

 

舘野先生、ありがとうございました!

先生の最新刊『つちはんみょう』原画展が、千代田図書館の近く

神田神保町の絵本・児童書専門店ブックハウス神保町で開催中です。

 

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緻密で迫力ある原画はもちろん、舘野先生の観察ノート虫のスケッチなども展示され、

長い時間をかけて描きあげられた絵本の世界を心ゆくまで楽しむことができます。

この機会に、ぜひご覧ください!

 

舘野 鴻 原画展『つちはんみょう』

【会 場】 ブックハウス神保町 ミニギャラリー

【所在地】 千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1階

【会 期】 開催中~9月5日(月曜日)

【時 間】 午前11時~午後6時30分

【定休日】 水曜日(祝日の場合は営業)

 

また、千代田図書館9階の第2展示ウォールでは、

9月1日(木曜日)から19日(月曜日・祝日)まで

「夏のわくわく課外授業2016」の授業レポートや先生方の本を展示します。

こちらもあわせてご覧ください♪

Posted at:17:00

「夏のわくわく課外授業2016」レポート①【国語・算数】

千代田図書館の、小学4~6年生とその保護者を対象にした

夏休み恒例イベント「夏のわくわく課外授業2016が今年も始まりました!

今回は、国語算数の授業風景をレポートします♪

 

◆◆8月9日 国語◆◆

「短い小説“ショートショート”を書こう」

 

国語の授業を担当してくださったのは、

ショートショート作家の田丸 雅智(たまる・まさとも)さんです。

 

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子どもから大人まで、幅広い世代に読まれているショートショート。

昨年、ショートショート大賞を創設し、審査員長を務めるなど

2011年のデビュー以来、新世代のショートショート作家として活躍中の

田丸先生が教えてくれるのは、原稿用紙1~3枚程度の

とても短い小説“超ショートショート”の書きかたです。

 

授業のはじめに、

「今日はこれから、子どもも大人もかならず1人1作

“超ショートショート”を創作してもらいます」と田丸先生。

参加者のみなさんからは

「え~!いきなり書けないよ」「大人も書くの?」という声が。

本当に、誰でも90分で小説が書けるようになるのでしょうか?

 

田丸先生いわく、ショートショートとは「短くて不思議な物語」

今日はワークシートを使って、3つのプロセスで物語を作ります。

①不思議な言葉を作ろう

②不思議な言葉から想像を広げよう

③物語にまとめよう

 

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身近な言葉を組み合わせて「これはいったい何だろう?」と

想像するだけで、物語のタネが生まれます。

「そのいいところは?」「悪いところは?」ワークシートを

書き進めることで、そのタネを芽吹かせ、育てていきます。

授業の中盤には、子どもも大人も、ぐんぐんと鉛筆を走らせる姿が印象的でした。

 

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「物語に登場人物やセリフを増やしてみると、もっと長い小説になるよ」

「文章を、主人公目線にしてみよう」

など、田丸先生のアドバイスでより本格的な小説に挑戦した子も。

 

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授業の最後はみんなの作った“超ショートショート”の発表会!

「無重力ホーム」「リセットたぬき」「めくってくれる本」…などなど、

タイトルだけで、どんなお話か読んでみたくなりませんか?

みなさんの作品は、9月1日(木曜日)から

千代田図書館9階の第2展示ウォールで

イベントのレポートともに展示する予定ですので、お楽しみに♪

 

田丸先生、ありがとうございました!

 

 

◆◆8月10日 算数◆◆

「親子で楽しむ サム・ロイドの絵パズル」

 

算数の授業をしてくださったのは、

作家で美術家の伴田 良輔(はんだ・りょうすけ)さん

 

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約150年前、生涯10,000作ものパズルを作った

天才パズル作家サム・ロイドの作品をはじめ、今も世界中で愛される

さまざまなパズルを楽しみながら、親子で算数に親しむ授業です。

 

パズルを彩る、愛らしいイラストまでも自分で手掛けていた

サム・ロイドがはじめてパズルを作ったのは、なんと9歳の時。

「今日参加してくれたみんなと同じくらいの歳で、パズルを作っていたんですよ。

 まずは彼の大ヒット作となったパズル“トリック・ドンキー”から

 やってみましょう」と伴田先生。

 

ロバが描かれた2枚の紙と、2人の騎手が描かれた1枚の紙。

この3枚を組み合わせて置くことで、2人が2頭に

うまく乗っている絵にするには?

 

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シンプルなパズルですが、なかなか正解が思いつきません。

子どもも大人も頭をひねって取り組みます。

 

「なかなかうまく置けないでしょ?考え方をちょっとだけ変えてみよう」

と、伴田先生が正解を見せると…

「そうか、わかった!」「なるほど!」「やられた~!」

意外な答えに、つぎつぎにこんな声があがりました。

 

パズルを解くのに大事なのは、「小さな発想の転換」と先生。

この日は、伴田先生のオリジナルパズルも含めて

全部で6種類のパズルに親子で挑戦しました!

 

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こちらもサム・ロイド作、16個の点を6本の線で結ぶ

“貴婦人のクロケー・パズル”

 

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中国や日本でも古くから愛されている、7つの図形を組み合わせて

様々なシルエットを作って遊ぶパズル“タングラム”

 

「今日遊んだ図形のパズルには、将来みんなが学校で習う

 数学の定理が隠れているものがほとんどです。

 公式を使うと難しく思えるけど、こういうパズルをきっかけに

 算数や数学を少しでもおもしろく感じてもらえたらいいな」

と伴田先生。

 

親子そろって問題に取り組み、パズルの楽しさを

感じていただけたのではないでしょうか。

伴田先生、ありがとうございました!

 

ご参加いただいた皆さん、おつかれさまでした!

「夏のわくわく課外授業2016も、残すところあと1教科。

理科「ちよだの虫を絵にかこう フィールドワーク&スケッチ」

まだお申し込み可能です!ぜひ、ご参加ください♪

Posted at:17:00

コンシェルジュ通信Vol.14:「コンシェルジュ体験」
楽しいプログラムを用意しています!

先日のブログ  でもお知らせした

 “神田神保町の「本と街の案内所」千代田図書館コンシェルジュ体験”。

千代田区内在住、在学の中学生・高校生のための職場体験プログラムです。

3回目の今年は、もっと街の知識を深め、たくさん接客体験できるよう、

2日間のプログラムにしました。

というわけで、7月21日(木曜日)の初日に向けて、ただいま準備中です。

 

これまで参加されたみなさんからは、

「接客体験をしてみたかった」

「本が好きで、神保町に興味があった」

でも、「千代田図書館や神保町に来たのは初めて」

という声も聞かれました。

そんな声を思い出して、

コンシェルジュたちで、プログラムについて話し合いをしています。

 

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「図書館コンシェルジュの仕事の楽しさを知ってもらいたいね」

「神保町に初めて来た人にも、よくわかる内容にしたいね」

「どんな質問でも、ご案内する時に大切なことはなんだろう?」

「街歩きでは、みんながお気に入りのお店を見つけられたらいいね」

参加される方々のことを想像しながら、

もっとみなさんの力になる内容を考えています。

 

接客体験をする神田神保町は、

古書店、新刊書店、食事処が集まる魅力いっぱいの街です。

「本と街の案内所」には、いろいろな質問が寄せられます。

 

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「むかし読んだ本をもう一度読みたい。どの店で探したらいい?」

「昭和時代の文学を専門にしている古書店はどこ?」

「神保町らしいお昼ご飯を食べたい。おすすめの食事処はどこ?」

などなど。

お客様のお探しものによっては、

私たちも初めて知ることもたくさんあります。

難しく感じることも、一生懸命お調べしてご案内します。

その結果、「あなたのおかげで本が買えたよ!ありがとう!」と、

お礼の言葉をいただく時は、とても嬉しい瞬間です。

 

神田神保町のことをもっと好きになりたい方

「ありがとう」と言われる接客マナーを身に付けたい方

「人と話すのは苦手だけど、がんばってみたい!」という方も、

ぜひご参加ください!!

申込は抽選制で、7月5日(火曜日)午後6時まで受付けしています。

 

本と街の案内所で図書館コンシェルジュ一日体験

 

【日 時】 1日目 7月21日(木曜日)午後1時~5時30分

      2日目 7月25日(月)~8月31日(水)までの平日から

      1日を選択、午前11時30分~午後3時30分

      ※「本と街の案内所」お盆の休業期間を除く、1日2名まで

      ※ご希望の日程にそえない場合がございます

【場 所】 1日目 千代田図書館9階=第1研修室

      2日目 「本と街の案内所」(千代田区神田神保町1-7-7)

【定 員】 8名/抽選制

【対 象】 千代田区内に在住または在学の中学1年生~高校3年生

【参加費】 無料

【申 込】 ①~③いずれかの方法でお申し込みください。

      ①電話=03-5211-4289・4290(平日10時~18時)

      ②メール=件名を「コンシェルジュ体験」とし、本文に

      参加者の1.名前 2.学校・学年 3.「千代田区内在住」

      もしくは「千代田区外在住」4.電話番号 5.2日目の

      希望日(第1~第3希望まで)をご記入のうえ

      dokushoshinko★library-chiyoda.jp までお送りください。

      ※メールを送る際、★を@に変えて送信してください

      ※受信確認後にお送りする返信メールをもって受付完了

      ③来館=千代田図書館10階カウンター(平日10時~18時)

      受付期間:7月5日(火曜日)午後6まで

      ※抽選の結果は、当落に関わらず7月7日(木曜日)以降に

      すべての方へお知らせします。

【主 催】 千代田区読書振興センター 

【協 力】 NPO法人連想出版、神田古書店連盟

 

※図書館コンシェルジュは「図書館司書」とは異なります。

※制服の貸与はありません。

※男女問わずご参加いただけます。

 

詳しくは→コチラ

Posted at:16:40

コンシェルジュツアー「散歩の達人」編を開催しました!

5月28日(土曜日)、図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー

「散歩の達人」編を開催しました!

 

今回は、6月25日(土)まで千代田図書館9階 展示ウォールで開催中の

企画展示「『散歩の達人』とともに振り返る千代田の街の20年」との

コラボレーション特別企画です。

 

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まずは、今年で創刊20周年を迎えた「散歩の達人」編集長

武田憲人(たけだ・けんじん)さん

 「散歩の達人20年で、忘れられないこの10冊」 と題して

印象深いバックナンバーについてお話しいただきます。

 

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「いろいろあった20年間、雑誌にとって、というより

 個人的にどうしても忘れられない10冊を選びました」と武田編集長。

 

神保町を特集した号はもちろん、

銀座・秋葉原などの特集号、“横丁”“下町”などのエリア特集、

今では「散歩の達人」の人気特集“喫茶&カフェ”などなど……

その当時のことをふり返りながら、苦労話や読者からの反響など

雑誌づくりの裏側をお聞きすることができました!

 

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20年間で出会った人々とのエピソードも盛りだくさん。

はじめて神保町を特集した1996年4月号

「神保町まちのウワサ大検証」で取りあげ、ニッコリ笑った顔が

忘れられないという大野カバン店の名物おばちゃん

お会いできて感激したという、『居酒屋礼賛』の著者森下賢一さん

“下町の特性とは”インタビューでたっぷりと語ってくれた

思想界の巨人・吉本隆明さんと、次つぎに登場します。

 

中でも印象的だったのは、2005年11月号のインタビューで

写真家で文筆家の藤原新也さんが、房総に住む理由を聞かれ

「猫っていうのは隙間があるから生きられる。猫も住めない空間は

 おそらく冷たい空間だと。房総は“猫度”がダントツに高いんだよ」

と答えたというエピソードを紹介しながら、

「もしかしたら、人間もそうなんじゃないかな?と思いました。だから

 街の“隙間”を見つけることが『散歩の達人』の役割なんじゃないかなと」

と話されていたこと。

これまでの20年間を知ることで、

これからの「散歩の達人」がますます楽しみになりました!

 

トークの後はいよいよ神保町へ出発。

こちらでも、バックナンバーを振り返りながら

「散歩の達人」誌上で紹介された神保町のおすすめスポット

千代田図書館のコンシェルジュがご案内しました。

 

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2015年8月号「散歩的東京百景」特集に掲載された

矢口書店と古賀書店の看板建築は、神保町を代表する風景。

 

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1996年11月号、2005年10月号で2回にわたり掲載され

詳しく“解剖”された神田古書センタービル

それぞれの掲載号と現在のお店を比べながらご紹介しました。

 

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神保町の魅力は書店以外にもたくさん。

この日開催されていたすずらんまつりで賑わう通りから路地へ入って

神保町ならではの喫茶店や居酒屋などもご紹介。

 

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武田編集長のトークにも登場し、1996年11月の

「神保町まちのウワサ大検証」に掲載された

「ジョン・レノンモデルの眼鏡を売るお店」三鈴堂眼鏡店は、

ツアーの最終目的地「本と街の案内所」のお隣。

 

ツアー終了後、すずらんまつりへ足を運ぶ参加者も多く見られました。

皆さま、ぜひこれからも神保町散歩をお楽しみくださいね♪

 

武田編集長、立ち寄らせていただいたお店の皆さん、

ありがとうございました!

そしてご参加いただいた皆さん、お疲れさまでした!

Posted at:15:00

本と出会う読書サロン 第12期オープニングイベントを開催しました!

5月17日(火曜日)、 「本と出会う読書サロン」第12期 

スタートとして、新規メンバー募集を兼ねた

講演会「ことばの食感」を開催しました。

 

講師は、国語学者早稲田大学名誉教授中村 明さん

作家の文章の特徴“文体”から作品を読み解く文体論の研究者として

数多くの著作を出版されているほか、 朝日新聞の週末別刷版「be」 

2年にわたり「ことばの食感」を連載されていました。

 

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国立国語研究所勤務時代に行った、数多くの作家へのインタビューは

ちくま学芸文庫『作家の文体』にまとめられ、

「ことばの食感」の連載中も「文豪からのヒント」というテーマの記事で

読者を楽しませました。

 

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今回の講演では、その連載をふり返りながら

特に読者からの反応が大きかったもの、思い出深いものについて

お話しいただきました。

 

「なぜ東京帝国大学をおやめになったんですか」という中村さんの質問に

「やめたんじゃない、自然と“やまった”んだよ」とおちゃめに返した武者小路実篤

「どうやって小説をお書きになるんですか」という問いには

「まず、舞台となる家の間取りを考えるところから始めます」と教えてくれた大岡昇平

中村さんが、作品に登場する人物名の読み方を聞くと

「きみに聞かれるまでそんなこと考えてもなかったよ」と答えた吉行淳之介

シャイで、初対面の時にはなかなかこちらを向いてくれなかったという井伏鱒二……。

実際に会って話してみないと知ることのできない、

文豪たちとのエピソードがいきいきとよみがえります。

 

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その他にも、坂口安吾小林秀雄の文章を例に

短い一文からも読み解ける作者の意図についてのお話から、

様々な作品や街中にあふれる“ダジャレ”のお話まで。

豊富な経験と深い知識から縦横無尽にお話しいただき、

あっという間の一時間でした!

 

中村さん、ありがとうございました!

 

「本と出会う読書サロン」第12では、

6月「あまい」7月「にがい」8月「すっぱい」9月「からい」と、味覚をテーマに

メンバーが思い思いに持ち寄った本の紹介を行う予定です。

現在メンバーを募集中。まずはお気軽にメンバー登録からどうぞ♪

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:14:00

「第8回ことばと音のフェスティバル♪」を開催しました!

5月1日(日曜日)、8回ことばと音のフェスティバル♪

「親子で楽しむ!はじめてのジャズ」を開催しました。

 

今年は、千代田区内の正則学園高等学校 ビッグバンド部のみなさんに

ご出演いただき、午前と午後の二部構成で行いました。

 

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午前の部「ジャズとえほんのコンサート」は、

小さなお子さまでも楽しめる、2冊の絵本の読み聞かせと

ジャズの演奏を組み合わせたコンサート。

 

千代田図書館の司書が

『おひめさまはねむりたくないけれど』(メアリー・ルージュ/作、

パメラ・ザガレンスキー/絵、そうえん社)

『つきよのおんがくかい』(山下洋輔/作、柚木沙弥郎/絵、福音館書店)

の2冊を朗読しました。

 

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おはなしの合間に演奏されたのは、

子どもたちにもおなじみの「星に願いを」「きらきら星」

ジャズ・ナンバーの「セント・トーマス」「Mercy Mercy Mercy

 

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みんな、おはなしに聞き入ったり、曲に合わせて手拍子や体を動かしたり

絵本と音楽を楽しんでいました♪

 

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コンサートの最後に、ビッグバンド部の卒業生とコーチが

この日のためにアレンジした「千代田区歌」のジャズ・バージョンも!

大迫力のソロ演奏を聴くことができました!

 

午後の部は、子どもから大人までビッグバンド・ジャズに

親しんでいただける「子どものためのジャズ入門」

 

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14~16人のビッグバンドで奏でられる息のあった演奏に、

それぞれの楽器のソロも決まって、拍手がわきます。

 

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こちらでは、ジャズの歴史をたどるプログラム構成で

「茶色の小びん」「Stand by Me」「Sing Sing Sing

「Fly me to the Moon」「Isn't She Lovely……などなど、

たっぷりと演奏をお楽しみいただきました。

 

正則学園高等学校 ビッグバンド部のみなさん、ありがとうございました!

 

千代田区立図書館で、親子で読書を楽しめるさまざまなイベントを

開催中のヨムキクちよだ2016は今月12日まで。

連休中も、ぜひご家族で図書館へお越しください♪

Posted at:13:00

「ヨムキクちよだ2016」が始まりました!

千代田区立図書館で、親子で楽しめるイベント盛りだくさんの

ヨムキクちよだ2016を開催中です!

 

千代田図書館9階の第2展示ウォールでは

「ちよだとしょかん えほんかるた」を展示中。

千代田図書館の司書おすすめの45冊の絵本を

かるたでご紹介しています。(5月12日まで)

 

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「あ」から「ん」まで、かるたの読み札は本の内容を表しています。

どの本のことが書いてあるかわかるかな?

答えを予想しながら、お楽しみください♪

(展示資料はすべて貸出可、貸出中の場合はご了承ください)

 

また、千代田区役所1階のさくらベーカリーでは

「おはなしと出会えるパン屋さん2016を開催中。

ばばばあちゃんの『よもぎだんご』(さとうわきこ/作 福音館書店)を

イメージしたよもぎあんぱん(税込105円)や

『11ぴきのねことあほうどり』(馬場のぼる/作 こぐま社)の

楽しいおはなしをヒントに生まれた

コロッケとチキンのドッグパン(税込265円)など、

「えほんかるた」で展示中の絵本5冊から生まれた

楽しいメニューがお楽しみいただけます♪

 

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「おはなしに出会えるパン屋さん」期間中にさくらベーカリーで

お買い物の際に、レジで千代田区立図書館の貸出券を見せると

かわいいサブレのプレゼントも実施中です!

(お一人様一日一回まで、なくなり次第終了)

 

おはなしに出会えるパン屋さん2016

【期 間】 開催中~5月12日(木曜日)

【定休日】 日曜日、祝日

【場 所】 千代田区役所1階=さくらベーカリー

【協 力】 さくらベーカリー(ジョブ・サポート・プラザちよだ)

 

そして5月1日(日曜日)には

第8回ことばと音のフェスティバル♪「親子で楽しむ!はじめてのジャズ」

を開催します。

 

出演は、区内の私立高校、正則学園高等学校のビッグバンド部のみなさん。

先月行われた、千代田のさくらまつりのオープニングイベントでも

大活躍だったみなさんの演奏をどうぞお楽しみに!

 

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△正則学園高等学校 ビッグバンド部

 

午前11時からの1回目は、千代田図書館司書による絵本の朗読との

コラボレーションプログラムも入った「ジャズとえほんのコンサート」

午後2時からの2回目では、親子でより本格的なジャズ演奏を

お楽しみいただける「子どものためのジャズ入門」を行います。

大人も子どもも、ぜひ皆さんでお越しください!

 

第8回ことばと音のフェスティバル♪

「親子で楽しむ!はじめてのジャズ」

【日 時】 5月1日(日曜日)(各回とも開場は開演の15分前)

      1回目/午前11時~12時 幼児~小学校低学年向け

      「ジャズとえほんのコンサート」

      2回目/午後2時~3時 小学校中学年~中学生向け

      「子どものためのジャズ入門」

【会 場】 千代田区役所1階=区民ホール

【席 数】 80席(当日先着順・申込不要、立ち見可)

【出 演】 演奏/正則学園高等学校 ビッグバンド部

      朗読/千代田図書館 学校支援担当司書(1回目のみ)

【協 力】 NPO法人 日本ジャズ教育研究所

Posted at:12:20

コンシェルジュ通信Vol.12:神保町ツアー「散歩の達人」編、ただいま準備中!

5月28日(土曜日)に予定されている

「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー」は、

千代田図書館で開催中の企画展示

「『散歩の達人』とともに振り返る千代田の街の20年」

との連携イベントということで、

私たちコンシェルジュもはりきって準備を進めています!

 

千代田図書館の企画展示担当者から

展示内容についての説明を受けながら、

「当日はどんなスポットを巡るのが良いかしら?」

と一緒に相談できるのも、連携イベントならでは。

 

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「『散歩の達人』にみる千代田の今昔」の神保町のパネルには、

“街を歩く人々の様子も15年前から(いや、もっと前からか)

 あまり変化が見られない気がする神保町“と書いてあり、

「学生時代から変わらない街だと言われる事も多いですよね」

「変わらない部分も多いけれど、実は新しいお店も結構あるかも」

と神保町談義に花が咲きました!

 

「散歩の達人」は今年で創刊20周年

神保町が取り上げられたバックナンバーから

今回のガイドツアーでご紹介できそうな内容を検討していると、

時代ごとの世相が反映された記事が目に入ります。

懐かしさがこみあげてきて、思わず見入ってしまうことも。

 

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今回のツアーは、はじめに千代田図書館10階特設イベントスペースで

「散歩の達人」の編集長武田憲人さんから

雑誌づくりについてのお話を聞いた後、

これまでに「散歩の達人」の誌面で取り上げられた

神保町のおすすめスポットを巡ります。

 

 

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「散歩の達人」武田編集長

 

“ゆっくり歩きながら、

その街の魅力をなるべくありのままに目と身体で感じ取る“

“本当に散歩するように作られている”

という「散歩の達人」の製作秘話が飛び出すかも?

 

ツアーを行う5月28日(土曜日)は

「神田すずらんまつり」も開催されています。

 

第30回 本の街 神田すずらんまつり

【日にち】 5月28日(土曜日)

【時 間】 午前11時~午後5時

【場 所】 神田神保町 すずらん通り商店街

 「散歩の達人」はこちらともタイアップ

パネル展「散歩の達人が伝えてきた神保町」(仮)のほか、

本誌に連載中の「町中華探検隊」スタッフによる

トークショーも開催予定だそうですので、

ガイドツアー終了後はあわせて楽しんでいただけます!

 

今回の「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー」

のお申し込みは抽選制で、

応募の締め切りは4月28日(木曜日)午後6時です。

みなさまのご応募を心よりお待ちしています!!

 

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「散歩の達人」編

【日にち】 5月28日(土曜日)

      悪天候の場合は6月4日に延期

【時 間】 午後1時~午後3時30分(12時30分開場)

【集合場所】 千代田図書館10階=特設イベントスペース

【参加費】 無料

【ゲスト】 武田憲人さん(「散歩の達人」編集長)

【定 員】 20名(高校生以上)※抽選制

【申 込】 受付中~4月28日(木曜日)午後6時まで

      お電話または千代田図書館10階カウンターにて

・本イベントは抽選制です。

・申込者全員に当落結果ハガキ発送(5月6日ごろ発送予定)

 をもって抽選結果をお知らせいたします。

参加にあたっての注意事項(PDF:135KB)をお読みいただき、

 ご同意のうえでお申し込みください。

・その他、詳しくは→コチラ

Posted at:14:20

「詩を聴く、詩を唄う、詩を感じる」を開催しました!

3月20日(日曜日・祝日)、千代田区役所1階区民ホールで

千代田区読書振興センタースペシャルイベント

「詩を聴く、詩を唄う、詩を感じる」を開催しました!

 

出演いただいたのは、第5詩集『隣人のいない部屋』で

第22回萩原朔太郎賞を史上最年少受賞するなど

文学を越えたジャンルでも活躍中の詩人、三角みづ紀さん

バークリー音楽院でサウンドデザイン、ボーカルを学び

幅広い音楽活動を行っている音楽家、坂東美佳さん

 

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この日は春分の日。桜の開花も間近に迫った

明るい日差しの中でイベントが行われました。

前半は、与謝野晶子「桃の花」島崎藤村「初恋」

中原中也「湖上」八木重吉「雲」などの近代詩10

三角さんが朗読し、坂東さんが即興でピアノの演奏をつけるパフォーマンス。

 

普段、ほかの詩人の詩を朗読する機会はあまりなく、この日のために

近代詩集からこの10篇を選んできてくださったという三角さん。

 

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詩集をめくり、数々の詩の中から選んでいる中で

「今の私には八木重吉」という発見があったそう。

「ぜひみなさんも、図書館の詩集をめくって

 今の自分に合う詩を見つけてみてください」

とお話しくださいました。

 

後半は、三角さんの詩を坂東さんと二人で読んでいきます。

最新の詩集『舵を弾く』(思潮社)に収録されている

「保つ日」「長距離バス」など数々の詩を、お二人の朗読で聞きます。

 

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詩人の朗読と、音楽家の朗読と、同じ言葉を読んでいるはずなのに

わずかに違って聞こえるように感じられたのが不思議な体験でした!

 

最後に、三角さんが2015年に作った詩「恵庭」を朗読します。

これに坂東さんがメロディをつけ、歌にしたものを

ピアノとともに演奏して、この日のイベントは終了。

 

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ご来場いただいたみなさまにも、活字の本を読むのとはひと味違った

耳から聴くポエトリーリーディングの魅力を

お楽しみいただけたのではないでしょうか。

 

三角さん、坂東さん、ありがとうございました!

Posted at:18:00

千代田図書館の法人向け出張サービス、ビジネス書展示

千代田図書館では、法人向け出張サービスとして

ビジネス書の出張展示を行っています。

オフィスの空きスペースに、千代田図書館が所蔵するビジネス書を展示し

「ふだんは忙しくて、図書館になかなか足を運べない」という社員の方々にも

気軽に読書を楽しんでいただける取り組みです。

 

千代田区内はもちろん、近隣区の企業からのご相談にもお応えし

ご好評をいただいている出張サービス。

今回の「ちよぴたブログ」では、千代田区内の企業

株式会社グローバルキッズで2月15日から開始した

「ビジネス書大賞2015展」の出張展示のようすをご紹介します。

 

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株式会社グローバルキッズは東京都内や横浜市で

認可・認証保育所や学童クラブを運営する企業で、

本社オフィスの2階には保育スタッフ養成のアカデミーも併設しています。

 

今回は、1階事務所と2階アカデミー入口の2会場にわけて、

ビジネス書126を展示しました。

 

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オフィス内に本を設営する千代田図書館スタッフ。

展示している126冊のうち、「ビジネス書大賞2015」の受賞作と

一次審査ノミネート作の計100冊には、

一冊ずつにおすすめコメントのPOPが付けられています。

 

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このうち8冊は、社長さんや保育事業部の部長さんを始めとした

社内でも読書好きというグローバルキッズ社員の方々によるおすすめコメントつき!

オレンジ色のPOPでご紹介しています。(画像を一部加工しています)

 

展示のビジネス書は、最新の世界経済、企業経営を論じる硬派な本から

手に取りやすく、やわらかいテーマの本までさまざま。

書評家や書店員、図書館ユーザーが選んだ

「ビジネス書大賞」ならではの幅広い取り揃えで、

読書を楽しみながらビジネスのヒントを見つけられそうですね!

 

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「うちのオフィスでもやってみたい」

「社内図書館の活用に役立てたい」という法人の皆さま、

まずは千代田図書館へお問い合わせください!

詳しくは→コチラをご覧ください。

Posted at:10:20

文化資源学会 研究会「天下祭再考-昔と現在(いま)」

11月29日(日曜日)千代田区役所4階 401会議室で

文化資源学会の展望プロジェクト「文化資源学を支えるテクノロジー(文テク)」

企画する研究会「天下祭再考-昔と現在(いま)」が行われました。

 

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江戸時代に、江戸城内を巡行して将軍の上覧を受け、

天下祭とよばれた神田祭天王祭

文化資源学会でも「神田祭 附祭(つけまつり)復元プロジェクト」

などで神田祭の復興に協力してきました。

 

今回は東京大学史料編纂所画像史料解析センターの

「江戸城図・江戸図・交通図及び関連史料の研究」プロジェクトと

神田明神との共催で、江戸城、祭り、武家について、それぞれの専門家の

講演を受けたあと、当時の地図を片手に祭りの巡行路を歩き

神田明神資料館の見学をするという内容で開催されました。

 

それぞれの専門分野から、天下祭を考察し、講演を行った講師の方々。

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(登壇順、写真左から)

神田祭の巡行路の変遷についてお話しされた

岸川雅範さん(神田明神権禰宜)

武家地研究の観点から天下祭を考察された

岩淵令治さん(学習院女子大学教授)

将軍とその家族の祭り観覧と、上覧所の変遷についてお話しされた

松尾美惠子さん(学習院女子大学名誉教授)

 

1時間半ほどの講演の後、参加者のみなさんは

千代田区役所を出発して巡行路の街歩きへ。

皇居周辺から神田明神へと、江戸時代の祭の行列に

思いをはせる一日になったのではないでしょうか。

(※報告と街歩きには「江戸城図、江戸図、交通図及び関連資料の研究」

プロジェクト調査で明らかになった江戸城図の画像も活用されました)

 

豊富な史料とともに、専門家ならではの観点からのお話に

目からウロコ!でした。

私たちが毎日のように行き来している千代田図書館周辺は

江戸時代にはどんな風景が見られたのか…想像がふくらみます。

再来年の神田祭が早くも楽しみになりました!

Posted at:10:40

本と出会う読書サロン 第11期オープニングイベントを開催しました!

11月17日(火曜日)、「本と出会う読書サロン」第11のスタートとして

新規メンバー募集をかねたイベント「公開!読書サロン」を開催しました。

 

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今回は公開型の読書サロンとして、読書サロンメンバーの3人と

翻訳家杉田七重さんをゲストにお迎えして、それぞれが本の紹介を行いました。

 

まずはゲストの杉田さんから。

同じ作品でも、翻訳のしかたによって印象が変わることを

実際に本を読んで比べながら、翻訳家ならではの視点でお話しくださいました。

 

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読んでくださったうちのひとつが、今年刊行150年を記念して出版された

『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル/作 西村書店)

杉田さんが手がけた新訳を、躍動感あふれる

カラーの挿絵とともに楽しめます。

この日は、草間彌生さんがアートワークを手がけた斬新な「アリス」も

読み比べていただきました!(楠本君恵/訳 グラフィック社)

 

多くの日本語訳が出版されている『不思議の国のアリス』。

英語の言葉遊びがふんだんに取り入れられている「アリス」の世界を、

それぞれの翻訳家がどのように表現しているか、読み比べると楽しいですね。

杉田さん、ありがとうございました!

 

後半は、読書サロンメンバー3人による本の紹介です。

通常の読書サロンでは毎月テーマにしたがって本を持ち寄りますが

今回は、千代田区立図書館に所蔵の本から、

それぞれが思い入れのある本を紹介しました。

3人が紹介した本は以下の通り。

 

ランニングに自転車にと、アクティブな趣味を持つ三輪さん。

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◆『シークレット・レース:ツール・ド・フランスの知られざる内幕』

 (タイラー・ハミルトン、ダニエル・コイル/著 小学館)

◆『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』

 (ランス・アームストロング/著 講談社)

◆『EAT&RUN 100マイルを走る僕の旅』

 (スコット・ジュレク/著 NHK出版)

 

「読書サロンは、本を通じて自分の世界が広がるのが楽しい」と話す羽根さん。

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◆『薔薇の名前 上・下』

 (ウンベルト・エーコ/著 東京創元社)

◆『すべてのドアは、入り口である。現代アートに親しむための6つのアクセス』

 (原田マハ、高橋瑞木/著 祥伝社)

◆『小鳥はいつ歌をうたう』

 (ドミニク・メナール/著 河出書房新社)

 

「自分の父、母の姿と重ねて読んだ」という3冊を選んだ天野さん。

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◆『向田邦子全集<5>エッセイ1 父の詫び状』

 (向田邦子/著 文藝春秋)

◆『ひととせの 東京の声と音』

 (古井由吉/著 日経新聞社)

◆『三千と一羽がうたう卵の歌』

 (ジョイ・カウリー/著、杉田七重/訳 さ・え・ら書房)

 

和気あいあいとした雰囲気の中で、思い入れたっぷりに

みなさんに本を紹介していただきました。

普段の読書サロンの楽しい雰囲気が伝わったのではないでしょうか?

 

「本と出会う読書サロン」では、第11期メンバーの募集を行っています。

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:16:00

コンシェルジュツアー「ふたたび出会う なつかしの漫画」編を開催しました!

11月7日(土曜日)、図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー

「ふたたび出会う なつかしの漫画」編を開催しました!

 

恒例のコンシェルジュツアー。今回は、「なつかしの漫画」をテーマに

神保町古書店街で、様々なジャンルの漫画を扱う古書店をご案内したあと

まんがとサブカルチャーの専門図書館「明治大学 米沢嘉博記念図書館」

なつかしくもディープな漫画の世界をお楽しみいただきました。

 

まずは千代田図書館で、コンシェルジュがおすすめする

なつかしの漫画をもっと楽しめる本の数々をご紹介。

 

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本を紹介しながら、昭和の名作漫画から

戦後の貸本屋漫画の時代をさかのぼり、古くは江戸時代の本まで、

漫画の歴史についても簡単にお話ししました。

 

ツアーコースの説明後、2班に分かれていよいよ神保町へ!

まずは千代田図書館からも近い、集英社神保町3丁目ビルの

集英社ギャラリーを訪ねました。

 

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こちらでは、集英社が発行する人気漫画の複製原稿展などの展示を

気軽に楽しむことができます。

 

集英社ギャラリー

【所在地】 神田神保町3-13 集英社神保町3丁目ビル1階

【営業時間】月曜日~金曜日/午前9時30分~午後5時30分

【入館料】 無料

(展示テーマは随時変更され、漫画以外の出版物展示の時期もあります)

 

今回のツアーでも、神保町にある個性豊かな古書店の数々をご紹介しました!

 

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外国コミックの古書も扱うサブカルチャー書籍の古書店@ワンダー

 

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なつかしいグッズや漫画家の直筆原稿なども揃う

絶版漫画専門の古書店夢野書店

 

この他にも、絶版漫画本コーナーを設けている澤口書店神保町店

「北斎漫画」など江戸時代の漫画本も見つかる和本の専門店大屋書房などに加え

コミック高岡書泉グランデなど、漫画の新刊書が豊富な書店もご案内。

 

また、ツアー中には千代田区立お茶の水小学校の構内にある

千代田区ゆかりの文学者、夏目漱石の碑もご紹介しました。

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漱石と漫画?と不思議に思われるかもしれませんが、夏目漱石

大正時代から朝日新聞紙上で時事漫画を描いた「現代マンガの父」とも呼ばれる

岡本一平を絶賛し、その漫画集に序文を寄せています。

また、漫画評論家として活躍中の夏目房之介さんは漱石の孫としておなじみですね。

 

1時間ほどのツアーを経て、今回の最終目的地

明治大学 米沢嘉博記念図書館へ到着!

こちらは、漫画評論家の故・米沢嘉博さんが遺した膨大な蔵書を

有料の会員制で閲覧できる、漫画とサブカルチャーの専門図書館で

明治大学が計画する「東京国際マンガ図書館」(仮称)の先行施設として

2009 年10月に開設されました。

 

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図書館スタッフの斎藤さんに、現在開催中の展示

「江口寿史展 KING OF POP SideBの解説をしていただいた後は

ふだん一般の利用者が入ることのできない閉架書庫も見せていただきました!

 

読み捨てが当たり前だった漫画雑誌をコレクションしていた

米沢さんの蔵書に加え、1980年代以降は友人や評論家仲間からも

集まったという漫画雑誌の蔵書は、圧巻のひとこと。

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まだ資料の整理は続いており、斎藤さんによると

「あと2年くらいかかりそうです」とのこと。

 

発行した出版社がすでになくなっているなどの事情で、

国立国会図書館にも所蔵されていない資料もあるそうです。

参加者のみなさまからは「これ読んでたよ!」「なつかしい!」と声があがり

それぞれが、なつかしい漫画雑誌の背表紙に思いをはせていました。

 

明治大学 米沢嘉博記念図書館 まんがとサブカルチャー

【所在地】 猿楽町1-7-1

【開館時間】月曜日・金曜日 午後2時~8時

      土曜日・日曜日・祝日正午~午後6時

      (会員登録と閲覧・複写申込は閉館30分前まで受付)

【休館日】 火曜日~木曜日、年末年始、特別整理期間

【会員種別】1日会員/300円、一般会員/年間6,000円など

      (18歳以上に限る)

※1階の展示室は無料で観覧できます。

※詳しくはコチラをご覧ください。

 

立ち寄った古書店や明治大学米沢嘉博記念図書館のみなさま、

ありがとうございました!

ご参加くださったみなさま、おつかれさまでした。

Posted at:16:00

コンシェルジュ通信Vol.7:東京名物神田古本まつり 今年もにぎわいました!

 10月23日のブログでもお知らせした

「第56回東京名物神田古本まつり」

10月23日から11月1日に開催されました。

コンシェルジュも期間中は毎日、

神保町にある「本と街の案内所」に出張して、

神保町で本探しをする方々のお手伝いをしたり、

美味しいお店のご紹介や道案内をしていました。

 

コンシェルジュが案内所でご対応する人数は、

通常時は1日あたり平均30名から50名程度なのですが、

神田古本まつり期間中は平日でも90名から200名、

週末は150名から400名の方が訪れ、大にぎわいでした!

 

神田古本まつり期間中には、いつもとはひと味違った質問も

コンシェルジュに寄せられます。

今回、特に印象的だったのは

「岩波ブックセンターの横に出ている古本屋さんのワゴンに、

 狸のはく製みたいなものが置いてあったのですが、

 みんながお賽銭をあげたりしていたのは何ですか?」

というご質問。

岩波ブックセンターの近くの「青空掘り出し市」会場に行ってみると、

狸のはく製をワゴンに置いている古書店さんを見つけました!

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そのお店は「二の橋書店」という町田市にある古書店さんで、

神保町では「古書かんたんむ」が運営している、

「神保町古書モール」にも出店していらっしゃるとのこと。

 

狸のはく製の横には

「幸せ狸の由来 昭和の初め、中津川(丹沢)で捕獲された狸で

 その後死ぬまで大切に飼われました。

 一生を幸せに暮した狸は、

 恩返しに持主を幸せにしたと言われています。

 頭を撫でてご利益を授かってください」

という貼り紙がありました。

 

お店の方に詳しくたずねてみると、

「この狸のはく製は自分が飼っていたものではなく、

 引っ越しをされるというお客様から引き取ったものです。

 毎年、神田古本まつりに連れてきて、

 幸運のおすそ分けをしているんですよ。

 ちなみに、みなさんが置いて行かれたお賽銭は、

 水道橋の三崎神社に奉納しています」

とのことでした。

幸せ狸をワゴンに置くのは毎年の恒例だそうですので、

来年はみなさんも探してみてはいかがでしょうか?

 

「本と街の案内所」では今回の神田古本まつりにあわせて、

お客様のご要望に応じてスタッフがお店をセレクトし、

オリジナルのマップをプリントアウトしてお渡しするという

新しいサービスを開始しました。

(サービス提供:NPO法人連想出版

 

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いずれはお茶の水のワテラスにある「お茶ナビゲート」と同じように、

お客様ご自身でマップを作製できるようなサービスを展開していく予定です。

ますます進化する「本と街の案内所」では

神田古本まつり期間以外も神保町の街案内を行っています。

千代田図書館コンシェルジュも平日の11時30分から15時まで

出張していますので、どうぞお立ち寄りください。

 

「本と街の案内所」

【住所】千代田区神田神保町1丁目7-7

【営業時間】11時30分~18時

【定休日】日曜・祝日

Posted at:13:20

コンシェルジュ通信Vol.6 :神保町ツアーの準備 真っ最中です!

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアーが11月7日に開催されます。

お知らせの記事は→コチラからどうぞ。

私たちは、ただいまその準備の真っ最中。

今回のコンシェルジュ通信は、神保町ツアーの準備の様子をお伝えします。

 

ふだん、コンシェルジュは図書館内で

千代田図書館を知っていただくための「館内ガイドツアー」を行っていますが

すでにご存じのように、神保町ツアーでは

図書館を出て、神保町の街を巡ります

 

今回のテーマは『ふたたび出会うなつかしの漫画』

「ツアーの見どころはどこ?」

「どんなルートがいい?」

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コンシェルジュと読書振興センターのスタッフが、

皆さんに喜んでもらえるツアーにしたい!と、ツアー案を練ります。

 

また、ツアーの中で立ち寄る古書店にも足を運びます。

絶版コミック漫画雑誌などを専門にあつかう、こちらの古書店。

店内には、カラフルな世界が広がっていました。

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天井近くには漫画家のサイン色紙、棚の角には昔懐かしいメンコも。

お店の方にお話をうかがうと

「今日は入口のショーケースにイチオシがあるよ!」

と教えてくれました。

覗いてみると・・・ある有名漫画家さんの直筆原稿が!

ツアー当日はどんなものがショーケースにあるか、今から楽しみですね。

 

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ルートの途中には、夏目漱石の記念碑もあります。

漫画とどのように関わってくるかは、ぜひ当日のお楽しみに!

 

ツアーでは、新旧の漫画にまつわるアレコレを交えながら

神保町ならではの見どころを巡る予定です。

 

今回ツアーの準備をしていて、ふと自分でも昔読んでいた漫画を読みたくなり

久しぶりに、昔大好きだった漫画のページをめくってみました。

すると、不思議なものですね。

いっきに当時の自分の記憶が蘇ってきて、懐かしさでいっぱいに。

 

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー

タイムカプセルを開けるように、

あの頃のなつかしの漫画に、ふたたび会いに行きませんか?

本日から、お申込みを受け付けています!

詳しくは、→コチラから

Posted at:13:30

区内大学からの図書館実習生に密着レポート!

千代田図書館では、8月31日から2週間にわたり、

区内にある共立女子大学専修大学明治大学の3校から

各1名の図書館実習生を受け入れました。

 

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こちら(写真上)は実習2日目、貸出・返却のカウンター業務体験のようす。

資料の整理、配架にレファレンスカウンターでの対応など

さまざまな図書館内の業務だけでなく、区立小学校への読書支援

区内企業へのビジネス書出張展示にも同行するなど

千代田図書館ならではの、幅広い仕事を体験していただきました。

 

実習の最終日には閉架書庫での実習も。

ここには図書館の本棚に並びきれない資料が

保存されているだけではなく、古書販売目録コレクションや

内務省委託本、一橋・駿河台図書館業務資料といった

千代田図書館ならではの貴重な資料があります。

 

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実習生が手にしている古書販売目録は、古書店の販売カタログ。

おもに明治から昭和にかけて、どのような古書がいくらで取引されていたか

当時の古書販売の動向を知ることができます。

 

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今秋からの展示を待つ、一橋・駿河台図書館業務資料

大正時代の図書館業務日誌など、まだ研究中の資料を

展示での公開より一足早く見ることができました!

 

そしてこの日、実習の総まとめとして

今まで体験した図書館の仕事を振り返りながら

公共図書館の持つ機能や役割について、司書によるレクチャーを受けました。

 

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公共図書館の持つ、大きな役割のひとつが児童サービス

実習生の皆さんには、期間中に赤ちゃん向けおはなし会の見学もしていただきました。

赤ちゃんの発達に合わせて絵本を選ぶのに重要なことは?

実際に本を手に取りながら、司書の目線での絵本選びについてお話ししました。

 

おはなし会の他にも、千代田図書館では月に一度

千代田保健所に出張して、赤ちゃんを持つお母さんへの読書支援

「ブックスタート」も行っています。

(詳しくは→コチラの記事をご覧ください)

 

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図書館の運営に欠かせない本の購入、選書についてもお話しします。

利用者の要求(ニーズ)に合った本か?

図書館の資料収集方針に合った本か?

地域の公共図書館として適した本か?

様々な条件に、司書の知識や経験もあわせて

本の価値を見極めながら選書をしていることを知っていただきました。

 

実習中、館内の様々な仕事をひたむきに行う姿が印象的だった実習生の皆さん。

仕事を知って、体験することで、

図書館をより身近に感じていただけたのではないでしょうか?

 

これからも、千代田図書館はもちろん、地域の図書館や大学図書館など

さまざまな場面で図書館を活用してくださいね。

実習生の皆さん、おつかれさまでした!

Posted at:14:40

小学校での「出張ビブリオバトル講座」を行いました!

区内の小・中学校、高等学校の先生方を対象に今年度から開始した

千代田区読書振興センターの「出張ビブリオバトル講座」

千代田区立和泉小学校で行いました。

 

この日は夏休み中の研修として、校長先生、副校長先生を含む

全ての先生、計17名にご参加いただきました!

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子どもから大人まで、だれでも参加できる

本の紹介コミュニケーションゲームとして

図書館や書店だけでなく、近年学校でも話題になっているビブリオバトル。

児童・生徒の読書活動に取り入れる学校も増えてきています。

 

ルールの説明を終えたら、さっそく実践。

この日は紹介したい本を1人1冊用意してきていただきました。

4つのグループに分かれて、先生同士のビブリオバトルが始まります!

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ひとつのタイマーに合わせて、本のプレゼンを5分、

本についてのディスカッション・質疑応答を2分…と

同時に4つのゲームが進んでいきました。

 

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大人向けや子ども向けの小説、実用書にビジネス書…と

さまざまなジャンルの本が紹介されていきます。

 

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和気あいあいと全員の本の紹介が終了。

1人1票で投票を行って、それぞれのグループの

チャンプ本が決定しました。

 

その後はビブリオバトルの成立背景やゲームのもたらす効果を

千代田図書館での実践例も交えながら紹介しました。

学校での開催の秘訣は

「準備や練習よりも、楽しむことが大事。

 とりあえずやってみよう!の精神で、

 なにより先生が楽しんで開催してください」と講師。

子ども同士はもちろん、先生方でビブリオバトルを開催して、

児童に投票してもらうというのも盛り上がりそうですね!

 

講座が終わった後も、他のグループで紹介された本を見て

「私もその本好きです!」「この本を○○さんが紹介するのは意外!」

など、先生同士で話し合う姿が印象的でした。

 

学校に限らず、毎日一緒に仕事をしていても

お互いが好きな本についてゆっくり話す、ということは

なかなかありませんよね。

本の紹介を通して、お互いの新たな一面を知ることができるというのが

ビブリオバトルの魅力のひとつです。

 

ご参加いただいた先生からは

「本を紹介するのが楽しく、新鮮な体験だった」

「学校でのコミュニケーションツールとしてとても盛り上がりそう」

「工夫しながら、学校でも取り入れみたい」

というお声をいただきました。

読書に親しむ活動として、自分の考えを相手に伝える練習として

学校でも、ぜひ開催していただければと思います♪

 

ご参加いただいた和泉小学校の先生方、おつかれさまでした!

千代田区読書振興センターでは、今後もさまざまな形で

区内の学校との連携を深める活動を行っていきます。

Posted at:17:20

「図書館コンシェルジュ一日体験」を開催しました!

8月6日と20日の2日間、

「“本と街の案内所”で図書館コンシェルジュ一日体験」

開催しました!

 

神保町古書店街にある「本と街の案内所」に出張し、

“本と人”“街と人”をつなぐ街案内を行う

千代田図書館コンシェルジュの仕事を一日体験する

千代田区内の中学生・高校生向けのイベント。

2回目の開催となる今回も、中学生、高校生計4人の皆さん

接客体験のプログラムに取り組んでくれました!

 

午前中は千代田図書館内でのマナー講習とデータベース講習。

コンシェルジュが講師となり、接客のためのマナー

お客様の希望の本を探すデータベースの使い方

地図を使用した道案内のしかたなどを教えます。

 

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基礎から教わって、ほとんど経験がないという接客の仕事のマナーを学びます。

ちょっと緊張気味ですが、大事なのは笑顔!明るくお客様を迎えましょう。

「本と街の案内所」で本を検索するために使う、古書や新刊のデータベースの

使い方のコツも教わりました。

 

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図書館のスタッフを相手に、本を探して書店を案内する練習も!

「こんにちは!」「いつごろの本をお探しですか?」

講習で教えてもらった通りにシミュレーションしました。

 

講習が終わり、午後は千代田図書館を出て神保町へ。

案内のポイントとなる交差点や、問い合わせの多い古書店などを

見ながら、靖国通りを古書店街へ歩いていきます。

講習にも出てきた古書店を実際に見て歩くことで、

街案内のイメージも徐々につかめてきたかな?

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神保町の古書店マップにメモをしながら街歩き。

 

神保町の喫茶店でのランチで一息ついたら、いよいよ

「本と街の案内所」での接客体験の始まりです!

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まずは「本と街の案内所」を運営するNPO法人連想出版の方から

この案内所が地域で担う役目や設立のあらましなどについて

お話しいただきました。

案内所で働く大学生スタッフの皆さんにも、

接客のサポートをしていただきます。

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「本と街の案内所」のスタッフエプロンをつけて

「こんにちは!」とお客様を出迎えます。

 

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初めはお客様にもなかなか声をかけられずにいましたが、多くのお客様から

「職業体験中なの?がんばって!」

「案内をしてくれてありがとう!」

あたたかい言葉をいただき、だんだん緊張も解けてきたよう。

自分から声をかけて積極的にご案内する姿も見られました。

 

あっという間の約3時間。

両日とも、2人で30~40件もの接客対応をすることができました。

 

実際にお客様のご案内をしてみた感想は…

「お客様もやさしい人が多くて、「本と街の案内所」の雰囲気がとても明るく、

 楽しかった。探したい本があったら聞きに来ようと思う」

「思ったよりも難しい仕事だったけど、みなさんが優しく教えてくださり

 とても楽しかった」

とのこと。

 

参加してくださった皆さん、おつかれさまでした!

千代田区読書振興センターでは、これからも、中高生の皆さんに

本や読書を通して地域の魅力をお伝えしていきます♪

Posted at:15:20

「夏のわくわく課外授業」レポート②【音楽・国語】

千代田図書館では、小学4~6年生とその保護者を対象に

今年も、夏休み恒例のイベント「夏のわくわく課外授業2015を開催しました。

前々回の記事に続いて、音楽国語の授業風景をレポートします♪

 

◆◆8月7日 音楽◆◆

「クロマチック・ハーモニカを吹いてみよう!」

 

音楽の授業は、クロマチック・ハーモニカ演奏家の

山下 伶さんを先生にお迎えして、日比谷図書文化館で行いました。

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さまざまな絵本や物語にも登場するハーモニカ。

この日はまず、千代田図書館の司書が

絵本『ジークの魔法のハーモニカ』(ウィリアム・スタイグ/作 セーラー出版)

の読み聞かせを行いました。

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次に山下先生の演奏をみんなで聞きます。

美しい音色に、子どもも大人もみんなで聞き入りました!

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山下先生がハーモニカという楽器についても教えてくださいました。

クロマチック・ハーモニカの「クロマチック」とは「半音階」という意味。

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楽器の右横(丸印のついている部分)のレバーを指で押すことで

♯(シャープ)や♭(フラット)の音階を演奏することができます。

 

この日はハーモニカの様々な仲間たちも登場しました。

長~いハーモニカに、吹くところが二段になっているハーモニカ…

また、アコーディオンもハーモニカの仲間だって知っていましたか?

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右の写真に写っているハーモニカの長さはわずか3.5センチ!

アメリカの宇宙飛行士によって、“世界で初めて宇宙で演奏された楽器”

としても知られるミニハーモニカです。

こんなに小さいけど、ちゃんと「ドレミファソラシド」の音が出るんですよ!

 

楽器のことを知ったら、いよいよ演奏にチャレンジ!

今日は、大人も子どももみんなで映画「アラジン」の

「ホール・ニュー・ワールド」(アラン・メンケン/作曲)に挑戦します。

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楽譜に書かれている穴の番号をたよりに、ゆっくりゆっくり吹いていきます。

レバーを押したり、離れた穴を吹く難しいところは

山下先生がひとつひとつの机を回って教えてくれました。

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最後はみんなで、ピアノの伴奏をつけて合奏!

ゆっくりでも、ちゃんと一曲演奏することができました♪

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どこでも演奏できて、手軽に始められるハーモニカ。

お茶の水や神田など、千代田区内の楽器店でもぜひ探してみてくださいね。

山下先生、ありがとうございました!

 

 

◆◆8月17日 国語◆◆

「親子で体験!ビブリオバトル」

 

国語の授業は、書評ゲーム「ビブリオバトル」を考案した

立命館大学情報理工学部准教授の谷口 忠大さん

先生にお招きしたビブリオバトルの体験講座です。

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ビブリオバトルとは、1人1冊本を紹介して、

どの本が一番読みたくなったかをみんなの投票で決めるゲームです。

2007年に谷口先生が「大学の勉強会に使う本を楽しく探したい!」と

考案したのをきっかけに、小学生から大人まで楽しめるゲームとして

多くの図書館や書店などでも開催され、全国的な広がりを見せています。

 

今日はほとんどの参加者がビブリオバトル初体験。

「夏休み」をテーマに自分で選んだ本を1冊ずつ持ってきてもらいました。

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小学生版のミニ・ビブリオバトルとして、本のプレゼン時間は3分。

それを聞いて「3分も一人でしゃべるの?何も考えてきてないよ!」という声も。

でも、谷口先生は「それこそベスト!」と言います。

「ビブリオバトルは読書感想文の発表会じゃないよ。その本のどこが好きで

 どこがおもしろかったか、友達同士でおしゃべりするつもりでやってみよう」

 

ルールを知ったら、いよいよゲームスタート!

じゃんけんで順番を決めて、1人ずつ本のプレゼンをしていきます。

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全員のプレゼンと質疑応答が終わったら、

保護者の方や先生、スタッフもみんなで投票!

 

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結果は接戦で、2冊のチャンプ本が誕生しました!

◆◆チャンプ本◆◆

『サマーウォーズ』(岩井恭平/著 角川文庫)

『とある科学の超電磁砲(レールガン)』

(冬川基/著 KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)

 

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そしてこの日は番外編・保護者の方3人でのビブリオバトルも行われました!

千代田図書館内で探した本や、この日カバンに入れていた本を

1人1冊、5分のプレゼン時間でチャンプ本を競います。

チャンプ本は『タイムマシン』(ハーバード・G・ウェルズ/著 岩崎書店)に決定!

本の紹介をしてくださった保護者の皆さん、ありがとうございました。

 

「本を通じて仲良くなることが、ビブリオバトルの目的」という

谷口先生の言葉通り、ゲーム終了後にそれぞれがおすすめした本について

子ども同士、保護者同士で話す姿も見られました。

ビブリオバトル、ぜひご家庭や学校でも楽しんでください♪

谷口先生、ありがとうございました!

 

ご参加いただいた皆さん、おつかれさまでした!

「夏のわくわく課外授業2015」の報告展示

9月3日から始まりますので、そちらもぜひご覧ください♪

 

「夏のわくわく課外授業2015」報告展示

 

【展示期間】9月3日(木曜日)~23日(水曜日・祝日)

【展示場所】千代田図書館9階=第2展示ウォール

 

今年行った3教科すべての授業の様子と、各授業に関連した

おすすめの本を展示します。

Posted at:16:40

コンシェルジュ通信Vol.4:四番町図書館ラウンジセミナー
「戦争体験者に聞く」レポート

終戦から70年を迎える今年、千代田区立図書館では

戦争を考えるさまざまな展示やイベントが開催されています。

千代田区立四番町図書館のエントランス脇にあるラウンジでは、

8月7日(金曜日)に「戦争体験者に聞く」と題して、

平河町二丁目町会会長の山口光弘さんを語り手、

千代田区文化財事務局の加藤紫識さんを聞き手にお招きした

セミナーが開催されました。

 

山口さんから戦争体験のお話をうかがう前に、

現在、四番町図書館のエントランスホールで開催されている

「戦時下のくらしと生活」展の展示品を加藤さんに解説していただきました。

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今回は、戦時中に千代田区で実際に使われていた道具が展示されています。

戦地におもむく兵隊さんにお守りとして渡した千人針には

「四銭(しせん=死線)を超える」という意味で

五銭玉が縫い付けてあるのがわかります。

虎の絵が描いてあるのは「虎は千里往って千里還る」

ということわざにちなんだとのこと。

千人針は女性1人につき1針ずつ縫ってもらうのですが、

「寅年の女性は自分の年の数だけ縫ってもよい」ということで、

年配の寅年の女性のところには千人針の依頼が多かったそうです。

展示を見ながら戦時下の生活に思いを巡らしたところで、

いよいよ山口さんからお話をうかがいます。

 

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山口光弘さんは昭和7(1932)年、千代田区平河町生まれ。

ひいおばあさんが明治時代に開業してからずっと、

平河町で豆腐屋さんを営んできたというご家庭で育ちました。

山口さんご自身は昭和14(1939)年に永田町小学校に入学、

戦争が激しくなった昭和19(1944)年に集団学童疎開をしました。

疎開先は山梨県の河口湖の近くの村。

富士山の映る河口湖で女子児童が洗濯をしている写真など、

当時の様子がよくわかる写真を見ながらお話をうかがいました。

お母さんに会いたくてトイレや布団のなかで泣いたこと。

主食がトウモロコシばかりでお腹が減ったこと。

「我が人生に食い物なし」と冗談を言ったら先生に叱られたそうです。

 

昭和20(1945)年の2月、6年生だった山口さんは中学校受験のため、

山梨県から千代田区へ戻りました。

そして5月24日の夜中から25日の朝にかけての空襲で、

山口さんの自宅があった平河町や麹町周辺も燃えてしまいました。

山口さんはお父さんと神田方面へ逃げたそうです。

自宅に戻ったら焼野原で、近所の人としばらくは防空壕で生活し、

その後、焼けトタンを拾ってきてバラックを建てて暮らしたそうです。

食べ物がないので国会前庭を畑にして、カボチャを作って食べたとか。

まもなく8月15日に終戦をむかえましたが、

食料は配給制が続き、戦争が終わったことを実感したのは、

GHQの宿舎が出来たのを見た時だったそうです。

 

質問コーナーでは参加者からさまざまな質問が寄せられました。

「麹町が空襲にあったとき、音は聞こえましたか?」

という質問に対する山口さんの

「落とされたのは焼夷弾だったので爆弾のような音はしませんでしたが、

 シュルシュルという音は聞こえました。」

というお話は、体験者にしかわからない実感がこもっていました。

 

夏休み中に開催されたセミナーということで、

参加者には小学生から大学生まで若い世代の方が多く、

親子で参加された方も目立ちました。

参加者のみなさんからは

「学校の授業で勉強した時には知らなかったことが聞けました」

「体験者ということで、その時の気持ちが聞けたのが良かったです」

「山口さんが小学生だった頃の体験をお話していただいたので、

 小学生の娘にもわかりやすかったと思います」

などの感想をいただきました。

 

終戦から70年が経ち、戦争体験者も高齢化がすすんで、

今回のように直接お話をおうかがいすることは、難しくなってきています。

山口さん、加藤さん、貴重なお話をありがとうございました!

 

今回のセミナーが企画されたのは、

千代田区教育委員会・千代田区立四番町歴史民俗資料館(当時)が

平成21年から平成22年にかけて行った区内生活史調査がきっかけです。

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『千代田の記憶―区内生活史調査報告書―』(千代田区教育委員会)

山口さんの体験談はこちらの報告書にも掲載されていますので、

ご興味のある方はぜひご覧になってみてください。

 

四番町図書館千代田図書館では現在、戦争に関する展示を開催しています。

この夏、戦争について改めて考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?

 

四番町図書館 文化財事務室連携展示

「むかしの道具展② 戦時下のくらしと生活」

【期間】8月6日(木曜日)~9月5日(土曜日)

【場所】四番町図書館=ラウンジ前ホール

千代田図書館&勉誠出版連携ミニ展示

「写真で知る東京空襲―『決定版東京空襲写真集』より千代田区を中心に―」

【期間】7月27日(月曜日)~8月31日(月曜日)

【場所】千代田図書館9階=調査研究ゾーン壁面

 

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勉誠出版『決定版東京空襲写真集』の詳細はコチラもご覧ください。

Posted at:10:50

「夏のわくわく課外授業」レポート①【理科】

 

千代田図書館で、小学4~6年生とその保護者を対象に行う

夏休み恒例のイベント「夏のわくわく課外授業2015がスタートしました!

今回は、理科の授業風景をレポートします♪

 

◆◆7月20日 理科①◆◆

「お天気の教室 in 科学技術館」

 

今年の理科は2日間の特別授業。

1日目は、北の丸公園内にある科学技術館

科学技術館の学芸員で気象予報士の

荻野 亮一さんを先生にお迎えして「お天気の教室」を行いました!

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この日はお天気のしくみを知るための実験がいっぱい。

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コンロで空気を暖めると、その上のビニール袋がふくらんでいきます。

「空気は暖められると、軽くなって浮いていく」ということを知る実験。

 

これは空気をパンパンに入れたペットボトルの空気を抜くと、

中の温度に変化があるかを見ているところ。

空気を抜くと、中の温度が下がることがわかりました。

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この他にも、いくつもの実験から

「まわりの気圧がさがると、空気の温度が下がって

 空気中の水蒸気が水や氷の粒に変わる」という

雲ができるしくみを知ることができました!

 

しくみを理解したら、いよいよペットボトルの中に

雲をつくる実験のはじまり!

自転車の空気入れで、フタが飛ぶまでボトルに空気を入れます。

ポン!とフタが外れた瞬間に、ボトルが白く曇ったのがわかりますか?

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これと同じ実験が、手で絞れる柔らかいペットボトルを使うともっと簡単にできます。

フタをしてペットボトルをぎゅっと絞って一気に手を離すと

一瞬でボトルの中に白いもやもやが。

みんなもさっそく手に取って、自分の手の中で雲をつくる実験を楽しみました!

 

次は日本列島を取りかこむ「気団」の話。

日本の上空で、性質の違う空気のかたまりが

押し合いへし合いして、夏らしい天気や冬らしい天気を作ります。

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気温、気圧、風の向き…お天気を決めるたくさんの要素を知って

天気図を書くことにもチャレンジ!

 

授業の最後は、身近な材料で作れる風向風力計の工作です。

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ちょっと難しいところは親子で力を合わせて、

みんな熱心に取り組んでいました。

 

楽しくお天気のことが学べた、盛りだくさんの授業でした!

荻野先生、科学技術館のみなさん、ありがとうございました。

 

◆◆7月30日・31日・8月4日 理科②◆◆

「調べ学習 in 千代田図書館」

 

理科の2日目は千代田図書館での授業。

 

1日目の参加者を3日に分けて、千代田図書館のレファレンジャーといっしょに

図書館を使った調べ学習を行いました。

 

1日目の授業で興味を持ったこと、調べたいことを

図書館の資料を使いながら調べるにはどうしたらいいの?

 

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夏休みに千代田図書館や四番町図書館に出動して

子どもたちの調べものをお手伝いしているレファレンジャーが、

図書館の本の分類や、百科事典年鑑の使いかた、

本の探しかたを教えていきます。

調べたことをまとめたり、発表するときに大切な

奥付の見かた出典の書きかたも忘れずに!

 

みんなそれぞれに調べるテーマを決めたら、授業の後半は

「調べるカード」を使いながら調べ学習の実践です!

レファレンジャーとペアになって、みんな思い思いに調べものをしました。

 

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終了時間を過ぎても、図書館に残って調べものをする子も。

調べかたや本の使いかたがわかると、図書館がますます楽しくなりますね♪

これからも、「なぜ?」「知りたい!」が出てきたら、

ぜひ図書館へ来てくださいね。

 

ご参加いただいた皆さん、おつかれさまでした!

「夏のわくわく課外授業2015」は、音楽国語と続きます。

残りの2教科は、まだお申込みも受付中です。

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:17:20

番町小学校で「出張読み聞かせ講座」

 

今年度から、千代田区読書振興センターが区内の学校からの

要請に応じて開催している「出張読み聞かせ講座」

千代田図書館の学校支援担当司書が、区内の学校へ出張して

小学生~高校生の子どもたちに講座を行います。

先月は、千代田区立番町小学校で、5・6年生の図書委員会

出張して「読み聞かせ講座」を行いました!

 

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講座を受けてくれたのは5・6年生からなる

図書委員会の16名の皆さん。

低学年向けの絵本や読み物が集まる図書室「ごろんちょ」

畳に座って、リラックスした雰囲気で講座が始まりました。

 

「まずは、絵本を読み聞かせするときの

悪いお手本を見せるね。どこがよくないかな?」

司書が読んで見せます。

「読む声が小さくて聞こえないよ~!」

「絵本をまっすぐ持たないと見えづらい」

…と、みんなから声があがります。

 

本の持ち方、ページのめくり方や声の大きさ、体の向き…。

「読み聞かせのコツ」は、自分で本を読むときとどう違うかな?

司書が実際にやって見せて教えていきます。

 

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左が「悪いめくり方」、右が「いいめくり方」

聞いている相手のことを考えてあげるのが大切なんですね。

 

読み方のほかに、本の選び方の話も。

「絵が細かい本は、自分で読むのは楽しいけど

読んであげるのには難しいかもね…。

本の大きさや、文字の多さにも注目してみて。

それから、一番大事なのは“自分の好きな本”を選ぶこと!」

 

5・6年生の図書委員会では、低学年の児童に

絵本を読み聞かせすることを計画しています。

どんな本を読んであげたらいいかな?

自分たちで読み聞かせの練習に使う本を選びます。

 

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先生や司書にも相談しながら1人1冊絵本を選んだら、

グループに分かれて読み聞かせの練習スタート!

 

ベルが鳴るまでの間、さっき聞いたコツを意識しながら

友達に読み聞かせをしてみます。

練習タイムが始まると、読む子も聞く子もみんな真剣!

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グループの全員が読み聞かせの練習をしたところで

今回の講座は終了です。

 

参加した児童の皆さんからは

「みんなで読みあうのははじめてでおもしろかった」

「相手のことを考えないといけないのがむずかしかったけど、

練習してうまくなりたい」

という声が聞かれました!

 

「読んであげる」という、子どもたちにとっては新鮮な体験を通して

ますます本に親しむことができる読み聞かせ講座。

千代田図書館では、学校に出張してのさまざまな講座に

今後も取り組んでいきます!

Posted at:13:40

富士見小学校で、図書館ボランティアオリエンテーションを行いました!

 

千代田図書館では、区内の小中学校や幼稚園などの教育施設を

司書が訪問し、読書支援活動を行っています。

5月15日、支援先のひとつである千代田区立富士見小学校

図書館ボランティアオリエンテーションを行いました。

 

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保護者や地元の有志の方で構成されている富士見小学校の図書館ボランティア。

この日の参加者は12名で、もう何年もボランティアを務めているという方も、今年が初めてという方もいました。

 

主な仕事は図書館の本の整理や手入れ貸出・返却のカウンター業務などですが、

1~6年生の児童に読み聞かせをしてくださるボランティアの方もいます。

 

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富士見小学校の図書館は、明るく開放的なスペースで

子どもたちがじっくりと読書をすることができます。

休み時間には多くの児童が図書館へやってくる姿も見られました♪

田邉恵三氏の寄贈からなる田邉文庫

千代田区の学童クラブ・富士見わんぱくひろばの本

所蔵しているのが特徴です。

 

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本を整理するラベルの説明や、本のクリーニングの実演も。

 

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よく貸し出される人気の本はページが取れたり、破れたりすることも…。

そんなときは「ほんのびょういん」の出番です。

「ご家庭で、借りている本が壊れてしまった!というときも、慌てないで

 まず地域や学校の図書館へ。専用のテープで直せば本も長持ちするんですよ」

と司書。

 

オリエンテーションの後半では、2組に分かれ

図書館カウンターの使い方のレクチャーと、

読み聞かせ講座を行いました。

読み聞かせを担当する方には、本の読み方や持ち方といった

コツだけでなく、絵本の選び方についてもお話ししました。

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オリエンテーションの始めに校長先生がおっしゃった

「みんなで作って、みんなで使っていける学校図書館にしましょう」

という言葉通り、保護者や地域の方に見守られながら

みんなに愛されている富士見小学校の図書館でした。

ご参加いただいたみなさま、おつかれさまでした!

 

「ちよぴたブログ」では、今後も

図書館と地域が連携して行っている読書の取り組みを

ご紹介していきます♪

Posted at:14:40

本と出会う読書サロン 第10期オープニングイベントを開催しました!

 

5月19日(火)、「本と出会う読書サロン」第10

スタートとして、新規メンバー募集を兼ねた

講演会「店長に聞く 書店のはなし、本のはなし」

を開催しました。

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講師は、八重洲ブックセンター本店店長細田英俊さんです。

東京・八重洲、東京駅の目の前という

文字通り東京の中心にそびえる大型書店の店長という仕事について

また、書店や本への思いを語っていただきました。

 

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「そんなに熱心に読書をする子どもではなかったですね」

と謙遜しながらも、本に縁の深い子ども時代を送ってきた細田さん。

偶然にも、現在の職場である八重洲ブックセンター本店が

開店した1978年、高校生だった細田さんは

オープン3日目には、もう足を運んでいたそうです!

 

倉敷店、葛西店、上大岡店…と各支店で経験を積んで

2011年、本店店長に就任しました。

以来、ほとんど使われていなかったという8階イベントスペースで

多彩なゲストを呼んでほぼ毎日イベントを開催したり

店内各所でパネル展示を展開し、リアルタイムな特集を組んだりと

書店に人を呼び、さらに本を手に取ってもらう工夫を続けています。

さらに、本店ビル屋上で養蜂を行い「八重洲ハチミツ」として

売り出すなど、地域に根ざしたコミュニケーションの場としての

書店づくりも行っています。

 

お話しの中で、細田さんおすすめの本もご紹介いただきました。

 

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『本屋の雑誌』(本の雑誌編集部/本の雑誌社)や

八重洲ブックセンターと東京堂書店神保町店でしか買えない

宮城谷昌光さんの作品集『うみの歳月』私家版など

本・書店への思いがあふれるチョイス!

「ぜひ、本屋に足を運んで、自分に合う好きな書店、

 自分に合う担当者の作る好きな棚を探してみてください」

 

この日は、すでに読書サロンに参加している方々に加え

書店や出版の現場で働いているという方々にも

多くご来場いただきました。

「本屋さんの本音を聞けた」

「本に対する細田さんの思いが伝わった」

「書店を、どのように魅力的な場所にしようとしているかよくわかった」

などの声をいただくことができました。

 

細田さん、ありがとうございました!

 

「本と出会う読書サロン」では、第10期メンバーの募集を行っています。

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:17:40

「第7回ことばと音のフェスティバル♪」開催しました!

 

5月9日、7回ことばと音のフェスティバル♪

「本がうたう、ありがとう!」を開催しました。

 

赤ちゃんから大人まで、沢山の方にお越しいただいたこの日。

さっそく美しい歌声でコンサートが始まりました!                             

 

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歌はソプラノの武仲千恵さんとテノールの明石将岳さん

「夜明けのオクターブ」「あした天気に」

2曲の演奏の後は、絵本と音楽のコラボレーションを

お楽しみいただきます。

 

まずは、絵本

『5ひきのすてきなねずみ おんがくかいのよる』

(たしろちさと/作 ほるぷ出版)。

 

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千代田図書館の司書の読み聞かせに

ピアノや打楽器の音色が加わって物語が進んでいきます。

かえるとねずみが音楽会をひらくラストシーンに

物語への想像力がかき立てられる歌声がぴったり合いました。

 

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サプライズでバイオリンの演奏も♪バイオリニストはなんと小学4年生!

ピアニストの前田恵麻さんのお嬢さんが

一緒に出演してくれました!

 

次に、その場で立ち上がってみんなで楽しむ

手あそびの歌「おしゃべりなアヒル」、そして

簡単な手話をとり入れた歌「虹」が演奏されました。

 

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子どもも大人も、みんなで体を動かすと楽しい!

 

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ブラジル音楽のタンバリン、パンデイロの奏者

長岡敬二郎さんには、楽器の紹介をしながら

ソロ演奏もしていただきました!迫力満点の音色です。

 

2冊目の絵本は『バスにのって』

 

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絵本の中でラジオから流れてくる

いろんな国の音楽をイメージした歌を組み合わせながら

物語が進んでいきました。

 

イベントが行われた5月9日の翌日は母の日

「お母さんはもちろん、まわりの人や今日の出会いに

 たくさんの“ありがとう”をこめて歌います」と武仲さん。

「きみとぼくのあいだに」「ありがとう さようならの前に」

を演奏してこの日のコンサートは終了。

約120名の方にご来場いただきました!

 

いよいよ明日までとなった「ヨムキクちよだ2015

来年もこどもの読書週間に合わせて、親子そろって

本に親しむことのできる、様々な催し物を企画していきます。

どうぞお楽しみに!

Posted at:18:00

千代田ディスカバリーミュージアム
『時代小説の舞台を歩く名作・名店ツアー』を開催しました!

 

5月2日(土)、千代田区ミュージアム連絡会設立10周年企画として

千代田ディスカバリーミュージアム 神保町・御茶ノ水エリア編

『時代小説の舞台を歩く名作・名店ツアー』を開催しました!

 

平成17年、千代田区内に集積する文化や芸術等の知的資産を

より有効に活用するために区内の美術館や博物館が集まって

設立された「千代田区ミュージアム連絡会」

その設立10周年を記念して、千代田区内の様々な文化資源を巡る

3つのツアーが企画されました。

 

そのひとつとして、千代田図書館コンシェルジュ

「時代小説」をテーマに神保町、御茶ノ水エリアを

ご案内するツアーを行いました。今回はその模様をレポートします♪

 

ツアーは、千代田図書館内での

コンシェルジュによるブックトークからスタート。

 

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テレビドラマなどでもおなじみ、池波正太郎の『鬼平犯科帳』

主人公・長谷川平蔵の役宅は江戸の「清水門外」という設定。

つまり、現在の千代田図書館のあたりなのです!

この他にも、野村胡堂の『銭形平次捕物控』

高田郁の『みをつくし料理帖』シリーズなど、数々の時代小説に

ゆかりのある千代田区内のスポットを、本とともにご紹介しました。

 

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ブックトークの後は2班に分かれ、いよいよツアーに出発!

千代田区役所の正面玄関からすぐに、先ほどご紹介した清水門が見えます。

 

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九段下から神保町へ向かうときに通る俎橋(まないたばし)

千代田図書館へご来館の方にはおなじみのこの橋も、

『鬼平犯科帳』や『みをつくし料理帖』シリーズなど

多くの小説に登場します。

 

小説の舞台であると同時に、書店通いや資料集めに通った作家の

エピソードにも事欠かない本の街・神保町。

古書店街の真ん中でみなさんお待ちかねの昼食タイムです!

美食家としても知られる池波正太郎が愛した

中華料理の老舗・揚子江菜館へ。

 

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右の写真は看板メニューのひとつ、昭和8年に誕生した

元祖冷やし中華「五色涼拌麺」

池波正太郎がお土産に買って帰ったというシュウマイも

召し上がっていただきました。

 

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揚子江菜館を出て、さらに神保町古書店街を進みます。

 

駿河台下の交差点を明大通りへ。

この通りにも池波正太郎ゆかりの名店があります。

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よく立ち寄り、モカを飲んでいたという古瀬戸珈琲店

宿泊しては選考委員を務めた直木賞の候補作を読んだり、

絵を描いていたという山の上ホテルをご紹介しました。

 

少し歩いたらこのツアーの最終目的地、明治大学博物館へ到着。

ここには江戸時代の捕物(現代の警察・裁判制度)に

使われた道具が数多く収蔵されています。

まずは学芸員の外山徹さんにレクチャーをしていただきました。

 

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小説でよく目にする「奉行」「与力」「同心」とは、

実際にはどんな人々で、どんな仕事をしていたのでしょう。

所蔵品のスライドを見ながら解説を聞きます。

 

レクチャー終了後は、展示室の見学に加えて

普段は見ることのできない博物館の裏側、

収蔵庫を見せていただきました!

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今後の展示を待つ品々が眠る収蔵庫の見学。貴重な体験になりました!

 

ツアー中にご紹介した橘昌文銭堂銭形平次最中

お土産にお持ち帰りいただき、盛りだくさんの

ディスカバリーミュージアムツアーは終了。

ご参加くださったみなさま、おつかれさまでした!

Posted at:18:00

「ヨムキクちよだ2015」が始まりました!

 

今日4月23日は「サン・ジョルディの日(本の日)」です。

スペインでは、この日にバラの花とともに本を贈りあう風習があり、

日本でも「子ども読書の日」として定められています。

 

今年も、4月23日~5月12日のこどもの読書週間にあわせて

家族で読書に親しめるイベント満載の

「ヨムキクちよだ2015が始まりました♪

 

期間中、千代田図書館9階 第2展示ウォールでは

展示「きもちをつたえる絵本」を行っています。

 

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千代田区立図書館の司書や読書コンシェルジュがおすすめする

「ありがとう」の気持ちが伝わる絵本

5月9日ことばと音のフェスティバル♪に登場する絵本など

「大切な人に気持ちを伝える」をテーマに

絵本や読み物、計32冊を展示しています!

 

展示している本はすべて貸出可能です。

ぜひお手にとってご覧ください♪(貸出中の場合はご了承ください)

展示中の絵本や読み物をまとめたリストも配布しています。

 

ヨムキクちよだ2015

こどもの読書週間記念展示「きもちをつたえる絵本」

【期 間】 開催中~5月12日(火)まで

     ※4月26日(日)は休館日

【場 所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

 

また、千代田区役所1階のさくらベーカリーでは

毎年人気の「おはなしに出会えるパン屋さん」が好評開催中です♪

 

今年も、ことばと音のフェスティバル♪に登場する絵本がパンになりました!

『おんがくかいのよる』に出てくる、5つの味の「5ひきのすてきなねずみ」パンや

『バスにのって』のバスをかたどったデニッシュなど、

楽しくておいしいメニューが揃っています。

 

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写真左から

5ひきのねずみパン/1つ 120円

 ・ちびすけ(きなこのかかったあんドーナツ)

 ・ぐれ(黒ゴマあんドーナツ)

 ・しろこ(黒まめパン)

 ・ちゃたろう(クリームパン)

 ・くろ(チョコクリームパン)

バスのデニッシュ(カスタードクリーム&レーズン)/155円

 

絵本から生まれたパンのほかに、親子で楽しめるオリジナルパンも。

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写真左から

カップパン(クロッカン・チョコ、レーズンボール、

 レモンとクリームチーズのロールパン)/210円

親子ドッグ(とりの唐揚げ&手作り玉子サラダ)/260円

(パンの価格はすべて税込です)

 

千代田図書館で展示を見たら、さくらベーカリーにもぜひお立ち寄りください!

 

ヨムキクちよだ2015

「おはなしに出会えるパン屋さん2015

【期 間】 開催中~5月12日(火)まで

      ※定休日 日・祝

【場 所】 千代田区役所1階=さくらベーカリー

【協 力】 さくらベーカリー(ジョブ・サポート・プラザちよだ)

 

★特製サブレをプレゼント

期間中、さくらベーカリーでお買い物の際、

レジで千代田区立図書館の貸出券を見せると、

特製サブレがもらえます!(数量限定・先着順)

 

ヨムキクちよだ2015について、詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:16:20

「よりみちパン!セ in ちよだ」を開催しました!

 

3月19日、「よりみちパン!セ in ちよだ―あしたの歩きかた―」

を開催しました。

 

国立情報学研究所教授で『ロボットは東大に入れるか』の著者、

新井 紀子さん(写真右)と

社会活動家・法政大学教授で『どんとこい、貧困!』の著者、

湯浅 誠さん(写真左)の対談は、和やかな雰囲気で始まりました。

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(左から)

『ロボットは東大に入れるか』新井 紀子/著

『どんとこい、貧困!』湯浅 誠/著

(ともに「よりみちパン!セ」シリーズ、イースト・プレス)

 

このおふたりの取り合わせで、ロボットと貧困問題がどうつながるの?と

不思議に思った方も多いはず。

おふたりの出会いは2010年。

「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトを始めるにあたり、

新井さんが湯浅さんのもとに相談に行ったのがきっかけだったそうです。

 

そもそも「ロボットが東大に入る」って?

手足のついたロボットが電車に乗って試験会場まで行き、

鉛筆を持って回答用紙に答えを書きこむ様子を想像してしまったり…。

 

それも楽しそうではありますが、新井さんをはじめとした

プロジェクトチームが行っているのは、プログラミングされた人工知能

試験問題を理解し、正しい答えを導き出せるか?という研究。

2011年の発足以来、新井さんのプロジェクトが手がけた「東ロボくん」

今では偏差値約50をマークする水準にまで進化しているとのこと。

 

しかし、「ロボットを東大に入学させるのが目的で、

このプロジェクトを始めたわけではないのです」と新井さん。

利用者の質問に答えてくれるスマートフォンのアプリや

こちらの表情を読み取ってコミュニケーションが取れるロボットが

開発されるなど、私たちの生活にも馴染みはじめている人工知能。

オックスフォード大のある研究グループが、アメリカの702の職種を調査したところ

今後約20年間で、それらの雇用のうち47%がコンピュータに置き換わるだろうという

予測を発表し、日本でも広く話題になったことも記憶に新しいところです。

 

私たちの仕事が人工知能にとってかわられる未来…。

コンピュータ分野だけの問題ではなく、労働の問題として

みんなに真剣に考えてもらうには?と考えた新井さんが

相談したのが、ホームレス支援やワーキングプアなどの社会問題

取り組んできた湯浅さんでした。

 

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おふたりのつながりがわかってきたところで、話は

「人工知能にはとってかわることができない、

 人間の“人間らしい”領域とは?」という話題に。

 

新井さんに「あなたのしている仕事は未来もなくならない」

言われたという湯浅さん。

一人ひとりと対面で、支援が必要な方の話を聞き、どのような制度を利用すれば

その人の助けになるかを考える対人支援の仕事は、どんなに人工知能が

発達しても実現できないことだと新井さんは予測しています。

 

その他にも、対象者によって千差万別の対応が必要な保育士や介護ヘルパー、

一人ひとりのニーズに合わせた掃除などのコンサルティング業など

どんなに計算速度が上がっても、何千万という膨大なデータを

処理できるようになっても、平均的な答えが導き出せないことが求められるのが

人工知能がとってかわることのできない仕事だと考えられているそうです。

 

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印象的だったのは

「ノーベル賞をもらえるくらい頭がよくないと

人工知能に負けるという風に思いがちだけど、そうじゃない」

という湯浅さんの言葉。

統計学的な計算では解くことのできない問題解決力や

新しいものごとを生み出す力を磨いていかなければならないのは

10~20年先じゃなく、私たちが過ごす「今」から

始まっているのだと考えずにはいられませんでした。

 

短い時間ではありましたが、来場者の方の質問にも

丁寧にお答えいただき、あっという間の90分でした。

新井さん、湯浅さん、ありがとうございました!

Posted at:15:50

神田一橋中学校生の職場訪問

 

千代田区立神田一橋中学校1年生の生徒4名が

千代田図書館へ職場訪問に来てくれました!

 

まずは図書館コンシェルジュがガイドツアーを行い

千代田図書館の特徴や取り組み、設備をご紹介。

 

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本を貸出・返却したり、資料の整理をする司書と違い

館内の利用案内千代田区の街案内をする

コンシェルジュの役割について知ってもらいました。

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次に千代田図書館の司書が皆さんの質問にお答えします。

 

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司書の仕事や、千代田図書館について知りたいことを

事前に用意して来てくれた皆さん。

「司書の方々が仕事をするときに心がけていることは?」

「学生に人気の本はどのような本?」などにお答えしていきます。

その中に、「図書館のバリアフリー」についての質問がありました。

 

「バリアフリーと聞いてみんなが思いうかべるのは?」と司書。

「床の点字ブロック」「階段の手すり」…と声があがりました。

 

「そうですね。そういう施設のハード面ももちろんですが、

 図書館ならではのバリアフリーをお見せしますね」

と机に広げたのは、様々な手触りの布で絵が描かれた絵本。

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視力に障がいがある方でも、色々な手触りで絵を楽しむことができます。

 

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これは印刷された字(墨字)と点字が一緒のページに書かれた本。

「この本なら、目の不自由なお母さんが

 子どもに読み聞かせてあげることもできるんですよ」と司書。

 

他にも、大きな字で印刷された大活字本

本を音声化したDAISY(デイジー)図書

文章を読んで理解することが困難な方のために

写真や記号を使って簡単に書かれたLLブックなど

図書館には様々なバリアフリー資料が所蔵されています。

どんな利用者にも図書館を快適に使っていただくことも

図書館が持つ大きな役割のひとつです。

 

「今日はみんなに、図書館の司書の仕事について知ってもらいました。

 “困ったら図書館へ”という言葉があります。

 本を借りて読むだけではなく、知りたいことがあるときに

 どうやって調べるか、どんな本を読んだらいいか、

 ぜひ司書にたくさん相談して、図書館をどんどん使ってくださいね」

との話を聞いて、この日の職場訪問は終了しました。

 

神田一橋中学校の皆さん、おつかれさまでした!

中学校の校舎からも近い千代田図書館を

これからもぜひ利用してくださいね♪:

Posted at:15:20

ふじみこども園の親子おはなし会を開催しました!

 

1月10日、ふじみこども園に通う子どもたちと家族を対象に

「親子のためのおはなし会 in ちよだとしょかん」を行いました。

 

今日はいつものこども園をとび出して、千代田図書館の子ども室で

ママやパパ、きょうだいと一緒に学校支援司書のおはなしを聞きます。

 

1月らしく、「もちっこやいて」の手あそびでスタート!

続いての素ばなしにも、おいしそうなお餅が出てきますよ。

素ばなし『あちち、ぽんぽん、ふうふう』

(『笠地蔵』より 小澤俊夫/監修 小峰書店)

 

次は絵本の読み聞かせを2冊。

今年はなに年かな?と聞くと、

「ひつじ年!」とすぐに元気な答えが返ってきました♪

 

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『ちいさなひつじ フリスカ』(ロブ・ルイス/作 ほるぷ出版)

『十二支のお節料理』(川端誠/作 BL出版)

 

最後に、ノルウェーの昔ばなし『北風に会いにいった男の子』

(参考:『雨のち晴』東京こども図書館/編纂)

で、おはなし会はおしまいです。

 「このおはなしにも、どこかにひつじが出てくるよ。よーく聞いてみてね」と司書。

 

次に、図書館コンシェルジュ

皆さんに千代田図書館をご案内します。

 

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まずは図書館クイズ

「千代田区で働いている人はどのくらい多いのかな?」

「図書館は何時まで開いていると思う?」

千代田図書館のことを、クイズで分かりやすく説明します。

 

クイズの後は子ども室を出て、館内ツアーに出発!

子どもたちは古地図マットに興味しんしんでした。

みんなのおうちは地図の中に見つかったかな?

 

最後に、千代田Web図書館の「うごく絵本」もご紹介して、ツアーは終了です。

おうちのパソコンで見ることももちろん出来ますし、

千代田図書館や四番町図書館の児童スペースでは

タブレットの貸出も行っていますので、ぜひ利用してみてください。

 

寒い中、元気に図書館へ遊びに来てくれた

ふじみこども園のみなさん、ありがとうございました!

また親子で図書館へ遊びに来てくださいね♪

Posted at:12:00

九段中等教育学校文芸部の皆さんと神保町ツアー!

 

12月19日(金)、千代田区立九段中等教育学校

文芸部の皆さんと神保町ツアーを行いました!

学校の授業を終え、千代田図書館に来てくださったのは

中学1年生~高校2年生までの文芸部員8名と顧問の先生。

 

出発の前に、図書館内でコンシェルジュから

神保町古書店街の歴史や成り立ちについてのレクチャーを行いました。

 

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「神保町の古書店に行ったことのある人は?」

さすが文芸部!半分の部員が手をあげました。

のぞいたことはあっても、専門的な古書店の多い神保町は

学生の皆さんにはまだまだなじみがないのでは?

今日は、中高生の皆さんでも楽しめる神保町をご紹介します♪

 

レクチャーを受け、いよいよ神保町古書店街へ出発!

初めに立ち寄ったお店は@ワンダーです。

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お店の外壁に沿って立ち並ぶ本棚には、100円や300円など

手ごろな値段で買うことのできる古本がぎっしり。

ジャンルも豊富で、さっそく目を輝かせて本に見入る皆さんでした。

 

次は新刊書店をご案内。

絵本・児童書専門店のブックハウス神保町です。

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このお店は、絵本の原画展などが開催されるブックハウスギャラリー

読み聞かせをしてくれる「おはなしくまさん」など

見どころが沢山の本屋さんです。

かわいいキャラクターグッズや文房具もありますよ!

 

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大学生スタッフ千代田図書館コンシェルジュ

古書探しのお手伝いをする本と街の案内所にも立ち寄りました。

 

すっかり日が暮れて、古書店の店先から暖かい光がこぼれる

靖国通りをさらに進みながら、街のトリビアもいくつかお話ししました。

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古書店の黄色い値札に隠された秘密をコンシェルジュに聞いて…

「知らなかった!」とびっくり。

 

3軒目に立ち寄ったお店は大屋書房

店内に積み重なった和本の迫力に圧倒されながらも

ショーウィンドーの『源氏物語』や『解体新書』を見て

「教科書で見た本がお店に並んでる!」

「こういう本って買えるの!?」と興奮気味でした。

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最後はブックカフェ二十世紀で、お茶を飲みながら

「自分なら神保町にどんな古書店をつくる?」

部員みんなで話し合って、今日のまとめにしました。

「バレエや踊りの本を集めた店」「宇宙がテーマの店」

「教科書に載っている名作と現代語訳を並べたい」

「ポスターだけのお店も面白いかも」

…と、素敵なアイデアがたくさん飛びだしました!

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どのお店の本棚にも熱心に視線を注いでいた皆さん。

本が好き!という気持ちが伝わってきました。

ぜひ、これをきっかけに神保町の古書店を

もっともっと楽しんでください♪

 

寒い中元気にご参加いただいた文芸部の皆さん、

立ち寄らせていただいたお店の皆さん、ありがとうございました!

Posted at:18:00

コンシェルジュツアー『古本屋ツアー・イン・神保町』編を開催しました!

 

12月6日(土)

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー『古本屋ツアー・イン・神保町』編

を開催しました!

 

恒例のコンシェルジュツアー。今回は、神保町古書店訪問の

全記録『古本屋ツアー・イン・神保町』(本の雑誌社)を出版したばかりの

古本屋ツーリスト小山力也さんをお招きし、神保町古書店街の魅力について

お話しいただいた後、千代田図書館コンシェルジュが

神保町の古書店の数々を歩いてご案内しました。

 

ブログ「古本屋ツアー・イン・ジャパン」で日本全国の古書店を巡っている小山さん。

この日も午前中から神保町を歩き、すでに両手に抱えるほどの

古書を購入していらっしゃいました。さすが!

 

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さっそく今日の収穫をご紹介。古書への愛情があふれています!

 

「神保町は街全体が大きな古本屋、その一店一店が書棚のようです」と小山さん。

神保町古書店街の本出版にあたり、開店したての古書店から

神保町を代表する老舗、はたまたレコード店やカフェまで

「古本が買える店」はすべて古書店街の一部ととらえて巡りつくし、

記録を書き連ねました。

「神保町のガイド本としても長く使ってもらえる本を目指しました」

 

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お話の中盤では、『古本屋ツアー・イン・神保町』の編集を担当した

本の雑誌社の宮里さん(写真右)にもご登場いただきました。

 

この本の帯を飾る、青空がまぶしい神保町交差点の写真を

撮影したのは編集者の宮里さんご自身だそうです。

「毎日毎日、交差点からの写真を撮り続けました」と宮里さん。

晴天のもと、納得のいく写真が撮れたのはなんと入稿2日前!!

編集者ならではの思い入れが感じられるエピソードですね。

 

そして本づくりの裏話をもうひとつ。

『古本屋ツアー・イン・神保町』に収められている企画コラム

「神保町24時」取材時のお話を、当日の写真と手書きメモのコピーを

見ながら、追体験するようにお聞きすることができました。

 

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「神保町のお店は閉まるのが早く、24時間どころか最初の8~9時間で

 古書店巡りは終了してしまいました…」

さて、残りの時間を小山さんはどう過ごしたのでしょうか!?

ぜひ本でお確かめください!

 

その他にも小山さんが選ぶ「神保町の好きな古書店、変わった古書店」を

スライドとともにご紹介いただくなど、充実の内容でした♪

 

千代田図書館内でのトークの後は、いよいよツアーへ出発!

今回は、図書館コンシェルジュ4人が少人数の班を2コースでご案内。

少しの時間ではありますが、古書店の内部を見る時間も設けて

班ごとに4店の古書店を巡りました。その一部をご紹介します。

 

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小山さんがこの日の午前中、大きな収穫を得たと

ホクホク顔でお話ししていた@ワンダー

 

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展示の入れ替え中にも関わらず快く見せてくださった

小宮山書店の4階ショールーム。三島由紀夫の署名本や初版本

写真のオリジナルプリントなど、美術品級の品々が並んでいます。

 

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同じく小宮山書店ガレージセール。掘り出し物が見つかると評判です!

 

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日本文学のエキスパート2店もご紹介。けやき書店玉英堂書店

 

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多くの外国人観光客も訪れる、和本・浮世絵大屋書房

 

この日ご案内したお店は神保町古書店街のほんの一握り。

それでも「普段なかなか入れなかった古書店に行けて嬉しい」

「敷居が高いと思っていた古書店の上階に入れてよかった」という

嬉しいご感想を頂きました!

ぜひ、これをきっかけに古書店を巡り、

お気に入りの神保町を開拓してみてください♪

「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー」では、これからも

皆様に知っていただきたいこの町の魅力をお伝えしていきます。

 

小山さん、宮里さん、立ち寄らせていただいたお店の方々、

そしてご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:17:30

本と出会う読書サロン 第9期オープニングイベントを開催しました!

 

11月12日(水)、「本と出会う読書サロン」第9期の

スタートとして、新規メンバー募集をかねた

講演会「物語の世界に心ゆくまでひたる 選りすぐりの本たち」

を開催しました。                                          

 

講師は、児童文学評論家赤木かん子さんです。

 

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1984年に、子どもの頃に読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を

探し出す「本の探偵」としてデビュー以来、豊富な知識で

たくさんの児童文学を紹介してきた赤木さん。

今回は、5月に刊行した著書『今こそ読みたい児童文学100から

大人が読んでも面白い、知る人ぞ知る児童文学の本についてお話しいただきました。

 

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ちくまプリマー新書 214

『今こそ読みたい児童文学100』

赤木かん子/著 筑摩書房

 

「何か面白い本ない?」と聞かれて、

物語好きな大人が喜ぶ、どんどん読めて読後感がいい児童文学を

おすすめしたい!という気持ちがこの本を書くきっかけになったと赤木さん。

 

「本の名前だけ知っていたり、小さい頃読んだことがあるかも…という

 児童文学の名作もぜひまた読んでみてください。

“こんな話だったんだ!”と子どもの頃気付かなかった発見があるはず」

 

児童文学の成り立ちや時代ごとの移り変わりを

わかりやすく説明しながら、100冊を選んだ経緯をお話しくださいました。

 ユーモアあふれる語り口調で紹介される本の数々に

今すぐ「読んでみたい!」という気持ちが湧き起こります。

 

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「今は忘れられている本の中に、私たちを

ワクワクさせてくれるものがいっぱい眠っています」

 

熱心にメモを取りながらお話しを聞く参加者も多く、

講演会終了後、紹介された本を手に取り、

熱心に眺める皆さんの姿が印象的でした。

 

「赤木さんのお話しが面白く、本を選ぶ参考になった」

「今すぐ小説を読みたくなった」

「大人向けの児童文学という視点が面白かった」などの声を

いただくことができました。

 

赤木さん、ありがとうございました!

 

「本と出会う読書サロン」では、第9期メンバーの募集を行っています。

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:15:00

今日から展示!「ビブリオバトルin神田古本まつり」で紹介された本

 

11月1日、神田古本まつりのイベントのひとつとして

神保町の東京古書会館「ビブリオバトルin神田古本まつり」が行われました。

 

お気に入りの本を5分で紹介し、最も「読みたくなった本」を

会場の投票で決める書評ゲーム・ビブリオバトル。

9月の三省堂書店神保町本店、10月の千代田図書館の予選を経て

決勝戦の会場となった東京古書会館は満員の大盛況となりました!

 

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第1ゲームは、「神保町で見つけた本」をテーマに

9月、10月の予選を勝ち抜いた4の皆さんによるバトルです。

 

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紹介された本は以下の通り。(発表順)

『學術上より観たる怪談奇話』(田中香涯/著 大阪屋号書店)

『苦の世界』(宇野浩二/著 岩波書店)

『呪術意識と現代社会東京都二十三区民調査の社会学的分析』

(竹内郁郎、宇都宮京子/著 青弓社)

『残像に口紅を』(筒井康隆/著 中央公論社)

投票の結果、チャンプ本は『苦の世界』に決定!

 

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この本を紹介した伊東さん(右から2人目)。

的確に本の魅力を言い表したキャッチフレーズが

いくつも飛びだす5分間の紹介で、会場を惹き付けました! 

 

第2ゲームは、古書好きで知られる

神保町にゆかりの深い方々をお迎えしてのゲストバトル。

漫画家の喜国雅彦さん玉川重機さん、作家の北原尚彦さん

古本屋ツーリストの小山力也さんという豪華なゲストの皆さんに、

第1ゲームの勝者、伊東さんが加わります。

テーマは同じく「神保町で見つけた本」です。

ビブリオバトル参加が初めてのゲストもいる中、

第1ゲームに負けないディープな本の数々が紹介されました。

 

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第2ゲームの紹介本は以下の通り。(発表順)

『かもめのジョナサン』(リチャード・バック/著 新潮社)

『女主人(ドミナ)の鞍(サドル)』(天野哲夫/著 第三書館)

『同時代の作家たち』(広津和郎/著 岩波書店)

『剃刀日記』(石川桂郎/著 創元社)

『踊る幽霊船(台本)』(里吉しげみ/脚本 日劇)

 

投票の結果、こちらでもチャンプ本は

伊東さんの紹介した『同時代の作家たち』に!

第1ゲームと同じく、愛情たっぷりに小説への思いを語った伊東さん。

神田古書店連盟の佐古田会長より表彰状と賞品が贈られました。

 

この日のビブリオバトルと、2回の予選で紹介された

すべての本が、今日から千代田図書館9階の

出張古書店コーナー「としょかんのこしょてん」に展示されています!

 

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予選の4ゲームに、東京古書会館での決勝戦、ゲストバトル

出場した全員の直筆おすすめコメント「神保町で見つけた本」に加え

ゲストバトルに参加いただいた皆さんの著書や装丁を手がけた本

作家直筆の漫画のネーム(絵コンテ)古本屋めぐりのマップまで…。

レアな展示物もありますのでぜひご覧ください!

 

としょかんのこしょてんVOL.71

「ビブリオバトルin神田古本まつり」で紹介された本

【会 期】 開催中~12月14日(日)

【場 所】 千代田図書館9階=出張古書店コーナー

【担 当】 神田古書店連盟

※展示物はすべて非売品です。

 

Posted at:14:00

秋の読書週間トークライブを行いました!

 

11月1日、秋の読書週間トークライブ

「パパ、会社をやめる~育児支援サービスをはじめた3人のパパたち~」

開催しました!                    

 

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ゲストにお迎えしたのは、パパになったことをきっかけに

会社員を辞め、それぞれが子どものためのサービスを提供する

ビジネスを始めた、3 人の起業家のみなさんです。

 

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(右から)

山中啓輔さん/外国語でのベビー&キッズシッターサービス

BirdyBabiesを展開する「SKIPP LLC.」代表

塚越暁さん/身近な自然、手や体を動かす体験を通しての

学びの場をつくる「子ども原っぱ大学」代表

川辺洋平さん/子ども・親子のために活動する大人を紹介する

WEB マガジン「OYAZINE」を運営する株式会社アール代表

 

3人とも30代前半のまだ若いパパたちです。

会場には、幅広い年代の方々にお集まりいただきましたが、

なかでも出演者の3人と同じ若いパパの姿が目立ちました。

 

それぞれの自己紹介の後、話はいきなり

「食えてますか?会社員時代に比べてどう?」という赤裸々なお金の話題に!

会社員をやめて起業を思い立ち、事業を軌道に乗せるまでの悩みや発見について

リラックスした雰囲気で話は進んでいきました。

 

会社をやめ、子育てに関わる職種を選んだ共通点のある3人。

印象的だったのは、口々に

「子育てをしている自分が喜ぶものを生み出したい」

「自分の子どもに受けさせたいサービスがなかったので、

 自分でできないかと思い立った」

と、育児の中での発見が仕事に強く結びつくと話していたことでした。

 

「会社をやめて、3日間は妻に言い出せなくて…。

 言ったら、案の定“取り消して!”と怒らせてしまった。

 それからは起業のことも段階を踏んで、話すようにしました」

「起業したら、カフェで仕事をするスタイルに憧れていたけど

 やってみるとコーヒーを飲み続けるのが辛くなっちゃって…。

 都心のコワーキングスペースや図書館をうまく活用しています」

など、ビジネス指南書にはきっと書かれていない、

等身大の起業のエピソードもお聞きすることができました。

 

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後半は、3人それぞれがおすすめする本についてのお話です。

「会社をやめたときに読んで励まされました」

「児童書でも、大人が読んで新しい発見が沢山あります」

「昔の絵本なんだけど、子どもに読んであげるとすごく喜びますよ」

…と、仕事にも子育てにも活かせる本を、自身のエピソードとともに

たっぷりご紹介いただきました♪

 

イベント中にご紹介した、おすすめ本のリストは

コチラからもご覧いただけます。(PDF:193KB)

 

参加された方からは、

「同世代の話で、これから育児をする自分たちにとって非常に興味深かった」

「本の紹介が楽しく、ためになった」

「若い人たちの、チャレンジする姿に感銘を受けた」との声をいただきました。

ご参加いただいた皆さん、出演者の皆さん、ありがとうございました!

Posted at:15:40

「図書館コンシェルジュ一日体験」を開催しました!

 

8月30日と9月13日の2日間、

「“本と街の案内所”で図書館コンシェルジュ一日体験」

開催しました。

 

神田神保町の「本と街の案内所」に出張し、“本と人”“街と人”をつなぐ

街案内を行う千代田図書館コンシェルジュの仕事を

一日体験する中学生・高校生向けのイベント。

図書館内でマナーや接客の基本、データベースの使い方を学んだあと

お客様への古書店案内を実践します。

 

まずは「本と街の案内所」を運営する、NPO法人 連想出版の中村さんから

世界一の古書店街と言われるまでになった神保町のなりたちや、

案内所の担う役目などについてお話しいただきました。

 

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「神保町に来る方たちはみんな本気で本を探しています。

 とことん一緒に探す努力をしてあげてね」と中村さん(写真右)。

 

次は、コンシェルジュが講師となり

マナー講習とデータベース講習を行いました。

 

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マナーとは、外見や態度にお客様に対する配慮と思いやりが表れること。

お客様を迎える笑顔と姿勢の練習中!(ちょっとまだ固いかな?)

 

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「本と街の案内所」では、神保町の古書・新刊のデータベース

使って本を探すお手伝いをします。

古書探しのための聞きなれない言葉、初めて使うデータベースにも

果敢に取り組む姿が印象的でした!

 

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講習が終わったらスタッフを相手に接客のシミュレーション。

どんな本を探しているのか、丁寧に聞き出すのがポイントです。

                                                       

午後は千代田図書館を出て神保町へ!

靖国通りを歩きながら、案内のポイントとなる交差点や

問合せの多い古書店の数々を見て歩きました。

街歩きの後は神保町の老舗店でのランチで一息。

 

いよいよ接客体験の始まりです。

「本と街の案内所」のスタッフエプロンをつけて

「こんにちは!」とお客様を出迎えます。

 

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イベント開催日は両日ともお天気に恵まれ、

神保町古書店街は多くの人でにぎわっていました。

 

コンシェルジュや案内所スタッフのサポートも受けながら

接客していくうちに、だんだん緊張も解けてきた様子。

 

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検索機の順番待ちをする方に、探している本を聞いたり

案内所へ立ち寄っただけという方にも地図をお渡ししたり

自分から声をかけて積極的にご案内しました。

 

接客体験で対応できた問い合わせの数は両日とも10件以上。

あっという間の3時間で、充実の体験ができました。

参加してくださった皆さん、おつかれさまでした!

 

今後も千代田区読書振興センターでは、中学生・高校生の皆さんに

「知ればますますおもしろい」神保町の魅力をお伝えしていきます♪

Posted at:16:00

「夏のわくわく課外授業」レポート②【国語】【音楽】

 

千代田図書館では、小学4~6年生とその保護者を対象に

夏休み恒例のイベント「夏のわくわく課外授業2014を開催しています。

前回のレポートに続いて、8月25日に行われた国語

8月26日に行われた音楽の授業風景をレポートします♪

 

◆◆8月25日(月)国語◆◆

「絵本からはじめよう!てつがく対話」

 

「国語」の先生は、子どもから大人までだれでも参加できる

哲学対話のワークショップやセミナーを行う

NPO法人 おとな哲学こども哲学アーダコーダの

川辺 洋平さん井尻 貴子さんです。

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今日することは「答えのない問いについてみんなで話し合うこと」

これだけ聞くとなんだか難しそうですが…。

授業はまず、全員でウォーミングアップの簡単なゲームから。

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次に、話し合う題材となる絵本を選びます。

今回の授業で用意した絵本は、

『おおきな木』(シェル・シルヴァスタイン/作 あすなろ書房)

『アレクサンダとぜんまいねずみ』(レオ・レオニ/作 好学社)

『すてきな三にんぐみ』(トミー・アンゲラー/作 偕成社)の3冊。

どれも長く愛されてきた絵本で、子どもも大人も知っている人は多いのでは?

 

多数決の結果、今日の絵本は『アレクサンダとぜんまいねずみ』に決定!

「今日は、おはなしを聞きながら、どうして?とか

 これでいいのかな?とか考えてみてね」と川辺先生。

絵本の朗読をみんなで聞きます。

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人間にかわいがられるぜんまい仕掛けのおもちゃ・ウィリーが

うらやましくてしかたないねずみのアレクサンダ。

ある日、満月の夜に「むらさきのこいし」を持ってくれば、

望みの姿に変えてくれるという魔法のとかげの存在を知って・・・。

というのが『アレクサンダとぜんまいねずみ』のあらすじです。

 

絵本を読んだらいよいよみんなで話す時間。

まずは子どもと大人の2グループに分かれます。

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川辺先生の持っているコミュニティボールはマイクの代わり。

これをみんなで回しながら話します。

 

さっきの絵本の中で「なぜ?」と思ったことを話していきます。

「ねずみとおもちゃが話をできたのはどうして?」

「タイミングよくむらさきのこいしが見つかったのはなんで?」

どんなことでも話していいんだ!とわかると、

初めは静かだった子どもからも意見が出てきました。

「捨てられたおもちゃを見つけたのは夜みたいだけど、

 ごみを捨てるのは普通は朝なんじゃないの?」なんていう疑問も!

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みんなが一つずつ「なぜ?」を出しあったところで

さらに深く話し合うテーマを探していきます。

井尻先生の大人チームでも、なかなか白熱した話し合いが行われている様子。

 

最後は子どもも大人も全員で、それぞれのチームで考えたことを

発表しながら、さらに話し合いました。

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「ねずみとぜんまいねずみ、どっちが幸せ?」

「作者はどうしてねずみを主人公にしたんだろう?」

難しいことを考えたり、答えを見つけようとしなくても

何気ないことから生まれた「なぜ?」を話して共有し合うことの

楽しさがわかった授業でした。

 

みなさん、おうちでも沢山話してみてくださいね。

川辺先生、井尻先生、ありがとうございました!

 

◆◆8月26日(火)音楽◆◆

「家族のテーマソングをつくろう」

 

「音楽」の先生は、東京未来大学の助教で

音楽教育の研究をしている森 薫さんです。

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今日は1人1曲ずつオリジナル曲を作曲します!

みんな、どんなテーマで作るか考えてきたかな?

まずは曲作りの作戦を立てることから。

テーマは?曲の雰囲気は?…思い思いにイメージを膨らませます。

 

でも作曲って、何から始めたらいいのでしょう?

そこで、森先生から“音楽のヒミツ”を教わる講座が始まりました。

 

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まずは音楽を作る3つの要素の話から。

「“リズム”“メロディー”“ハーモニー”、この3つで音楽はできています。

 今日は3つの要素を組み合わせて曲を作ってみよう」

「チューリップ」「メリーさんの羊」などの童謡や

「パッヘルベルのカノン」、そしてAKB48や「ようかい体操第一」など、

みんながよく知っている曲を次々にピアノで弾きながら

和音(コード)音階など、音楽のしくみをわかりやすく教えてくれました。

 

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講座の後はいよいよ作曲!今回は、子どもたちの

作曲のお手伝いを、このオルフ楽器にしてもらいます。

一見すると普通の木琴、鉄琴ですが

音盤の取り外しが自由にできるのが特徴です。

これを使えば、誰でも一定のコードや音階の中で

きれいなメロディーが演奏しやすくなるのです。

 

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森先生が各テーブルを回ってアドバイスをしながら

1時間弱という限られた時間の中で、どんどん曲ができていきます。

曲が出来たら、作詞をしたり先生にしてもらう伴奏を考えたり…。

あっという間に時間が過ぎていきました。

 

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作曲には、マスに音名を書きこんでいく簡易譜を使いました。

これは森先生が作ってきてくれた

「“家族のテーマソングをつくろう”のテーマ」の楽譜。

 

授業の最後はミニコンサート!

森先生とオルフ楽器やピアノを連弾したり、

リコーダーと歌での発表にしたりと、思い思いの演奏方法で発表しました。

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茶道を習い始めた子が和の音階で作った「お茶の教室の曲」、

臨海学校で泳いだ海や、仙台で見た七夕祭をイメージした曲。さらに

仲良しの4人兄妹、でもいつもおやつが少ないよ~!と楽しく歌った

「家族のうた」…などなど、名曲がたくさん生まれました。

ここでお聞かせできないのが本当に残念!

 

作った楽譜で、おうちや学校でも演奏してみてくださいね。

 森先生、ありがとうございました!

 

「夏のわくわく課外授業2014」報告展示

 

【展示期間】2014年9月1日(月)~15日(月・祝)

【展示場所】千代田図書館9階=第2展示ウォール

 

今年行った4教科すべての授業の様子と、各授業に関連した

おすすめの本を展示します。ぜひご覧ください!

Posted at:17:00

「夏のわくわく課外授業」レポート①【社会】【理科】

 

千代田図書館で、小学4~6年生とその保護者を対象に行う

夏休み恒例のイベント「夏のわくわく課外授業2014がスタートしました!

今回は、8月6日に行われた社会

8月9日に行われた理科の授業風景をレポートします♪

 

◆◆8月6日(水) 社会◆◆

「ちよだ青空市でお店たいけん」

 

「社会」の先生は、千代田区内でいくつものマルシェ(市場)を運営するなど、

“食”と“農”をつなぐ取り組みを行っている

NPO法人 農商工連携サポートセンターの

代表理事 大塚 洋一郎さんです。

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「社会」の授業は、千代田図書館をとびだして

神田錦町のちよだプラットフォームスクウェアで行われました。

今日は、ここで毎月第1水曜日に開催されている

「ちよだ青空市」で販売の体験をします。

 

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「昔の人々は、自分の家で食べる分のお米や野菜を

 自分たちで作っていたのは知ってるかな?」

今のように、家庭で食べる品物をお店で買うようになったのは

およそ150年前からなのだそうです。

「昔のようには戻れなくても、マルシェや農業体験を通して

 地域の生産者さんとつながることが私たちの取り組みです。

 今日はお店の人ともたくさんお話ししてみてね」と大塚先生。

 

いよいよ販売体験の始まりです!

子どもたちはエプロンをつけて、くじ引きで決まったお店の

お手伝いに向かいます。

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ちょうどお昼どきを迎えて、買い物や昼食目当てのお客さんが

「ちよだ青空市」に集まってきました。

無農薬の夏野菜やみずみずしい果物をはじめとした、

日本全国からやってきたお店が11店に、お弁当のキッチンカーも並んで

にぎやかなマルシェです。

 

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お店には、白いナスや紫のニンジン、赤いオクラや

作りかたにこだわった調味料や珍しいドライフルーツなど

スーパーやコンビニでは見かけない品物がたくさん並んでいます。

 

初めは少し緊張していた様子の子どもたちからも、次第に

「いらっしゃいませ!」「おすすめはこれだよ!」

と明るく元気な声が聞こえてきました!

お店の方やお客さんと話をすることで、自分の言葉でおすすめを伝えられたり

おいしい食べ方を教わったり、体験授業ならではの思い出ができました♪

 

販売体験を終え、授業の最後には、ちよだプラットフォームスクウェアの

屋上菜園を見せていただくこともできました。

ビルの屋上で、ブルーベリーやワイン用のブドウ、様々な野菜が育てられていました。

 

普段の生活ではなかなか接することのできない、食材が生まれて育ち

売られて、私たちの家庭に届くまでが体験できた授業になりました。

大塚先生、ありがとうございました!

 

 

◆◆8月9日(土) 理科◆◆

「深海のぼうけん 海中ロボット」

 

「理科」の先生は、東京大学・生産技術研究所の准教授で

海中ロボットの開発研究をしている巻 俊宏さんです。

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地球表面の70パーセントを占める海の平均水深は3,770m

光も電波も届かない深海は、まだまだ未知の世界です。

「みんなはどのくらい深くまで潜ったことがありますか?

 素潜りだと頑張っても10m、スキューバの装備を付けて、

 特殊な訓練を積んでも数百mが限界です。

 そこで、人間だけでは行けない深海の調査にロボットの力が必要になります」

 

海中ロボットは、有人潜水艇のHOV、遠隔操作のROV、自律型のAUV

の3種類に分けられ、作業の難しさや目的、環境によって使い分けられています。

 

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マンガの例えにはお父さん、お母さんも納得!

 

それぞれのロボットの違いや特徴を説明しながら、

実際にロボットが働いている動画もたくさん見せていただきました!

 

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これは鹿児島湾の海底調査をしているところ。

変わった生態を持つ生物の採集や、

地形のマップを作るための海底撮影をしています。

ロボットが撮った写真はとても精細で、

海底に落ちていた空き缶のラベルが読めるほど!

 

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海底での調査を終えたAUVのTri-Dog 1(トライドッグ ワン)」

船に引き上げているところ。

 

「これからは、ロボット自身でトラブルを解決できたり

 さらに複雑な作業ができるよう研究を重ねていきます」と巻先生。

 

また、この日の授業には、ロボットづくりの基本的な仕組みで作った

追尾カメラも持ってきていただきました。

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このカメラが赤いものを追いかけて動きます!

服や持ち物の赤色に反応して追いかけるカメラにみんな興奮!

 

こういう小さな技術の積み重ねでロボットもできているのですね。

今日見て興味を持ったこと、ぜひ調べたり、本を読んでみたりしてくださいね!

 

そして授業の最後には、巻先生の思い出深い本についてもご紹介いただきました。

「小学校高学年の時に『海底二万海里』(ジュール・ヴェルヌ/著 福音館書店)

 を読んで、ぼくは深海の世界に興味を持ちました。

 みんなもぜひ読んでみてください」

巻先生、ありがとうございました!

 

「夏のわくわく課外授業2014」は、国語音楽と続きます。

空席が残りわずかですが、お申込みも受付中です。

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:15:00

四番町図書館で、英語に親しむ特別なおはなし会

 

8月1日、四番町図書館で英語のおはなし会

「LET’S ENJOY ENGLISHが行われました。

毎週金曜日のおはなし会が、この日は英語に親しめる

スペシャルなプログラムに!その様子をお届けします♪

 

今回おはなし会を担当してくれたのは、

アメリカ大使館インターンシップ生メアリー・ギルスタドさんです。

 

まずは、簡単な英語の歌で体をうごかしながらウォーミングアップ。

中には上手に英語で歌える子も!

 

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いよいよおはなし会の始まり。

まずは英語のおはなしMary Had a Little Lamb

メアリーさんと四番町図書館の読み聞かせボランティアの方が英語の文を、

その後に四番町図書館のスタッフが日本語の文を読みます。

 

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日本では「メリーさんの羊」としてお馴染みの、このおはなし。

おはなしの最後はみんなで歌も歌いました♪

 

次は絵本『かようびのよる』

(原題TUESDAYデヴィッド・ウィーズナー/作 徳間書店)

こちらも英語→日本語で。

不思議な出来事が起こるある夜のお話に、みんな夢中です。

文章が少ない絵本だから、絵を見ながら無理なく英語に親しめました♪

 

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最後はジェスチャー当てビンゴゲーム

メアリーさんが体で表しているものをあてて、

手元のビンゴカードに穴をあけていきます。

 

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このかわいい動きの動物は何かな?   →正解はペンギン!

 

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じゃあこの動物は?          →正解はネコでした!

「わかった!」と元気な声がたくさん上がって、とても楽しいゲームでした♪

 

みんなでメアリーさんに「Thank you!」とお礼を言って、

特別なおはなし会は終了です。

メアリーさん、参加された皆さま、ありがとうございました。

 

四番町図書館アメリカンシェルフには

英語に親しむことのできる絵本もたくさん揃っています。

四番町図書館にお立ち寄りの際はぜひ、親子でのぞいてみてください!

 

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Posted at:17:40

コンシェルジュツアー"紙のまち神保町"編を開催しました!

 6月28日(土)

「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー“紙のまち神保町”編」

を開催しました!

 

恒例のコンシェルジュツアー。今回は、本に欠かせない

「紙」をテーマに、本づくりに関する講演の後

神保町の紙の専門店、文具店などの数々を巡りました。

 

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まずは、千代田図書館内で

烏有書林上田宙(うえだ・ひろし)さんによる

「紙と印刷の魅力あふれる本づくり」と題したトークです。

 

昨年出版した『高岡重蔵 活版習作集』

竹尾賞・審査員特別賞と造本装幀コンクール・日本印刷産業連合会会長賞を

ダブル受賞するなど、印刷の豊富な知識を活かした

タイポグラフィ書や文芸書の出版で注目を集める上田さん。

 

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私たちの身の回りにあふれる様々な印刷の種類やその方法について

解説していただいた後、話は烏有書林の本づくりへ。

 

「ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学」を

コンセプトに刊行している“日本語の醍醐味”シリーズの本には

「ページ数が多くなりがちなので薄い紙を選びました。

電車の中で立ちながらでも読めるように」という気配りが。

そして、93歳現役(!)の欧文組版工、高岡重蔵さんの

『活版習作集』では、著者の話を録音書き起こしから手がけ

美しい図版の魅力が最大限に引き立つ紙・印刷方法の選択ページ組みなど

すべてに心血を注いだ本づくりの舞台裏をお聞きすることができました。

 

「本は、著者の原稿ができた時点で8割完成です。残りの2割が

 装丁や紙選び、構成といった本づくりの仕事です。

めくった時の感触や、読後の余韻を楽しめるページの組みかたなど

この2割でどうやって“本を読む体験”を演出するか、というのが

印刷物ならではの、紙の本がもつ可能性だと思います」と上田さん。

 

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千代田図書館の本からおすすめ本をご紹介いただいたほか、

手に取って見られる資料や道具などもたくさん見せてくださいました!

 

参加者の質問にも丁寧にお答えいただき、あっという間の1時間でした。

上田さんのトークの後は、いよいよツアーへ出発!

 

運よく雨があがった神保町古書店街の街並みを楽しみながら

まずは美術絵はがきギャラリー 京都便利堂へ立ち寄らせていただきました。

 

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美しいコロタイプ印刷の絵はがきをはじめ、

全国の美術館や四季折々の絵はがきがずらりと並ぶ店内。

短い時間でしたが、お買い物を楽しむ参加者も。

 

次に本と街の案内所、三省堂書店の神保町いちのいちなどに

立ち寄りながら古書店街を進んでいきます。

 

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読書グッズやレターセットが揃うおしゃれなお店あり

古書店の店先には古地図や浮世絵あり…という

本だけではない“紙のまち”神保町の魅力をお伝えしました♪

 

そして、本日の最終目的地竹尾見本帖本店に到着。

2400種類の紙を購入することのできる1階の紙のショールームや

「第10回 竹尾賞」展『高岡重蔵 活版習作集』も展示中の

2階ギャラリーを見せていただき、本日のツアーは終了しました。

 

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※本イベントのためにご厚意で、特別に開けていただきましたが

 通常、土日・祝日は営業していません。

 

上田さん、立ち寄らせていただいたお店の方々、

そしてご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

Posted at:14:00

九段小学校「本に出てくる料理」の給食

 

千代田図書館では、区内の小学校や中学校などの教育施設を

書が訪問し、読書支援活動を行っています。

今回はそのひとつ、九段小学校の給食の取り組みをご紹介します!

 

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九段小学校では、今月から月に一度

「本に出てくる料理」が給食に登場します!

読んだことのあるおはなしのメニューを

学校で食べられるなんてとっても楽しそうですね♪

今回は特別に、給食の時間にお邪魔させてもらいました!

 

子どもたちが待ちに待った給食の時間。

この日のメニューは、鮭のムニエル、ボイルアスパラガス、

マッシュポテト、お豆のスープにごはんと牛乳です。

 

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この中のお豆のスープマッシュポテは、

絵本『くまのがっこう』

(あいはらひろゆき/文 あだちなみ/絵 ブロンズ新社)

に出てくる料理で、12匹のくまの子たちが学校で

力を合わせて作るお昼ごはんのメニューです。

 

大豆とたっぷりの野菜が入ったお豆のスープ

しゃきしゃきのレタスを入れて、挿絵に忠実な

きれいな緑色のスープになりました。

見た目だけでなく養バランスも考えられています。

 

月に一度のこのメニューは、学校支援担当司書

栄養士の先生が考えています。

みんなが知っていて、人気のあるおはなしを選ぶだけではなく

栄養が豊富で、季節の食材をとり入れられる献立

話し合って準備し、調理しています。

「子どもたちには、物語の印象を味覚でも楽しんでもらいたいです」

と栄養士の藤浪先生。

 

給食は毎日の「ひとくちメモ」とともに各クラスへ届けられます。

「ひとくちメモ」には献立や食材のクイズが書かれていたり

この日の料理が登場する本の紹介やストーリーも紹介されていました。

「このおはなし知ってる?」「読んでみたい!」と

クラスでも楽しい話題が広がりそうですね♪

 

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また、校舎2階のランチルームの前では

今日の献立とともに本を紹介。

お昼休みには多くの子どもたちが「今日の給食の本」

手に取って見ていました。

 

九段小学校でのこの取り組みは年間を通して続き、

秋の読書週間には特別メニューも考えられているとか。

楽しんで食べながら、物語への興味も生まれる

「本に出てくる料理」の給食をご紹介しました!

 

Posted at:14:00

本と出会う読書サロン 第8期オープニングイベントを開催しました!

 

5月20日(火)、「本と出会う読書サロン」第8期の

スタートとして新規メンバー募集をかねた

講演会「雑誌制作の現場から~取材・制作のおもしろさ楽しさ~」

を開催しました。

 

講師は、女性向け雑誌『ゆうゆう』の編集長として活躍中の

子安 啓美(こやす・ひろみ)さんです。

 

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主婦の友社で長らく、雑誌の編集にかかわってきた子安さん。

女子大生向け雑誌、OL向け雑誌、女性向けの旅雑誌

そして「アラサー」という言葉を生み出した

ファッション誌『GISELe(ジゼル)』の編集を経て

2007年よりシニア向け女性誌『ゆうゆう』の編集に。

2012年4月からは編集長を務めています。

 

「アラサー女子」をターゲットにしていた雑誌から

50代、60代…なんと90代の女性までが愛読する雑誌への異動。

普通のファッション誌とはひと味もふた味も違う『ゆうゆう』の

雑誌作りについて、楽しくお話しいただきました!

 

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「ターゲットの細分化がどんどん進む女性誌の中で

『ゆうゆう』は読者が卒業しない雑誌なんです」

トレンドをむやみに追及するよりも、

日々楽しく暮らすことを提案するのが『ゆうゆう』のモットー。

制作のスケジュールも少し変わっていて、丁寧な誌面作りのため

かなり先の販売分まで、3~4冊を同時進行で編集していくのだそうです。

 

年に一度の「私の挑戦」大賞は、読者がその年に挑戦した

エピソードを投稿し、大賞を決めるというもの。

毎年500通以上もの応募が寄せられる『ゆうゆう』の名物企画です。

「2013年の日本女性の平均寿命は86.35歳。

常に新たなことにチャレンジし続ける読者の方々に支えられて

50代の私はまだまだ若造だと実感しながら本を作っています」

 

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40~50代の担当編集者は「自分自身のお母さんを意識して」

また定年を迎えた社員も編集会議に加えるなど、

『ゆうゆう』ならではの読者に寄り添った雑誌作りの現場のお話を

聞くことができました。

 

講演の後半では、子安さんがこれまでに遭遇、また見聞きした

さまざまなハプニングや失敗談をお話しいただき、

和やかな雰囲気の中、参加者からの質問にも丁寧にお答えいただきました。

 

参加された方からは

「普段知らない世界の話を聞けてワクワクした」

「接点のない世代の雑誌だったが興味がわいた」などの声を

いただくことができました。

 

子安さん、ありがとうございました!

 

「本と出会う読書サロン」では、第8期メンバーの募集を行っています。

詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:16:00

「第6回ことばと音のフェスティバル♪」開催しました!

 

5月10日、6回ことばと音のフェスティバル

「ふしぎな楽器“ストリングラフィ”コンサート」を開催しました。

 

糸電話の原理を応用した、絹糸と紙コップでできた楽器

「ストリングラフィ」のコンサート。

この楽器からどんな音が出るのでしょうか?

期待が高まります。

 

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いよいよ開演。

まずは、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」

「大きな古時計」などの演奏をお楽しみいただきます。

 

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バイオリンやチェロにも似た、繊細で温かみのある音色。

会場が一つの大きな楽器になったような、音に包まれる体験に

子どもだけでなく大人も夢中になります。

  

「糸と紙コップだけでどうやって音が出ていると思う?」

「今日は実験をしながら、ストリングラフィの秘密を教えるね」

 

 

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楽器のしくみの説明も交えながら、楽しいプログラムが続いていきます。

 

そして、おはなしとコラボレーションした

『ピン・ポン・バス』(竹下文子作)の始まりです!

学校支援担当司書が朗読を担当し、ストリングラフィの音色とともに

おはなしが進んでいきます。

  

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町の中を走るバスの風景がたのしい『ピン・ポン・バス』。

行きかう車やオートバイの音、スーパーマーケットや学校の音まで

様々な音がストリングラフィからとび出し、

まるで、一緒にバスに乗っているような気分に。

 

つぎは『ブレーメンの音楽隊』(グリム作)です。

こちらは、ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリといった

様々な動物の鳴き声や足音を楽器で表現。

 

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「山の音楽家」「かえるの合唱」など、みんなが知っている歌の

演奏も各所に織り込まれて、子どもたちからは自然に歌声が湧き起こりました♪

 

ふだんの絵本の読み聞かせとはひと味違った、

ストリングラフィとのコラボレーションでした!

多彩な音色が加わって、おはなしの世界がひろがる楽しみを

味わっていただけたのではないでしょうか。

 

最後に「カノン」を演奏してコンサートは終了。

終了後に、会場に設置された1本のストリングラフィを使って

音を出す体験もしていただきました。

 

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合図に合わせて、みんなで小鳥やかえるの鳴き声を奏でました!

 

2回の公演に、合わせて130名以上の方にご来場いただきました!

「ヨムキクちよだ」は、来年もこどもの読書週間に合わせて

親子そろって本に親しむことのできる、様々な催し物を

企画していきます。どうぞお楽しみに!

Posted at:09:00

「ことばと音のフェスティバル♪」練習風景レポート

 

5月10日(土)は6回ことばと音のフェスティバル♪

ふしぎな楽器“ストリングラフィ”コンサートです。

いよいよ開催が近づいてきました!

 

先日行われた、ストリングラフィと朗読のコラボレーション

合わせ稽古のようすをレポートします♪

 

この日、千代田図書館の学校支援担当司書たちは

ストリングラフィ・アンサンブルのスタジオ・イヴへ

お邪魔しました。

 

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練習場に張りめぐらされた、ソプラノ、アルト、ベースの

3台のストリングラフィがお出迎え。

練習の前に何曲か演奏していただきましたが、

まるで楽器の中で音楽を聴いているよう!

部屋全体が美しい音色に包まれます。

 

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学校支援担当の司書たちも初めて見る楽器に興味津々。

 

当日のコンサートでは、ブレーメンの音楽隊』(グリム作)と

『ピン・ポン・バス』(竹下文子作)の2つのおはなしの朗読と

ストリングラフィの音楽とのコラボレーションを行います!

 

メロディを奏でるほかに、さまざまな動物の鳴き声

風や雨といった自然の効果音、車など街の効果音を出すのも

得意なストリングラフィ。

 

動物たちがたくさん登場する『ブレーメンの音楽隊』に

バスに乗っているような気分になれる『ピン・ポン・バス』。

音と朗読を合わせるタイミングなどをしっかり練習して、本番に備えます。

 

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朗読にストリングラフィの音色が加わって、

おはなしの世界がいきいきと動き出すようなプログラムをお楽しみに♪

子どもも大人も楽しめるコンサートに、ぜひご来場ください!

 

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ヨムキクちよだ2014

第6回ことばと音のフェスティバル♪

ふしぎな楽器“ストリングラフィ”コンサート

 

【日 時】 5月10日(土)

1回目11:00~/2回目14:00~

各回約1時間(開場は開演の15分前)

【会 場】 千代田区役所1階=区民ホール

【入場料】 無料

【席 数】 60席(当日先着順・申込不要/立ち見可)

【出 演】 演奏:水嶋一江さん、篠原もとこさん、

KIKUさん、鈴木モモさん

朗読:千代田図書館 学校支援担当司書

詳細は→コチラ

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Posted at:09:00

「ヨムキクちよだ2014」が始まりました!

4月23日~5月12日の「こどもの読書週間」にあわせて

千代田区立図書館では、家族で楽しめるイベント満載の

「ヨムキクちよだ2014」を開催しています。

 

千代田図書館9階 第2展示ウォールでは

この期間中、絵本の展示「うたう絵本 かなでる絵本」を行っています。

 

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読んでいるだけで音が聞こえてきそうな、楽しいおはなしの絵本や

赤ちゃんも楽しめるわらべうた絵本、

身近にある材料で自分だけの楽器が作れる工作の本など、

音楽をテーマに絵本や読み物30を展示しています!

 

展示している本はすべて貸出可能です。ぜひお手にとってご覧ください。

(貸出中の場合はご了承ください)

展示本のリストも配布しています。

 

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ヨムキクちよだ2014

展示「うたう絵本 かなでる絵本」

【期 間】 5月12日(月)まで開催中

※4月27日(日)は休館日

【場 所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

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また、千代田区役所1階 さくらベーカリーでは

「おはなしに出会えるパン屋さん2014が好評開催中です♪

 

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今年は『ブレーメンのおんがくたい』に出てくる

にわとり、ねこ、いぬ、ろばがかわいいパンになって登場です!

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写真左から

・にわとりボール 105円・ねこのジャムパン 155円

・ドッグパン 135円・ろばのチョコパン 155円

 

5月10日開催の「ふしぎな楽器“ストリングラフィ”コンサート」で演奏される

紙コップと絹糸でできた楽器「ストリングラフィ」をイメージして

紙コップの中に3種のミニサイズのパンを入れた

カップパンも販売しています♪

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写真はミニメロン、ミニチョコロール、ミニ大納言クリームのセット。

他に、ミニクロワッサン、ミニチョコロール、ミニ大納言クリームのセットもあります。

各205円(パンの価格はすべて税込です)

 

絵本の世界にぴったりのかわいいパンが揃いました♪

千代田図書館で展示を見たら、さくらベーカリーにもぜひお立ち寄りください!

 

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ヨムキクちよだ2014

「おはなしに出会えるパン屋さん2014

【期 間】 5月12日(月)まで開催中

      ※定休日 日・祝

【場 所】 千代田区役所1階=さくらベーカリー

【協 力】 さくらベーカリー(ジョブ・サポート・プラザちよだ)

 

特製サブレをプレゼント

期間中、さくらベーカリーでお買い物の際、

レジで千代田区立図書館の貸出券を見せると、

特製サブレがもらえます!(数量限定・先着順)

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ヨムキクちよだ2014について、詳しくはコチラをご覧ください。

Posted at:09:00

高校生による「つながる」をデザインするワークショップ 開催しました!

 

3月29日(土)、春休み中の高校生を対象とした

「つながる」をデザインするワークショップを開催しました!

 

今回集まってくれたのは、新高1以上の8名の皆さん。

このワークショップでは、2チームに分かれてのグループワーク

千代田図書館を舞台に「あたらしい交流の形」を考え

発表することに取り組みます。

 

学校も住んでいるところも違う初対面のメンバーとアイデアを発想し、

形にするのに「デザイン思考」をベースにした考え方を使います。

※「デザイン思考」とは…

デザイナーが新しいアイデアを考えるときの発想法を、

誰でも問題解決のために応用できるようにプロセス化した考え方のこと

 

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説明だけを聞いているとなんだか難しそう…。

まだ表情が硬めの皆さんです。

 

まずは千代田図書館のコンシェルジュによるガイドツアーへ。

図書館を見学した後、高校生にとっての「図書館とは」「交流とは」を話し合います。

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「図書館を通じて、幅広い年代の利用者と交流したい」と意見が

まとまったのはAチーム。一方Bチームは「本でつながる」を目指した

交流の形を考えることに決めたようです。

ここで生まれたキーワードに沿って今日のワークショップを進めていきます。

 

続いて、千代田図書館周辺の環境を観察するために

さくらみちフェスティバルで賑わう神保町古書店街へ。

古書店街や本と街の案内所を見学しました。

中には、古書店を見ることが初めてだという参加者も。

 

「幅広い年代との交流」を考えたいというAチームは、

さくらみちフェスティバルの休憩所で、思い切ってインタビューを決行!

様々な年代の方が快く答えてくださいました。

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会場に戻って昼食後、図書館や街の観察で気がついたこと

書き出してグループ内で共有し、そこから解決すべき問題を見つける

ワークが行われました。

小さな気づきをメモして書き出し、グループ内で集めて

似たものを分類・整理し、アイデアを組み立てていく…。

 

話し合っているうちに、あっという間に中間発表の時間です。

それぞれのグループで考えたアイデアを、寸劇か紙芝居で発表します。

 

Aチームは「図書館にこんなコーナーがあったら世代間で交流できる」という

アイデアを寸劇で発表、

Bチームは「借りた本の感想を利用者同士で共有する」という

アイデアを紙芝居で発表しました。

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限られた時間の中で、なんとか形にして発表した2チーム。

発表を見たプロのデザイナーから「よかった点」「修正すべき点」

アドバイスされ、さらにこのアイデアを磨く時間が与えられました。

 

よりよいアイデアにするために、さらに伝えやすくするために…。

一度考えたプランを組み立てなおすことに、チーム全体で

果敢に取り組む皆さんの姿が印象的でした。

 

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いよいよ最終発表

Aチームは中間発表から、さらに具体的なプランとして

図書館内でのイベントを発案し、より細部までこだわった寸劇で表現。

Bチームは中間発表での紙芝居を寸劇に組み立てなおし、

より伝わりやすい形で発表しました。

 

発表後、観戦者が審査員となり

「問題の着眼点」「アイデアの独自性」「プレゼンの表現力」

の3つのポイントで採点を行います。

採点の結果はBチームの勝ち!

2チームの点差はたったの1点とかなりの接戦になりました。

両チームともすっかり緊張が解けて、最後は充実した表情で

一日のプログラムを終えました。

 

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次から次へと考えをめぐらせ、仲間と共有してアイデアを磨き

形にするという慣れない体験を通し、参加者からは

「疲れたけど楽しかった!」「他校の生徒と知り合えてよかった」

という声が聞かれました。

参加者の皆さん、おつかれさまでした!

Posted at:09:00

コンシェルジュツアー"神保町まち物語"編を開催しました!

3月1日(土)

「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー“神保町まち物語”編」

を開催しました!

 

恒例のコンシェルジュツアー、今回はテーマを「神保町の今昔」として

「本の街」神保町のなりたちや街の変遷をたどります。

まずは千代田図書館内で、コンシェルジュによるツアーの予習、

神保町の歴史を学ぶレクチャーが行われました。

 

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武家屋敷が立ち並んでいた江戸時代から、神田の大火や関東大震災を

くぐり抜けて、学生の街・本の街へと発展してきた街の様子を解説していきます。

レクチャーでは、コンシェルジュの解説とともに

千代田区立図書館に所蔵されている資料を広げたり

千代田Web図書館の古地図を、iPadを使ってご覧いただきました。

 

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神保町古書店街だけでなく、千代田図書館周辺の話も。

現在千代田図書館があるこの場所、江戸時代には

江戸城の厩(うまや)=馬を飼う小屋や蔵があったとのこと。

ご存じでしたか!?

 

レクチャーの後に休憩をはさみ、いよいよツアーへ出発です。

 

千代田図書館を出て、まずは九段坂方面へ。

現在昭和館がある場所には、江戸時代に蕃書調所(ばんしょしらべしょ)がありました。

 

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もとは江戸幕府が海外事情の調査と教育のために創設した機関ですが

のちに名前、場所を変え現在の東京大学へと発展しました。

「学生の街」神保町の歴史はこの場所から始まったのですね。

 

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靖国通りを神保町方面へ。俎橋(まないたばし)のあたりから

九段坂を振り返って、このあたりに路面電車が走っていた

明治後期~大正当時の絵はがきと現在の街の様子を比べてみます。

 

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神保町に入ってきました。

昭和初期、関東大震災の復興期に建てられた看板建築矢口書店など

当時の面影をそのままに残す建物が現在も残っているのは

戦災を免れた神保町ならでは。

 

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こちらも同時期に建てられた旧相互無尽会社ビルです。

コンクリート建築の表面をスクラッチタイルで覆い装飾しているのが特徴です。

この付近には大正11年にオープンした映画館東洋キネマもありました。

昭和初期、神保町には10館もの映画館が立ち並んでいたそうです!

 

この後も老舗の古書店や歴史的建築物を巡り、ツアーのゴール地点

本と街の案内所でコンシェルジュツアーは終了です。

 

参加されたのは、昔このあたりで学生生活を送っていた方、働いていた方から

今まで古書店街にはあまりなじみがなかったという方、

はじめて神保町に来たという方まで様々でした。

街の歴史を知ると、街歩きがますます楽しくなりますね♪

ツアーをきっかけに、神保町を隅から隅まで楽しんでいただければと思います。

 

参加された皆さん、ありがとうございました!

 

千代田図書館9階コンシェルジュブースでは、今回のツアーの内容をもとに

図書館コンシェルジュの『本と街の見聞調録』Vol.30

「神保町の歴史をたどる」を配布しています。

ぜひお手に取ってご覧ください!

(千代田図書館ホームページでも、コチラからご覧いただけます)

Posted at:15:00

四番町図書館のラウンジセミナー
「おはなし会をつくろう―実践読み聞かせ講座―」

四番町図書館で、ラウンジセミナー

「おはなし会をつくろう―実践読み聞かせ講座―」が開催されました。

このセミナーは、ご家庭での読み聞かせに活かしたいという方や

図書館などでの読み聞かせボランティアを行いたいという方を対象にした

2回連続の講座です。

講師を務めるのは、 毎週金曜日と第4日曜日におはなし会 を行う

四番町図書館の宮崎館長です。

 

1回目の今回、テーマは「プログラムをたてる」です。

講座はまず、素ばなし『蛙ぼたもち』で、受講者の皆さんに

おはなしを聞く体験をしていただくことから始まりました。

 

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絵を見ながら読む絵本と違って、耳だけでおはなしを聞いていると

大人でも、聞きながら頭の中に様々なイメージがふくらみ、

おはなしの世界へ引き込まれます。

 

子どもたちの想像力や集中力を伸ばし、本を好きになってもらうきっかけとして

欠かせないのが、お母さんやお父さんといった家族や親しい人にしてもらう

おはなし読み聞かせだといいます。

 

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「個々の絵本やおはなしを結びつけて、聞いている子どもたちを

  おはなしの世界に誘うプログラム作りは、おはなし会を作るうえで

  重要な要素です」と宮崎館長。

 

図書館で行うおはなし会でも、子どもたちを飽きさせないよう

手あそびを効果的に使ったり、ストーリー性を感じられるプログラム作り

したりと工夫しています。

 

つぎに、実際に絵本を何冊も挙げながら、絵本の種類やその特徴、

子どもの発達にあわせた絵本の選び方などが話されました。

 

「絵本選びに迷ったら、自分が読んでみて言葉が

  すんなりいくもの、ひっかからないおはなしを選ぶとよいです」

「読む自分が好きだから選ぶ、ということでもいいんですよ」

 

さらに、おはなし会を作るために必要な

具体的なプログラムの作り方や、読み聞かせに集中できる会場の作り方に加えて

絵本を読み聞かせするときに心がけたい、

読み方や絵本の持ち方・めくり方のコツも実演しました。

 

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「表紙、見開き、扉も順を追ってしっかり見せましょう。

 自分が読むときと同じようにめくりながら読んであげてください」

 

この講座では、次回の第2回に受講者が

自分で選んだ絵本の読み聞かせを行い、講評しあうということで

和やかなムードの中でも、皆さん真剣に聞き入っていました。

 

定員数を大幅に上回る、たくさんの方々にご参加いただいた

四番町図書館ラウンジセミナーの様子をお伝えしました!

皆さん、次回の読み聞かせ実践も頑張ってくださいね。

 

 

Posted at:09:00

「ようこそ!しかけ絵本の世界へ」展 本日から始まりました!

本日から12月15日(日)まで、

千代田区役所1階 区民ホールにて

「ようこそ!しかけ絵本の世界へ―120冊のとび出す絵本展―」

開催しています!

 

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会場には、実際に手に取って楽しめる

しかけ絵本が120冊以上展示されています!

普段、図書館や書店ではなかなか触れることのできない

しかけ絵本を、たっぷり楽しめる機会ですので、ぜひ遊びに来てください♪

 

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しかけ絵本を芸術の域にまで高めたといわれる

現代の人気作家、ロバート・サブダデヴィット・A・カーター

精巧で、迫力満点の絵本。

 

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ドールハウス型のしかけ絵本は、

なんと360度に開くしかけです!

 

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幅広い年齢の読者に愛され続けるピーターラビットのしかけ絵本のコーナー。

 

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男の子もワクワクの、乗り物や恐竜のしかけ絵本

たくさんあります!

 

このほか、歴史的に貴重な、しかけ絵本の復刻版のコーナーや

映像で見る「しかけ絵本のしくみ」、しかけ絵本の歴史がわかるパネル展示など、

盛りだくさんでお待ちしています。

 

子どもから大人まで夢中になれる、しかけ絵本の世界へ

ぜひ、お立ち寄りください!

 

 

「ようこそ!しかけ絵本の世界へ―120冊のとび出す絵本展―」

 

【期 間】開催中~12月15日(日)

【時 間】10:00~19:00(最終日は17:00まで)

【場 所】千代田区役所1階 区民ホール

【入場料】無料

 

 

Posted at:15:00

ふじみこども園の皆さんが千代田図書館へ遊びに来てくれました!

千代田図書館の千代田区読書振興センターでは

区立の小中学校や幼稚園・保育園などの教育関連施設へ

司書を派遣しています。

その派遣先のひとつ、ふじみこども園の皆さんが

千代田図書館へ遊びに来てくれました♪

 

ふじみこども園は、1年に2、5歳児が千代田図書館を訪れて

本に親しみ、図書館の使い方を学んでいます。

今回来てくれたのは、ふぁいと1組・2組の皆さんです。

 

ふじみこども園担当の司書が皆さんをお出迎え。

まずは、子ども室で絵本『あきいろおさんぽ』

(村上康成/作・絵 ひかりのくに)の読み聞かせです。

 

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秋にぴったりの、たのしいお散歩のおはなしです♪

 

今年6月にも千代田図書館で、司書から

本の正しい持ちかた扱いかた本の借りかたを教わった皆さん。

「図書館には、今読んだ絵本以外にも、いろいろな種類の本があるよ」

今日は絵本やおはなしの本以外に、知りたいことを調べる本や

たくさんの言葉が載っている事典、おりがみなどのやり方が載っている本など

図書館にあるいろいろな本の種類について

本を見ながら、司書の話を聞きます。

 

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こんなに大きい、恐竜の大きさがわかる本もありますよ!

 

次に秋らしいおはなしをもう一つ。

がまくんとかえるくんの本『ふたりはいつも』

(アーノルド・ローベル/作・絵 三木卓/訳 文化出版局)

から、「おちば」というおはなしです。

 

最後に、千代田図書館の本から一人一冊ずつ

自分が読みたい本を借りていきます。

 

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本が決まったら、カウンターの司書のところへ。

時間をいっぱいに使って、じっくりと選ぶ子、

すぐに決めて、さっそく借りた本に熱中する子…。

みんなとても楽しそうに、思い思いに本を選んでいました。

 

千代田図書館の後は、本をもって北の丸公園へ行き

どんぐり拾いをして、ふじみこども園へ戻っていったそうです。

絵本やおはなしで聞いたような、ちいさな秋を発見できたかな?

 

ふじみこども園の皆さん、ぜひまた

千代田図書館へ本を借りに来てくださいね♪

 

 

Posted at:09:00

本と出会う読書サロン 第7期オープニングイベント
講演会「翻訳家は透明人間?」を開催しました!

11月19日(火)、「本と出会う読書サロン」第7期のスタートとして

新規メンバー募集をかねた講演会を開催しました。

 

講師は、幅広いジャンルの文芸翻訳で活躍中の

翻訳家 西田 佳子(にしだ・よしこ)さんです。

 

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外国語の作品が、日本語に訳されて私たちの手元に届くまで

翻訳家はどんなことを考えながら、どんな仕事をしているのでしょうか。

今回は、私たちが知っているようで知らない翻訳家という仕事について

詳しくお話しいただきました。

 

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講演の冒頭で「翻訳家には、英語の能力よりも日本語の能力のほうが

より求められるのではないでしょうか」とお話しされた西田さん。

なによりも、読みやすくて分かりやすい日本語を使うことを

第一に心がけているそうです。

そうすることで、翻訳作品を読んでいるということを読者が忘れるくらい

本の上では“透明人間”になりたいというのが西田さんの目標。

 

また、「翻訳は、読者に原文の意味が通じれば

それでいいというわけではありません」とも。

英文解釈のために訳す時と翻訳との大きな違いは

読者を楽しませる目的があるということだと、実際の英文を使いながら

説明してくださいました。

 

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 「英語の文法通りなら、後ろから訳すのが一般的ですが

   登場人物の動きや物語に沿って、前から訳すのが翻訳の原則です。

   そうすることで、より読みやすくすっきりとした文になります」

 

この他にも、小学生向けや中高生向けの翻訳を

多く手がけてきた西田さんならではの、読みやすさを重視した

翻訳のテクニックや、外国文学が翻訳されて日本で出版されるまでのお話しを

ときには失敗談なども織り交ぜながら、楽しくお話しいただきました。

 

最後に、千代田区立図書館に所蔵している

西田さんの訳した本の一部を、一冊一冊取り上げながら

作品紹介翻訳時のエピソードをお聞きしました。

 

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 「翻訳家になってよかったことは、自分が原書や英語の原稿を読んで

   日本の読者にこれを読んでほしい!と思った本を紹介する橋渡しになれること」

という言葉が印象的でした。

 

これからもさらに様々な作品の翻訳で活躍が期待される西田さん。

来月には、共訳の

『わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』

(マララ・ユスフザイ クリスティーナ・ラム/著

 金原瑞人 西田佳子/訳 学研マーケティング)が発売されます。

 

西田さん、ありがとうございました!

 

「本と出会う読書サロン」では、第7期メンバーの募集を行っています。

詳しくはコチラをご覧ください。

 

 

Posted at:09:00

ツアー"珈琲と古書を愉しむ秋"編を開催しました!

11月9日(土)

「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー“珈琲と古書を愉しむ秋”編」

を開催しました!

 

まずは前半、10階の特設イベントスペースで

今回の講師、“カネコーヒー”金子未歩さんが淹れてくださった

コーヒーを味わいながら、コーヒーにまつわる色々なお話をお聞きします。

 

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千代田図書館が、今日だけは小さな喫茶店に変身!

コーヒーのいい香りが広がりました。

 

高校生の頃コーヒーの魅力に目覚めたという金子さん。

現在は、世界20か国の豆を選び抜いて、自家焙煎したコーヒーの販売

映画館・ギャラリーなどに出向いてはコーヒーを提供する出張喫茶で活躍中です。

そんな金子さんが「コーヒーを好きになるきっかけをくれた」のは

神田神保町だったそうです。

高校生、大学生の時代から今でも通い続ける思い出深いお店の数々や

神保町のカレー店、古書店でのアルバイトのエピソードも語っていただきました。

 

次に、コーヒーの淹れ方について。

フレンチプレスサイフォンハンドドリップの3つを

実演しながら、抽出と濾過の仕組みの違いや味の違い、

淹れ方のコツなどについてお話しいただきました。

 

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プロ並み、喫茶店並みとまではいかなくとも、自分好みの味に

淹れられるよう試行錯誤するのも、コーヒーの楽しみのひとつかもしれません。

参加した皆さんからも、家でコーヒーを淹れるときの質問が次々に出てきました。

 

最後にもう1杯ずつコーヒーを淹れていただきます。

今回、1杯目はコロンビアの豆、2杯目はエチオピアの豆と

味わいの違いが分かりやすい、2種類のコーヒーをご用意いただきました。

 

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コーヒーを丁寧に淹れる手元はやはり職人技。

 

 

休憩をはさみ、いよいよ神保町ツアーへ出発です!

 

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世界最大といわれる古書店街に加え、新刊書店や出版社も

数多く集まるこの町の歴史やトリビアなどを交えながら、

神保町を目指します。

 

今回はテーマにあわせ、料理にまつわる本やレシピ本など

飲食関連の分野の資料がとくに豊富な古書店

鳥海書房姉妹店と、高山本店に立ち寄り、店内を見せていただきました。

 

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鳥海書房姉妹店では、江戸時代の料理本を

手に取って見ることができました!

このように、専門的な古書店が集まっているのも神保町の特徴のひとつです。

 

次に、前半のお話にも登場した、神保町に点在する

老舗の喫茶店の数々を巡っていきます。

 

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路地裏に連なる、神保町の歴史を見守ってきた喫茶店の数々…。

昔から変わらない風景です。

 

本と街の案内所にたどり着いたら、今回のツアーは終了。

金子さん、立ち寄らせていただいた古書店の方々

そしてご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

 

 

Posted at:09:00

レポート「自分流アメリカ留学の見つけかた」

10月16日、米国大使館レファレンス資料室との連携で

アメリカ留学を考える人のためのセミナー

「留学アドバイザーが教える 自分流アメリカ留学の見つけかた」

を開催しました。

 

講師を務めたのは、日米教育委員会(フルブライトジャパン)

留学情報アドバイザー・市川 敦子氏です。

(当初、講師は米国大使館レファレンス資料室の橋本 由希子氏と

ご案内していましたが、開催日当日、米国政府機能の一時的停止により

変更となりました。)

 

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国際的な視野を広げたい、勉強や仕事に活かす語学力を身に付けたいと思う

学生やビジネスパーソンの留学先として根強い人気のあるアメリカですが

実際に留学を考えるとき、まず何から始めていいかわからないという方は

多いのではないでしょうか。

 

日米教育委員会(フルブライトジャパン)米国大使館レファレンス資料室

アメリカ国務省・教育文化局から支援を受けた

Education USAアドバイジングセンターとして、

自分に合ったアメリカへの留学方法を探している方を応援しています。

 

講演では、自分が何のために留学をするか・留学して何をするかという

目的さがしから始まり、語学留学・大学や大学院への留学などの

学び方の種類やそれぞれの学校の特徴留学準備の流れなど

順を追って詳しくお話しいただきました。

 

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 「留学先選びをきちんとできるかが、

   留学を実りあるものにできるかを左右します」と市川氏。

 

また、情報収集に役立つインターネットのサイトを開きながら

その活用法をお話しいただいたり、

滞在先を考える際のアメリカの地域別の特徴なども教えていただきました。

 

参加者は高校生・大学生から、ビジネスに活かす留学をお考えの社会人

また、お子様の留学を考える保護者の方など、さまざまでしたが

セミナー終了後も熱心に質問をする方が多く見られたのが印象的でした。

 

参加者からは

 「留学に対して漠然とした憧れしかなかったが、

   具体的にやるべきことがわかり大変よかった」

 「アメリカ留学について相談できる施設のことが知れてよかった」

という声を聞くことができました。

 

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市川さん、ありがとうございました!

 

千代田区立図書館では、日比谷図書文化館四番町図書館

米国大使館によるアメリカンシェルフを設置しています。

(アメリカンシェルフについて、詳しくはコチラの記事をご覧ください)

こちらでは、アメリカより寄贈された本を利用することができますので

ぜひ情報収集にお役立て下さい!

 

 

Posted at:09:00

「ブックスタート」をご存じですか?

今日は、千代田図書館が千代田保健所とともに取り組む事業

「ブックスタート」をご紹介します!

 

「ブックスタート」とは、

市区町村自治体が行う0歳児健診などの機会に

「絵本」と「赤ちゃんと絵本を楽しむ体験」をプレゼントする活動です。

NPOブックスタート ホームページより)

 

千代田図書館では、千代田保健所で行っている 3、4ヶ月乳幼児健診 

千代田区内のすべての赤ちゃんとその保護者を対象に

「ブックスタートパック」のプレゼントを実施しています。

 

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↑こちらが「ブックスタートパック」

 図書館のおすすめ絵本や、

 ブックリスト「赤ちゃんと楽しむ絵本ガイド」のほか

 千代田区立図書館の利用案内やおはなし会のお知らせも入っています♪

 

3、4ヶ月乳幼児健診の日は、保健所の一角に

「赤ちゃん絵本コーナー」を設けています。

赤ちゃんと保護者は、健診を待つあいだに

こちらのコーナーで、千代田図書館所蔵の絵本を楽しむことができます。

 

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ここでは、千代田図書館の児童担当の司書たちが

絵本の読み聞かせ手あそびを行ったり、わらべうたを歌って

赤ちゃんと保護者に、絵本を使ったコミュニケーションの大切さを伝えています。

 

まだ言葉のわからない小さな赤ちゃんでも、お母さんや司書の

絵本を読む声や歌声を聞くと、嬉しそうな笑顔を見せてくれます。

保健所での健診の間に、ほっと一息つくとともに

親子で絵本を楽しむきっかけづくりになればと思います♪

 

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気に入った絵本はその場で借りて帰ることができるほか、

千代田区立図書館の貸出券の作成や

司書による絵本選びのアドバイスなども行っています。

健診においでの際は、千代田図書館の司書にお気軽にお声掛けください!

 

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千代田図書館のホームページでも、この取り組みを詳しくご紹介しています。

くわしくはコチラをご覧ください。

 

 

 

Posted at:09:00

レポート:ドイツのイラストレーター Ulf K.さんとおはなしを作ろう

四番町図書館で、ドイツのイラストレーター Ulf K.(ウルフ・カー)さん

小学生の皆さんが、イラストを描きながら

自分だけのおはなしを作って楽しむイベントが開催されました!

 

Ulf K.さんは、ドイツでイラストレーター・コミック作家として活躍中で

子ども向け・大人向けのコミックや絵本を数多く出版しています。

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Ulf K.さんの作品には、シンプルな線で描かれた

親しみやすいキャラクターが登場します。

ドイツには子ども向けのコミックが少なく、自分で作りたかったというお話や

これまでに出した数々の本の紹介をしていただきました。

 「絵を描くときに心がけているのは、思いついたことをパッと描いてみること。

  他の人がどう思っても、自分の描きたいものを描けばいいんだよ」

と子どもたちに語りかけながら、実際に絵を描いてみせてくれる場面も。

 

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↑絵本『ペレとブルーノ』に登場するキャラクター

ネコのペレがみるみる描きあがっていきます!

 

そして、いよいよおはなし作りの始まりです。

今日はUlf K.さんから子どもたちへ、2つの課題が出されました。

①空白のある3つのコマに絵を描きこんでおはなしを作ろう

②1ページに印刷されたおはなしの続きをスケッチブックに描こう

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↑左が課題①、右が課題②

 

さて、どんなおはなしが生まれるでしょうか?

すぐに取りかかる子、紙に描かれたキャラクターの色塗りから始める子も…。

おはなしや絵が思い浮かばなくて、なかなか取りかかれずにいる子には

Ulf K.さんがやさしく声をかけていきます。

 「絵のキャラクターがびっくりしているね。君はどんなときにびっくりする?」

 「男の子が入っていった家はちょっと怖そうだよね。どんなことが起こるかな?」

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 「びっくりした人が飛び上がっている絵はどう描くの?」

 「水から大きな怪獣が出てくる絵が描きたい!」

子どもたちからも質問やリクエストが出てきます。

そのひとつひとつにお手本を見せてくれたり、一緒に考えたりしていくうちに

みんなどんどんアイデアが浮かんで、おはなしを描き進めていきます。

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最後には、みんなが思い思いに描いたたくさんのおはなしが出来上がりました!

中にはイベントの終了後も残って絵を描き続けた子もいるほど。

 「みんなひとりひとり違うおはなしが出来て、すごいね!

  とても楽しかったね」とUlf K.さんも喜んでいました。

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Ulf K.さん、ありがとうございました!

 

Ulf K.さんの本は、四番町図書館でご利用いただけます。

ドイツ語の本ですが、絵を見ているだけで十分に楽しめるものばかりです。

ぜひお手に取ってご覧ください♪

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また、現在武蔵野美術大学で開催中の「13人のドイツ・コミック作家展」でも

作品を展示中です。こちらもぜひご覧ください。

「13人のドイツ・コミック作家展」

【会 場】武蔵野美術大学 美術館展示室2

【期 間】2013年11月16日(土)まで

【休館日】日曜日、祝日(9/23(祝)、10/27(日)、11/4(祝)は特別開館日)

【時 間】10時~18時(土曜、特別開館日は17時まで)

【入場料】無料

詳しくは→コチラ

 

 

Posted at:09:00

中川学さんのサイン会&親子イベントを行いました!

千代田図書館で開催中の企画展示「泉鏡花―その生涯と作品」

もうご覧になりましたか?

その中でもひときわ目を引くのが、館内4か所で展開する

『絵本化鳥(けちょう)』の原画展です。

 

先日、この原画を描いたイラストレーターの中川学(なかがわ・がく)さん

サイン会『絵本化鳥』の世界を親子で楽しむイベントが行われました!

 

イラストレーターとして活躍中の中川さんは、京都のお寺の僧侶でもあります。

作務衣姿で、来場者と気さくにお話ししながら

直筆イラスト入りのサインを書いてくださいました!

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展示期間中、10階の「ぬり絵コーナー」では

『絵本化鳥』に出てくる“鮟鱇博士(あんこうはかせ)”のぬり絵ができます。

たくさんの子どもたちが、思い思いに色を付けたぬり絵は

10階児童書コーナーの各所に展示されています。

 

次はこの「ぬり絵コーナー」に移動し、子どもたちとおしゃべりしながら

中川さんも一緒に鮟鱇博士のぬり絵を楽しみました。

 

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「子どものぬり絵の発想はすごいですね。大人が頑張ってもかないません」

子どもたちの力作を気に入ってくれた様子の中川さんでした♪

 

そして、この鮟鱇博士が出てくる場面を中心に

コンシェルジュによる『絵本化鳥』の朗読が始まりました。

幻想的なおはなしと美しい挿絵が織りなす絵本の世界に、

子どもも大人も引き込まれます。

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最後には、中川さんを囲んで、絵を描くようになったきっかけや

これまでに作ってきた本の制作秘話など、広くお話しいただきました。

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中学生の時に泉鏡花原作の映画「夜叉が池」を見て以来

大の“鏡花ファン”になったという中川さん。

イラストレーターとして絵を描いていくなかで

「自分の本当に描きたいものを描こう」と制作を始めたのが

自費出版で、初めて手掛けた泉鏡花作品の本

『繪草子龍潭譚(えぞうしりゅうたんだん)』でした。

 

それが金沢の泉鏡花記念館の方の目にとまり

「金沢の子どもたちに、金沢にゆかりの作家・泉鏡花を

知ってもらうために、“新しい鏡花本”を作りましょう」

と、『絵本化鳥』の制作が始まったそうです。

構想や下絵のスケッチなど、貴重な資料も見せていただきながら

たっぷりお話を聞くことができました。

 

中川さん、ありがとうございました!

 

千代田図書館の企画展示「泉鏡花―その生涯と作品」は

今月20日までです!

まだご覧になっていない方はぜひ足をお運びください。

中川さんのお話に出てきた『繪草子龍潭譚』の実物やイラストも

コンシェルジュブース周辺で展示中です♪

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また、『絵本化鳥』は千代田区立図書館でもご利用いただけます。

子どもから大人まで楽しめる美しい絵本です。

こちらもぜひお手に取ってご覧ください。

 

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『絵本化鳥』

泉鏡花/ぶん

中川学/ゑ

国書刊行会/刊

 

 

Posted at:09:00

昌平幼稚園・保護者会で「読み聞かせ講座」を行いました

千代田図書館の千代田区読書振興センターでは

区立の小中学校や幼稚園・保育園などの教育関連施設へ

司書を派遣しています。

その派遣先のひとつ、昌平幼稚園の保護者会で、司書が講師を務める

幼稚園児のお母さんのための「読み聞かせ講座」が行われました。

 

講座はわらべうたの実演から始まりました。

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かわいい人形や小道具を使いながら、子どもと一緒に

歌ってくださいね、と司書からのアドバイス。

 

「わらべうたを日常生活の中でもとり入れるといいですよ」

たとえば、「ととけっこうよがあけたまめでっぽうおきてきな」と歌う

わらべうた「ととけっこう」は、朝子どもを起こすときに

“まめでっぽう”のところを子どもの名前に変えて歌ってみると

楽しく起きられるとか。

 

つぎに、絵本の読み聞かせの大切さについてのお話です。

 

「一日5分でも、お母さんの声で読み聞かせをしてあげてください」

絵本の読み聞かせは、子どもが物語の世界と出会うきっかけであり、

聞く耳を育て、豊かな想像力を育む“耳からの読書”です。

 

「よく、読むのが得意ではないからと、司書の方にお願いしたいと言われたり

 俳優さんなどが読んでいるCDのほうがいいのでは?とも言われますが

 そんなことはないんです。ぜひ、お母さんの温かい声で読んであげてください」

 

司書としてのアドバイスだけではなく、自身の子育てのエピソードなども

交えながらのお話に、若いお母さん方も興味津々でした。

 

最後に、絵本の読み聞かせの実演をして講座は終了です。

読んだのは、『ラヴ・ユー・フォーエバー』(ロバート・マンチ/作 岩崎書店)。

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幼稚園児のお母さんである出席者の皆さんにとって

ふだん読み聞かせはしていても、人から本を読んでもらうことは

とても珍しい体験だったのではないでしょうか。

大人が読んでも心を動かされる絵本の世界に、

会場に集まった30名以上の皆さんが、ぐっと入り込んでいたのが印象的でした。

 

参加された皆さま、おつかれさまでした!

昌平幼稚園のある昌平童夢館には、昌平まちかど図書館が併設されています。

お子さんと一緒に、図書館で本を選んで

ぜひ読み聞かせの時間を楽しんでください♪

 

 

Posted at:09:00

「夏のわくわく課外授業」レポート②【社会】【図工】+展示のお知らせ

千代田図書館では今年も、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に

「夏のわくわく課外授業」を、4教科にわたり開催しました。

今回は、8月10日に行われた社会

8月21日に行われた図工の授業風景をレポートします♪

 

◆◆8月10日(土)社会◆◆

「古地図でタイムスリップ!千代田区たんけん」

 

「社会」の先生は、日比谷図書文化館 文化財事務室で

学芸員をされている、高木知己さんです。

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高木先生は、千代田区の史跡や古い資料の調査・研究をしています。

昔の千代田区はどんな町だったのでしょうか?

まずは“東京都千代田区”が、まだ“東京市神田区・麹町区”だった頃の古地図

町の様子がさらにくわしく描かれている切絵図を見ながら、

江戸時代の千代田についてお話ししていただきました。

 

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切絵図を見ると、千代田区の中でも麹町駿河台には

当時と変わらない地形があることがわかりました。

その他にも、江戸時代の水路の跡が残る秋葉原公園

今はなくなってしまった江戸時代の町名の名残を知ることのできる

神田駅近くのガードなど、区内には昔の千代田を知る手がかりが

たくさん残されていることを学んだ授業でした!

 

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最後には、実際の古地図を間近で見ていただきました。

お父さん、お母さんも興味津々です。

 

 

◆◆8月21日(水)図工◆◆

「体験!ノートづくりと活版印刷」

 

「図工」の先生は、印刷博物館「印刷の家」インストラクターの皆さんです。

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ふだん図書館や学校で手にする本は、どのように作られているのでしょうか?

授業では、中綴じ製本のミニノートづくり活版印刷体験

ワークショップを行いました!

 

2班に分かれて作業開始。こちらはミニノートづくりです。

A3の大きさの紙を2枚、3回ずつ折ってノートのページを作りましょう。

紙に印刷されている数字を見ながら折っていきます。

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今回は32ページのノートなので、隣り合うページの数字の合計が“33

なっていれば成功だよ、という説明に、みんなから「へぇ~」と声があがります。

オリジナルの表紙をつけて、ホチキス止め、裁断をしたら完成です!

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こちらは活版印刷体験。今回は自分の名前をひらがなの活字で印刷します。

印刷に使うのは鉛でできた活字。たくさん並ぶ中から

自分の名前を1文字ずつひろっていきます。

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苗字と名前の間には余白用の一段低い活字を入れることも忘れずに。

 

活字を版にしっかりとセットしてもらったら、いよいよ印刷です。

卓上の活版印刷機を使って、上手に刷れるかな?

ハンドルをしっかりと握って、緊張の一瞬です。

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世界に一つだけの名前入りしおりとミニノート、大事に使ってくださいね!

 

高木先生、「印刷の家」の皆さん、ありがとうございました!

参加くださった皆さん、おつかれさまでした!

こうして今年の「夏のわくわく課外授業」は、すべての教科を終了しました。

 

そして、千代田図書館では今、

今年の「夏のわくわく課外授業」すべての教科の

授業の様子をご紹介する展示を行っています。

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各教科の内容をさらに知ることができるおすすめの本の展示

参加者の皆さんにお配りしたブックリスト(子ども向け・大人向け)の配布

行っていますので、ぜひご覧ください!

 

【期 間】 開催中~9月8日(日)

【場 所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

 

 

Posted at:09:00

「夏のわくわく課外授業」レポート①【国語】【理科】

千代田図書館で、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に行う

「夏のわくわく課外授業」が今年もスタートしました!

今回は、8月3日に行われた国語

8月7日に行われた理科の授業風景をレポートします♪

 

◆◆8月3日(土)国語◆◆

「遊んで学ぶ 漢字の世界」

 

「国語」の先生は、福井県で中学校教諭をされている

今村公一さんです。

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授業はまず古代文字クイズからスタート!

絵のようにも見える古代文字が、何を表しているかわかるかな?

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次に、紙コップや厚紙を使って漢字ゲームを作ってみましょう!

これは、紙コップ漢字ルーレット

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紙コップを2つ重ね、上のコップに四角い窓を2つ切り抜きます。

窓の外にへん、中につくりを書けば

くるくる回して、共通の部首を持つ漢字が学べます。

他にも、この窓に古代文字とその文字の表す意味をそれぞれ書いて

古代文字の意味を当てるゲームを作ったり…。色々な勉強に活かせそうです。

 

こちらは漢字ジグソーパズルを作っているところ。

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上と下、右と左に分けられる漢字をカードに書き込んでいきます。

正方形の4つの辺に、すべて漢字を書けたらシャッフル!

これ、すべての漢字がぴったりとはまるように

組むのが、とっても難しいんです!

お父さんやお母さんも、思わず夢中になっていました。

 

最後に作ったのは画数じゃんけん

1~20画までの漢字の札を作り、同じテーブルのみんなで対戦です。

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漢字の勉強が、少しの工夫でこんなに楽しくなるんですね!

今日覚えたゲームを、ぜひ学校のみんなやご家族にも教えてあげてくださいね♪

 

 

◆◆8月7日(土)理科◆◆

「知ることから始めよう 身近な防災」

 

「理科」の先生は、気象予報士と防災士の資格を持つ

紙芝居師、くぼてんきさんです。

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理科の授業は、拍子木の音で始まりました!

「これから雨が降るというとき、鳥はどんなふうに飛ぶと思う?」

生活の中にある身近な天気予報の話や、

今年も各地で大きな被害をもたらしているゲリラ豪雨のしくみの話など

紙芝居なので、とてもわかりやすいんです。

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近年、大人だけでなく、子どもの間にも防災の意識が高まっているのが

地震への備えではないでしょうか。

「みんなが、この先交通事故や火災にあう確率よりも

 地震にあう確率の方がずっと高いかもしれない。

 だから、正しい知識を身に付けることは大事なんだよ」とくぼ先生。

地震のしくみを紙芝居で説明したあと、“全国地震動予測地図”を見て

みんながそれぞれ気が付いたことを話し合いました。

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大雨や地震に遭遇した時、どうしたらいいか改めて知ったところで

今度は、千代田区の地図を使って自分だけのハザードマップを作りましょう。

皆さんの家の周りや通学路、千代田図書館へ来るまでの道のりなどで

災害にあったことを想定します。

大雨で川があふれたらどうやって帰る?

避難所に歩いていくまでに危険そうな場所はないかな?

区役所で配布しているハザードマップと見比べながら考えてみます。

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最後に、もしもの時の非常持ち出し袋の中身を

みんなで確認して授業は終わり。

災害のしくみを知って、もしもの時のために普段から

家族で話し合うことの大切さがよくわかる授業でした。

 

今村先生、くぼ先生、ありがとうございました!

そして参加くださった皆さん、おつかれさまでした!

「夏のわくわく課外授業」は、社会図工と続きます。

 

 

Posted at:09:00

今年も「レファレンジャー」が活躍中です!

先日コチラでお知らせした「調べもの戦隊 レファレンジャー」

今年も、千代田図書館四番町図書館でスタートしました。

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↑この表示が“出動中”の目印です!

 

8月3日・5日の2日間で、レファレンジャーに寄せられた

相談と調べものの例をご紹介しましょう。

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例1 自由研究

「魚についてしらべたい」(小2 男子)

いくつか、調べたい事柄を書き出して相談に来てくれました。

魚の中でもサメが好き、とのことだったのでサメについての本を見ていると

“サメは歯が生え変わる”ということを発見しました。

そこで、図書館にある魚の図鑑などを使って

サメの歯についての調べものをすることに。

「魚はどうやって寝るの?」という質問も出てきたため

魚たちの夜の様子が書かれた本を紹介しました。

また、魚に触れられることのできる水族館も、本で調べました。

 

例2 読書感想文

「読書感想文、どんな本を読もう?」(小4 女子)

まず、どんな本がいいか一緒に考えることにしました。

好きな本を聞くと、“冒険もの”とのこと。

そこからさらに、「動物が出てくる話がいい」

「自分と同じくらいの年の子が活躍する話が読みたい」

という希望を話してくれました。

本を何冊か紹介している中で、レファレンジャーから

「今までに冒険をしたことがある?」という質問をしました。

登場人物がどういう気持ちか、自分の体験と照らして

考えてみたらどうかな?とアドバイス…。

 

このように、じっくりと話を聞くことで

子どもの疑問希望を聞き出し、本探しにつなげています。

 

訪ねてくる子どもたちがどんな質問を持ってくるのか、

どんなことに興味があるのか、レファレンジャーの学校支援担当司書たちも

楽しみにしながら図書館で待っています。

もちろん保護者の方からの質問も大歓迎!

ぜひ、レファレンジャーバッヂをつけた司書に

声をかけてみてくださいね♪

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ご好評につき、四番町図書館へのレファレンジャー出動日が増えました!

3日間→10日間と、大幅に日程を増やしてお待ちしています。

詳しくは下の欄をご覧ください。

 

☆☆調べもの戦隊 レファレンジャー☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

開催日★ 千代田図書館(場所:10階カウンター)

     8月7日(水)、9日(金)、10日(土)

     27日(火)~31日(土)

      四番町図書館(場所:こども図書館)

     8月7日(水)、8日(木)9日(金)、13日(火)、15日(木)

     20日(火)、22日(木)、27日(火)、29日(木)

      ※赤字で示してある日が、増えた開催日です。

時 間 10:00~16:00

対 象 中学生までのお子さまとその保護者

詳しくはコチラ(千代田区立図書館こどもページ)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

Posted at:09:00

レポート「ビブリオバトル入門~開催のコツ教えます~」

6月30日、講演会「ビブリオバトル入門~開催のコツ教えます~」

開催しました!

 

今回は、ビブリオバトルの考案者

立命館大学准教授の谷口忠大さんをお招きし

自分たちでもビブリオバトルをやってみたい!という方のために

開催のコツを知り、ゲームを体験するための講演会を行いました。

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まずは、何よりもゲームを知っていただこうということで

谷口さんが代表を務める、ビブリオバトル普及委員会のメンバーによる

エキシビジョンバトルからスタートです。

学生、書店員、そして千代田図書館コンシェルジュという顔ぶれの3名からは

それぞれの好みや個性があらわれた3冊が紹介されました。

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↑参加者の皆さまによる投票の結果、チャンプ本は

『ブックストア ニューヨークで最も愛された書店』

(リン・ティルマン/著 晶文社)に決定!

 

続いての講演では、「なぜ発表時間が5分なのか」

「なぜ発表の時に原稿を用意してはいけないのか」など

このゲームに参加・開催するにあたって浮かんでくる疑問を具体的に挙げ

公式ルールが生まれた経緯とともに、お話しいただきました。

これからビブリオバトルを始めようという方、また何回か開催している

という方にとっても、考案者からその経緯を聞くことで

より一層ゲームへの理解を深められる機会となったのではないでしょうか。

 

休憩をはさみ、いよいよ参加者全員による体験の時間です。

3~4人一組のチームに分かれ、会場で一斉にビブリオバトルがスタート!

事前に用意してきた本を各々が紹介し、チーム内で投票を行いました。

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「“まず自分たちでやってみよう”というのが一番大事」

という谷口さんの言葉通り、

体験することでゲームが身近になった、自分の仲間ともやってみようと思えた

という参加者の声を聞くことができました。

 

もともとは谷口さんの研究室の仲間たちで

楽しんでいたのが始まりというビブリオバトル。

徐々に口コミで広まり、現在では全国の図書館や書店・学校などで

開催されるまでに広がりをみせています。

   「友達の家に遊びに行くと、つい本棚を見てしまいますよね。

   友達の本棚をのぞきこむような気持ちでゲームを楽しんでいただきたい」

とお話しされていた谷口さん。

 

参加者の皆さまには、ビブリオバトルを通じて

今まで読まなかった分野や作家の本と出会い

新たな読書の楽しみを発見するきっかけとなればと思います。

 

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谷口さんの講演の中で使用された、ビブリオバトル公式ガイドブック

『ビブリオバトル入門~本を通して人を知る・人を通して本を知る~』

(吉野英知須藤秀紹大谷裕谷口忠大/監修 ビブリオバトル普及委員会/編著

一般社団法人情報科学技術協会)

は、千代田図書館でもご利用いただけます。

開催の実例や各地の取り組みが紹介されていますので

ビブリオバトルを知りたい・やってみたいという方は、ぜひお手に取ってみてください。

 

ご参加いただいた皆さま、

谷口さん、普及委員会の皆さま、ありがとうございました!

 

 

Posted at:09:00

お茶の水小学校「読書旬間」のおはなし会

千代田図書館の千代田区読書振興センターでは

区立の小中学校や幼稚園・保育園などの教育関連施設へ

司書を派遣しています。

そのひとつ、千代田区立お茶の水小学校では

春・秋・冬の3回、それぞれ10日間の

「読書旬間(どくしょじゅんかん)」を設け

児童の皆さんが本に親しみ、読書活動を充実させるための

取り組みを行っています。

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今回、6月10日~21日の「春の読書旬間」の締めくくりとして行われた

千代田図書館の司書による「おはなし会」にお邪魔しました!

 

この日は1・2年生向けと4~6年生向けの2回のおはなし会が行われました。

2時間目の授業の時間、まずは4~6年のおはなし会です。

「はじめのおはなし」という短い素ばなしの次は

絵本『半日村』斉藤隆介/作 岩崎書店)の読み聞かせです。

大きな山が村の後ろにあるせいで、半日しか陽が当たらない半日村。

村の子・一平は、そんな村のためにある行動を起こします…。

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↑みんなおはなしに聞き入っています。

 

絵本のあとは、長崎弁の歌が楽しい手あそび「でんでらりゅうば」

素ばなし『こすずめのぼうけん』(ルース・エインスワース/作 福音館書店)と続き、

最後は『落語絵本 じゅげむ』川端誠/作 クレヨンハウス)です。

落語でおなじみの長い長い名前を、本に合わせてみんなで言ってみるのですが

文字を見なくても、すらすらと言える子が多くて驚きました!

 

続いて3時間目は1・2年生のおはなし会です。

こちらも「はじめのおはなし」から。

絵本は『ねこのくにのおきゃくさま』(シビル・ウエッタシンハ/作 福音館書店)です。

働き者だけど楽しみのない「ねこのくに」に不思議なお客様がやってきて…。

読んだ後、「このおはなしで、誰がどんなことに挑戦してたかな?」

司書の呼びかけに、元気のいい声がたくさんあがりました。

 

手あそびは「もしもしかめよ」です。

おなじみの歌に合わせて、ちょっと難しい手の動きに挑戦しました。

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続いて、こちらでも素ばなし『こすずめのぼうけん』です。

1・2年生は、マイクを使わないおはなしにも

しっかり耳を傾けて、上手に聞けていました!

 

最後に詩「いろんなおとのあめ」(『へんなかくれんぼ』より 岸田衿子/作 のら書房)。

朗読に合わせて、いろんな雨の音をみんなの声で表現しました。

 

今回のような「おはなし会」のほかに

読書旬間中の給食には、図書室の本にちなんだメニューが出たり、

秋・冬の読書旬間ではお茶の水小学校の前身である

錦華小学校の卒業生・夏目漱石にちなんだ「漱石暗唱コンテスト」が開催されるなど

さまざまな読書への取り組みが行われています。

(「漱石暗唱コンテスト」についての過去の記事はコチラ

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お茶の水小学校の皆さん、ありがとうございました!

今後も、千代田区内の各学校の読書活動について

このブログでご紹介していきます♪

 

 

Posted at:09:00

レポート:第6期読書サロン オープニングイベント
「白い紙に地図を書くように読書を楽しもう」

5月21日(火)、「本と出会う読書サロン」第6期のスタートと

新規メンバー募集をかねた講演会を開催しました。

 

講師は、ミステリーや大衆小説の書評などで活躍中の

書評家 杉江 松恋(すぎえ・まつこい)さんです。

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講演は、“読者が本を自由に読むことと作家の意図”の話から始まりました。

読者にとって、著者の考えのヒントを提示してくれる“あとがき”は

とてもありがたい存在です。

でも、そればかりに注目し、著者の正解に近づきたいと思いながら読むことは

「読みの自由度」を殺しているのではないか?と語る杉江さん。

 

その後のお話の中で、読書の楽しみ方が2つ提示されました。

・著者の思惑にばかり近づこうとせず、虚心坦懐に「空白の上で読む」

・一冊の本から、テーマや題材などを連想ゲームのように広げて「放射状に読む」

まさに、“白い紙に地図を書くように”ですね。

インターネット書店Amazonにおすすめされた本をとにかく何でも読む実験など

読書の楽しみ方に刺激を与えてくれるようなお話も聞くことができました。

 

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日本のベストセラー小説から、アメリカのポストモダン文学、はたまた絵本まで、

幅広いジャンルの本を例にあげながら

読書の楽しみについて縦横無尽に語ってくださいました。

講演の冒頭で、ご自身の仕事は

「いかに物語の核心をしゃべらないで人に本を紹介するか」

であるとお話しされていた杉江さん。

講演中にあげられたすべての本を、読んでみたい!と思わせる

魅力的な本の話を聞かせていただきました。

 

短い時間ではありましたが、わたしたちが普段知ることのない

書評家の頭の中をのぞき見したような講演会でした!

 

杉江松恋さんの書評はこちらのサイトでも読むことができます。

BookJapan

 

また、「本と出会う読書サロン」では、第6期メンバーの募集を行っています。

詳しくはコチラをご覧ください。

 

 

Posted at:09:00

アメリカンシェルフ開設記念おはなし会レポート

先月、四番町図書館アメリカンシェルフが設置されました。

(アメリカンシェルフについて、詳しくはコチラの記事をご覧ください。)

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これを記念して、四番町図書館での開設記念式の後

「マクグリンチーさんと楽しむおはなし会~LET’S ENJOY ENGLISH~」

が開催されました!

 

四番町図書館では毎週金曜日におはなし会を行っていますが

今回は特別なプログラムです。

アメリカ大使館のマクグリンチー情報資料担当官をお迎えして

英語での読み聞かせと、四番町図書館長の日本語での読み聞かせを交互に行いました。

 

まずはじめに、絵本『きょうりゅうたちのおやすみなさい』

(原題How Do Dinosaurs Say Good Night?』ジェイン・ヨーレン/作 小峰書店)

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つぎに、『おはなしおばさんの世界のおはなし・むかーしむかし』

(藤田浩子/編F・ストーリングス/再話 一声社)

より、ネズミの指人形とネコのぬいぐるみを使って

「ネズミのかあさん ネコに勝つ」のおはなしです。

子どもたちも声を出して、英語と日本語の動物の鳴き声を比べてみました。

 

そして、再び絵本の読み聞かせです。

『グランパ・グリーンの庭』

(原題Grandpa Greenレイン・スミス/作 BL出版)

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普段とは違った英語での読み聞かせにも、子どもたちは一生懸命聞き入ります。

絵を見ればちょっとわかるよ!という声も聞かれました。

 

最後は英字新聞を使って

みんなで「ピクニックに行こう!」の折り紙遊びです。

(出典『お話会のプログラム』佐藤凉子/著 編書房)

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新聞紙がぼうし、おにぎり、ボート…と次々に形を変えます!

マクグリンチーさんや、会場の大人たちも

子どもたちと一緒に折り紙を楽しみました。

 

四番町図書館のアメリカンシェルフには、今回登場したような

アメリカの絵本・児童書の他にも

旅行語学の学習のための本、写真集などがあります。

ぜひ、親子そろってアメリカンシェルフをのぞいてみてくださいね♪

 

 

Posted at:09:00

「第5回 ことばと音のフェスティバル♪」開催!

4月27日(土)、こどもの読書週間イベント

「第5回 ことばと音のフェスティバル♪」を開催しました。

 

4年ぶりの神田祭・本祭にあわせて、今年のテーマは「おまつり」。

神田明神稚児太鼓の皆さんの太鼓の演奏で幕開けです!

子どもたちの懸命な姿と、迫力ある演奏に

早くも会場は熱気に包まれました。

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次に、絵本作家 風木一人(かぜき・かずひと)さんにご登場いただき

ご自身の作品『たいようまつり』『おやゆびさん』

『おおきな木のおはなし』の三作を朗読していただきました。

作品に込めた作者の思いを聞くことのできた、貴重な機会となりました。

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ここからはJPIC読書アドバイザークラブ首都圏の有志の皆さんによる

読み聞かせです。

まずは紙芝居『ぴよぴよたんけんたい』

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そして、太鼓と絵本のコラボレーションです。

『風の又三郎』(宮沢賢治/作 くもん出版)の一節を使い

来場者の皆さんも一体となって太鼓との掛け合いを楽しみました。

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そして、絵本『ドオン!』(山下洋輔/作 長新太/絵 福音館書店)では、

絵本に登場する太鼓の音を実際の演奏で表現しながらおはなしが進んでいきます。

絵本のクライマックスでは、たくさんの太鼓の音がぴったり合い

おはなしの最後を飾りました。

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最後にもう一度、神田明神稚児太鼓の皆さんと

中学生~大人からなる将門太鼓の皆さんによる

太鼓の演奏で「ことばと音のフェスティバル♪」は終了しました。

 

絵本の読み聞かせに太鼓が加わると、迫力も楽しさも増して

普段とは違った楽しみ方ができました♪

間近で聞く太鼓の音に胸が高鳴る、親子そろって楽しめるイベントとなりました!

 

展示「絵本で知ろう!日本のおまつり、世界のおまつり」

今月12日(日)まで千代田図書館・9にて開催中です!

神田祭・本祭もいよいよ今月9~15に迫ってきました。

陽の光がまぶしいこの季節に、ますますおまつりが楽しみになりますね♪

Posted at:09:00

「こどもの読書週間」絵本の展示が始まりました!

千代田図書館9階 第2展示ウォールにて

「こどもの読書週間」期間中

絵本の展示「絵本で知ろう!日本のおまつり、世界のおまつり」

を開催しています!

 

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千代田区の神田明神では今年、4年ぶりに神田祭・本祭が行われます。

そこで、「おまつり」をテーマに

神田祭をはじめとして、日本のおまつりや行事を知ることのできる絵本、

また、世界各国のおまつりや行事を知ることのできる絵本を

約30冊展示しています!

 

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神田祭などのおまつりが楽しみになる本や

さまざまな文化のちがいに触れられることのできる本が

たくさんあります!

ぜひ、お手に取ってご覧ください。

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こどもの読書週間企画①

展示「絵本で知ろう!日本のおまつり、世界のおまつり」

【期 間】 開催中~5月12日(日)

      ※4月28日は休館日

【場 所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール

            展示中の資料は貸出を行っていません。館内でご覧ください。

            なお、展示終了後は、予約・貸出が可能になります。

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また、「おはなしに出会えるパン屋さん2013も好評開催中です♪

千代田区役所1階さくらベーカリーにて

「日本三大祭のパン」「世界のドッグパン」を全6種発売しています。

千代田図書館で展示を見たら、さくらベーカリーにもぜひお立ち寄りください!

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こどもの読書週間企画②

「おはなしに出会えるパン屋さん2013

【期 間】 開催中~5月11日(土)

      ※定休日 日・祝

【場 所】 千代田区役所1階=さくらベーカリー

【協 力】 さくらベーカリー(ジョブ・サポート・プラザちよだ)

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について、詳細は→コチラ

 

 

Posted at:09:00

情報誌「千代田図書館」Vol.12

今月、千代田図書館では 『千代田図書館情報誌Vol.12』 を発行しました。

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特集のひとつ「コンシェルジュがゆく」では、「趣味の本を探しに古書店へ」

と題して、神保町にある6つの古書店をご紹介しています。

乗り物、スポーツ、美術など、親しみやすい分野の本を扱っている古書店ばかりです。

地図も掲載されているので、図書館で情報誌を手にして

そのまま神保町に出かけてみてはいかがでしょうか?

 

また、千代田図書館で発見した驚きや楽しみについて

新館長が語っている「千代田探し」

千代田区の地域産業のひとつ“出版業”についての資料を集めた

「出版にまつわる本棚」の、出版関連の社史紹介についても取り上げています。

(詳しくは→コチラ

 

さらに、この春リニューアルした千代田図書館のホームページについても

ご紹介しています。

マイページへのログインや本の検索がしやすくなり、

トップページのカレンダーで各館の情報が一目でわかるようになりました。

新しくなったホームページもぜひご利用ください♪

 

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今号も充実の内容の『千代田図書館情報誌Vol.12

千代田区立図書館内の他、「本と街の案内所」など区内各所で配布中です。

 

読書の楽しみをますます深めてくれる情報誌を

ぜひお手に取ってご覧ください!

 

 

Posted at:09:00

コンシェルジュに密着!②「コンシェルジュのおすすめ店」取材

コンシェルジュブースに月替わりで登場する「コンシェルジュのおすすめ店」の掲示。

毎回、千代田区内の飲食店や菓子店、雑貨や本を扱うお店など

コンシェルジュ自らが厳選、取材したお店を紹介しています。

今回は新人コンシェルジュ二人の、初めての取材に同行しました!

 

今回のお店は「甘味おかめ麹町店」

皇居・半蔵門からほど近く、お花見の休憩で立ち寄るのにぴったりの甘味処です。

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ご紹介するのはこちら、2~5月上旬限定の「さくらおはぎ」

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作りたてのあたたかいおはぎに、緊張気味の顔もほころびます。

お店の方にこだわりポイントなどのお話を伺って、写真撮影。

おいしさを伝えるためにしっかりと味わって、その感想をメモします。

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「おすすめ店」の取材のあとは、こちらも初めての「さくら特集」の取材です。

コンシェルジュブースでご紹介することの多い東御苑・北の丸公園を

丁寧に巡りながら、見ごろの桜をチェックしました。

この日は東御苑のコシノヒガンザクラが満開でした。

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枝いっぱいにピンク色の小さな花をつけているのはニワウメです。

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こちらは日本武道館側から眺める千鳥ヶ淵

ソメイヨシノは5分咲きくらいでしょうか。満開はもう目の前です。

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コンシェルジュブースはお花見情報満載です。

新人二人の取材の成果も、近日中に登場しますのでぜひお立ち寄りください♪

 

 

Posted at:09:00

コンシェルジュに密着!①「さくら特集」ができるまで

ようやく春の訪れが実感できるようになった今日この頃ですが

千代田図書館コンシェルジュブースでは、2月から

皇居東御苑と北の丸公園のさくら特集を開始しています。

この、千代田区のお花見情報をご紹介する春の特集コーナー

千代田図書館がリニューアルオープンした初年度から毎年恒例となっています。

今回はコンシェルジュの梅・桜取材に密着しました♪

 

日差しの暖かな3月某日

コンシェルジュはカメラを持って皇居東御苑へ。

 

平川門を入ってすぐの梅林坂ウメは、この日ほぼ満開を迎えており

春の香りを楽しむ、多くの見物客で賑わっていました。

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続いて早咲きのサクラを観察するため苑内を進みます。

サクラといえばソメイヨシノを思いうかべる方が多いかもしれませんが

多様な植物を見ることのできる皇居周辺では、何種類もの

早咲きのサクラが見ごろを迎えています。

 

地面まで大きく枝を垂らして、見事に花を咲かせているのは

ツバキカンザクラ

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本丸休憩所前では、カンザクラが小さめの花を枝いっぱいに付けていました。(左)

その横ではシナミザクラが咲き始めています。(右)

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マメザクラのつぼみはまだ固そうでしたが、しっかりと

カメラに収めます。

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東御苑を後にして北の丸公園に移動します。

こちらでも、紅白のウメカワヅザクラが見ごろを迎えているのを

記録することができました。

 

↓カワヅザクラのむこうに千代田区庁舎が見えます。(写真左)

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千代田図書館に帰ったコンシェルジュは、今日撮影した花の写真にコメントをつけ、

2013年 梅・桜観察日記ファイルに収め、掲示します。

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また、これまでに撮影した写真は、ブース内に設置した

デジタルフォトフレームでもご覧いただけます。

 

コンシェルジュが、自らの足で探した春の記録は4月まで続きます♪

皇居周辺の散策がますます楽しくなってくるこれからの季節にぜひお役立てください!

ちよぴたブログでも、桜の情報を引き続きお伝えしていきます。

 

 

Posted at:09:00

レポート:四番町図書館「昔ばなしが語る子どもの成長」

3月5日四番町図書館にて、リニューアルオープン1周年を記念した

講演会「昔ばなしが語る子どもの成長」が開催されました。

講師に小澤俊夫氏(筑波大学名誉教授・小澤昔ばなし研究所所長・昔ばなし大学主宰)

をお招きし、昔ばなしから学ぶ子どもの成長や子育ての知恵などについて

お話しいただいた講演会の模様をレポートします!

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講演会は、「昔ばなしはどこにありますか?」という

小澤氏の問いかけから始まりました。

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どこだと思いますか? 本の中??

答えは「昔ばなしが語られている時間の間だけ、そこにある」とのこと。

 

人々の間で語られ、受け継がれてきた昔ばなしは、

目で文や絵を追って読む文学と違い、聞き手が頭の中で登場人物や情景を

想像するため、シンプルでクリアーな語り口が特徴です。

その特徴を、昔ばなし「うまかたとやまんば」を題材にお話しいただきました。

たとえば、登場人物である「うまかた」「やまんば」が

1対1でそれぞれ孤立的に語られるのは昔ばなしならではの文体のひとつです。

「やまんばがひとりで追ってくるから怖いんです。

 お話の中のやまんばや魔女が15人もいたら怖くないでしょう」と小澤氏。

その他にも、具体的な例を挙げながらユーモアたっぷりに

昔ばなしとはどんなものなのか、講演は続きます。

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つぎにお話しいただいたのは、昔ばなしが持つメッセージについて。

挙げられた「昔ばなしのメッセージ」は3つ。

1.子どもの成長 2.人間と自然との関係 3.命のありかた

なかでも、「1.子どもの成長」に焦点をあて、昔ばなし「わらしべ長者」

グリム童話「シンデレラ」を題材にお話しいただきました。

幼いころから馴染みのある昔ばなしや童話にも、子どもの成長を見守る大人のための

ヒントがたくさん隠れていることに気づかされました。

たまには絵本を開かずに、自分の口で「おはなし」してみようと思った

お母さん・お父さん方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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ご自身の子育て体験、教育者としての視点なども織り交ぜながら

たっぷりと語っていただいた講演会でした!

 

四番町図書館ラウンジセミナーは、4月以降も様々な企画で行われます。

皆さまどうぞご参加ください♪

 

 

Posted at:09:00

まちかど図書館へ行ってみよう!~②神田まちかど図書館

千代田区立図書館のなかでも、地域の方々に親しまれている

「まちかど図書館」をご紹介するシリーズの2回目。

今回は、「神田まちかど図書館」をご紹介します!

 

「神田まちかど図書館」は、淡路町のオフィス街の中、

小学校、幼稚園、教育研究所等が集まる複合施設「神田さくら館」

の一階にあります。

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千代田区読書振興センターの活動のひとつに、区立の小中学校や幼稚園・保育園などの

教育関連施設への司書派遣がありますが、

この「神田さくら館」内の千代田小学校では、派遣された司書が

定期的に授業支援をしています。

 

今回は1年1組のみなさんの国語の授業にお邪魔させていただきました!

千代田小学校では1年生の国語の授業の時に、

司書による読み聞かせを行っています。

 

今日の授業は手あそび「ぺったらぺったん もちつけもちつけ」

から始まりました。

つぎに、絵本「はなを くんくん」を読みます。

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↓みんなしっかりとお話を聞いています。

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最後はまたみんなでわらべうた「ねずみ ねずみ」を。

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つぎは図書室に場所をうつし、自由読書の時間。

みんな思い思いに好きな本を手に取っています。

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みんなに人気があるのは、日本や外国の絵本ですが、

少し長めの読み物に挑戦している子もいます。

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↓本はまちかど図書館のカウンターで、図書館の本と同じように借ります。

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千代田小学校の図書室は「神田まちかど図書館」の中にあります。

このように図書室を使う授業の時には、まちかど図書館の資料も

垣根なく自由に使うことができます。

今回とても印象的だったのは、1年生のみなさんがとても上手に

本を探していることでした。

読みたい本が見つからない時や、読みたい本がどこにあるかわからない時に、

学校支援やまちかど図書館の司書に相談すればいいということをみんな知っています。

学校の図書室だけでなく街の図書館の使い方を学べるのも、

複合施設内にある小学校ならではですね!

このように1年生からまちかど図書館に親しんでいるので、高学年になるころには

図書館の使い方をすっかりマスターできるそうです。

 

1年1組のみなさん、先生方、ありがとうございました!

 

神田まちかど図書館では、昌平まちかど図書館と同じように、

小学校が使わない時間は一般の方も学校図書室を利用できます。

詳しくはコチラの記事をご覧ください。

 

2回にわたり千代田区のまちかど図書館をご紹介しました♪

身近なまちかど図書館を、ぜひ利用してみてください!

 

神田まちかど図書館

【所在地】  千代田区神田司町2-16

【開館時間】 9:00~20:00

      (12月29日、12月30日 9:00~17:00)

【休館日】  第3日曜日、特別整理期間、

12月31日、1月1日~1月3日

※2013年3月18日(月)~3月22日(金)

大幅なシステムメンテナンスのため休館いたします。

また、神田まちかど図書館は3月17日(日)も休館日です。

 

 

Posted at:09:00

まちかど図書館へ行ってみよう!~①昌平まちかど図書館

千代田区立図書館のなかには、「まちかど図書館」と呼ばれる

地域の方々が気軽に立ち寄れる図書館が2館あります。

「神田まちかど図書館」と「昌平まちかど図書館」、それぞれの

特長や取り組みをご紹介します!

 

まずご紹介するのは「昌平まちかど図書館」

小学校、幼保一体施設、児童館にコミュニティスクール、

そしてまちかど図書館が集まった複合施設

「昌平童夢館」の1階部分にあります。

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図書館の中は窓からの光が差し込むオープンな雰囲気。

来館者がのんびりと利用できる和やかな空間です。

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小説の文庫本や、家庭・生活に関する実用書が充実しているのも

地域に根ざしたまちかど図書館ならではといえるでしょう。

また、この近隣にも私立の幼稚園があることから、

絵本をたくさん借りていくお母さん方の姿もよく見かけられるとか。

 

そして、入り口から入って右にカウンターをぐるりと回りこんだ奥が

昌平小学校の図書室です。

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小学校の休み時間や図書の授業、調べ学習などで

児童が思い思いに読書や調べものをする閲覧席は、

平日の12:20~12:50/16:00~20:00と土日祝日には

一般の利用者も使うことができます。

(カウンターで発行される利用証が必要です)

 

↓学校支援の司書が作成したペーパークラフトがかわいい

「おすすめの本コーナー」

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秋葉原の電気街や、神田明神にもほど近い

昌平まちかど図書館。

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください♪ 

 

 

昌平まちかど図書館

【所在地】  千代田区外神田3-4-7

【開館時間】 9:00~20:00

       (12月29日、12月30日 9:00~17:00)

【休館日】  第2日曜日、特別整理期間、

              12月31日、1月1日~1月3日

            ※2013年3月18日(月)~3月22日(金)

             大幅なシステムメンテナンスのため休館いたします。

 

 

Posted at:09:00

レポート:「はじめてのビブリオバトル講座」

2月6日、千代田図書館が3週連続でお送りする

「はじめてのビブリオバトル講座」第1回目が行われました。

開催前から大きな反響をいただいた、注目のイベントの様子を

いち早くお届けします!

 

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ビブリオバトルの公式ルールの説明後、

まずはビブリオバトル普及委員会のメンバーによる

エキシビジョンマッチを観戦します。

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三者三様の書評バトルに、早くも盛り上がりをみせる会場。

本の紹介を聞いた後、「どの本が一番読みたくなったか」挙手で投票し、

本日のチャンプ本が決定します。

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続いて、ビブリオバトルの理念と、その効果について

さらに理解を深めていただくための講義。

「ビブリオバトルは、本を介したコミュニケーション。

その場の空気感をつかんで、ゲームを楽しんで」という講師の言葉に、

参加者の皆さまの意気込みもさらに高まったのではないでしょうか。

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第2回、第3回ではいよいよ参加者の皆さまが

ビブリオバトルに挑戦します!

どんな本が紹介されるのか?

そして、どんな本がチャンプ本の栄光に輝くのでしょうか!?

ちよぴたブログでも引き続きレポートしてまいりますので、

どうぞお楽しみに♪

 

参加された皆さま、おつかれさまでした!

 

 

Posted at:09:00

レポート:本と出会う読書サロン第5期②

千代田図書館では、JPIC読書アドバイザークラブ首都圏主催で、

メンバー各自が毎月決められたテーマに沿った本を

持ち寄り、紹介し合うという、本を通じた交流の場

「本と出会う読書サロン」を行っています。

現在第5期を迎えており、11月のオープニングイベントを皮切りに

2012年12月~2013年3月までの四か月間、

毎月第3火曜日に開かれています。

オープニングイベントの様子は→コチラ

 

1月15日、第5期2回目が開催されました。

今回のテーマは「ノンフィクション」または「格差」とのこと。

どんな本が紹介されるのでしょうか? お邪魔してみました♪

 

今回の参加者は、見学者を含め18名と

会場がいっぱいになるくらいの大盛況!

まず、その日紹介される本のリストが配られ、

参加者の皆さんが順番に本を紹介していきます。

 

↓会場のムードは和気あいあい。

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ほんの一部ですが、この日持ち寄られた本をご紹介します。

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テーマ「格差」

「絶望の国の幸福な若者たち」(古市憲寿/著 講談社)

テーマ「ノンフィクション」

「人類が消えた世界」(アラン・ワイズマン/著、鬼沢忍/訳 早川書房)

「アンダーグラウンド」(村上春樹/著 講談社)

「白い道」(吉村昭/著 岩波書店)

「奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち 

    伝説の灘校国語教師・橋本武の流儀」(伊藤氏貴/著 小学館)

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各自がテーマを自分なりの切り口でとらえ、

じつにさまざまな本が集まりました。

参加者の方からは、

「読書サロンに来ると、自分が読まないジャンルの本も知ることができる」

「ここで紹介されなかったら読むことがなかったであろう本に出会える」

という言葉が聞かれました。

確かに、熱の入った紹介を聞くにつれ、自分の興味とかけ離れた

ジャンルの本ほど、読んでみたい!という気持ちが

ムクムクと湧き上がってくるのが不思議です。

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次回2月19日のテーマは

「子どもとお年寄り」または「未成年におすすめしたい本」です。

あなたならどんな本を紹介しますか?

 

読書サロンでは、参加者を随時募集中です。

都合のつく回だけ、興味のあるテーマの回だけ、見学だけ、

といった参加も可能です。

まずはお気軽にメンバー登録をしてみませんか?

詳しくは→コチラをご覧ください。

 

 

Posted at:09:00

レポート:図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー
「新春初笑い」編

1月12日に、

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「新春初笑い」編

が開催されました!

 

毎回様々な企画でお送りしているコンシェルジュツアー。

今回は、図書館で「はじめての落語講座」と落語を楽しんでいただいた後、

コンシェルジュが神保町の街をご案内する二部構成。

 

↓図書館10階の子ども室が、

今日だけは千代田図書館寄席に変身!

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まずは、柳家 一琴師匠によるお話。

扇子や手拭いの使い方、観客に臨場感ある噺を伝えるための

目の使い方、体の動かし方などの、表情豊かな実演に笑いが込み上げます。

そして皆さんお待ちかねの落語「転失気(てんしき)」

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つづいて、神保町にある「らくごカフェ」代表 青木伸広氏によるお話。

(「らくごカフェ」について、詳しくは→コチラ

落語のはじまりから、落語が文学に与えた影響についてなどなど。

「落語は、絶好調の時に聞いてもあんまりよくないんです」と青木氏。

「しょうがない人々の、あらゆる失敗にスポットライトを当てたのが

落語です。ぜひ、ちょっと元気のないときや悩んでいるときなんかに

聞いてください」 なるほど…。

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そして締めくくりは、もう一度一琴師匠で「初天神」

「新春初笑い」のタイトルにふさわしい千代田図書館寄席になりました♪

 

 

そしてここからは二班に分かれて、コンシェルジュがご案内するツアー。

9階の古地図マットを使い、かつて神田にも有名な寄席があったことを

ご紹介した後、図書館の外へ。

 

↓青木さんのお話の中にも出た、二葉亭四迷の「浮雲」に登場する

俎橋(まないたばし)。四迷は、「浮雲」を口語体で書く際、

三遊亭圓朝の落語速記本を参考にしたと言われています。

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靖国通りを歩きながら、今回のテーマである落語の本を多く扱う古書店や、

神保町についてのエピソードなどをご紹介。

 

↓こちらは神田古書センター前。「らくごカフェ」5です。

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さらにまっすぐ進んでいくと、「本と街の案内所」に到着。

こちらが今回のゴールです。

 

ツアーにご参加いただいた皆さま、寒い中おつかれさまでした!

 

 

Posted at:09:00

レポート:第5期読書サロン オープニングイベント
『町の本屋の楽しさ』

11月20日(火)に、千代田図書館9階の特設イベントスペースで

「本と出会う 読書サロン」第5期新規メンバー募集をかねて

オープニングイベントを開催しました。

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※「本と出会う 読書サロン」は、

メンバー各自が毎月異なるテーマに沿った本を持ち寄り、紹介し合う、

本を通じた交流の場です。

詳しくは→コチラ

 

講師には、メディアにも多く取り上げられ、

今注目を集めている町の本屋さん「千駄木・往来堂書店」の店長

笈入建志(おいり・けんじ)さんをお招きしました。

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今回お話いただいた内容は「町の本屋さんの楽しさ」

昨今では、本を買いに出かけなくてもネット書店で購入できてしまうことや、

電子書籍の普及などにより、

町の書店の生き残りが厳しくなっていると聞きます。

千駄木・往来堂書店では、どのような取り組みをして

話題を集め続けているのでしょうか。

 

笈入さんは大型書店勤務を経て、

往来堂書店の店長になりました。

 

大型書店の売りはなんといっても「無い本は無い!」ということ。

それに対して、町の本屋さんのような小規模書店の売りは・・・?

そこから笈入さんが考え出す様々な工夫やアイディアが面白く、

話に惹きこまれました。

 

往来堂書店の広さは20坪。置ける本には限りがあります。

そこで笈入さんが取り組まれていることの一部をご紹介します。

 

・画一的にならないよう、ベストセラーに依存せず

  本と世の中をよく見て「今、なぜその本なのか」という

  ニュース性を吟味した選書をする。

 

・初代店長の安藤さんが考え出した「文脈棚」を引き継ぎ、

  新書や単行本などごちゃまぜにしたテーマごとの棚作りをする。

 

・スタッフだけでなく、お客様や出版社の営業の方なども巻き込んだ

 参加型のフェアや地域イベントを行う。

 

往来堂書店のそんな参加型の取り組みとして特に有名なのが、

本の紹介や感想を書いた自作の帯を、本につけて販売する「D坂文庫」です。

選書した方の人となりが伺える帯を参考に、

つい手に取られるお客様が多いそうです。

 

 

講演の中でなによりも印象的だったのは、

“本屋は本への愛を語るところ”と定義されたこと。

「本への愛がうまくお客さんに伝わると本は売れる」と笈入さんは言います。

ただ売ることを考えるのではなく、

本を介して人と人とのつながりを大事にしている姿勢が

往来堂書店が親しまれ続ける理由なのかもしれませんね。

 

 

最後に・・・

千駄木・往来堂書店では、毎週「往来っ子新聞」を発行しています。

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手書きで書かれたこのユニークな新聞、

気になる方は是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

お店を覗けば、読んでみたくなる本にきっと出会えるはずですよ。

 

 

Posted at:09:00

第2回学校図書館連絡会
~千代田区立の学校と千代田図書館学校支援司書の取り組みについて~

11月5日(月)に、千代田区立の学校の司書教諭と

千代田図書館学校支援司書による連絡会を開催しました。

 

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千代田図書館学校支援司書は、区内の学校や幼稚園・保育園などへ出向き、

児童や乳幼児とその保護者、各施設の教職員に対して読書活動の支援をしています。

 

今回の連絡会では、学校司書教諭と千代田図書館学校支援司書が、

学校ごとにどんな取り組みをしているのかを発表していただきました。

 

秋の読書週間中だったこともあり、

特色のある面白い取り組みの報告を聞くことができました。

その一部をご紹介します。

 

・給食のメニューや食材が出てくる本を紹介

・国語の授業で本の帯を制作

・葉の形をしたカードに読書感想を書いて木の幹に貼り、みんなで「読書の木」を制作

・卒業生である夏目漱石作品の暗唱コンテストの実施

・廃品色画用紙を利用してしおりを作成し、全校生徒に配布

・高学年生による低学年生への読み聞かせ

・本読みレシピ(幅広いジャンルの本を読むように作成したプリント)の配布 etc…

 

また、毎日の読書活動として「朝読書」の時間を設けている学校が多く、

本がいつも生徒の身近にあることが伺えました。

小学校で本に親しんでいると、中学・高校に進学してからも

本のある生活が日常となるようです。

 

今後も、子どもたちに読書の楽しさを伝えるために、

学校と図書館がさらに連携を深めていきたいと思います。

 

 

Posted at:09:00

レポート:子どもの本のシンポジウム「WAVE in ちよだ2012」2日目

「秋の読書週間」に合わせて、11月3日(土)・4日(日)の二日間

千代田区読書振興センターと非営利団体「こどもの本WAVE」が企画したイベントを

開催いたしました!

今回は、二日目の様子をレポートしたいと思います。

 

二日目の午前中は、童話作家の角野栄子(かどの・えいこ)さんによる講演

「おはなしがうまれるとき」を開催しました。

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角野さんは、名作『魔女の宅急便』の作者として有名ですが、

その他にもたくさんの楽しい童話を書き続けています。

わくわくするようなファンタジーの世界へと誘ってくれる物語は

どのように生み出されるのでしょうか。

 

子どものころ、自分だけの「空想の世界」にひたった経験は

誰にでもあるのではないでしょうか。

角野さんの物語のきっかけは、そんな経験が元になっているようです。

 

楽しい気持ちで辺りを見回すと、つまらない日常の中にも

心が動くなにかを見つけることができるかもしれません。

部屋の壁に空いた小さな穴、くるくるとまわる回転椅子、

いつも上り下りしている階段・・・。

角野さんのお話を聞くと、家の中にある何の変哲もないものまでが、

楽しいものに感じるから不思議です。

本の扉を開いて違う世界に行くことは、

自分が生きる現実世界も楽しいものにしてくれるのかもしれません。

 

 

午後は「あべ弘士さんのお話とワークショップ『アフリカの動物』」です。

講師は、絵本作家のあべ弘士(あべ・ひろし)さん

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あべさんは旭山動物園の飼育員として、

25年もの間、毎日動物たちと触れ合っていました。

あべさんが話してくれる、動物のそれぞれの個性や

そのエピソードはとても楽しく、会場には笑い声が絶えません。

 

中でも印象的だったのは、ゾウの飼育係をしていたときのこと。

「あさこさんはバナナの実よりも皮が好きなんだよ。」

「ななちゃんにレモンをあげたら、耳をパッと広げて驚いていた!」

 

飼育を担当していた動物たちへの深い愛情が感じられました。

 

お話のあとは、みんなで動物の顔を描きました。

お題は「ウサギ」と「サル」です。

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▲う~ん、どんな顔だったかな?描こうとするとなかなか思い出せません。

 

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▲描きながら、サルの特徴をお話してくれています。

 

まずは、参加者の皆さんがそれぞれのイメージで動物を描いた後に、

あべさん指導の元でもう一度描いてみました。

最初に描いた絵は、キャラクターのようになっていた人も、

今度は、その動物らしさをよく表現することができました!

観察力の鋭さは、飼育員をしていたあべさんならではです。

 

最後に、あべさんの絵本『ふたごのしろくま』シリーズを

スクリーンに映してあべさん自身が読み聞かせをして、

ワークショップ終了となりました。

 

皆さん、動物園に行って、

どうぶつたちをよ~く観察してみたくなったのではないでしょうか?

 

 

二日間に渡ったこのイベントが、

皆さんが本を手に取るきっかけとなってくれたら幸いです。

 

 

Posted at:09:00

レポート:子どもの本のシンポジウム「WAVE in ちよだ2012」1日目

「秋の読書週間」に合わせて、11月3日(土)・4日(日)の二日間

千代田区読書振興センターと非営利団体「こどもの本WAVE」が企画したイベントを

開催いたしました!

今回は、その一日目の様子をレポートしたいと思います。

 

午前中は「写真でみる世界の絵本作家の素顔」という講演を行いました。

講師は、「こどもの本WAVE」代表の穂積保(ほづみ・たもつ)さんです。

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穂積さんは、福音館書店編集部で長年にわたり、海外の絵本の出版を担当されていました。

名作を生み出した絵本作家とはどんな人物なのでしょう?

仕事を通じて多くの絵本作家と知り合い、

交流を深めてこられた穂積さんでなければ知ることができないようなお話を

撮りためた写真とともにたっぷり語ってくださいました。

 

著名な作家さんともなると少々近寄りがたいのでは?と思いきや、

紹介された写真は、旅行先の記念撮影スポットでポーズを決めたり、

お酒を飲んで愉快な様子だったり、

ときにはおどけた表情で写ってみたりと楽しいものばかり。

中には、穂積さんがまだ20代の頃に住んでいたというアパートに作家が来て、

談笑している写真もありました。

遠い存在だった世界の絵本作家たちが、

講演後には、少しだけ身近に感じることができました。

 

 

そして、午後はワークショップ「齋藤槙さんと天然絵具で絵巻物を作ろう」です。

講師は、絵本作家・造形作家として活躍している齋藤槙(さいとう・まき)さんです。

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齋藤さんが手にしている絵具の色見本は、

すべて、土や草、貝などを原料にした天然の絵具です。

まずは、この絵具をどうやって作るのかみんなで体験しました!

 

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▲乳鉢で材料を細かく磨り潰し、膠(にかわ)を加えて絵具にします。

 

絵具の作り方を学んだ後は、さっそく絵巻物作りに挑戦です!

絵巻物は右から左に向かって物語の時間が流れるので、

どのシーンをどこに描くかに注意しながら制作しました。

 

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▲子どもだけでなく、大人も夢中になっています。

 

参加者の皆さんが描き出した物語が

優しい色合いの天然絵具で彩られ、素敵な作品に仕上がりました♪

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穂積さん、齋藤さん、ありがとうございました。

次回は二日目のイベントの様子をレポートします。

 

 

Posted at:09:00

レポート:おもしろ妖怪研究

千代田図書館では、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に

「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2012」を開催しています。

前回のブログでは「理科」の授業をレポートしました。

今回は、8月22日(水)に開催した「国語」の授業風景をお届けします。

 

「国語」の先生は、神田神保町にある老舗古書店『大屋書房』の四代目

纐纈久里(こうけつ・くり)先生です。

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“本の町”として知られる神保町には、160件以上の古書店があります。

授業は、神保町が世界一の古書店街となった歴史から始まりました。

 

江戸幕府直轄の学校「昌平坂学問所」が神保町に移転したことで、

勉学に励む学生が集まるようになったそうです。

学生が集まると、当然教科書や参考書が必要になります。

さらに、明治時代になると多くの大学ができ、

古書店街がどんどん発達していったということです。

神保町の古書店街には長い歴史があるのですね!

 

先生のお店は江戸時代の貴重な古書をたくさん取り扱っています。

その一部を手に取って見せてくれました。

昔の本は和紙でできているので、今の本よりずっと強度があるそうです。

 

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▲江戸時代に書かれた『南総里見八犬伝』を鑑賞。希少な本に触れてドキドキです。

 

 

神保町について学んだ後は、みなさんお待ちかねの妖怪のお話です。

「この中で、妖怪を見たことがある人はいる?」

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先生の問いかけに、笑い声があがります。

そして、長~い絵巻物を広げて見せてくれました。

 

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▲みんな興味津々!身を乗り出して見ています。

 

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▲『百鬼夜行絵巻(ひゃっきやこうえまき)』一部分。なんの妖怪かわかるかな?

 

みんなで巻物の絵をよく見ると、

琵琶(びわ)にお琴、蚊帳(かや)や破れた傘(かさ)などが妖怪になっています!

 

「付喪(つくも)神という言葉があります。

これは九十九(つくも)という数字に由来しています。

昔は、どんなものでも99年経つと魂が宿ると言われていたのですよ」

 

魂が宿らないように、99年使った物は捨てていた。

それを不服とする彼らが、妖怪となってデモ行進をしている様子が

この『百鬼夜行絵巻』なのだそうです。

使い捨てが当たり前となってしまった今の時代、

99年も物を使い続けること自体が無くなっています。

昔の人のように物を大切にすると、

家の中でも妖怪が姿をみせてくれるのかもしれませんね。

 

 

次に見せてくれたのは『百怪図巻(ひゃっかいずかん)』

たくさんの妖怪が描かれ、そこに名前が書かれているもので、

言わば、妖怪図鑑です。

 

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▲ちょっと怖いけど見てみたい!

 

この『百怪図巻』に載っている妖怪の特徴や生息地を、

先生がくわしく教えてくれました。

ここで、いくつかご紹介します。

 

【おとろし】

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生息地:神社

神様を守っている妖怪。

神社で落書きやイタズラしている人間を見つけると、

大きな音を立てて驚かしたり、鳥居の上から落ちてきてこらしめる。

 

【ひょうすべ】

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生息地:九州の田畑・川

お酒に酔っぱらったような歩き方をする。

昼間に田んぼに出て稲を食べる。河童の仲間ともいわれている。

 

【ぬらりひょん】

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生息地:不明

妖怪の親玉といわれている。

みんなが忙しい時にどこからともなく現れて、勝手に家に上がってお茶を飲む。

 

【河童(かっぱ)】

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生息地:川や沼

今ではキャラクターとして愛されている河童だが、

実は、子どもを川に引きずり込み、尻子玉(しりこだま)を抜く怖い妖怪。

尻子玉を抜かれた人間は腑抜け(ふぬけ)になってしまう。

 

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▲配布資料に熱心に書き込みをしています。

 

この他にも、たくさんの妖怪を紹介してくれました。

怖い妖怪、ユニークな妖怪、可愛い妖怪・・・

参加者の皆さんから驚きや笑い声があがります。

 

先生の授業は、古き良きものや自然を大切にする気持ちを

思い起こさせてくれました。

また、なかなかお目にかかれない貴重な資料を間近に見て、

作品の扱い方や、その制作工程も学ぶことができました。

参加者のみなさんには、妖怪についてくわしくなっただけでなく、

多くのことを感じ取っていただけたのではないでしょうか。

 

 

そして、授業の最後は“こわ~いおはなし会”で締めくくり!

千代田図書館のスタッフがおはなしします。

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▲会場の照明を落とし、おはなし会が始まりました。

 

蒸し暑い夏の夜でしたが、ヒヤッとするこわいお話で涼しくなりましたか?

 

纐纈先生、参加者のみなさん、お疲れさまでした!

Posted at:09:00

レポート:じぶんでカメラを作ろう

千代田図書館では、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に

「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2012」を開催しています。

前回のブログでは「図工」の授業をレポートしました。

今回は、8月18日(土)に開催した「理科」の授業風景をお届けします。

 

「理科」の先生は、神奈川県逗子市にある科学館『理科ハウス』の

館長 森裕美子先生(左)と、学芸員の山浦安曇先生(右)です。

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「カメラの中を見たことはありますか?」

授業の最初に見せてくれたのは、なんと100年前のカメラ。

手に持たせてもらうと、ずっしりとした重みがあります。

一体、中はどんな構造になっているのだろうか・・・。

 

「では、開けてみます!」

パカッ!

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中は何も入っていません。

元祖カメラの正式名称は「カメラ・オブスキュラ」。

(カメラ=部屋、オブスキュラ=暗いという意味)

 

中が暗い空洞の箱に、小さな穴が開いているだけで、

どうして写真が撮れるのだろう?

今回の授業は、そんな疑問からスタートしましたが、

カメラを作って、その仕組みや光について勉強します!

この授業の終わりには、きっとその謎が明らかになっていることでしょう☆ 

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眼でものを見る仕組みは、ものに日光や電気が発する光が当たり、

それを反射した光が瞳を通ることで認識することができます。

ものの形を映し出すには、光が重要な役割を果たしているのですね。

 

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ピンホールカメラの仕組みについて、みんなで一緒に考えてみます。

山浦先生が出す質問に答えて、次々と面白い意見が出てきました。

 

それでは、実際にカメラを作って検証してみましょう!

配布されたのは、片面が黒い厚紙。

黒い面を内側にしてふたつの箱を作り、

それらを合わせてピンホールカメラを作ります。

 

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▲切る線を間違えないように丁寧に~!

 

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▲隙間から光が入らないように、セロハンテープでしっかり留めます。

 

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▲画像を写すスクリーン(トレーシングペーパー)を貼ります。

 

 

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▲構造はこんな感じ。

 

完成したひとから、さっそくカメラを覗いてみます。

さて、どんな風に見えたかな? 

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▲カメラを覗いた子どもたちから歓声が上がります♪

 

カメラを覗くと、現実とは逆さまに、でもはっきりと写っています

その理由を、先生から詳しく説明してもらいました。

光は針穴(ピンホール)によってふるいにかけられ、

画像が写るのに適当な光の量がスクリーンに届きます。

光の量が多いと明るすぎて何も写らないので、

針穴がとても重要な役割を果たしていることがわかりますね。

また、光はまっすぐに進むので、

針穴を通過した光がスクリーンに当たる場所は、

現実とは上下が反転した位置となり、逆さまの画像となるのです。

 

さらに発展させて、レンズ式カメラに作り替えます。

針穴部分を取り除き、そこにレンズを嵌め込みました。

覗いてみると、ピンホールカメラよりも明るい画像になっています! 

 

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ただし、レンズ式カメラより、ピンホールカメラの方が優れている点もあるそうです。

レンズ式には焦点があるので、必ずピントを合わせなければなりません。

ピンホールは、まっすぐ進んだ光をそのまま写し出しているので、

どの位置でもピントは必ず合うのです。

皆さん、カメラと光の関係やその仕組みは理解できましたか?

 

この後、自分で作ったカメラでの撮影会が始まりました。

スクリーンの前に印画紙を貼り、

ピントを合わせた状態で30分ほど動かさずに置いておきます。

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待っている間に、印画紙の性質について実験しながら勉強しました。

 

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▲油性ペンで絵を描いたトレーシングペーパーと

印画紙を重ねて、光に当てます。

 

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▲光を当てた印画紙にラミネーターやアイロンで熱を加えます。

 

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▲感光塗料が変化して、描いた絵が現れます。

 

レンズ式カメラでも同じように、

スクリーンに写し出された風景が印画紙に焼き付けられました!

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撮影の際に一番大事なことは、光を当てる量です。

天候によって当てる時間を調整しなければなりません。

印画紙に光を当て過ぎると全体が真っ白になってしまうし、

光が足りないと何も変化しません。

この授業で作ったカメラは、印画紙さえあれば何度でも撮影できます。

今回、うまくいかなかったというひとも、

ぜひ自宅で再チャレンジしてみてくださいね!

 

この授業でもっと理科を学びたくなったひとは、本で調べてみましょう。

また、森先生と山浦先生がいる『理科ハウス』には、

身近な素材で作られた体験コーナーが随所にあり、

身の回りにある科学に触れることができますよ。

今回のワークショップで使用した印画紙も販売しているそうですよ!

詳しくは→コチラ(http://licahouse.com/

 

知らなかったことを体感しながら学ぶことができ、

驚きやわくわくでいっぱいの授業でした。

先生、参加者のみなさん、お疲れさまでした。

 

Posted at:09:00

レポート:ストーンアートどうぶつ園

千代田図書館では、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に

「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2012」を開催しています。

前回のブログでは「社会」の授業をレポートしました。

今回は、8月9日(木)に開催した「図工」の授業風景をお届けします。

 

「図工」の先生は、今、注目を集めている彫刻家で

武蔵野美術大学客員教授の三沢厚彦さんです。

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三沢先生は、主にクスの木を素材とした動物の彫刻を制作していますが、

今回の授業は拾い集めた「石」に絵を描いて、カラフルな動物をつくり出します。

削ったり割ったりせずに、そのままの石の持ち味を生かします!

 

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▲三沢先生がつくった熊。

粘土・紙・木 素材によって違った表情が生まれます。

 

授業はまず、アート鑑賞から始まりました。

 

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スライドで紹介してくれた先生の彫刻作品に、みんな興味津々!

作品制作についていろいろなお話をしてくれました。

 

例えば、こちらの作品。

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「なんの生きものかわかりますか?」

「ユニコーン!」

 

架空の(もしくは、見たことのない)生きものでも、

その人の中で“リアリティ”を持っているから

それが何の生きものなのかがわかります。

ある時、三沢先生がつくったペガサスを美術館で観た人が

「ペガサスはこんなに大きくないですよ」と言ってきたそうです。

でも、先生は大きいと思うと…。

その人によって、ペガサスのリアルは違うのですね。

先生は実在する動物を作るときにも、図鑑を参考にするのではなく、

自分が持っているイメージを表現しているそうです。

ひとりひとりが持ってる“リアリティ”を大事にして

作品づくりをしましょうというメッセージがありました。 

 

鑑賞のあとは、作品の下絵に取り掛かります。

「石を拾ってきたところから、

すでに作品づくりは始まっているんですよ」

石を様々な角度からよ~く観察して、

どんな動物にするか考えます。

 

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▲何に見える? 

 

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▲くじら?ひつじ?石の形からイメージを膨らませます。

 

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▲下絵ができたら、ガッシュ(不透明水彩絵の具)で色塗り開始!

 

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▲きれいなライトグリーンのゾウさん。

 

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▲ねずみかな?

 

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▲石の模様をそのまま生かして、ゴマフアザラシ。

 

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▲絵筆を使って、丁寧に仕上げていきます。

 

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▲完成した作品は、どうぶつ園の柵の中に放します。

 

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▲カラフルで表情豊かな石のどうぶつたち。

 

zukou14.jpg ←先生も一緒につくりました。

 

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最後はお互いの作品をじっくり鑑賞。

形のとらえ方や色の塗り方が

それぞれ違っていることを先生が教えてくれました。

 

石をキャンバスのように考えて、中に動物の絵を描く方法

石の形をそのまま動物の体の形にする方法

石全体を絵具で塗る方法

石の模様や色を残して表現する方法・・・

 

「ひとりで制作していると、自分の世界だけになってしまうけど、

完成した作品をみんなで一緒に観ると、

他の人の分も経験したことになるのですよ。」

 

この授業をきっかけに、道に落ちている石の見え方も

変わってくるかもしれませんね。

「まだ作りたかったけど、時間が足りなかった!」

という声も上がっていました。

ぜひ今度は他の人がやっていた方法で、自宅でも作ってみてくださいね。

 

※千代田図書館では、三沢先生が紹介されている中学校美術の教科書や、

先生が手掛けた作品集・絵本を読むことができます。

貸出可能な図書もありますので、お手に取ってみてください。

 

 

Posted at:09:00

レポート:アナウンサーと一緒にラジオ番組をつくろう

千代田図書館では、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に

 「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2012」を開催しています。

教科は国語・理科・社会・図工の4教科。

今回は、8月1日(水)に開催した「社会」の授業風景をお届けします。

 

「社会」の先生は、ラジオNIKKEIのプロデューサー兼アナウンサーとして

活躍している竹川英紀(たけがわ・ひでき)さんです。

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番組制作に欠かせないラジオミキサーの女鹿田(めかた)さん【右】と

アシスタントの金井(かない)さん【左】もお手伝いくださいました。

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ラジオミキサーとは、パーソナリティーの声や、

番組で使う音楽の音質・音量を調整し、録音する仕事です。

専用の機材が並べられ、千代田図書館の子ども室が

本格的なラジオスタジオの雰囲気になりました。

 

この授業では、子どもがパーソナリティーとなり、

保護者にインタビューをしてトーク番組をつくります。

番組のコンセプトは、

夕食後に家族の会話がはずむような番組

ラジオ番組に初挑戦の参加者のみなさんが、

どんなトークを繰り広げるのかとても楽しみです!

 

まずは、番組制作の前に、

アナウンサーの話し方・場の盛り上げ方を学びます。

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▲強調したい箇所を意識的に抑揚をつける練習中。

 

続いて、番組の為の「取材」をします。

夏休み・旅行・ペットなど、組ごとにテーマを決めて、

どんなインタビューにするかメモを取りながらシナリオを考えました。

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▲いつ・どこで・誰と・何をしたか?

視聴者に興味を持ってもらえるような話の広げ方に気を配ります。

 

「ここまでを10分で考えてください!」

「ハイ、あと1分~!!」

竹川先生の激が飛びます。

限られた時間の中で、面白いトークとなるポイントを押さえた

シナリオを考えるのは大変そうでしたが、

親子の笑い声があちこちから聞こえてきます。

 

シナリオができあがったら早速本番のインタビュー。

今回は参加者を5グループに分けて、

グループ毎にひとつのラジオ番組をつくりました。

 

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▲録音スペース。本物のヘッドセットとカフボックスを用意。

(カフボックス=マイクの音声をON/OFFする操作箱のこと)

 

syakai6.jpg ←自分の持ち時間は厳守!!

 

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▲「それでは行きますよ!」「オー!!」

 

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▲話すタイミングを見計らって、ディレクター(竹川先生)が指示を出します。

 

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▲ゲストにインタビュー☆

 

 

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▲視聴者も笑い声や拍手で番組を盛り上げながら、

リスナーカードにラジオ番組の感想を書きます。

 

インタビューの時間はそれぞれ3分間。

実際に放送されているラジオ番組は、

時間ぴったりに終わるように制作されています。

これがなかなか難しい!

長く話しすぎず、短くなりすぎずを意識しながら、

自分たちがつくったシナリオにアドリブを加えて

楽しいトークを届けます。

 

ラジオミキサーがつくり出す音の効果も、

番組を大変盛り上げてくれました。

ディレクターの竹川先生と合図を送り合い、

ジングル(節目に挿入される短い音楽)や音のフェードアウトを

なめらかにタイミングよく行い、番組を演出します。

 

完成したラジオ番組はどれも面白く、

会場は笑い声で溢れて授業終了となりました。

 

楽しくラジオ番組をつくりながら、

パーソナリティとゲスト、視聴者、番組をつくる仲間など

さまざまな関係でのコミュニケーションを

学んでいただけたのではないかと思います。

授業終了後には「どきどきして面白かった!」

「アナウンサーの仕事をもっと知りたくなった」

「みんなの前で話すことが楽しかった」などの声をいただきました。

参加者のみなさん、先生、ありがとうございました!

 

Posted at:09:00

レポート:文学座演出家による ことばとからだで伝える表現ワークショップ

7月21日(土)に、

千代田区読書振興センター主催の中高生向けワークショップ

 「第2回文学座演出家による

  ことばとからだで伝える表現ワークショップ」

九段生涯学習会館で開催しました。

 

講師は文学座演出家の中野志朗さん

同じく文学座女優の牧野紗也子さん

アシスタントとしてお手伝いくださいました。

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ワークショップに参加してくれた中高生は総勢21名。

まずは、牧野さんが互いの交流を深める自己紹介や

簡単なゲームを教えてくれます。

ゲームを楽しむ中で、きちんと相手の目を見て伝えることを意識します。

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初対面の緊張感が無くなり、笑い声が上がります。

さすが、友だちになるのが早い!

 

 

さて、今回の表現ワークショップの題材は

ドイツの昔話「ハメルンのふえふき」です。

あらかじめ、参加者の皆さんには物語を読んできてもらいました。

真実は明かされないままになるこの物語のラストを、

二人一組で考え、発表してもらいます。

 

ハメルンの町からいなくなった子どもたちは、

その後、どうなったのかなぁ?

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グループ毎に発表されたストーリーは、発想豊かなものばかり。

「なるほど、そんな展開も考えられるのか!」と驚かされました。

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この後、小説を台本として舞台の練習を始めました。

この日の夕方には、一般の来場者を迎えての発表会が予定されています。

限られた時間の中で、演劇を仕上げなければなりません。

 

講師のおふたりがご用意してくれた楽しい小道具たち。

どんな効果を発揮してくれるのか、期待が高まります。

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小説を元に、情景や登場人物の人柄や気持ちをイメージし、

どんどん指示を出す中野先生。

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戯曲ではないので、物語の行間を読みながら

セリフや動きの表現を創造しなければなりません。

先生方は指導をしながらも、アイディアを常に書き留めていました。

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そして、セリフの無い役にも細部にわたって演出が入り

大道具がなくても舞台の雰囲気を作り出します

 

↓幸せなハメルンの町人たちの様子。

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↓いたずらネズミ参上!

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↓ネズミ退治の名人・ハメルンの登場。驚く役所の人々。

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↓ハメルンのふえの音に集まってきたネズミたち。

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↓ハメルンとモメる市長さん。

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↓ハメルンのふえの音に集まってきた子どもたち。

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登場人物がたくさんある物語なので、町の人になったり、

役所の人になったり、ネズミになったりと

ひとりが何役もこなします。

プロの演出家の指導を受け、さらにそこに

参加者が自分なりに考えたアレンジを加えて表現します。

参加者の皆さんの吸収の良さは、目を見張るものがありました。

 

 

ついに発表会の時間。

観客席には、保護者も含めた一般来場者が集まりました。

緊張の幕開け。一日の成果を披露します!

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演劇の最後は、ワークショップの冒頭で考えた

物語のラストのシナリオをそれぞれ発表して閉幕。

ご来場の皆さまから温かな拍手をいただくことができました。

 

終わりに先生を囲んで座談会。

プロの演出家と女優に直接質問できる貴重な機会です。

発声方法や、劇中のダンスのコツ、演出の難しさなど

質疑をしながらいろいろなお話を伺うことができました。

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朝10時から17時までの長いワークショップでしたが、

参加者全員が集中力を切らすことなく、最後まで一生懸命取り組み

素晴らしい発表会も実現しました。

見ている側も学ぶところが多く、楽しい一日となりました。

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中野先生、牧野先生、そして参加者の皆さま、

ありがとうございました!

 

<ハメルンのふえふき 参考図書:浜田廣介全集10 再話(二) 集英社>

 

Posted at:09:00

レポート:童話作家・立原えりかさんの講演

去る6月4日(月)に千代田図書館9階のオープンスペースで、

「本と出会う 読書サロン」第4期新規メンバーの募集をかねて

オープニングイベントを開催しました。

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講師は童話作家の立原えりかさん

アンデルセンに憧れて童話作家になったという立原さんの講演は、

物語についてだけでなく、アンデルセンの生涯や

同時期の作家に関するお話など

幅広い内容で大変興味深いものでした。

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アンデルセンといえば誰もが知ってる童話作家ですが、

彼がどのような人生を歩んできたのかは

知らない人がほとんどなのではないでしょうか。

講演はアンデルセンの幼少期のお話から始まりました。

 

父親は靴の修繕屋、母親は洗濯婦をしており、

生活は貧しくその日暮らしをしていたそうです。

しかし、アンデルセンには夢がありました。

童話作家…ではなく、なんと役者になりたかったのだそうです。

夢を叶えるべく、14~15歳のアンデルセンは

ひとりでコペンハーゲンに向かいますが、

声変わりが始まり役者を諦めます。

収入が少なく、苦しい暮らしを続けていたのですが、

人徳か熱意によるものか、彼を支援してくれる人々に恵まれ、

教養を身につけることができたそうです。

その後、徐々に文才をあらわし、作家として認められていきました。

 

数多くの名作童話を残しているのは、彼の才能によることと同時に、

貧しさや様々な困難にもめげずに挑戦を続けた努力の結果だということが

立原さんのお話から知ることができました。

アンデルセンの生涯に興味を持った方は、

立原えりかさん監修による本を読んでみてはいかがでしょうか。

 

『ハンス・クリスチャン・アンデルセン 哀しき道化』

[出版社 愛育社]

著:アリソン・プリンス 訳:黒田俊也 監修:立原えりか

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また、童話の楽しみ方や選び方についてもお話しいただきました。

「同じ物語でも、挿絵によって随分と印象が変わるのですよ。」と、

本を手に取って比べて見せてくださいました。

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なるほど、挿絵によって雰囲気や心に残る場面が変わります。

アンデルセンの童話集も様々なものが出版されています。

ご紹介いただいたこちらの本は、

カバーデザインも美しく、童話の世界により深く浸ることができそうです。

立原さんの解説付きなので、物語の背景も知ることができます。

 

『豪華愛蔵版アンデルセン 童話名作集』

[出版社 静山社]

挿画:V.ペーダセン 訳:矢崎源九郎 編・解説:立原えりか

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立原さんのお話からアンデルセンの人物像を知り、

その上で、童話を久しぶりに読み返してみると

子どもの頃とはまた違った感動を得ることができました。

アンデルセンの童話には、

人生経験を積んだ大人だからこそ味わえる世界があります。

立原先生、素晴らしい講演をありがとうございました。

Posted at:09:00

レポート:図書館コンシェルジュと巡るツアー「皇居東御苑の花々」編

5月26日(土)に、

図書館コンシェルジュと巡るツアー

「皇居東御苑の花々」編

を開催しました!

tour1.JPG ←平馬先生をご紹介

 

講師は宮内庁に勤務をされていた日本庭園研究家の平馬 正さん。

今回のツアーは、2月下旬まで開催していた

千代田図書館ミニ展示『辻永(つじひさし)の絵で見る皇居の花々』と

その関連セミナーの“アウトドア編”として、

皇居東御苑を散策しながら自然と歴史に親しみました。

 

散策の前に、まずは図書館で皇居東御苑の花々について調べものをします。

植物の本といっても、書籍によって検索の仕方や特徴・利点も様々。

使い方・検索の仕方の説明を受けて、それぞれが気になる花を調べます。

←先生に質問しながら調べもの

 

資料のコピーを片手に、いざ皇居東御苑へ!

お天気にも恵まれ、絶好の散策日和になりました。

ツアーは清水門からスタート♪

tour3.JPG  

 

  ←雁木坂の階段は段差が激しく厳しい~!

 

 

道々、先生が様々な興味深いお話をしてくれました。

写真は宿り木について教えていただいているところです。

  

 

 

香淳皇后の還暦を記念して建てられた音楽堂「桃華楽堂」の名前の由来など、

歴史や建造物についても興味深いお話が盛りだくさん!

←「華」=「十」6つと「一」1つ=61歳

 

 

歩きながら辺りを見回すと、花々が咲き誇っています。

その一部をご紹介。

  

 

  

 

  

 

  

 

角ばった屋根のような形をした珍しい刈り込みは、

平馬先生が宮内庁で勤務されていた頃に造られた「平馬刈り」です。

石垣の存在感にも負けない生垣の刈り込みの美しさは必見。

←写真左の山型の生垣

 

この日はまだ咲いていませんでしたが、

二の丸庭園のハナショウブはこれからが見頃です。

 tour21.JPG ←満開の季節が楽しみ

 

ゴールは平川門。

平馬先生、楽しい時間をありがとうございました☆

2時間半のツアーコースとなりましたが、

ご参加された皆さんにご満足いただけたなら幸いです。

←平川門前の風景

 

 

皇居東御苑は、自然と歴史について学べることがたくさんあります。

季節によって違う表情を見せてくれるので、

何度も訪れてみたくなる場所です。

ぜひ、皆様も散策に訪れてみてくださいね♪

Posted at:09:00

レポート:ことばと音のフェスティバル♪

5月12日(土)に、区民ホール(区役所1階)にて

「こどもの読書週間」に合わせたイベント

<ことばと音のフェスティバル♪

 『あらしのよるに』朗読パフォーマンスライブ>

を開催いたしました。

 

 

文学座女優の中川 雅子さん・金沢 映子さんによる朗読パフォーマンスと

パーカッショ二ストの横田 大司さんによる音のコラボレーション!!

 

 

プロの女優さんによる朗読は、

「朗読」に止まらず、「舞台」そのもの。

『あらしのよるに』は、たくさんの動物たちが登場するので

ふたりで演じるには、ひとり何役もこなさなければなりません。

声色や表情をくるくると変化させ、来場者を物語の世界に引きこみます。

 

それに加え、パーカッションが創りだす雰囲気も素晴らしかったです☆

嵐の迫力、やがて訪れる静寂、月の輝きや陽の光など

自然を表現した音を肌で感じることができました。

 

 

脅えたり、楽しくなったり、

悲しくなったり、嬉しくなったり、心が温かくなったり。

子どもも大人も一緒になって物語の世界を味わえる

素敵なイベントとなりました。


来年も「子どもの読書週間」に合わせたイベントを開催する予定です。

ぜひ、またお越しくださいね♪

Posted at:09:00

レポート:第3回 読み聞かせスキルアップ講座④ ~受講生によるおはなし会~

2月から開始した今年度の「読み聞かせスキルアップ講座(全4回)」も、

3/24(土)にとうとう最後の回を迎えました。

 

最終回は、これまでの講座内容を振り返り、

各自が成果を試す発表会です。

3/24(土)14:00から、千代田図書館10Fこども室で開催しました。

 

 

 

 

受講生が4つのグループに分かれ、

“幼児向け”“小学校低学年向け”“小学校高学年向け”
のおはなし会を作り上げます。

各グループともに直前まで、手遊びを入れたり、
お天気や季節感、テーマ等を考えて、再度全体の流れや構成を見直します。

 

 

 (※開始前の練習風景)

 

 

会場には、受講生以外にも、受講生のご家族や知人・友人の方、

休日で図書館を訪れていた親子連れなど、多くの方がお越しくださいました。

 

受講生のみなさんも、

講師の宮崎さんからの開始前のメッセージ

“今日は、あなたの声で、あなたらしく楽しく表現してください”

を胸に、楽しく、でもかつ真剣に本番に臨んでいました。

 

 

★発表会の様子★

 

オープニング♪

 

 

 

手遊び♪

 

 

読み聞かせ♪

 

紙芝居♪

 

 

発表会も順調に進み、4グループが終えるころには2時間が経過。

最後は、手遊びで楽しく締めくくりました。

見に来られた方からは、
“次回の講座にはぜひ参加してみたいです” 

“○○の作品がとてもよかったです”
“みなさん、お上手ですね” 等の感想もいただきました。

 

そして、発表会終了後は反省会です。

11人に対し、受講生同士からコメントと講師から講評が寄せられました。

宮崎さんの的確で、ユーモアのあるフィードバックはわかりやすく、

受講生の皆さんもしっかりと受け止めます。


 

 

いろいろな事例を講評つきで振り返ることにより、

参加されたみなさんがさらに理解を深め、
ご自身の今後の読み聞かせの
ヒントにしていただけたら、と思っています。

 

受講生のアンケートでは、

早くも次の講座開催を希望する声をたくさんいただきました。

読書振興センターでは、引き続きこのような講座を企画していきますので

どうぞご期待ください。

 

>宮崎先生、第2回目~発表会までの講義をありがとうござました♪

 

 

 

★ 発表会で使用した本(一部)★

    

 『おだんごぱん』 [出版社 福音館書店]

作:ロシア民話  絵:脇田 和  訳:瀬田 貞二

 

 

 

 

『こんとあき』 [出版社  福音館書店]

作・絵:林 明子

   

 

 

 

 

『わらしべちょうじゃ』 [出版社 ポプラ社]

作:西郷 竹彦  絵:佐藤 忠良

 

 

 

 

『はなのみち』 [出版社 岩崎書店]

作:岡 信子  絵:土田 義晴

 

 

 

 

『11ぴきのねことあほうどり』 [出版社 こぐま社]

作・絵:馬場 のぼる

 

 

 

 

『ハガネの歯』 [出版社 セーラー出版]

作:クロード・ブージョン  絵:末松 永海子

 

 

 

 

『ゆらゆらばしのうえで』 [出版社  福音館書店]

作:きむら ゆういち  絵:はた こうしろう

Posted at:09:00

レポート:第3回 読み聞かせスキルアップ講座―③

連続講座「第3回読み聞かせスキルアップ講座」の3日目

を3月10日(土)に開催しました。

子育て中の方やボランティアの方、保育士の方など、

子どもと関わる方にはぜひ知ってほしい内容が満載!

このブログで、講座の内容を少しだけ紹介したいと思います。

 

 *講座初日のレポートはコチラ

 *講座2日目のレポートはコチラ

 

講座3日目の講師は、引き続き、千代田図書館の

学校支援担当司書の宮崎亜古さんです。

 

 

今回は、実際に「読み聞かせ」や「おはなし会」をするために、

本の選び方やおはなし会の内容の構成、会場設定についてなど、

実践的な内容を学びました。

 

★本の選び方★

特に公共の場での「おはなし会」などで、複数の子どもを相手に

読み聞かせをする場合は、本選びは、とても大切!

一口に「絵本」といっても、さまざまな種類の絵本があるので、

季節や行事に合わせて選んだり、内容、長さ、対象年齢などを

しっかり考慮して選ぶことがポイントです。

対象年齢の目安を知るのに、小学校の国語の教科書に

どんな作品が採用されているかが参考になる、という点は、

参加者の皆さんにとって思いがけない情報だったようです。

 

>定番のおすすめ絵本

 

 『かぼちゃスープ』 

 ヘレン・クーパー/作 せなあいこ/訳 アスラン書房

 

 読みやすく、リズムのある文章は読み聞かせにぴったり!

 

 

★おはなし会の構成★

おはなし会の全体をひとつの流れとしてとらえ、

導入と仕舞いをきちんとすること、中心となるメインのおはなしを決めること、

つなぎ方を工夫して途切れないようにすること。

“メイン”ばかりにならないように、自然や写真絵本、

赤ちゃん絵本などの小さなおはなしを間に入れると、

ちょっとした気分転換や、つなぎになるというアドバイスもありました。

 

>ときには“文のない”絵本もいいですね。

 

 『かようびのよる』 

 デヴィッド・ウィズナー/作 当麻ゆか/訳 徳間書店 

 

 

 

★おはなし会の会場・時間★

聞き手にちゃんと絵本が見えるための工夫、

おはなしに集中できる環境作り、時間設定などについて学びました。

 

★読み聞かせの実践(手法・技法)★

本の持ち方、開き方、めくり方、声色など…

参加者の皆さんにとって、とても参考になったようです。

 

 

⇒最終日の発表会(一般公開のおはなし会)の準備に入りました。

4つのグループに分かれて、各自で読む本を選び、プログラムを立てます。

参加者の皆さんは、これまでに学んだことを思い出しながら、

真剣に本を選び、教わったばかりの手遊びを練習し、つなぎを考え・・・

宮崎さんにアドバイスをもらいながら、組み立てていきます。

時間の調整や、読む本のバランス、テーマなど、

いざおはなし会のプログラムを組むとなると、

考えなければいけないことがたくさんありますね!

 

 

 

⇒どんな「おはなし会」になるのでしょうか?

講座最終日の発表会(一般公開のおはなし会)

ぜひ聞きにきてくださいね!

 

第3回 読み聞かせスキルアップ講座受講生による おはなし会

日時 3月24日(土)14:00~約1時間

場所 千代田図書館10階 子ども室

対象 どなたでも(出入り自由)

Posted at:15:00

レポート:第3回 読み聞かせスキルアップ講座―②

先月開始した連続講座「第3回 読み聞かせスキルアップ講座」

2日目の開催レポートをお届けします。

 

 *初日「愛の贈り物としての読み聞かせ―幼児期の発達と読み聞かせ」

  (講師:片岡輝さん)の様子はコチラをご覧ください。

 

★第3回 読み聞かせスキルアップ講座

 ②「子どもたちへの読み聞かせについて」

日時 3月3日(土)10:15~12:15

会場 千代田図書館 第1・2研修室

 

 

今回より、千代田図書館の学校支援担当司書である

宮崎亜古さんが講師をつとめます。

 

学校支援担当司書は、区内の小学校や幼稚園・こども園などに

派遣され、児童・乳幼児とその保護者、各施設の教職員に対して、

それぞれの読書活動を支援しています。

 

(学校図書館だけではなく、幼稚園・こども園・保育園などにも

 公共図書館の司書が赴き、継続的・定期的に支援を行うのは、

 全国的にもまだ前例の少ない取り組みです)

 

宮崎さんは、その統括業務をはじめ、図書館教育・読書教育のため

子育て支援者向けの講座など、各所で講座・講演を行っています。

 

 *昨年12月に宮崎さんが講師を担当された

 「子育て・家庭支援者養成講座<絵本選びと読み聞かせについて>」 

  の様子はコチラをご覧ください。

 

前置きが長くなりましたが、今回の講座のようすをお届けします。

 

――なぜ、おはなし・読み聞かせをするのか?

~こどもたちが豊かな人生をおくるために~

日常生活で使用する言葉は、思ったより限られています。

本や絵本を通じて、たくさんの言葉に出合うことで、

その言葉が経験と結びついたときに「知識」となり、

考えることができるようになり⇒想像力が育ちます。

すると、社会に出たときに、他者との関係を

想像力と言葉で築くことができるようになります。

 

また、人の声の温かさは愛情として伝わります。

読み聞かせは“耳からの読書”でだけではなく

こどもたちへの“愛情の表現”にもなりますので、

美しい言葉をたくさん、家族の声で聞かせてあげてくださいね。

 

 

―― 発達に合わせた絵本

0歳~小学校に入るまでの幼児期は、聞く力を育てるとき。

小学校低学年~高学年の児童期は、読む力を育てるときです。

宮崎さんの豊富な現場経験談を交えながら、

こどもたちの発達と本との関係について

とても分かりやすく説明していただきました。

 

>0歳児には“読み聞かせ”ではなく“ふれあい”を!

『いない いない ばあ』松谷みよ子/作 瀬川康男/絵 童心社

 

――本の選び方

上記のような、こどもの発達に合わせて本を選ぶことはとても大切です。

また、本選びに迷ったときは、定番の古典的な絵本を参考にしましょう。

やはり、読み継がれているのには理由があるようです。

また、新聞や雑誌の書評も、どういう本があるのか、

どういう見方があるのかを知るのに参考にしているそうです。

 

>おすすめの定番作品

『もりのなか』マリー・ホール・エッツ/文・絵 まさきるりこ/訳 福音館書店

 子どもたちは、デッサンのしっかりした絵本に惹かれます。

 

『スーホの白い馬』大塚勇三/著 赤羽末吉/絵 福音館書店

 読み聞かせをすると、子どもたちの気に入る絵本のひとつ。

 絵のちからが、おはなしをいっそう深いものにしています。

 

――おはなし会のプログラムの立て方

おはなし会の対象・場所・規模などに合わせたプログラムの

立て方について、具体的なお話がありました。

ボランティア活動で読み聞かせをされている受講者にとって

難しいポイントのようで、皆さんしっかりメモをとられていました。

 

次回はグループ分けをして、最終日のおはなし会(発表会)に向けて

さらに実践的な内容で取り組んでいきます。レポートをお楽しみに!

Posted at:16:40

レポート:トークイベント「古書目(こしょもく)作りの最先端」

千代田図書館の企画展示「気になる古書目(こしょもく)案内」

の関連イベントとして、個性派古書店主たちのトークイベントが

2月17日(金)に開催されました。

 

 

 

登壇者は、神保町の〔大屋書房〕より纐纈久里(こうけつ・くり)さん、

同じく〔中野書店〕より中野智之(なかの・ともゆき)さん、そして、

女性店主・創業者として〔日月堂〕佐藤真砂(さとう・まさご)さん、

〔古本 海ねこ〕場生松友子(ばしょうまつ・ともこ)さんの4名。

 

皆さん、独自の「古書目」=古書販売目録(通信販売カタログ)

を作っておられる、古書業界・古書好きの間で話題の方々です。

どんな話が聞けるのか?と、たくさんの古書好き、本好き、

関係者らで会場が賑わう中、中野さんの進行で始まりました。

 

 

目録は通販カタログなので、東海道線の開通(明治22年)後に出現。

戦前期くらいまでが「黄金期」といえる活発な時代だったそうです。

中でも〔巌松堂書店〕の目録は、当時の日本の代表的な作品を

知るのにも役立ち、目録のシンボル的な存在として今に伝えられています。

 

インターネット販売などが増えていく中で、皆さんは、なぜ、

そして、どんな目録を作っているのでしょうか?

継承者と創業者というそれぞれの立場の違いも、

目録の内容や性質の違いに関わってくるようです。

 

▲写真右:中野智之さん

 

〔中野書店〕 ⇒ ホームページはコチラ

・総合目録「古本倶楽部」毎月発行)

 

・商品の紹介文が掲載される「お喋りカタログ」不定期発行) 

 これは、知らない人にも、知ってもらえるといいな、

 おもしろいと思ってもらえると嬉しいな、との気持ちで中野さんが

 書かれています。

 確かに、素人にも分かりやすく、おもしろそう!と思わせてくれる

 ていねいな情報が満載で、古書を通じて世界が広がりそうです。

  あえて特集を組むことや、テーマ別・時代別にしていないのは、

 特集を組むように古書を集めるのが、お客様の楽しみではないか?

 との考えからだそうです。

++++++++++++++++++++++++++++

 

▲写真左:纐纈久里さん

 

〔大屋書房〕 ⇒ ホームページはコチラ

・初代、2代目までは、文字だけの目録を発行

・3代目(久里さんのお父様)は目録を発行せず。

 その理由は、店頭販売に集中する、店頭ウィンドウをうまく使って

 目録代わりにする、お客様ごとの目録作りは続ける、など。

・4代目(久里さん)が、目録「妖怪カタログ」を発行。

 

 同世代の人が“和本”や江戸文化を知らないことが多く、

 もっと知ってもらいたい、来店の足がかりをつくりたい、との思いが募り

 自分が好きな分野で、かつ、和本の世界を知らない人でも

 とっつきやすそうな「妖怪」にテーマをしぼった目録を発行。

 商品が集まらない、分類が難しい、割付などの制作に難航し…

 なんと完成までに10年!そして今年、新しい目録が出るという話も!?

++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 

 

ご自分で古書店を創業された女性店主のお二人の場合はどうでしょうか。

目録を作るに至る経緯、内容についてお話しくださいました。

 

▲写真:場生松友子さん

 

〔古本 海ねこ〕 ⇒ ホームページはコチラ

インターネット販売以外の販路を探していたときに

「即売展」への参加をすすめられたという場生松さん。

即売展では、目録は、複数の出展者と共同で発行します。

飲み仲間の先輩方のススメもあり、

自分が本当に売りたいと思う商品だけを入れる目録、

読む目録ではなく見る目録、を作ってみたいなぁ

とは思っていたそうです。

(そして日月堂の目録のウワサは耳にしていたんだとか!)

あるとき思い立ち、20年以上携わった雑誌作りの経験を活かして

作ってみたら…おもしろい!

値段の高い本が売れたり、まとめ買いをしてもらえたりし始めたのは

目録を作ってからだそうで、

本気で作るとお客様も本気で応えてくれる、と感じているそうです。

ただ、目録作りは経費もかかるし、エネルギーもたくさんいるので、

続けていくかは模索中とのこと。

++++++++++++++++++++++++++++ 

 

▲写真:佐藤真砂さん

 

〔日月堂〕 ⇒ ホームページはコチラ

何の修行もせずに古本屋を開業し、売れない、つぶれる、やばい!

と窮地に立たされたときに「即売会」をすすめられ、五反田展に出展。

出展者と共同で目録を作り、即売会に挑むも、売上げはいまいちで…

なぜ私がこの本を選んで目録に載せているのかが伝わっていないのかも?

もうちょっと親切に書くといいのかな?

この本をみつけた!という私なりの手柄を伝えてみよう。

との思いで作ると、お客様から反応が返ってくるようになったそうです。

さらに、自店目録として作った特集目録「戦後軽装判」が好評。

 

続けて、紙くずを集めた特集、モダニズムの特集、と全力投球で作成。

現在は、特集目録の発行はお休み中だそうです。

++++++++++++++++++++++++++++++

 

書物以外の“紙もの”を扱う店も増え、巌松堂書店の目録の時代からは

ずいぶんと変わってきているようですね。

 

目録作りに関してたっぷりとお話しいただいた後は

なぜ古本屋をやっているのか?という流れになりました。

こちらも、皆さんそれぞれに異なる背景をお持ちで

ここでしか聞けないような興味深い話を聞くことができました。

 

質疑応答の時間には、出版業界のインターネットに向かう流れと、

(今回の登壇者のような)紙の目録作りにこだわる古書店の出現

という二つの流れをどう考えているか?

古書目はこの先どうなっていくのだろうか?などの質問が出て

それに対する登壇者の皆さんの回答も興味深いものでした。

 

インターネットにも、紙の目録にも、それぞれに良さがありますが

お客様に喜んでもらえるのも、ネットにはない反応が見られるのも、

世界共通で名刺代わりになるのも、紙の目録なのだそうです。

  

――――ネットか紙か、目録を作り続けるのか辞めるのか。

今回の登壇者の皆さんも模索している様子でしたが

経費も時間も手間もかかる目録を作っていらっしゃるのは

やはり古書や紙の世界がお好きで、目録作りを楽しまれ、

その楽しさと情熱がお客様にも伝わるからなのかな、と感じました。

 

古書店の皆さん、濃密な時間をありがとうございました!

 

千代田図書館の企画展示「気になる古書目案内」は、

20日(月)に展示後期「男子が作った古書販売目録」に入替りました。

前期「女子が作った古書販売目録」をご覧いただいた方も

ぜひまた足をお運びくださいね。(詳細はコチラ

そして、古書店や古書の即売会、各店のホームページも

ぜひぜひ覗いてみてください。

Posted at:17:00

レポート:第3回 読み聞かせスキルアップ講座―①

2/4(土)に千代田区読書振興センターが主催する

「第3回 読み聞かせスキルアップ講座(全4回)」

千代田図書館でスタートしました。

 

 

連続4回講座の初回にあたる今回のみ、

講師に片岡輝(かたおか・ひかる)先生を迎え、

「愛の贈り物としての読み聞かせ

   ―幼児期の発達と読み聞かせ」

と題し、公開の講演会を開催しました。

 

 

冒頭で片岡先生から

「子ども達に何を手渡したいですか?」

「それはどのような方法で?」

と受講者へ問いかけがありました。

受講されたみなさんもそれぞれ、

心にいろいろなものを思い浮かべたと思います。

 

…愛、財産、教育、生活の知恵、文化、先祖伝来のもの etc

…日々の触れ合い、自然とのふれあい、言葉かけ、躾、

 季節の行事によって etc

 

片岡先生は、絵本にはさまざまな作者の愛(価値観やメッセージ)

が秘められていて、周囲の大人による、

それらを理解し共感した読み聞かせは、

未来を生きる子どもへの贈り物(愛のメッセージ)になる、

とお話がありました。

 

講演会は、先生が絵本を1冊1冊、実際に読みながら、

その本に込められているメッセージやテーマを

解説して進んでいきました。

 

 

時に幼児期の成長過程の特徴や、

時に心理学者の説などを交えてのお話は、

とてもわかりやすかったです。 

 

 

・・・・・・今回紹介のあった本(一部)・・・・・・・ 

 

●ラッセル/リリアン・ホーバン「フランシスシリーズ」

 

『フランシスのいえで』 

『おやすみなさい フランシス』

 ともに まつおかきょうこ/訳 好学社/刊

 

   

 

 親子の向かい合い方、の参考になる本。

 “お父さん、お母さんの参考書”だそうです。

 フランシスのお父さんとお母さんの会話にも注目! 

決してダメとは言わない。

一旦ゆったりと受け止める≪受容≫姿勢に、

親側の包容力と子どもへの愛情が伝わってきます。

 

 

●モーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』

 じんぐうてるお/訳 冨山房/刊 

  

 

 ≪ファンタジー≫が子どもにとってなぜ大切か。

読んで“帰ってくる” ことにより、

子どもは自分を違う世界で開放して、

現実を生き直す力につなげることができる、とも。

        

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

  

絵本の解説の後には、絵本の選び方や、

絵本との出会わせ方(出会いのドラマの演出)も重要、

というお話があり、

受講生のみなさんも熱心に聞き入ってました。

本選びには、身近な新聞等の書評もとても役立つそうです。

 

先生が書評で見つけた、最近のお気に入りの本↓  

●『蝶の目と草はらの秘密』 

 ジョイス・シドマン/文、べス・クロムス/絵 冨山房/刊

 

   

 

 

片岡先生の優しく穏やかな語り口と、惹きつけられるお話に、

改めて、読み聞かせの原点(=子どもへの愛の贈り物)を

感じてくださった方も多かったようです。

知っていた絵本にも、色々な気づきや新たな発見があり、

講義終了後は、紹介された本を借りていく方の姿も見られました。

 

片岡先生、第1回目の講義をありがとうございました。 

 

さて、読み聞かせスキルアップ講座は、 

次回3/3(土)から、最終回3/24(土)の“おはなし会(発表会)”に向けて

いよいよ実践編に移っていきます。

この続きは、またブログでレポートしますので、どうぞお楽しみに。 

Posted at:15:00

レポート:新成人に本を贈りました

昨日1月9日(月・祝)、千代田区の「成人の日のつどい」

がホテルニューオータニにて行われました。

新成人の振袖や袴などの晴れ着姿と、

すがすがしい表情が印象的で、とても華やかでした。

 

千代田図書館は、式典に参加された新成人の皆さんに

成人のお祝いと図書館の利用や読書の案内を兼ねて

本をお贈りしました。

(配布人数296名/式典参加者305名)

 

 

お贈りした本は、千代田図書館で昨年開催した企画展示の一つ

「新ビジネスパーソンが読むべき本」(詳細はコチラ

で展示した約100冊の中から選び、

各界で活躍する“本の目利き”の方々からのコメントを載せた

ブックリストとともにお渡ししました。

 

 

会場ではすぐに本の包みを開ける姿もチラホラ。

「これは僕に必要な本だ」「むずかしそうだなぁ」

などの声が聞こえてきました。

 

千代田図書館は、これから社会を築いていかれる皆さんの人生が

読書を通して豊かで実りあるものになることを願っています。

また、これからの社会生活での情報収集や問題解決に、

図書館を活用していただけたらと思います。

新成人の皆さんと図書館でお会いできるのを楽しみにしています。

Posted at:18:00

レポート:子育て・家庭支援者バックアップ研修~実践編~

今日は、千代田図書館の「学校支援担当」司書の活動レポートです。

学校支援担当の司書は、千代田図書館にいる時間はほとんどなく、

区内の幼稚園、小学校、児童館などで活躍しています。

保護者やボランティア、教職員向けの講座・講演依頼に応えて

各施設へ赴くことも多く、活動内容は多岐にわたります。

(活動報告はカテゴリ「まちの読書活動」をご覧ください)

 

先週は、千代田区の子育て・家庭支援者養成講座の一環として

絵本選びと読み聞かせについての研修を担当しました。

昨年に次いで実施した「実践編」の様子をお届けしたいと思います。

 

★千代田区子育て・家庭支援者養成講座 バックアップ研修★

日時 12月20日(火) 区役所内にて 

講師 宮崎亜古(千代田図書館 学校支援担当司書)

 

子どもたちにどんな絵本を選び、どのように楽しむのかを体験し、

支援活動に活かしてもらうこと。絵本に思いをのせて、

子どもたちと一緒にお話の世界を楽しんでもらうこと、が目的です。

まずは昨年の内容を振り返りながら、

なぜ絵本なのか・なぜ読み聞かせなのかという話をしました。

技法や本選びに気をとられすぎると忘れがちになってしまいますが、

とても大切なところです。

 

 

絵本選びのポイント

・筋立てがしっかりしていること

・子どもに理解できる、または受け入れられる内容

・美しく正しい言葉、日本人として知っておいてほしい言葉

なにより読み手にとって好きな本、楽しめる本、

伝えたい内容がこめられていると感じる本を選ぶことがポイントです。

たくさんの絵本がある中で、定番の絵本、ずっと残ってきた絵本には、

やはり選ばれてきた理由があるのでしょうね。

 

また、具体的な成長過程や年齢に合わせた絵本の紹介と、

読み聞かせの実演を行いました。

 

 

 

★おすすめの絵本★

『どうぶつサーカスはじまるよ』西村敏雄/作・絵 福音館書店  

『アンナの赤いオーバー』ハリエット・ジェーフィルト/作 

 アニタ・ローベル/絵 松川真弓/訳 評論社

 

今回は、より多くの絵本を体験していただけるよう、

参加者にも絵本を読んでもらいました。

4~5名で1グループになってもらい、各グループに

小さいお子さん向けの絵本1冊、

年長さん以上向けの絵本1冊の計2冊を割り当てます。

 

 

 

参加者の知っている絵本も、はじめて出会う絵本もあったようです。

絵本の紹介や、講評をはさみながら、

全部で8冊の絵本の世界を共有することができました。

人の声で聞かせてもらうお話は、大人でも温かい気持ちになります。

最後に、伝承のわらべうた・手遊びをいくつか紹介し、

和やかな雰囲気で終了しました。

 

  

 

物語は、生きていくための知恵となり、また、心の支えにもなります。

皆さんがたくさんのすてきなお話と出会えますように。

 

・・・+++★++・・・≪予告≫・・・++★+++・・・

 

千代田区読書振興センター(千代田図書館内)主催で

「読み聞かせスキルアップ講座」(全4回)来年2月~開催予定です。

家庭で読み聞かせをしている保護者の方や、ボランティアの方など

読み聞かせの経験がある方は、どなたでもご参加になれます。

詳細が決まり次第、千代田図書館のホームページ、館内のポスター等で

お知らせしますので、ご興味のある方はぜひチェックして下さい。

Posted at:17:00

レポート:文学座演出家による表現ワークショップ(中高生向け)―2

前回のブログに引き続き、11月26・27日に開催した

「文学座演出家による 

 ことばとからだで伝える表現ワークショップ」のレポートです。

 

▲講師:文学座・演出家の中野志朗さん(写真右) 

 

このワークショップでは、短編小説をテキストに用いて

参加者全員が出演する芝居に2日間で仕上げます。

戯曲ではないので、「カギカッコ」の台詞にはなっていない

主人公の心の声も多く、それを目に見えるかたちで体現したり、

さまざまな登場人物の具体的な人物設定を

行間から読みとって演じたり、ということを

プロの演出家と女優の指導の下で楽しく実践しました。

 

たった数ページの短編小説に、ト書き(演技、演出など

の説明を書き示したもの)が加えられ、

芝居に仕立て上げられていく様子は、見ている側も

まったく飽きることのない、とても楽しいものでした。

 

 

講師の手は、役者(参加者)の動きを見ながらも

アイデアを書き留めるために動きっぱなしです!

主人公の会話を中心とする、舞台で一番注目を集めたい

「センター」以外にも細かな演出が入り、

全体のバランスをよく見ながら舞台が作られていくのには

参加者も学ぶところが多かったはず。

 

 

2日間(各日3時間)という限られた時間内でしたが

会社、Bar、占いの館、ドラマ撮影、結婚など

全部で7つのシーンが完成しました!

 

  

 

 

 

どの台詞や動きで場面を入れ替えるかもしっかり確認。

全場面を通しでリハーサルする時間もないままに、

内輪での発表会を行いました。

 

 

テキストを見ながらではありましたが、スムーズな場面展開や

「センター」を活かしつつも、自然と場面の一部になっている

みんなの演技には感心しきり!

展開に引き込まれていると、あっという間にエンディング。

通しで約18分。短くも笑いどころが満載の芝居になりました。

 

最後に、講師を囲んでの懇親会。

 

 

発表会の観客からは

「一人一人がしっかり輝いていた」「とても楽しかった」

などの感想がきかれ、みんなもホッとした様子。

講師のお二人からも

「みんながアイデアを出してくれて楽しかった」

「若さに驚いた。

 演出を受け入れて、すぐに演じられるのはすごい!」

などの感想をのべていただきました。

参加者にとってはプロの演出家と女優に質問できる

貴重な場となり「舞台で緊張したときはどうするの?」

「発声は?」「姿勢は?」など質問が飛び交いました。

 

今回、戯曲ではなく小説を用いたのは、講師の中野さん

にとっても珍しいことだったそうです。

参加者の中にも「この短編をどう舞台にしていくのだろう?」

と楽しみにしていた生徒が多かったようで、

創作についても学ぶことのできた実り多いワークショップでした。

 

参加者のみなさん、講師の中野さん、牧野さん、

2日間ありがとうございました!

Posted at:11:30

レポート:文学座演出家による表現ワークショップ(中高生向け)―1

千代田区読書振興センターでは、

はじめてとなる“中高生向け”ワークショップを開催しました。

 

 

「文学座演出家による 

 ことばとからだで伝える表現ワークショップ」

と題して、文学座の演出家・中野志朗さん

女優・牧野紗也子さんを講師に招き、2日間の日程で開催。

区内外の中学・高等学校から14名の生徒が集まってくれました。

 

▲左=演出家の中野さん、右=女優の牧野さん 

 

先月は、大人向けに「文学座俳優による朗読ワークショップ」

を全6回の連続講座として開催したのですが、

 *大人向けの朗読ワークショップの様子は、コチラ

 

今回の中高生向けは、土・日の2日間のみです。

学校も学年も異なり、女子も男子も入り混じっているにも関わらず

プロの演出家と女優によるワークショップの場に“あっという間になじみ

表現の世界に飛びこんでいく姿は、さすが中高生!驚きの早さでした。

 

今回は、初日のレポートをお届けしたいと思います。

 

初日はテキストに入る前に、演劇の世界ではお馴染みという

いくつかのワークを最初に行いました。

ひとつは「ストップモーション」という、複数名で行うもの。

まず「花見」「デパート」などの題目が与えられます。そしてその題目の

写真や絵をイメージし、その中の人物・背景・モノを考えて、

各自が思い思いのポーズをとる、というものです。

例えば「花見」であれば、花を見る人、お酒をのむ人、花見団子を食べる人、

桜の木など、黙ったままポーズをとります。話し合いはNG。他の人が何に

なっているかを見まわしながら、見事な“ワンシーン”を作っていました。

 

▲題目「アイドルのコンサート」・・・に見えますか?

 

あるテキストから抜粋して約200字程度の短い文書を

いろんな人になりきって読む、というワークも行いました。

講師から「国語の先生」「エスパー少年」「熱血漢」「お金持ちのマダム」

「社長」など、いろいろ注文が出されると、これもみんな見事に

声色や雰囲気を変えて読むので、とても楽しいワークでした。

 

さまざまなワークを終え、本題のテキストに入ります。

今回テキストに使用したのは、働き盛りの男性会社員が主人公の

短編小。参加者には宿題として事前に読んできてもらっており、

さっそく場面をつくっていきます。

まずは「会社」の場面。朝9時出社~夕方5時退社までを

先ほどの「ストップモーション」で作ります。

そしてその「静止画」が、合図とともに動き始めました。

 

 

ここでも、中高生たちの素早い柔軟性に驚きました!

特別な指示もないのに、お茶汲み係、電話係、会議中の人々、

ひたすらPCに向かう人などを各自が一斉に演じ始めたのです。

テレビドラマなどで見たことがあるのでしょうか、

すでに「会社」のシーンができていました。

少しずつ、講師の中野さんから演出が入り

ますます本物の「会社」のように見えてきます。

 

 

それから「バー」や「ドラマ撮影」などのシーンを一つずつ作っていきました。

演出家と役者(参加者)がイメージをすり合わせ、

それがぴったり一致する様子は見ていてとてもおもしろく、

また、役者(参加者)側からも、こんな風に動くとよいのでは?

などとアイデアが飛び交いました。

 

さあ、これらのシーンが一つの作品にどう結ばれていくのでしょうか?

2日目のレポートは次回お届けいたします。お楽しみに♪ 

Posted at:15:00

レポート:ランチタイムおはなし会(全9回)

千代田図書館では、今年も秋の読書週間(毎年10/27~11/9)に合わせて

大人のためのおはなし会「ランチタイムおはなし会」を開催しました。

ビジネスパーソンにも気楽にお立ち寄りいただけるよう、

平日の昼に約15分間で、絵本の読み聞かせや朗読、ストーリーテリング、

ブックトーク(テーマに沿った本の紹介)などを行うものです。

今年も老若男女を問わず、たくさんの方にお越しいただきました。

 

 

以下、おはなし会で語り手たちが紹介した本をまとめてご紹介します。

おはなし会で読まれた本が気になっていたという方も、

次に何を読もうかな?と本を探している方も、

ぜひ本選びの参考にしてみてください。

 

①詩

『倚りかからず』茨木のり子 筑摩書房

当館の館長はダジャレ好き。そして、茨木のり子さんの詩集も

大のお気に入りで、書店で見かけるとつい手がのびるのだとか。

3.11の震災時に図書館で夜を明かしつつ思い浮かべたのが

この詩集の中の「水の星」だったそうです。

 

②絵本

『綱渡りの男』モーディカイ・ガースティン 川本三郎/訳 小峰書店

映画化もされた実話。折込みページがあり、

綱渡りのスリルが伝わってきます。大人も楽しめる絵本です。

 

③絵本

『かぼちゃスープ』ヘレン・クーパー せなあいこ/訳 アスラン書房

今の季節にぴったりの心温まるおはなし。

絵がとても素敵なのでぜひ手にとってご覧ください。

 

④小説

「蜘蛛の糸」芥川龍之介 『蜘蛛の糸・地獄変』角川文庫より

担当した語り手は、この作品を小学校5年生のときに初めて

出会い、非常におどろおどろしい地獄の描写とおそろしい結末が

とても印象深かったそうです。

 

⑤小説

『4時のオヤツ』杉浦日向子 新潮社

 

おはなし会では、千代田図書館からも近い洋菓子屋のおやつが

登場する「ゴンドラのサバラン」という短編を朗読しました。

 

⑥ストーリーテリング 

「びんぼうがみ」東北に伝わる昔話の再話

貧乏神が福の神になるという、心温まるおはなしでした。

 

⑦ブックトーク テーマ「ニュートリノの夢」

『ニュートリノの夢』小柴昌俊 岩波ジュニア新書

「2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴先生が、研究のみちのりと

ニュートリノ物理学を語る」(背表紙の解説より抜粋)

中高生向けの本なので、とてもわかりやすく、読みやすい一冊です。 

 

『超ひも理論を疑う』ローレンス・M・クラウス 斉藤隆央/訳 早川書房

内容はとても専門的で難しいはずなのですが、テレビシリーズ

「トワイライト・ゾーン」(邦題「未知の世界/ミステリーゾーン」)

の引用に始まり、ぐいぐいと引き込まれる作品です。

 

『理系思考 分からないから面白い』元村有希子 毎日新聞社

文系出身者が圧倒的に多い図書館員にとって「理系」とは

まるで別世界のようにも感じられます。

でも実は両者とも、向かっている先は同じなのかも?

わからないからもっと知りたいという好奇心や探究心、

そんな、共通点が見つかります。

 

『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』 

リサ・ランドール 向山信治/監訳 塩原通緒/訳 NHK出版

英米の大学でテキストとして使われているベストセラー本の邦訳。

3次元+時間+見えない次元、5次元について書かれています。

これも専門性の高い内容ですが、非常にわかりやすく、おすすめの一冊。

 

『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン 佑学社

著者のレイチェル・カーソンは、前著『沈黙の春』で環境の汚染と

破壊の実態を世に先がけて告発し、大きな反響を呼びました。

『センス・オブ・ワンダー』は著者の最後の作品です。

 

⑧ブックトーク テーマ「アンネの日記」

『アンネの日記 完全版』アンネ・フランク 深町眞理子/訳 文藝春秋

『アンネの日記』はアンネの父親のオットー・フランク氏が編集したもので

おもに性に関する記述や、母親を批判する部分などが削除されていたのを、

完全な形で編集し直したのが『アンネの日記 完全版』です。

 

『アンネ・フランク その15年の生涯』黒川万千代 合同出版

アンネ・フランク生誕80年となる2009年に出版された本。

著者は、アンネと同じ年で、広島で被爆し、戦後その体験を世界に伝え歩く

とともに、アンネ・フランクやホロコーストの研究をしている方です。

 

『博士の本棚』小川洋子 新潮社

作家の小川洋子さんは『アンネの日記』に触発され、アンネと同じ

13歳のときに日記を書き始めました。作家を志した小川さん

にとって『アンネの日記』はその道しるべとなったそうです。

 

『アンネ・フランクの記憶』小川洋子 角川文庫

小川さんが「特別に大事な古い友人」を訪ねるかのように、

アンネの足跡をたどった、その旅路を記録している本です。

 

⑨ブックトーク テーマ「害虫」

『害虫の誕生 ―虫からみた日本史』瀬戸口明久 ちくま新書

ゴキブリがまだ害虫とはみなされていなかった時代から、

害虫の最たる存在として忌み嫌われるようになった現代までの

歴史を社会的背景などを通して分かりやすく説明しています。

 

『寄生虫病の話 身近な虫たちの脅威』小島荘明 中公新書

誰のお腹の中にも回虫がいたような時代がありました。

そして現代の日本人の回虫の保有率は、わずかに0.2%。

しかしながら「エキノコックス」など、新たな寄生虫病も出現

しています。寄生虫病にまつわる学者たちの苦闘の日々と

その歴史を説いている本です。

 

『悪者にされた虫たち』奥井一満 朝日選書

虫が「害虫」とみなされるようになったのは、人間側の利害関係を

中心にした自然観が原因ではないか。

「害虫」を呼び込んでいるのは人間の方ではないか?

と、虫側の視点から描かれている本です。

Posted at:12:00

レポート:朗読発表会(文学座俳優による朗読ワークショップ)

「文学座俳優による朗読ワークショップ」は10月から

毎週水曜の夜に開催してきた、全6回の連続ワークショップです。

 

 

とても魅力的なお二人の先生の指導の下、約20名の参加者は

最終日の発表会に向けて、楽しくも真剣に取り組んできました。

 

 *発表会までの練習風景はコチラをご覧ください。

 

 

▲皆さんは早めに来て、先生をつかまえてアドバイスをもらうなど、とても熱心です。

 

ワークショップ最終回となる「朗読発表会」は、一般のお客様をむかえて

11/6(日)に区役所1階の区民ホールで開催しました。

 

開場までの時間も、みっちりとリハーサルが行われ、

先生方からは、熱のこもった最終指導がぎりぎりまで入ります。

 

 

 

そして、あっという間に開場時間。

開場と同時に、次々とお客様が入ってくれます!

 

 

 

舞台裏では、緊張の面持ちで発表者が控えています。どきどき・・・

 

 

そして開演時間です。司会の「もういいかーい?」の合図に

裏で控える発表者は「まぁだだよ!」の返しで、会場の笑いを誘います。

2度目の「もういいかーい?」には

「もういいよ!」と元気にこたえて入場です♪

 

 

まずはじめに、斎藤隆介・作「ソメコとオニ」の朗読を2回。

1回目、2回目と読み手が変わるので、

同じ作品でも新鮮な感じで楽しめるのが不思議です。

 

 

 

2作品目は、川端誠・作「落語絵本シリーズ」より「はつてんじん」

こちらも、読み手を変えて2回朗読しました。

 

 

そして3作品目は、

同じく川端誠・作「落語絵本シリーズ」より「たがや」です。

「たがや」は両国の花火大会にまつわるおはなし。

今回の発表会では、おかみさん、だんな、船頭などの登場人物の

台詞やナレーションの部分をそれぞれ配役して読みました。

そして配役以外の、たとえば、見物人たちで賑わう様子や

打ち上がる花火の音などは、全員で声に出して表現しました。

「どぉーーーーーん!」

たーまやーー」

「かーぎやーー」

の迫力ある呼び声!! 

 

観客の皆さんも、発表者たちも、とても楽しんでいる様子でした。

作品と作品の変わり目にも、全員の手拍子で場面転換を行い、

観客の中には一緒にリズムをとって楽しむお子さんの姿もありました。

 

そして無事に発表会を終えたら、ワークショップの振り返り。

「1つのものを発表するのに、プロもアマもない」という考えで

これまで参加者の皆さんを引っぱってこられた先生方。

「“恥ずかしい”を乗り越えたものを発表することで観客は感動するんだよ!」

と、リハーサル時におっしゃっていましたが

皆さんは見事にそこを乗り越えられたのではないでしょうか。

最後に、皆さんの応募動機や、参加しての感想をお聞きしました。

 

 

★参加者の感想★ 

「こんなに声を出したのは久しぶり!とても気持ちよかったし、ものすごく疲れもした」

「編集から営業に異動になり、感情をこめて表現する難しさを感じていたので、

 参加してみた。自分の幅が広がった気がする」

「この春に大学生になり、自分の考えを伝えなければならない場面が増えた。

 上手に伝えられるようになりたくて参加した。自分の殻を破って飛び出す勇気がもてた」

「朗読のイメージが変わった。みんなで作ることができるんですね。すごく楽しかった」

「他の参加者が努力して上達し、明らかに変わっていく姿を目の当たりにした」

「残り少ない人生、自分が不得意なこともやってみようと思って参加した。

 先生方のリーダーシップはすごい!仕事もスランプに陥っていたのが、抜けられた」

「昨年の開催時には応募が間に合わず、1年越しで参加できてよかった」

「アナウンサーではなく役者に朗読をまなぶというのに興味をもって参加した」

「自分では大きいと思っていた声が小さいといわれ、頑張って思いきりだした。

 先生方の指導はなるほどと思うポイントばかりだった」

「人前で緊張するのは、自分に自信がないからかもと思い、自信がもてるようになりたくて

 参加した。発表会後に、自分も仲間の一員なんだという感覚がうまれて、嬉しかった」

 

…などなど、たくさんの嬉しいご感想をいただきました。

参加者の皆さんが、ワークショップ初回時の自己紹介とは

まったく違う声と表情で、イキイキと感想を述べる姿をみていると

皆さんにとって、新しい何かがこれから始まるようにも見えて

運営側の私たちもとても感動しました。

 

発表会を見に来てくださった皆さん、ご参加いただいた皆さん、

そして講師の中川雅子さん、金沢映子さん、ありがとうございました!

Posted at:12:00

レポート:翻訳家・金原瑞人さんの講演

「本と出会う 読書サロン」第3期オープニングイベントとして、

29日(土)に翻訳家・金原瑞人さんの講演会を開催しました。

 

「本と出会う 読書サロン」とは、毎月異なるテーマに沿って

メンバー各自がおすすめの本や気になる本を持ち寄り、紹介し合う、

本を通じた交流の場です。11月に第3期目がスタートします。

(⇒「本と出会う 読書サロン」についての詳細はコチラ)

 

 

金原瑞人さんは、YA(ヤングアダルト)分野を中心に精力的に

翻訳活動を行い、訳書は300点を超えるという翻訳家であり、

法政大学社会学部の教授であり、児童文学研究家でもあります。

 

講演では、翻訳家として活躍されるに至る経緯、好きな海外作家

についてなど、金原さんご自身についてのお話だけでなく

YA分野の魅力、児童書やYA分野のもつ可能性、

子どもの読書についてのお話など、多岐にわたり、

会場の楽しげな笑い声につられて途中から参加された方もいました。 

 

 

まずはサンフランシスコのチャイナタウンの話から始まりました。

―市場で、バタバタ動いている烏骨鶏を喜んで買っていく中国人の姿に驚いた。

でも日本人も、ピチピチしている魚はイキが良いといって、喜んで買っていく。

―別のある国では、羊の目玉を食べると聞いて驚いた。

でも日本人も、鯛の目玉は贅沢なコラーゲン質だと好んで食べる。

・・・などなど、現地でのびっくり仰天エピソードも

日本の風習と並べて話していただくことで

「なるほど、それと同じ感覚か~」と身近に感じることができました。

そうした異なる文化を同じ感動にして伝えるのが翻訳家の仕事

だと思っている、ということでした。

 

翻訳家として活躍されるにいたる経緯は、

翻訳家になりたい!と一筋に目指してこられたのではなく

幼稚園の受験から就職活動まで、すべてに“落ちまくった”結果

という意外なエピソードもお話いただきました。

先日お亡くなりになった北杜夫さんの『どくとるマンボウ』シリーズ

を読んで医者もいいなと思ったそうです。(医学部にも不合格)

⇒詳しくは金原さんのエッセイをぜひご一読ください。

『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』 牧野出版 又は ポプラ文庫

 

 

金原さんが精力的に翻訳されている「YA(ヤングアダルト)」分野とは、

児童書と一般書の中間に位置づけられる分野の呼称です。

金原さんは、翻訳・書評活動を通して日本にYAを根付かせた

第一人者ともいわれています。

 

大学院の研究室で、金原さんがそれらの原書に出会った頃は

中高生向けの本を出そうという出版社も、出せる出版社もなかったそうです。

それから、YAというジャンルの確立のきっかけとなる

1970年代のアメリカ図書館協会の調査の話、

福武書店(現ベネッセ)が児童部門を立ち上げ、

YA作品も出版する運びとなった話、

そして、中高生だけでなく、大人になって読むからこそ面白い

YA分野の魅力、懐の深さなどをとても分かりやすくお話しいただきました。

 

もしかするとYA(ヤングアダルト)という言葉が“しばり”となって、

中高生以外の方には馴染みがないかもしれませんが、

ぜひ一度手にとってみてください。

どの本を読んでいいかわからないときには下記の本をご参考に!

金原さんがおすすめするご自身の訳書もご紹介しておきます。

 

講演後には、紹介された本を立読みする姿が多数見られ、

また、アンケートでも「読んでみたい本がたくさん出てきた!」

という声をいただきました。

 

 

ここには書ききれませんが、その他にもおもしろエピソードが満載で

あっという間の1時間半でした。

金原さんの訳書は、来春以降にも続々と刊行予定とのことです。

ぜひご注目ください。洋書の訳本ではなく『忠臣蔵』『雨月物語』も

出るようですよ。楽しみです。

 

+++++++++++++++++++++++++

『金原瑞人YAセレクション みじかい眠りにつく前に 

Ⅰ真夜中に読みたい10の話』 金原瑞人/編 ジャイブ

 

『金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内』

『同 海外作品』

『同 とれたて!ベストセレクション』 すべて、金原瑞人/監 すばる舎

  

 

『ブラッカムの爆撃機』 

ロバート・ウェストール/作 宮崎駿/編 金原瑞人/訳 岩波書店

 

『水深五尋』

ロバート・ウェストール/作 金原瑞人・野沢佳織/訳 宮崎駿/画 岩波書店

 

『かかし』 ロバート・ウェストール/著 金原瑞人/訳 福武書店、徳間書店

⇒金原さんの初めての訳書。

分からないところは著者と手紙でやりとりをしていたそうです。

 

*上記の本(一部除く)は、千代田図書館9階の「中高生コーナー」

にあります。ぜひ一度ご覧になってみてください。  

Posted at:10:00

レポート:第6回 図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー

第6回 図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアーを先日22日(土)に

開催しました。千代田図書館のコンシェルジュが神保町の古書店街

をめぐりながら、街の歴史や見どころをご案内するというツアーです。

今日はその報告レポートをお届けします。

 

 

今回のテーマは「本の街の歴史的建造物」

東京の街並みは、大正12年の関東大震災で大きく変化し、帝都復興院の

都市計画に基づく整備がなされ、今日につながると言われています。

神保町にも、その復興計画によって整備された街並みが残っており、

その頃に建てられた建築物などを見るのが、今回の主な内容です。

 

まずは図書館内で、古地図と現代の地図を見比べたりしながら

本日のルートと見どころをご説明。

 

日本橋川沿いを歩いて、靖国通りへ。

昭和45年頃まで、この辺りにも路面電車が走っていました。

写真の「九段下ビル」は、関東大震災後の新しい商業建築の

モデルケースとして建てられました。一部解体工事が始まっていたので、

ツアーでご紹介できるのも、今回が最後になるかもしれません。

 

関東大震災後に商店などに用いられた建築様式「看板建築」の建物。

 

映画、演劇、シナリオなどを専門とする古書店「矢口書店」の建物も

昭和3年に建てられた看板建築です。店内にお邪魔して、

3代目店主の矢口さんより、店の始まりについて、また、裏手にあった

映画館「東洋キネマ」について、などのお話しを伺いました。

矢口書店は、外にも棚があります。その前を通って「東洋キネマ」跡地へ。

(※東洋キネマの建物は現存しません)

 

続いて、東洋キネマ跡地のはす向かいにある「旧・相互無尽会社」へ。

現在は日本タイ協会が入っているビルです。

タイル表面に溝の入った「スクラッチタイル」は、手作業でしか出せない風合い。

 

 

山形屋紙店の裏には、大正元年に建てられたレンガ造りの蔵が!

全国各地から集められた和紙が置かれているそうです。

 

靖国通りに戻って、老舗古書店「一誠堂書店」にお邪魔しました。

昭和6年に建てられたアール・デコ調の建物で、

入口のステンドグラスは当時のままのものだそうです。

外壁の角が丸みをおびているのも、今の技術では不可能なのだとか。

 

 

店員のまきたさんに、お店の歴史や取扱分野などについてお聞きしました。

 

 

一誠堂書店の入口は、歩道から階段2段分を上がるのですが、

これは地盤沈下が原因だそうで、地下鉄の都営新宿線が開通するまでは

この段差はなかったのだそうです。びっくりですね!

 

 

店を出て「本と街の案内所」へ。ここから小宮山書店までは

かつては「十一軒長屋」といって、11軒がつながっていました。

 

 

小宮山書店を曲がって、喫茶店の立ち並ぶ裏通りへ。

 

 

裏通りを抜けて、再開発エリアを通り、最終目的地の学士会館へ。

学士会館も、昭和3年、震災復興期に建てられました。

 

 

 

皆さんお疲れさまでした!ここでちょっと一息。

お茶をのみながら、今回のツアーに関連する本をご紹介しました。

 

 

その後、学士会館の方に会館の内外をじっくりとご案内いただきました。

ちょうどこの日はウェディングフェアが開催されており、

格調高い雰囲気に華やかさも加わって、さらに贅沢なツアーとなりました。

建物内には、天井の漆喰彫刻アール・デコ調の装飾、

外には「野球発祥の地」の碑、「東京大学発祥の地」の碑など、見どころが満載!

 

 

 

 

ボリュームたっぷりの2時間半コースとなりましたが、

参加者の皆さんにご満足いただけたなら幸いです。

 

なお現在、千代田図書館9階で今回のツアー報告と

「図書館コンシェルジュがおすすめする神保町のツアーコース」

の展示を行っています。

 

神保町が1年でもっとも賑わう季節。神田古本まつりと合わせて、

千代田図書館にもぜひ足をお運びくださいね。

Posted at:12:20

レポート:文学座俳優による朗読ワークショップ

昨年好評をいただいた「文学座俳優による朗読ワークショップ」

が今年もスタートしました。

20数名の参加者をむかえ、11月6日(日)に一般公開する

「朗読発表会」に向けて、練習にはげんでいます。

 

 

講師は昨年同様、文学座俳優中川雅子さんと金沢映子さん

魅力的なお二人が、参加者をぐんぐん引っぱってくれ、

和やかで楽しいワークショップになっています。

参加者お一人お一人の良さや個性が引き出されるように、

ときにはビシッと的確な指導も入ります。

 

▲左:金沢映子さん、右:中川雅子さん

 

昨日はワークショップの2日目でした。

入念にストレッチをした後、シアターゲームを行います。

シアターゲームを通して、場の空気を感じること、

仲間と呼吸を合わせること、などを体感していきます。

 

 

朗読をすることと、こうしたゲームに一体何の関係があるのか?

実は、これらのシアターゲームが、作品を全員で作り上げていく

うえで、とても大きな力となっていきます。

運営側としては、今後皆さんがどのように変化していくのかを

楽しみに見守っています。

 

シアターゲームの後、テキストを読みます。

発表会用ではないテキストを用いて、発音や発声を学びます。

 

 

同じテキストを読むにしても、テキストからイメージをふくらませ、

そのイメージが音になって出るように、意識して発音をする。

すると、ただ文字を追って読むのとは、ずいぶん変わります!

改めて1つ1つの発音を意識してみるのも、おもしろいですね。

かちんこちんの、か・き・く・け・こ。

笹の葉さらさら、さわやかな、さ・し・す・せ・そ。などなど

例えば自分の名前の一文字、一文字を意識して発音してみると

どうでしょう。皆さんなら、どんな風に発音されますか?

 

いつも新鮮な発見や驚きのある、楽しいワークショップは残り2回。

そして前日のリハーサル、発表会本番と進めていきますので、

またこのブログでレポートします。

 

11月6日(日)区役所1Fの区民ホールで開催する「朗読発表会」

には、皆さまお誘い合わせの上、ぜひ足をお運びくださいね。

Posted at:17:00

千代田図書館でインターン(研修生)を受け入れました。

千代田図書館では「インターン」(研修生、実習生)を受け入れています。

学生が一定期間企業等の中で研修生として働き、自分の将来に

関連のある就業体験を行える「インターンシップ」という制度で、

学校によっては必修であったり、選択制であったりするそうです。

 

今年は、明治大学から1名、LEC東京リーガルマインド大学から2名、

計3名のインターンを10日間の期間で受け入れました。

3人は、座学としての研修だけではなく、実際の図書館業務に携り、

カウンター業務などの利用者対応や、事務所内作業、

イベント・セミナーの開催準備などで活躍してくれました。

 

そこで今回のブログでは、インターンの期間が残り僅かとなった3人に、

千代田図書館で働いてみたいと思ったきっかけや、実際に業務に

取り組んでみた感想、将来の夢などについて、聞いてみたいと思います。

 

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★LEC東京リーガルマインド大学

総合キャリア学部 総合キャリア学科 3年 黒川智之さん

 

  

―なぜ千代田図書館でインターンをしようと思ったのですか?

大学の就職支援課から紹介されたためです。

本学では、インターンシップが卒業要件となっており、

希望進路が公務員等の公共性の高い職種だったため、

参加させていただきました。

  

―どんな業務を行いましたか、その感想は?

イベントの手伝い、本の集荷・配架業務、本の修理、

本・雑誌の貸し出し準備、ブックカバー掛け、

コンシェルジュ業務の補助、チラシ作成

 

当初は初めての業務に遂行可能か不安な面もありましたが、

スタッフの方の丁寧な説明もあり無事遂行することができました。

10日間という短い期間ですが、イベントの手伝いに始まり、図書館内の

本の集荷・配架業務等様々な業務を経験させていただくことができました。

残すところあと一日、「百里を行く者は九十を半ばとす」と言いますが

最後までしっかりと勤めあげたいと思います。

  

―今後の進路、就職活動などに、どのように活かすことができそうですか?

今回のインターンシップ経験は、国家公務員の行政職・法律職を希望する

私にとって、千代田図書館での業務がそのまま生きるとは思いませんが、

どちらも公共性の高さで共通しており、今後の進路に有益だと思います。

 

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★LEC東京リーガルマインド大学

総合キャリア学部 総合キャリア学科 3年 斉藤一太さん

 

  

―なぜ千代田図書館でインターンをしようと思ったのですか?

私は図書館を利用するため、図書館の裏側に興味がありました。

図書館は私にとって身近な行政及び公共施設であるので、今回

千代田区立千代田図書館をインターンシップ先として選択しました。

他には本が好きだからという理由もありました。

 

―どんな業務を行いましたか、その感想は? 

千代田図書館は、従来の本を貸し出す図書館としての役割とは別に

イベントという活動があります。

そのイベント準備での仕事で書庫に入り、古い書物の取り出しを行い、

本の独特な匂いの中で仕事をすることは、

図書館でしかできない仕事であり、とても貴重な体験ができました。

書庫で仕事をしていた時間は、歴史的に価値がある図書を扱っていたため、

図書館で働いているという意識がとても強かったです。

千代田図書館でのインターンシップは、企画や総務、本の管理など

様々な仕事を体験できる場所であるため、

色々な業務を体験してみたい人にはお勧めできる場所だと思います。

私のように司書を目指していない方にもお勧めできる場所であると思います。

図書の管理を体験させていただいた時、様々なルールがあることを知り、

どれをとっても相手のことを考え、使いやすく、管理しやすくなっていたことに

組織の中で働いて行くことはどういうことなのか、

ということを改めて教えられました。

 

―今後の進路、就職活動などには活かせそうですか?

千代田図書館で働いたことを糧にして、もっと広く深く相手のこと考えた

行動をとって行きたいと思います。

千代田図書館では、語らいの場所やペットボトル型の飲料ならば飲んでいい

というルールがあり、既存のルールや枠に縛られないことをしているため、

それを参考に私も枠に縛られないような行動をしていきたいと思います。

 

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★明治大学 文学部 史学地理学科 4年 森田裕理さん

 

 

―なぜ千代田図書館でインターンをしようと思ったのですか?

同大学の司書課程を履修し、資格取得のために日々勉強をしています。

4年生となり、司書の知識だけではなく、もっと図書館の現場について

知りたいと思い、図書館実習を選択履修しました。

 

司書の講義において、指定管理者という新しい経営方法をとりいれた

図書館の例として千代田図書館が紹介され、興味をもちました。

実際に千代田図書館を利用し、施設や書架、コンセプト、サービス、

イベント企画など、様々なことが今までの“図書館のイメージとは違う

と感じました。

そのため、実習館を選ぶにあたり、図書館業務に関わる基本的なことから

図書館における新しい取り組みまで学べるのではないか、という期待から

こちらでの実習を希望しました。

 

―どんな業務を行いましたか、その感想は?

当初の期待以上に、様々なこと、多くのことを学ばせていただいている

と思います。

特に寄贈された図書の受け入れ登録から、ラベル貼り、ICタグの取り付け、

図書装備用フィルムの貼り付け、そして配架までできたことは、

なかなか授業ではできない図書館業務の一つの仕事ができたと思い、

とても嬉しかったです。

(図書装備用フィルムの貼り付けは、とても緊張しましたが…)

どなたかがこの本を利用してくださるといいなと思います。

 

また、千代田図書館ならではの取り組みである

広報、コンシェルジュ、読書振興についても、

実際にコンシェルジュの業務を見学、担当させていただき、

利用者の方々の質問や生の声をきくことができて

とても勉強になりました。

ここには書ききれませんが、他の公共図書館ではなかなかできない

ような実習をさせていただいていると思います。

 

―今後の進路、就職活動などには活かせそうですか?

実習を通して公共図書館のイメージが変わり、

地元の公共図書館も今までとは違った利用をしてみようと思いました。

そして、これからの図書館のありかた、司書のありかたについても

自分なりに考えるきっかけとなりました。

司書・図書館というと、どうしても図書資料の受け入れや組織管理、

レファレンスサービスなど受身で淡々と作業する

”のイメージをもってしまいます。

そのイメージを変え、情報を発信していく、取り入れていくことで

の図書館が増えていくと良いなと思います。

===============================

 

みなさん、ありがとうございました!

千代田図書館でのインターン経験を、残りの学生生活、また、社会人

として働き始めたときに、少しでも活かしてもらえたら嬉しいです。

 

※千代田図書館では、図書館での就業体験の機会をもてるように、

今後も随時インターンの受け入れを行っていく予定です。

Posted at:13:00

参加募集「第2回 文学座俳優による朗読ワークショップ」

千代田区読書振興センターでは、昨年秋に<国民読書年>を記念して

「文学座俳優による朗読ワークショップ」を開催しました。

 

全6回にわたるワークショップで、その最終日には

区民ホール(区役所1階)で「朗読発表会」を行ったのですが、

一般のお客様もたくさんお見えになり、大変好評をいただきました。

 

*昨年の様子は下記リンクよりご覧になれます。

 ⇒ワークショップ初日のようす

 ⇒ワークショップ中盤のようす

 ⇒最終日の「朗読発表会」のようす

 

約20名のワークショップ参加者の皆さんは、一人で参加された

方がほとんどでしたが、回を重ねるごとに仲間意識が生まれ、

まるで本当にひとつの<劇団>のような雰囲気になり、

最後はワークショップの終了を惜しみながらの解散となりました。

 

そして「ぜひまた開講してほしい!」との声を多数いただき、

今年度も開催する運びとなりました!

参加申込は、9月14日(水)9:00~受付を開始します。

⇒募集要項などの詳細はコチラ

 

★参加者募集★

「第2回 文学座俳優による朗読ワークショップ」

前半は、身体を動かすゲームやエクササイズを取り入れながら

朗読の基礎となるコミュニケーションや表現することの楽しさ、

発声のしかたなどのスキルを学びます。

後半は、物語のテキストを使って、発表会に向けて朗読の練習をします。

最終日には、ご家族・ご友人をお招きしての朗読発表会を行います。

 

【講師】

 中川雅子、金沢映子(文学座俳優)

  *文学座ホームページはコチラ

 

【開催日時と会場】

♪ワークショップ

 日時 10月12日(水)、19日(水)、26日(水)、11月2日(水) 

    各日18:30~21:00

 会場 九段生涯学習館(千代田区九段南1-5-10) 

 

♪発表会リハーサル

 日時 11月5日(土)13:00~17:00(予定)

 会場 区民ホール(区役所1階)

 

♪朗読発表会

 日時 11月6日(日)午後を予定

 会場 区民ホール(区役所1階)

 

【定員】

 高校生以上 20名(申込先着順)

  ※原則としてすべての回に参加可能な方

  

【参加費】

 2,000円(全6回分)

  ※ワークショップ初日にお支払いください。

 

ワークショップ前半は、身体を動かすゲームをふんだんに

とりいれた内容になっており、“静かに”“アナウンサーのように

美しい声で”読む「朗読」をイメージされてきた方は

はじめは少しびっくりされるかもしれませんが

「声で伝える」ということや、その楽しさを、

自然と体得できる内容になっているのではないかと思います。

 

一人一人の個性を引き出し、伸ばすことがとても上手な先生方です。

仕事帰りに心身ともにリフレッシュできると思いますし、

いろんな方と出会える機会にもなりますよ。

昨年とは異なるテキストを用いますので、

昨年参加された方も、ぜひまたお申込みください。

また、このワークショップの楽しさをもっと多くの方に知っていただきたいので、

はじめての方も、もちろん大歓迎です。多くの方の申込をお待ちしております。

Posted at:12:00

開催レポート:体験!楽しい英語の世界

千代田図書館の夏休みイベント「夏のわくわく課外授業2011」

先日の「英語」の授業をもって、全4科目の開催を終了しました。

今回はその最後の授業「英語」の授業風景をお届けします。

 

今年度から全国の公立小学校「外国語活動(英語)」

始まったことをうけ、この「夏のわくわく課外授業」でも

はじめて科目に「英語」をとりいれました。

どんな授業になるだろうか、と主催側もドキドキしていましたが

「英語」という外国語だけでなく、その背景にある「自分を表現する」

という文化を肌で感じることのできる授業でした。

 

講師は、株式会社栄光(千代田区富士見)を企業母体にもつ

子どもたちのための英語学校リトルステップスより、

スーラ先生(写真左)アキコ先生(写真右)をお呼びしました。

 

まずはお互いに自己紹介をします。

日本のお辞儀とは違う挨拶の仕方を学んで実践しました。

 

 

はじめまして!挨拶と自己紹介★

まず相手の目をみてニッコリ、握手をしましょう。

"Hello, my name is ・・・. How are you?"

名前を言うだけでなく、会話につなげていくのが特徴です。

 

最初はみんなモジモジしていましたが

少しずつ慣れてくると、雰囲気も打ち解けて、

保護者の方同士も、上手に挨拶をされていました。

 

★BODY SONG★

身体のパーツの名前を歌にあわせて覚えます。

「ロンドン橋」の曲にあわせて歌いました。

“Head, shoulders, knees and toes ~♪”

*頭=head 

*肩=shoulder ⇒ 両肩=shoulders

*ひざ=knee ⇒ 両ひざ=knees

*つま先=toe ⇒ (両)つま先=toes

 

 

授業開始時にはあんなにモジモジしていたみんなも

とても楽しそうに歌っていました♪

 

また、日本語では同じ「指」でも、

英語では手の指=finger足の指=toe と異なる単語や、

指5本だと複数形の“s”がつくことなども学びました。

 

★MAKE A CALENDAR★

さらに色々な単語や表現を、カレンダー作りを通して学ぶ

というプログラムです。

 

まずは、月の名前。みなさん、ぜんぶ言えますか?

<Months of the year>

January, February, March, April, May ・・・

 

次に、曜日の言い方。発音の仕方も丁寧に教えてもらいました。 

<Days of the week>

Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday ・・・

 

ちょっと難しいけれど、日にちの言い方も学びました。

1・2・3はone, two, three ですが、「何日」と言うときは

1st=first, 2nd=second, 3rd=third ・・・ と言います。

 

の名前も学びます。

<Names of colors>

yellow, green, blue, red ・・・

 

そして、カレンダー作りに入ります。今日の授業では

12ヶ月の中からひと月だけ選び、1人1枚のカレンダーを作ります。

絵を描いたり、写真や切り抜きを貼るなどのコラージュをしたりと、

その手法や材料は自由。 

自分を表現する、伝えるチカラを身につけることを目的としていて、

台紙の色を選ぶところから、すでにそれは始まっています。

みんな、どんなカレンダーを作るのでしょうか?

 

 

カレンダーを作っている時間にも、ハサミ・ノリなど道具の名前

貼る・切る・描くなどの動作の表現

「それ、貸して!」「ありがとう」などの会話を学びました。

前回の「図工」の授業で行った「紋切り」

さっそく使ってくれた親子もいました。

 

カレンダーの裏には、発表のための「カンペ」を用意します。

ルールは、自分が選んだ「月の名前」は英語で言うこと、そして

「なぜその月を選んだのか?」「なぜその絵を描いたのか?」

「なぜその写真を貼ったのか?」などの自分の考えを伝えること

ぜんぶを英語で言えなくても、もちろん大丈夫です。

  

“I choose (name of month) because ・・・”

― it's my birthday.  ― I like christmas. 

― 運動会があるから。 試験があるから。 など

 

  

 

みんな、とても素敵なカレンダーに仕上げていて、

また、月の名前も英語でちゃんと言うことができました!

このようにして、みんなの前で(in public)発表することは

とても大事なのだそうです。

 

最後に先生から、みんなにメッセージ。

“Don't be shy, Don't be afraid of making mistakes, 

 and Just try to speak!”

恥ずかしがらずに、失敗をおそれずに、とにかくしゃべってみよう!

今回の参加者の皆さんは、もう "You can speak English!"

自信をもって「英語、話せるよ」と言ってくださいね。

Posted at:09:00

開催レポート:江戸の紋きり遊びでうちわを作ろう

前回のブログに引き続き、

「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2011」

開催レポートです。今回は「図工」の授業風景をお届けします。

 

授業内容は、昭和初期までは小学校の図工の教科書に

載っていたという「紋きり」です。

先生は、造形作家で東京造形大学講師の下中菜穂さん(写真右)

と、西村美紀さん(写真左)のお二人。

 

授業はさっそく「紋きり」とはなにか?という話から始まりました。

先生が見せてくれるいろんな「紋」のカタチに、みんな興味津々!

 

紋あてクイズ!何の形をみたてた「紋」でしょうか?

≪1問目≫

≪2問目≫

≪3問目≫

 

★正解は・・・

≪1問目≫和箪笥の取っ手(=カン

        先生が実物を手にしているのですが、見えにくいですね・・

≪2問目≫琴の弦をはる琴柱(ことじ)

≪3問目≫4つともすべて、桔梗の花

 

皆さん、予想は当たりましたか? 

そのほかにも、糸巻き、貝、炭の切り口、蓮の切り口など

様々なものの形を見立てた紋をたくさん見せてもらいました。

 

3問目の桔梗の紋は、桔梗の花を内側から見たり、輪の中に

描いたり、カニに化けたり、蝶になったり、と元は同じものから

バリエーションが増えていった例です。

 

「紋きり型」という型紙を使えば、紙を折り畳んで、型紙の通りに

切りぬくだけで、このような美しいかたちができます。

元々は家紋を描くために職人たちが考えた技術だそうですが、

江戸時代の中期~後期にかけて、庶民に「あそび」として

楽しまれたのが「紋きりあそび」なんだそうです。

 

☆みんなで「はつゆき」の紋きりに挑戦しました。

 

▲まずは紙を三つ折に

 

 

▲これが三つ折

 

▲型紙通りに切るのに、みんな真剣です。

 

 

▲これが「はつゆき」

折り畳んでいた紙をそっとひらくと、できあがり!

 

江戸の人々は、暑い夏にこその紋を楽しんだそうです。

見るだけで涼しい気分になれますからね!

また「雪は六角形である」ということが発見されたのも江戸時代。

ある研究好きな殿様が、オランダから顕微鏡を取り寄せて、

冷やした黒漆器に雪をうけて結晶を観察し、発見したのだとか。

その研究成果(結晶図)をまとめた書物『雪華図説』は大流行!

それから雪の紋がたくさん生まれたのだそうです。

 

▲いろいろな雪の紋

 

「はつゆき」を何個もつくっていると、みんな次第に

手が慣れてきたようす。

 

今度は、好きな色、好きな型、その組み合わせを考えて、

自分のうちわを作ります。

 

 

どの型がいいかな~?今回は「丸に向ひ燕「丸に三ツ裏葵」など、

夏らしいかたちを先生がいくつか用意してきてくれました。 

 

 

▲うちわにのせて配置を検討。

 

 

▲これは、お花畑のイメージだそうです。 

 

 

▲スプレー糊で貼り、完成♪ 「中陰桔梗」「光琳蝙蝠」がすてきですね。

西洋では不吉とされる「こうもり」は、中国語では「フ」といい、

幸福の「福=フ」と同じ音であることから、

日本では、おめでたいかたちとされているそうです。

 

    できたうちわを一列に並べて鑑賞。たくさん並ぶと、とてもきれい!

 

紋がわざとはみ出るように貼ったり、失敗した部分を隠すために

もう1つ紋を重ねたり、とみんなそれぞれ工夫をしていました。

その人らしさが出て、どれもとても素敵に仕上がっていましたよ。

 

「これからもたくさん遊んで、型破りをして、紋きりあそびの楽しさを

みんなに伝えていってくださいね」というのが先生からのメッセージ。

ケーキに粉砂糖でデコレーションをする、箸袋やぽち袋に貼るなど

ふだんの生活の中で楽しむヒントももらったので、家に帰ってからも

楽しみですね。ご参加いただいた皆さん、先生、ありがとうございました!

 

Posted at:09:00

開催レポート:より高く!より強く!作ろうmyタワー

千代田図書館では、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に

「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業」を開催しています。

前回のブログでは「国語」の授業をレポートしました。

今回は「理科」の授業風景をお届けします。

 

「理科」の先生は日本科学未来館の科学コミュニケーターとして

活躍している天野春樹さんです。

 

日本科学未来館では、現在「メイキング・オブ・東京スカイツリー(R)」展

が開催されています。自立式電波塔としては世界一の高さを誇る

東京スカイツリーの建設を可能にした先端科学技術を紹介する企画展です。

千代田図書館が所蔵する古地図も出張展示されているんですよ。

 

今回の「理科」の授業は、東京スカイツリーが地震に耐える秘密を、

参加者それぞれが自分の“myタワー”を作りながら解き明かしていく

という内容です。児童のお父さん方でしょうか、参加者には男性が多いです!

 

まずは、クイズや実験を通して「揺れに強い条件」について

みんなで仮説をたてていきます。

 

▲低・中・高と高さの異なる模型に、振動周期(ゆっくり~はやい)

の異なる揺れを与えて、どの模型がどれだけ揺れるかを見る実験。

 

続いて、下記3つの条件を掛け合わせた全9種のタワーを比較して、

どんな条件が揺れに強い(弱い)かを考えるワーク。

 

 ☆底面のかたち:丸・三角・四角

 ☆展望台の高さ:低い・真ん中・高い

 ☆タワーの太さ:太い・中くらい・細い

 

▲「底面は丸や三角より四角が強そう」「展望台が低い

方がどっしりして強そう」「細いとすぐに倒れそう」など、

みんなで強い(弱い)と考える理由を出していきます。

 

▲実は「正解はコレ!」という明確な答えはありませんでした。

総重量などさまざまな要素によって異なるから、だそうです。

 

揺れに強い条件について考えたことや仮説をふまえて、

myタワー作りに入ります。

材料は、発砲スチロール、厚紙、竹ひご、輪ゴム、セロテープのみ。

 

myタワーを作るにあたって、先生からいくつかの条件が出ました。

 1)高さを63.4cm以上にすること(東京スカイツリーの1/1000)

 2)底面積を100c㎡以内にすること

 3)揺れを与えても倒れないこと

 4)他にはないデザイン

 

まずは設計図を描いて、その設計図をもとに制作していきます。

 

設計図が描き進まないときは、材料を触ったり、とにかく手を動かすこと

プロの設計士も、設計図を描き、模型を作り、描き直し、作り直し、、、

を繰り返していくのだそうですよ。

これだけの材料でどうしたらいいんだろう?と、はじめは戸惑い気味だった

参加者も、手を動かしているうちに、だんだんとノッてきた様子!

 

できた!タワーを「加震器」にのせて、振動周期の異なる

揺れを与えて倒れないかどうかをチェックします。

 

先生に「すごい!びくともしないね」「かっこいいデザインだ!」と

褒められると、みんなとっても誇らしげな表情をしていました。

「工夫したポイントは?」との質問に対する答えには、

「底に厚紙をはってしっかりさせたところ」「土台を星型にした」

「下の方が重くなるようにした」など、みんなしっかり考えて作ったんですね。

 

底面のかたちが丸いタワー、高さが同じくらいのタワー、と似たような

タワーを複数同時に揺らして、揺れ方の違いを見る実験もしました。

 

最後に、先生の講評と、東京スカイツリーの制震構造について

まとめのお話があり、たくさんの秘密を知ることができました。

参加者の皆さんには、充実した時間を過ごしていただけたのではないでしょうか。 

 

 

*千代田図書館内でも、東京スカイツリーが出来上がっていく過程を

パネルで紹介する展示を行っています(開催中~9月24日まで)。

そして、興味を持ったことについてもっと詳しく知っていただけるように、

建設・設計・デジタル放送(電波)・まち歩き・都市計画・江戸の地理(古地図)

などに関する本を展示しています。ぜひ足をお運びくださいね。


  

Posted at:09:00

開催レポート:からだで感じる「能」と漱石

千代田図書館で、夏休み恒例の親子向けイベント

「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2011」

あっという間に3教科の授業が終了し、残すは「英語」のみとなりました。

今回は8/3(水)に開催した「国語」の授業風景をお届けします。

 

「国語」の先生は、能楽師のお二人。

下掛宝生流ワキ方能楽師の安田登さん(写真左)と、

 

森田流笛方能楽師の槻宅聡さんです。

 

まずは「能」がどんな芸能なのか、というおはなしから授業がスタート。

能は、約650年前(室町時代)から続く、とても古い芸能です。

なんでも、あの世からこの世に幽霊をよびだす芸能なんだとか。

幽霊といっても、こわーいおばけが出てくるのではなく、

この世に生きている人間の方も、幽霊の方も、

お互いにまた会えるといいな、と思っているような感じだそうです。

 

そして、能といえば能面(能のお面)。

安田先生が3つの能面を見せてくださいました。

般若のお面は角が生えていたり、恐ろしいような表情だったりと

特徴がはっきりしていて分かりやすいのですが、

あとの2つは、とてもよく似ています。

男の人?女の人? 何歳くらいだろう?

うれしい? かなしい? おこっている?

みんなで、こわごわ、でもじっくりと鑑賞をしました。

「歯がくろい!」「よく見ると、目が二重!」など、

いろんな発見がありました。

そして安田先生がそれぞれのお面をゆっくりと上下に傾けると・・・

「顔が変わった!」「泣いてるみたい」「笑ってるのかも!」と

その表情の変化を楽しみました。

 

またこの日は笛方(=笛の奏者)の槻宅先生が

実際に使っている笛(=能管)を持ってきてくださったので

どんな音色なのかを披露してもらいました。

 

 

能管は、でできている横笛です。

「昔のイメージの音がする」「びっくりして笑っちゃった~」

という子もいました。

 

能管には、ピアノの音符や、ギターのコードのような譜面はなく、

音を文字であらわした「唱歌(しょうが)」を用います。

実際に笛を吹く前に、唱歌を何度も声に出して覚えるそうです。

こんな感じです。

「オヒヤーリトヒヤーリ ヒヤーリトロウロ・・・」

 

 

みんなで何度か一緒に声を出した後でもう一度

槻宅先生の演奏を聞くと、

本当にそんな風に聞こえて、とても不思議でした。

 

フルート奏者でも、なかなか音を出すことができないという

難しい笛です。参加者の何人かがチャレンジ。

なんと、すぐに音を出せるようになった子がいて、先生もびっくり!

 

 

続いて『海人(あま)』という作品についての紹介があり、

ほんの一部、どんな謡(うたい)かを見せてくださいました。

安田先生の表情と声色が、先ほどまでとは

うって変わり、鬼気迫る様子で、迫力満点!

みんなも自然と真剣なまなざしになりました。すごい!

 

その後、みんなで一緒に謡に挑戦。

でも、なかなか、先生のように大きな声が出ません。

そこで、もっとおなかから大きな声が出せるように、

みんなで「新聞破り」をしました。

 

 

1枚の新聞を利き手と逆の手でもち、おなかに集中して

「んーーーハッ!」と大きな声を出しながら、

利き手のパンチで新聞を破るというもの。

集中力・瞬発力・息の吐き方が問われます。

するりと新聞にかわされることなく、見事に新聞を破ることが

できたらOK。案外、難しいんですよ。

この「新聞破り」をやることで、やっと声が出るようになりました。

 

そのほか、五句と七句で好きなことばを出し合い、

それをくじ引きのようにして組み合わせたものを

安田先生がをつけて「謡」にする、という

おもしろい取り組みもありました。

「りゅうのすみか(七句) ほほえんで(五句)」

「たくさんおよぐ(七句) すいかわり(五句)」などと

安田先生が能の「謡」風に謡うので、耳慣れない「節」も

それぞれの組み合わせも可笑しくて、

みんな笑いがとまりませんでした。

 

残念ながら授業時間の関係で、夏目漱石と能の話にまでは

たどり着くことができませんでしたが、

能を学ぶことで、漱石作品をもっと深く味わい、楽しむことが

できますよ、というお話でした。

『吾輩は猫である』を書いた頃から、漱石は謡を習っていたそうです。

 

みんな、能に興味をもってくれたかな?

能についてまったく知らなかった子にも、能のおもしろさを

体感していただけたのではないかと思います。

授業後には「声を出して気持ちよかった!」「おもしろかった」

「笛がふけてよかった」「お面を近くで見てこわかった」など

という声をいただきました。

参加者のみなさん、お2人の先生、どうもありがとうございました。

Posted at:09:00

旧赤プリで出張としょかん 語りの会

千代田区内にある旧グランドプリンスホテル赤坂(以降、旧赤プリ)は、

6月末まで東日本大震災の被災者向け避難施設に指定されています。

 

千代田図書館は、4月末より旧赤プリへの「出張としょかん」を開始し、

滞在されている方の希望に合わせて図書館より本を運んで

貸出をしたり、お子さん向けに絵本の読み聞かせをしたりしています。

 

先日12日(日)には、元NHKニュースキャスターで語り部の

平野啓子さんをお招きして「出張としょかん 語りの会」を開催しました。

今回は、当日の様子をレポートします。

 

★「出張としょかん 語りの会」

6月12日(日)14:00~15:15 旧赤プリ1階ラウンジにて

 

千代田図書館の司書による「はじまるよ♪」の歌に誘われるように

子どもたちもたくさん集まってきてくれました。

 

お休みの日にも関わらず、石川区長もプライベートで

お越しになりました。ありがとうございました。

 

石川区長にご挨拶いただき、プログラムに入ります。

まずは「雨ニモマケズ」の冒頭を、一緒に声に出して朗読。

子どもたちも元気いっぱい声を出してくれました。

そして「春はあけぼの」の手話バージョン!

皆さん見よう見まねでチャレンジしてくれました。

 

早口コトバで「寿限無(じゅげむ)」にも挑戦したあとは、

平野啓子さんと、千代田図書館の館長による

「おくのほそ道」のおはなし。

松尾芭蕉と、その弟子であり友人でもある曽良(そら)の

二人が歩いた道程を地図でたどりながら、各所で詠まれた

句の“ごく一部”として、特に有名な“五句”を紹介しました。

 

そして、平野啓子さんによる『走れメロス』(太宰治・作)の朗読。

 

それまではワイワイと一緒に声を出すのを楽しんでいた

子どもたちも、平野さんの熱のこもった朗読に

圧倒されたかのように静かに聞き入っていました。

 

最後に、絵本『花さき山』(斉藤隆介・著、滝平二郎・絵、岩崎書店)の

読み聞かせでしめくくられました。

 

ご来場いただいた旧赤プリ滞在中の皆さん、

本当にありがとうございました!

Posted at:15:25

レポート:第3回ことばと音のフェスティバル♪ちよだ音楽おはなし隊

早いものでもう5月も終わり、各地では例年より早い梅雨入りと

なっているようですね。

今日は、今月7日(土)に区民ホール(区役所1階)で開催しました

千代田区読書振興センター主催イベント

「第3回ことばと音のフェスティバル♪ちよだ音楽おはなし隊」

のレポートをお届けします。

 

 

本の読み語りと、地元で活躍する音楽隊の演奏からなるコンサートで、

毎年、親子連れから大人までたくさんの方にご来場をいただいています。

今年は、福島県の伝承話など、日本に古くから伝わる昔話の朗読や語り

に合わせて九段小学校「九段囃子の会」の皆さんが、九段囃子「鼓九楽」

の先生方の指導のもと、はっぴ姿で元気にお囃子を演奏してくれました。

音声でお届けできないのが残念ですが、当日の様子を写真でお伝えします。

 

◆会場前には「鼓九楽」にお借りした大きな提灯、はっぴなどを飾りました。

 

◆お囃子の楽器紹介

【下段】

左=「大胴(おおど)」

中=「締太鼓(しめだいこ)」カミ→高音 

右=「締太鼓」シモ→低音

   ※締太鼓の縄を「調べ」と呼ぶそうです。

【上段】

左=「鉦(かね)」

   ※他の四人を助けることから、別名「四助(よすけ)」とも呼ぶそうです。

右=「笛」

   ※その音色から、別名「とんび」とも呼ぶそうです。

 

◆朗読「がらっぱどんとさるどん」

(『野にある神様 田代しゅうじ詩集』田代しゅうじ てらいんく)

 

◆朗読「さる地蔵」

(『子どもに語る日本の昔話①』稲田和子・筒井悦子 こぐま社)

  

歌に合わせて、児童のかわいい踊りも披露されました。 

 

◆語り「とりのみじい」

 

お囃子の太鼓は舞台脇にもセット。

ステージ上と舞台脇の両方で演奏をしてくれました。

 

その他にも「子守りざる」や「ねこのおむすび」など

全部で10のおはなしを、千代田図書館の学校支援担当司書が担当しました。

児童の皆さんの演奏も見事で、曇り空を吹き飛ばすように元気でハリのある

舞台となりました。ご来場いただいた皆さまにも、心より御礼申し上げます。

ありがとうございました!

Posted at:15:30

レポート:第2回読み聞かせスキルアップ講座③

少し間をあけてしまいましたが、3月5日(土)に開催した

「第2回読み聞かせスキルアップ講座③」のレポートです。

今回は、参加者の皆さんが、お気に入りの絵本を

各自1冊ずつ持ち寄り、紹介をしました。

 

知らないことばがたくさんある子どもが、

大人向けの一般書を読むことは難しいかもしれませんが、

絵本は、子どもから大人まで誰でも読むことができるものです。

子どもに読み聞かせをするための絵本を探している方だけでなく、

次はどんな本を読もうかな、と思っている方も、

以下でご紹介する絵本をぜひ参考にしてみてください。

 

*なお、3月12日(土)に予定していた講座の最終回は、

このたびの震災の影響により、開催を中止いたしました。

本講座レポートは、これをもって終了といたします。

 

~+☆+~ 講座参加者により紹介された絵本 (順不同)~+☆+~

 

 

『おかあさん、あのね』

こどもがかいたおかあさんの詩1

吉野弘、新川和江/監修 

大和書房 

 

*毎年母の日を記念してハナマルキ株式会社に 

 寄せられた全国の小学生の詩を編集したものです。

 

 

 

 

 

 

『おおきなかぶ』

A.トルストイ/再話 内田莉莎子/訳

佐藤忠良/絵 

福音館書店 

 

 *紹介者コメント「絵がきれいで気に入っています」

 

 

『わたしとあそんで』

マリー・ホール・エッツ/作・絵 

与田準一/訳 

福音館書店 

 

*紹介者コメント「娘をひざの上にのせて、 

  よく読んでいました」

 

 

 

 

 

 

『トンちゃんてそういうネコ』

MAYA MAXX/作・絵

角川書店 

 

*紹介者コメント「絵のインパクトが大!」

 

『くまのコールテンくん』

ドン・フリーマン/作・絵 松岡享子/訳  

偕成社

 

*紹介者コメント

 「最初に読んだとき、涙が出てきました。かわいくて、抱きしめたくなるような絵本です」

 

『マナティーはやさしいともだち』

親と子の写真絵本6  福田幸広/写真  ポプラ社 

 

*紹介者コメント

 「マナティーの生態を写真でつづった本。動物が好きなので気に入っています」

 

『くさをはむ』

おくはらゆめ/作  講談社   

 

*紹介者コメント

 「幼児におすすめ。ことばの繰り返しがあるので、声をそろえて楽しんでくれます」 

 

 

『きょうはみんなでクマがりだ』

マイケル・ローゼン/再話 山口文生/訳 

ヘレン・オクセンバソー/絵 

評論社 

 

 

  

 

 

『とてもすてきなわたしの学校』

ドクター・スース&J・プレラッキー/文 神宮輝夫/訳 

レイン・スミス&ドクター・スース/絵  童話館出版  

 

*紹介者コメント

 「娘と一緒に絵本探しをしていたら、娘自身が選びました。

  小学生の頃、ずっと読み聞かせをしていました。

 「考えること」を教えている学校のおはなしです」 

 

 

『歯いしゃのチュー先生』

ウィリアム・スタイグ/作

うつみまお/訳 

評論社 

 

*紹介者コメント「息子が自分で選んだ絵本です。

 小学校低学年に人気があります」 

 

 

 

 

 

 

『きつねとねずみ』

ビアンキ/作 内田莉莎子/訳 山田三郎/絵

福音館書店 

 

*紹介者コメント「学童クラブでの子どもたちとの

 関係で悩んだりしていたときに、ヒントをくれた

 絵本です」 

 

 

 

 

 

 

 

 

『7日だけのローリー』

片山健/作・絵

学習研究社 

 

*紹介者コメント「犬の情けない表情など、表情が 

 豊かで、本当にすてきな絵本です」 

 

 

 

 

 

『ぼく おかあさんのこと…』

酒井駒子/作・絵 文渓社 

 

*紹介者コメント

 「甘えたいのに甘えられない・・など、男の子の気持ちをよく表している絵本が好きです」  

 

 

『ちいさいおうち』

バージニア・リー・バートン/作 石井桃子/訳

岩波書店 

 

*紹介者コメント「子どもが好きな本と、自分が好きで 

 読み聞かせていた本は異なりましたが、これは、

 親子ともに好きな絵本です」  

 

 

 

 

 

 

『あのとき すきになったよ』

薫くみ子/作 飯野和好/絵

教育画劇 

 

*紹介者コメント「友だちになるきっかけを描いた絵本です」 

 

 

 

 

 

『ぴっつんつん』

武鹿悦子/文 後路好章/構成 もろかおり/絵 くもん出版

 

*紹介者コメント

 「クレパスで描かれ、すべて擬音語で書かれています。展開にインパクトがあります」

 

 

『はなをくんくん』

ルース・クラウス/文 きじまはじめ/訳

マーク・シーモント/絵 

福音館書店

 

*紹介者コメント「小さな花に、森のみんながわーっ!と 

 喜ぶ幸せ、その感覚が気に入っています」 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ちいさなあなたへ』

アリスン・マギー/文 なかがわちひろ/訳 

ピーター・レイノルズ/絵  主婦の友社

 

*紹介者コメント

 「出産して嬉しかった母の思い。最近読んで感動した絵本です。

 今の娘にも読んであげたい」 

 

『いっぽんみちをあるいていたら』

市居みか/作・絵 ひかりのくに 

 

*紹介者コメント

 「人と出会うって、こんなにも素晴らしいことはない!と思いました」  

Posted at:12:25

レポート:第2回読み聞かせスキルアップ講座②

前回①は、「子どもたちにお話を!心を育むことばの世界」

と題して、先生がふだん行っている「おはなし会」のプログラムを

解説を交えながら一通り見せていただきました。

 

 ※前回①の様子はコチラからご覧いただけます→講座①

 

今回の内容は「子どもたちにお話を!-Part2」として、

なぜ、子どもたちにお話が大切なのか、

子どもたちや私たちが今置かれている状況など

についてのお話と、皆さんが絵本と出会う手がかりに、と

先生からたくさんの絵本の紹介がありました。

 

▲講師の尾松純子先生

 

なぜ、子どもたちにお話が大切なのか。

 

超早期教育、ネグレクト(子どもに対する無関心・怠慢、放置)、

子育ての外注化。現代社会では、子どもから“子どもの時間”が

奪われている、と先生は言います。

生きることへの安心感、「自分は生きていていいんだ」という感覚や

1人の人間としての存在への自信は、

周りの大人の接し方によって育まれるもの。

現代の社会で息せき切って生きている大人たちの元では、

子どもたちは、安心して自分のままではいられません。

また、親子間でどんなに愛があっても行き違いは生じるものです。

 

先生は、そうした行き違いや心の隙間を埋め、子どもにたっぷりと

子どもでいられる時間を与えるために、そして

「今のあなたのままでいいんだよ」ということを伝えるために

絵本や語りを通じて安心感を手渡していきたいとおっしゃっていました。

 

もしかすると、生きることへの安心感や、

自分も他人もありのままでいいんだ、というような感覚は

現代の大人にも不足しているのかもしれませんね。

 

さて、講座の後半では、「子どもの成長と絵本」と題して

たくさんの絵本が紹介されました。

紹介された絵本については、また次回にご報告します!

 

▲今回の会場は九段生涯学習館でした。 

 

▲講座の終了時刻が近づくにつれて、机には絵本がズラリ!

Posted at:10:00

レポート:第2回読み聞かせスキルアップ講座①

家庭で子どもに読み聞かせをしている保護者の方や

ボランティアとして活動をしている方の

スキルアップを目指す連続講座(全4回)

第2回「読み聞かせスキルアップ講座」が始まりました。

 

 ☆昨年の第1回「読み聞かせスキルアップ講座」の様子は

   コチラからご覧いただけます。⇒    ③-2 

 

▲講師の尾松純子先生

 

第2回目となる今年の講師は「おはなし夢夢」主宰・語り手の尾松純子先生。

尾松先生は小学校教師を経て語り手になり、

現在は小学校での講師をはじめ、語り手養成や保育・児童文化の研修会、

各地の社会教育講座の講師などをしながら、幼い子から大人まで、

様々な場へ生の声での語りを届けています。

 

今講座の初回は「子どもたちにお話を!心を育むことばの世界」と題して、

その豊富な経験に基づく理論や分析などを交えながら、

先生がふだん行っている「おはなし会」を見せていただきました。

おはなし会は、起承転結のプログラムになっていたり、日本のおはなしと

外国のおはなしを組み合わせたりと、さまざまな構成の仕方がありますが

尾松先生は、子どもが言葉を獲得する過程になぞらえて組立てをされます。

 

まずは、手あそびから始めます。

 

⇒手袋人形

 

⇒詩やことばあそび⇒小さなおはなし⇒昔話や物語

 

⇒パネルシアター

 

 

昔話などを声だけで語る「素話(すばなし)」は、

言葉からイメージをふくらませる力、想像力を駆使して、

とても深い集中力が必要です。

そこで、最後に視覚の助けがあるパネルシアターで締めくくり、

深い集中の疲れをとったり、

皆で楽しさを共有しておはなし会を終わります。

 

尾松先生の手あそび、手袋人形、パネルシアターのレパートリーは

とても多く、色々なものを見せていただきました。

 

▲手あそび用の人形や手袋人形の数々

 

「おはなし会」のプログラムを一通り見せていただいた後、

幾つかのおはなしと、絵本の読み聞かせがありました。

今回使用した絵本は、次回のブログでお知らせします。

また次の講座の様子も、このブログでお届けする予定ですので、

どうぞお楽しみに♪

Posted at:18:00

和泉小学校:1年生国語「本とともだちになろう」

区立小学校での読書活動の報告が続きますが、

今回は、和泉小学校の国語の授業見学記です。

 

和泉小学校は、秋葉原駅から歩いて約7分、和泉公園の隣にあります。

今川小学校と佐久間小学校が合併して、1993年に開校しました。

 

和泉小学校では「学校全部が図書館構想」という事業を継続中で、

各階の廊下に書棚が並んでいます。

 

今回は、まだあどけなさの残る1年生の授業見学です。

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日時 12月7日(火)第5校時

先生 1年1組 鎌田有加先生

単元 本と ともだちに なろう

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今日に至るまでの学習の流れは、以下の通り。

 

4月 「おはなし よんで」

 たくさんの読み聞かせで耳から入ってくる言葉の心地よさや

 ストーリー展開の楽しさを味わう。

 

7月 「ほんと なかよし」

 挿絵から話の内容を想像したり、『だいくとおにろく』を読んで、

 話の内容と好きなところを作文帳に書く。

 

★本単元 「本と ともだちに なろう」

 自分で好きな本を選んで発表をする。

 友達の発表を聞いて読書意欲を高められるようにしていく。

 

学習で用いた『ずーっと、ずっと、だいすきだよ』

児童が気に入ったことから、先生は、その著者ハンス・ウィルヘルムの

他の作品3点(※)を用意。児童はその中から好きな本を1点選んで

本の内容と好きなところを発表する、というのが今日の活動内容です。

 

※ハンス・ウィルヘルムの作品※

『ぼくたちまたなかよしさ!』

『タイローンなんかこわくない』

『そんなのずるいよ!タイローン』 (いずれも評論社刊)

 

3人1グループで、1人ずつ発表をします。

どんな内容かを紹介し、感想をのべ、

「好きなところを読みます」と言って、お気に入りのシーンを

読み聞かせ、そしてまとめのコメント、と

とてもしっかりとした流れの発表内容になっていて、

これまでの学習の成果が確かに見受けられました。

 

▲自分が選んだ1冊以外はまだ読んでいないので、

 友達の発表にみんな興味津々! 

 

友達にお気に入りシーンの読み聞かせをするには、

どんな風に本を持てばいいんだろう?

自分が読みやすいように本を持つと

「見えません!」と指摘され、

友達が見やすいようにと本を持つと

「文字が逆になって読むのが難しい!!」

そんなことを体感しながら、みんなで本を囲んでいる

様子はとても楽しそう!

 

▲「ねえ、本を持つの手伝って!」

 

▲好きなところを読むときは、みんな感情たっぷりに

 抑揚をきかせています。

 

3人とも発表をし終えたら、その感想をグループ内で出し合い、

今度は本を交換し合って「本読みの時間」です。

発表の時間とはうって変わり、教室内は静まりかえりました。

小さく声に出して読む子もいれば、盛り上がって手や身体が

動き出す子もいて、それぞれに読みふけっているようでした。

 

▲みんな、本当に夢中になって読んでいます。

 

本読みの時間の後は、今日の学習の振り返りです。

▲元気良く手が挙がります!

 

友達の発表を聞いての感想をのべるときは、

「○○さんが読んだ本『○○』で、どんなところがどうだった」

と主語述語や、理由などがはっきりとしていて

分かりやすいことに、とても感心しました。

また「・・タイローンがアイスを逆さまにしたところが面白くて・・」

などの友達の感想に対して、「僕もそこ好き!」と同意したり

場面を聞いただけでみんなが笑い出したり、と

いかに児童が集中力をもって本を読み、楽しんでいたのかが

よく分かりました。

1年生でも、もう自分の力で、本を楽しむことができるんですね!

 

最近では昔ながらの「読書会」に加えて、

それがインターネット上で行われたり、本の交換会として

行われたり、と様々な広がりをみせているようです。

私自身も、書評を見て本を買って読む、だけではなく

友人にも話すことで共有したり、本の世界を広げたり、

をしてみようかなと思う1日になりました。 

Posted at:18:00

千代田小学校:読書週間スペシャル給食

先日、千代田小学校の図書委員の皆さんに「絵本に出てくる料理が、

給食に出ている」と聞き、今回は給食時間にお邪魔をしてきました。 

この日の献立は、胚芽ごはん、すまし汁、筑前煮、

とらねこふりかけ、くだもの、牛乳。

とらねこふりかけ…!?

 

 

児童に配布される「給食だより」の“栄養士からのひとこと”

によると「絵本『100万回生きたねこ』より、

ねこが好きなツナとたまごを使ったふりかけ風。」

栄養満点の手作りふりかけ!ネコにはちょっと贅沢?

このふりかけだけで、ごはんをおかわりしたくなるほどです。

 

▲「給食だより」裏面には、日ごとに絵本とその紹介文が。

 

これは、千代田小の給食を担当している栄養士の鈴木先生が

千代田小の図書館担当で、千代田図書館・学校支援の司書の

杉田先生に呼びかけて実現した、

給食×絵本のコラボレーション企画読書週間スペシャル

10月末から11月にかけての読書週間にちなみ、千代田小学校での

11月の給食にはなんと毎日絵本にちなんだ料理が登場しました。

 

▲左が栄養士の鈴木先生、右が司書の杉田先生

 

いつも「今日は何の日」という記念日や学校の行事に合わせた献立を

たてている鈴木先生が、今年は「国民読書年」でもあることから、

秋の読書週間には本にまつわる献立を、と考えられたのがきっかけ。

 

杉田先生が料理の出てくる絵本を探し、鈴木先生が絵本を見ながら

献立をたてる、という共同作業の中で、苦戦したのは魚や豆などの「和食」。

洋食やデザートが登場する絵本や物語はたくさんあるのに、日本の食事や

食べるシーンが登場する絵本が少ないことに、改めて気がついたそうです。

 

和食の献立に活躍した絵本をいくつかご紹介します。

 

『よみがえれ、えりもの森』 

本木洋子・文 高田三郎・絵 新日本出版社

⇒「キャベツの昆布味」「なめこととろろ昆布の味噌汁」

 

『はじめてのおるすばん』

しみずみちを・作 山本まつ子・絵 岩崎書店

⇒「ときのこの炊き込みごはん」

 

『一つの花』

今西祐行・作 鈴木義治・絵 ポプラ社

⇒「すいとん

 

『一つの花』は4年生が国語の授業でまさに取り組んでいた本。

担任の先生曰く、すいとんは物語には出てこないが、食糧不足の

時代の食を知る、とても良い機会になったとのこと。

 

▲4年1組にて。給食の時間はみんな本当に楽しそう♪

 

児童は、給食をきっかけに本を借りたり、自分の好きな絵本の給食を

楽しみにしたり、また家庭では、親子の会話のきっかけになったり、と

児童にも保護者にも、そして先生方にも大変好評だったようです。

 

浅川校長先生に感想をお伺いしたところ、

学校教育では、読書は国語、食育は給食や家庭科、

などと区別して考えてしまうところがありますが

「食」も「読書」も、生活全般に関わること。

皆で同じものを食べるという、小学校ならではの学校給食を通じて

楽しく身近なこととして取り組めたのが、大変良かった。

とおっしゃっていました。

 

「食育」や「読書推進」というとなんだか堅苦しく感じますが、

こんなにも楽しく「本」や「食」に親しむこともできるんですね。

 

▲浅川校長先生は、『シンデレラ』⇒かぼちゃの入った

 「シンデレラ根菜カレーライス」が特に印象に残ったそうです。

 

栄養士の鈴木先生は「給食は考え、工夫をする時間」とおっしゃいます。

牛乳瓶の紙の蓋を、どうすればうまく開けることができるか、

納豆のネバネバが手につかないようにするにはどうすればいいか、

そんなことから、児童は考え、工夫することを学んでいくのだそうです。

 

▲鈴木先生は、学校でのお母さん。

 

そして何より、鈴木先生の「工夫」もすごい!の一言です。

 -豆をたくさん摂れるように、コロッケの中に豆を入れる。

 -切干大根やかんぴょうといった乾物を様々な献立にこっそり使う。

といった栄養面における工夫もさることながら、

職員朝会で、風邪による欠席児童が多いと聞けば

 -消化しやすい食材に変更をする。

 -柔らかめに仕上げるよう調理師に指示を出す。

と、可能な限りの対応をはかり、

時間割を見て、午前中に体育のあるクラスには、

多めに作っている分を「おまけ」として少し追加するなどの徹底した心配り!

毎日、給食時間中は各クラスを回って児童に声をかけ、体調や心の状態を

確認している鈴木先生は、まさにみんなのお母さんですね。

 

今回の取材では、絵本と給食のコラボレーション企画という

取り組み内容のおもしろさはもちろんですが、なにより

鈴木先生と杉田先生というお二人の教育にかける熱意と

プロ意識に圧倒されました。先生方、ありがとうございました! 

Posted at:09:00

千代田小学校:図書委員の活動

千代田小学校は、1993年に千桜小学校、神田小学校、

永田町小学校の3校が合併して創立した小学校で

神田まちかど図書館と同じ複合施設「神田さくら館」

内にあります。

 

5・6年生になると、児童は○○委員という担当をもちます。

任期は1年間。今回は、図書委員の活動を見学してきました。

5年2組の岸先生が図書委員の担当なので、5年2組の教室に

5年生8名、6年生6名の計14名のメンバーが集まりました。

 

図書委員を選んだ理由は「本が好きだから」という子も

もちろんいますが、中には「じゃんけんに負けたから」という子も。

それでも、みんな学年の垣根なくとても仲良く楽しそうで、

和気あいあいとした雰囲気です。

 

今日の議題は「読み聞かせの担当決め」と「発表集会の振り返り」。

まず「読み聞かせの担当決め」では、併設の幼稚園から小6までの

各クラス毎に担当を1名決めます。約2ヶ月に1度の頻度で、

図書委員が読み聞かせを行っているのだそうです。

 

担当になった学年に合わせて自分で読む本を選び、練習をし、

岸先生の指導を受けてから、実際に読み聞かせをするとのこと。

その後の「発表集会の振り返り」を済ませると、

みんな一目散に図書室へ本を選びに向かいました。

 

▲図書室は、神田まちかど図書館に併設。

 

▲迷ったときは、友達に相談だ。

 

みんながどんな本を選んだのか、見せてもらいましょう。

 

『ジャイアント・ジョン』

アーノルド・ローベル著、福本友美子訳

文化出版局 

 

3年生のクラスでの読み聞かせに。 

 

 

 


『くまくまちゃん』

高橋和枝 作・絵 

ポプラ社 

 

4年生のクラスでの読み聞かせに。 

  

 

 

 

『不登校、選んだわけじゃないんだぜ!』

貴戸理恵、常野雄次郎・著  理論社

『だれか、ふつうを教えてくれ!』

倉本智明・著 理論社

6年生のクラスでの読み聞かせに。    

 

 

高学年には、上記2冊と同じ「よりみち!パンセ」

シリーズが人気なんだとか。

「1年生にはコレ!」と、ささっと決める子もいれば

「自分のクラスになっちゃった。どうしよう、何にしよう~」

と悩んでいる子もいましたが、どの子も自分の読書経験や

勘でそれぞれに選書を楽しんでいる様子でした。

 

みんなと一緒に図書室内を見学していると、

今月の特集「おいしい本みつけた!」という展示コーナーを発見。

なんでも、「絵本に出てくる料理が、給食に出てくる。」とのこと…!?

 

▲今月の特集「おいしい本みつけた!」

 

絵本の紹介と給食の献立が、1日1枚ずつ掲示されています。

 

また日を改めて、今度は給食時間にお邪魔することにしました。

とっても気になります!

どんな給食が出ているのか、次回の報告をお楽しみに♪

Posted at:12:25

お茶の水小学校:夏目漱石暗唱コンテスト

12月9日は、文豪・夏目漱石の命日です。 

漱石の母校であるお茶の水小学校(※)では、

毎年秋の読書週間に全校での取り組みとして

「夏目漱石暗唱コンテスト」が実施されています。

 

※お茶の水小学校は、漱石が通った錦華小学校と、小川小学校、

西神田小学校の3校によって1993年に創立されました。

 

▲小学校の正門横に記念碑があります。

 

コンテストの内容は、漱石作品の冒頭部分を暗唱する

というもので、課題作品は、以下の通り。

 低学年「坊っちゃん」 

 中学年「吾輩は猫である」 

 高学年「草枕」

主に休み時間や、家庭で練習をし、担任や図書委員が

暗唱を聞いたり、アドバイスをしたりするのだそうです。

 

今回は「坊っちゃん」に取り組み真っ最中の

1年生のクラスにお邪魔をしてきました。

 

****************************************

日時 11月2日(火)第5校時

先生 第1学年2組担任 林奈緒美先生

単元 たのしみながらよもう「ぼっちゃん」

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声がよく出るように、準備体操から~♪

▲首を回したり手をグーパーしたり・・・

 

準備体操が終わると、みんなは目を閉じて、

先生が音読するのを静かに聞きます。

集中力が高まったところで、起立!

みんなで声を合わせて大きな声で読みます。

この段階ではまだテキストを見てもいいのですが

ほとんどの児童はもう何も見なくてもすらすらと

暗唱しているので、びっくりしました!!

 

▲みんな、姿勢もいいですね。

 

今回の授業では、課題となっている冒頭部分を3分割し、

3人組で練習・発表をします。

今回の目標は、

●大きな声で、はっきりと、つかえずに、暗唱をすること

●友達が発表をしているときは静かに聞くこと

 

忘れた友達がいたら、こっそり教えてあげようね。

 

先生が3分割した内容に合わせて作成したイラストが

画面に映し出されます。画面に合わせて読みました。

1)

2)

3) 

 

友達の発表を聞いたら「みんなのがんばりカード」で

花マル、二重マル、マルの3段階で評価をします。

 

シートに色塗りをするために、他の友達の発表も

みんなしっかり聞いています。

途中で忘れてしまった友達に、みんながヒソヒソ声で

教えてあげる姿は、とても微笑ましい光景でした。

 

最後に先生から「坊っちゃん」について、坊っちゃんが

学校の先生になったことなど、その後の物語が部分的に

紹介されました。

あと何年かして、このような文学作品を1冊丸ごと読めるようになった

ときには、ぜひ「坊っちゃん」も手にとって続きが読めるといいですね。

 

先生の話によると、課題作品を渡して1週間もたたないうちに

児童はスラスラと暗唱するようになったとのこと。

子どもたちの才能って、本当にすごいですね!

中には「お兄ちゃんがうちでやってたから、もう知ってた。」

「(課題作品を)3つとも全部覚えたよ。」と言う児童も。

家庭で取り組むことにより、兄弟姉妹間でも良い刺激に

なっている様子が伺えました。

 

私も、子どもたちの抑揚たっぷりの暗唱を繰り返し

聞かせていただいたおかげで、冒頭部分が頭に残り、

久しぶりに「坊っちゃん」を読みたくなりました。

皆さんも、この機に漱石作品を読み直してみてはいかがでしょう。 

 

Posted at:17:10

九段小学校「読み聞かせワークショップ」(後半)

幼稚園児に絵本の読み聞かせをする

「絵本読み聞かせ隊」の5年生の児童が、

読み聞かせのプロにその技をまなぶというワークショップ。

前半では、講師がいろんな手法による読み聞かせや語りを

披露してくださいました。

 

 ★前半のようすはコチラ

 

休憩をはさみ、後半は、自分たちでもやってみよう!

という発表の時間です。

3人グループをつくって、まずは絵本選びから。

 

▲絵本選びは、お気に入りをめぐっての争奪戦!

 

絵本を選んだら、グループごとに話し合いをします。

どの場面を<参加型>にすることができるか?

を考えて、3人の役割分担を決めます。

自分たちで<参加型>のおはなしを組み立てていくのです。

 

▲みんなで考え中。

 

<参加型>にできたかな?次は、2グループに合体して、

グループ同士で見せ合います。

 

▲聞き手役にまわるグループは、園児の気持ちになりきって。

 

最後は、みんなの前で発表です!

勇気のあるグループはいるかな・・・?

 

★発表① 

『もったいないばあさん』(真珠まりこ・著/講談社)

 

「もったいない!」というせりふを、聞き手も一緒に

声を出すことで<参加型>になりました。

みんなに「もったいない!」を言う合図をだす担当と、

絵本を読む担当に役割分担ができました。

 

「<参加型>として聞き手にも参加してもらうには、

どこで一緒に声を出したり動作をしたりするのかが

わかるように合図をだすことがポイント。」

と末吉先生からのアドバイスがありました。

 

★発表② 

『これはジャックのたてたいえ』

(シムズ・タバック著/フレーベル館)

 

「これはジャックのたてたいえ」

と繰り返し出てくる箇所を、みんなで一緒に動作もつけて

声に出すことで、楽しい参加型のおはなしになりました。

 

★発表③ 

『かようびのよる』

(デヴィッド・ウィーズナー著/徳間書店)

 

ほとんど文がない絵本を選んだ3人組は、絵から想像して

言葉をつむぎだし、そのお話しを披露してくれました。

 

★発表④

『あかい ふうせん』 (イエラ・マリ作/ほるぷ出版)

 

これも、文のない絵本。前半の時間に、末吉先生が

読んでくれた絵本と同じものですが、

まったく違う雰囲気になって、びっくり!

ふうせんが色んなものに形を変えて「とんでいく」

聞き手も一緒に大きな声を出して楽しむことができました。

 

どうすれば聞き手の園児たちに絵本を楽しんでもらえるか。

また、読み手の自分たちも一緒に楽しむことができるか。

参加型のおはなしの、聞き手も読み手も体験してみることで

児童はからだで学ぶことができたのではないでしょうか。

 

今後の「絵本読み聞かせ隊」出動が楽しみですね!

末吉先生のアドバイスを忘れずに、

楽しい読み聞かせの時間をつくってほしいなと思います。

 

 ★末吉先生の著書★

『もっとお話とあそぼう 聞き手参加とタンデムのストーリーテリング』

末吉正子・編著 藤原道子・絵

マーガレット・リード・マクドナルド語り

一声社

Posted at:10:00

レポート:図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「森崎書店の日々」編

先日の台風4号の影響で一度は延期となった神保町ツアー。

13日(土)に秋晴れの空の下、無事に開催することができました。

 

▲俎[まないた]橋にて。ツアーでは、町の歴史などもご紹介します。

 

図書館コンシェルジュが神保町の歴史や見どころをご案内する

神保町ツアーは、これで5回目。

今回は、千代田区が主催する「ちよだ文学賞」第3回大賞受賞作品

『森崎書店の日々』の映画化&文庫化を記念して、

著者の八木沢里志さんをゲストにお招きして開催しました。

 

  

▲映画は全国順次公開    ▲小学館文庫        ▲「ちよだ文学賞」作品集

 

★図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「森崎書店の日々」編

 開催日 11月13日(土) 

 ゲスト 八木沢里志さん(『森崎書店の日々』著者)

 協 力 神保町シアター

 協力店 中野書店、ボヘミアンズ・ギルド、南洋堂書店

 

小説&映画『森崎書店の日々』の舞台は、神保町。

著者の八木沢さんご自身が神保町のファンで、いつか

神保町の古書店を舞台にした物語を書いてみたいなと

思っていたのだそうです。

 

ツアーに出発する前にまず、八木沢さんから作品のこと、

映画化されてのご感想、神保町でお気に入りの店などを

お聞きしました。

 

 

▲正面真ん中が八木沢さん。本を読んだ方からの質問も。 

 

八木沢さんのところに映画化の話がきたとき、

「このご時世なので映画は完成しても、劇場公開に

こぎつけられるかは分からない」と聞かされたそうで、

公開決定は、本当に驚きだったそうです。

八木沢さん自身も映画のワンシーンに登場しています。

 

約30分のお話しの後、町へと繰り出しました。

今回のツアーでは、八木沢さんのお気に入りの店や、

映画のロケ地を中心に、歴史ある建物や店もご紹介しながら

約1.5時間歩きました。

以下、ツアーでご案内した箇所をいくつかご紹介します。

 

★宝田橋、日本橋川、俎橋

図書館から神保町へ向かうときは、宝田橋経由が近道。

名前の由来などについてご紹介しました。

 

★九段下ビル

関東大震災後の東京復興を目標に建設され、昭和2年に完成。

 

★玉川堂(筆、書道用品専門店)

文政元年(1818)創業の歴史あるお店です。

 

★松雲堂書店(古書店)

映画「森崎~」のロケ地の1つ。漢文、漢詩専門店です。

お店の取材レポートもご覧ください。

 

★@ワンダー(古書店)

映画のポスターやパンフレットも取り扱う古書店です。

 

★アジアンギャラリー季節風(雑貨店)

関東大震災後に商店などに用いられた「看板建築」様式の建物です。

 

★ヴィンテージ(古書店)

雑誌、パンフレットを中心に取り扱う古書店。

特に映画、演劇関係に力を入れているお店です。

 

★矢口書店(古書店)

映画、演劇、シナリオなどが専門の古書店。

オーソドックスな看板建築です。店の佇まいなど、

八木沢さんもお気に入りの店だそうです。

 

★南海堂書店 (古書店)

歴史専門の古書店で、映画「森崎~」のロケ地。

 

★神田古書センタービル

2階にある中野書店は、映画「森崎~」の制作に協力され、

ロケでは倉庫にあった実際の商品が使用されました。

専門は古書全般とマンガです。ここは、店内も見学しました。

 

★本と街の案内所(フリースペース)

映画にもチラッと登場します。

十一軒長屋と呼ばれる建物の一部で、かつてはここから

東方面の小宮山書店までが11軒つながっていました。

 

★小宮山書店(古書店)

ここまでで十一軒。皆さん数えることができたでしょうか?

1階から4階まで古書のデパートのような古書店で、

八木沢さんもよく立ち寄るそうです。毎週末に裏手のガレージ

で行われるお得なセール“コミガレ”は、いつもたくさんの

お客さんで賑わっています。

 

 

★神田伯剌西爾(喫茶店)

小宮山書店となりの喫茶店。

囲炉裏や柱時計など和風モダンな店内で、八木沢さんもよく訪れるそうです。

 

★ボヘミアンズ・ギルド(古書店)

美術、版画、自筆物などを取り扱う古書店。竹久夢二のコレクションが有名。

2階のブックギャラリーを見学させていただきました。

また、参加者に「商品目録(写真版)」をプレゼントにいただきました。

ありがとうございました!皆さん、後日またゆっくりと見にきてくださいね。

※店内の詳細は、取材レポートをご覧ください。

 

 

★南洋堂書店(建築専門書店)

建築関連の古書・新刊書・雑誌等を取り扱う書店。

映画「森崎~」のヒロインを演じたモデルの菊池亜希子さんは

学生時代に建築を専攻されていたので、この書店をとてもよく

利用されていたそうです。1、2階が吹き抜けになっていて、

開放感のある店内。2階にお邪魔しました。

▲ツアーで見てきた建築物が紹介されている本を発見。

 

★神保町シアター

今回のツアー終着点。映画「森崎~」の上映館で、ふだんは主に

古きよき日本の名作映画を上映しています。

同じ建物内には、お笑い劇場「神保町花月」も入っています。

支配人の細谷さん(写真右)に、映画館の紹介をしていただきました。

 

 

★「森崎書店」跡地

神保町シアターから100歩のところに、映画の「森崎書店」に使われた

建物があります。この建物は、すずらん通りにある紅茶専門店

「ティーハウス高野」さんの倉庫です。

 

約90分ちかく、神保町を歩いて回りましたが、

参加者からは「あっという間だった」「もっと長い時間歩きたかった」

という声をいただきました。映画「森崎~」のロケ地だけではなく、

神保町の歴史から、ふだん歩いていても見過ごしてしまうような

ちょっとした見どころまで、参加者の皆さんには様々な神保町の

魅力や楽しみ方を知っていただけたのではないでしょうか。

 

最後に立ち寄った「森崎書店」跡地では、八木沢さんと一緒に

記念撮影をする姿や、サインを求める姿なども多く見られました。

 

映画「森崎書店の日々」は、神保町シアターでの上映は終了しましたが

引き続き都内では11/27~シネマート新宿で上映開始、また全国順次公開

予定ですので、まだご覧になっていない方もぜひお見逃しなきよう!

 

また、小学館文庫『森崎書店の日々』には、

八木沢さんが書き下ろした物語の続編も入っていますよ。

 

図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアーは、

次回は翌春に開催予定ですので、こちらもお楽しみに!

 

最後に、今回のイベントは八木沢さんをはじめ、神保町シアターの細谷支配人、

おさんぽ神保町の石川編集長、映画宣伝会社の皆さま、古書店の皆さま、

千代田区のちよだ文学賞ご担当の皆さまなど、たくさんの方に

ご協力いただきました。

この場を借りて、お礼を申し上げます。ありがとうございました!

 

おさんぽ神保町Webで、当日の様子をご紹介いただきました!→コチラ

Posted at:13:35

九段小学校「読み聞かせワークショップ」(前半)

▲校舎は経済産業省による<近代化産業遺産>に認定されています。

 

九段小学校と九段幼稚園では、同じ校舎内にあることを活かした

「絵本読み聞かせ隊」という活動が行われています。

小学校の児童が幼稚園児に絵本の読み聞かせをするというもので、

幼稚園児は小学生のお兄さん・お姉さんにあこがれ、

小学校の児童は責任感をもつ、という九段ならではの教育です。

 

 ★「絵本読み聞かせ隊」のようすはコチラ

 

先日、「絵本読み聞かせ隊」をスキルアップさせるため、

読み聞かせのプロを招いてのワークショップが開催されました。

 

*****************

日時 平成22年10月21日(木)2・3校時

場所 九段小学校 講堂

対象 5年1組、2組の児童57名

講師 末吉正子さん(ストーリーテラー) 

 ★末吉さんのホームページはコチラ

*****************

 

講師の末吉さんは、千葉県佐倉市立図書館で子ども向けの

お話し会を始めたのち、渡米。そこで聞き手を楽しませる様々

な手法の語りに出会い、帰国後は日本全国の小学校をはじめ

世界各地でも読み聞かせや語りの公演をされています。

 

今回のワークショップでは、そんな末吉さんに

<参加型のおはなし>について教えてもらいます。

<参加型のおはなし>は、聞き手も一緒に動作をしたり、声を

出したりして、話し手も聞き手も一緒に楽しもう♪というもの。

 

幼稚園児に絵本をもっと楽しんでもらえるよう、

おはなしのコツをしっかり伝授してもらいましょう!

 

まずは、末吉さんから<はじめのおはなし>

児童も1フレーズずつ復唱します。繰り返しが続くので

次第に声もそろい、皆だんだん楽しくなってきたようです。

 

▲手を動かすなどの動作も一緒にやります。

 

絵本『きょだいな きょだいな』(長谷川摂子・作/降矢なな・絵)で

<繰り返し型>の手法をまなぶ。

 

 

繰り返しとリズムが、子どもたちは大好き!

つい一緒に言いたくなってしまうようです。

「あったとさ、あったとさ ひろいのっぱら どまんなか・・・」

 

絵本『あかい ふうせん』(イエラ・マリ作)で

聞き手と一緒におはなしをつくっていく手法をまなぶ。

 

 

この絵本には文字がありません。絵だけの絵本ですから

話し手が聞き手と言葉を交わしながら、おはなしをつくっていきます。

 

絵本『おやすみ みみずく』(パット・ハッチンス作・絵)で

聞き手と読み手が一緒に声を出して楽しむ手法をまなぶ。

 

 

カラスが「カーカー」、スズメが「チュンチュン」など、

森の鳥達の鳴き声が、次から次へと増えていくのですが、

子どもたちは皆ぜんぶ覚えていくので、その記憶力には

びっくりしました!

 

ノルウェーのおはなし『ごっくんおとら』で

絵本を読まずにおはなしをする<語り>の手法をまなぶ。

 

くいしんぼうのトラが、いろんなものをどんどん飲みこんでいく

おはなし。皆も一緒に動作をつけて「ゴックン!」

末吉さんの「ゴックン!」は迫力満点でした。

 

休憩をはさみ、今度は児童が早速学んだことを活かして

発表する番です。皆の読み聞かせ、どうなるでしょうか?

後半をお楽しみに!

 

 

 

Posted at:09:00

レポート:古書店の出張セミナー「和本入門」

「としょかんのこしょてんvol.41:和本入門」の

展示解説が10/31(日)に開催されました。

 

※図書館での展示は終了しましたが、展示品は今週11/12、13

東京古書会館で開催される「古典籍展観大入札会」

ご覧になれます(入場無料)。詳細はコチラ

お宝級の和本を間近に見られる、年に1度の希少な機会です!

 

 ★古書店の出張セミナー「和本入門」

  講師:橋口侯之介さん(誠心堂書店代表取締役)

  連携・協力:神田古書店連盟

 

▲右が橋口侯之介さん、左は司会の小林光寿さん(小林書房)

 

有史以来、明治期に洋装本が登場するまでの千数百年の間に

出された本は、すべて「和本」ということですから、和本について

知ることは、日本の出版の歴史を知ることにもなります。

大変興味深い内容のセミナーでしたので、台風の影響により

参加者が少なかったことが本当に残念!

セミナーでのお話しをいくつかご紹介したいと思います。

 

―なぜ、千年以上も前の本が、今でも市場に出てくるのでしょうか。

◆千年以上もつ紙

 今でいう「和紙」は平安時代に開発されたもの。

 まさに悠久の時を経て・・・ロマンを感じますね。

 

◆日本人の書物感

 日本は世界的に見ても、古い書物がよく残る国だそうです。

 「後世に伝えるために」本を大事にする意識が強かったのですね。

 平安時代から中世まで、その役割を担ったのは寺院。

 また、冷泉家など一部の公家達が頑張って残してくれたので

 室町や鎌倉時代の本などを、現代でも見ることができるのです。

 

 

▲『和漢朗詠集』烏丸光広筆 宗達模様料紙

 

昔はコピー機などもちろんなく、寺院のお坊さんなどが「書写」して残します。

ただ読めれば良いということではなく、本のつくり、書き方、紙の選び方などに

工夫をして、平安時代の《雅》を書物全体の雰囲気として残そうとしています。

 

―和本(日本の出版)の歴史

橋口さんの著書『和本入門』『続 和本入門』を読むのが

一番!ですが、お話しいただいた内容を元に端的にご紹介を。

 

◆~中世

 仏教書、漢籍など、お硬い内容の本がほとんど。木版。

 

 ▲『後七日記』寿永2年(1183)於金剛峰寺書写

  綴じ方や紙もじっくり見てみましょう。

 

~朝鮮は印刷先進国!李朝より活字印刷技術が入ってくる~

 

◆近世(江戸初期)~ 

 李朝では活字だったが日本では活字で、ひらがな本

 の印刷も始まる。当時のひらがな文は、例えば「なり」の「な」

 と「り」を続けて書くなどしていたので、かな50音+何百種類

 という大量の活字が必要!とても大変だったでしょうね・・

 

 

 ▲『剣の巻』 古活字版 江戸前期刊

 

~やはり木活字では生産性が低く、木版に戻る~

 木版に用いられたのは非常に丈夫な山桜の木。

 生産性が上がり、読者層が広がるとともに、古典などの硬い本だけでは

 なく、気軽に楽しめる本が読みたい!という要望が出てくる。

 書き下ろしの仮名文学「仮名草子」が商業ベースに乗るようになる。

 

 

 ▲『尤之双紙[もっとものそうし]』 斎藤徳元著 慶安二年(1649)刊

 

「枕草子」の一種のパロディ。<枕>の木偏をとり「ごもっとも」

とかけた。パロディと滑稽は近世文学の特徴です。 

 

 ◆17世紀末~18世紀前半

 井原西鶴の登場で、仮名草子が一段と進化。

 テーマや人物描写も当代風になっていく。⇒浮世草子

 

  

 ▲『鎌倉比事』 月尋堂・著 宝永5年(1708)刊行

 

鎌倉時代をテーマに扱いながら、当代を批判したりしている内容。

これには尾張藩の蔵書印が押されていて、由緒正しい本だということが

わかる。蔵書印は、古書店が仕入れ等で重要視するポイントの一つ。

 

◆18世紀半頃(江戸時代中期)~

 江戸の庶民向け出版が盛んに。子供向けの題材、絵を中心にして

 人物のせりふを文字にしてみせる、現代のコミックの走りような

 本が出始める。

  ・「赤本」小学生相当向け。

   正月頃に出版してお年玉代わりに贈られていた。

  ・1740年代 「黒本」小学校高学年~中学生相当向け。

  ・1770年代 「黄表紙」中卒相当~若い大人向け。

 

▲『花重窟内裏』 黒本 琴鶴・作 奥村政房・画 延享頃(1744~48)刊行

 

「黒本」は、子供がお年玉で買えるよう、とにかく安くするために、

すき返しの紙(リサイクル紙)=浅草紙(※)を使用。

表紙にも厚紙ではなく、同じ紙が使用されています。

 ※浅草紙…浅草~足立区に製紙場が集まっていました。

印字された紙を何度もすいてリサイクルするので、紙が少し黒っぽい。

 

江戸の書物文化は、階層の上下、男女を問わずよく普及しました。

そのため、実用的な本も多く、実にいろんな本が作られたようです。

 

▲『蘭学楷梯三種』 大槻玄沢 天明8年(1788)刊

初版・二版・三版と残っていて、人気の高さがわかります。

 

和本の世界は広く、深く、身近でとても面白い!

そんな橋口さんのお気持ちが伝わってくるようなセミナーでした。

もっと和本について知りたい・見てみたい!という方は、

ぜひ橋口さんの著書DVD『和本』をご覧ください。

そして今週12(金)13(土)に全国各地から集まる超・貴重な和本の

数々を間近に見ることができる「古典籍展観大入札会」お見逃しなく!

 

  

『千年生きる書物の世界 和本入門』 橋口侯之介・著 平凡社

『続 和本入門 江戸の本屋と本づくり』 橋口侯之介・著 平凡社

 

★誠心堂書店HP

[住所]神保町2-24 [営業時間]10:00~18:30/日祝休

※映画「珈琲時光」のロケ地にも選ばれた、

 千代田区の「景観まちづくり重要物件」でもあります。

Posted at:15:00

レポート:朗読ワークショップ受講者の発表会

10月から毎週木曜日の夜に活動してきた

「文学座俳優による朗読ワークショップ」の受講者の皆さんが

その成果を披露する「朗読発表会」を開催しました。

 

《11/7(日)14:00~ 区民ホール(区役所1階)》

 

※発表会本番までのワークショップの様子→(初回)(3回目

 

参加動機も朗読経験もさまざまな20数名が、

週1回の2~3時間、本番までに集まったのはたったの5回。

・・・とは思えないほどの、素晴らしい発表会となりました!

参加者のご友人だけでなく、一般の方にもたくさん観にきて

いただけたようで、観客数は約50名という盛況ぶりでした。

 

▲用意した60席分がほぼ満席となりました。

 

本当に引き込まれる朗読で、観客だけでなく、朗読をしている

参加者の中にも、感動の涙が見られました。

 

この発表会は、各人がそれぞれ異なる物語を朗読するのではなく、

『あらしのよるに』(木村祐一・作/講談社)をパートにわけて

朗読し、全員で1つの作品を作りあげるという内容でした。

 

ワークショップでは、講師(文学座俳優)のお二方の

見事なご指導と熱意が参加者の気持ちを盛り上げ、

それぞれの個性や魅力を引き出してくれました。

初回ですぐに打ち解けた雰囲気となり、回を重ねるごとに参加者間に

「チーム」としての意識が芽生え、皆で1つの作品をつくりあげる過程を

心から楽しんでいるようでした。

「ものをつくるのに、プロもアマもない。」という講師の言葉が響きました。

 

今回のワークショップは大いに動き、大いにあそび、<朗読>という

ものの概念やイメージを覆すような内容だったかもしれません。

<伝える>とはどういうことか、<声に出して読む>ことの楽しさなど

について、心と身体のすべてを使って体感していただけたのでは

と思います。皆さん本当にお疲れさまでした!

(今度はスタッフではなく、参加者として一緒に味わいたい!)

 

発表会を終えての、皆さんの感想を、ほんの一部ですが

ここに残しておきたいと思います。

 

▲終了後に振り返りを行いました。

 

《感想》

「本番中に泣けてきた。」「良い出会いに感動。」

「幼稚園に戻ったような気分で、皆さんと一緒に遊んでもらいました。」

「あらしのよるにという元々好きな絵本が、声による効果音や

皆の個性を活かした読み分けでいきいきと立体的になった。」

「すごく楽しかった。これで終わりかと思うと、すごくさみしい。」

「大人数で一つの作品を作り上げられたことに感動。」

「先生が個性を引き出してくれた。」「人と響きあうことの大事さを感じた。」

「自分中心の考えで参加しにきたが、皆が一つのかたまりになっていく、

その中に自分がいることが気持ちよかった。」

「先生にのせられて、なんとなくついていくことができた。」

「自信がなかったけれど、観に来てくれた友人に「よかった」と言ってもらえた。」

「朗読=1人で読む、と思っていたが、チームで1つの作品を作り上げた

「チームワーク」が良かった。」「クールな自分がホットになれた。」

「たった6回で不安だったが、先生の盛り上げ方、楽しませ方が上手だった。」

「人の声って様々で魅力的。先生の声を聞いて、自分も気持ちよく声を出したいと思った。」

「思いがけないアイデアが皆の中から出てくるのが新鮮、驚きだった。」

Posted at:09:35

麹町中学校:読書に親しむための取り組み

10月27日から11月9日は読書週間です。

千代田区内の小中学校では、日頃よりさまざまな

読書活動が授業の一環で行われています。

今回は、麹町中学校3年B組の国語の授業

「読書生活を充実させよう」のようすをお伝えします。

 

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

日時 9月21日(火)第5校時

先生 第3学年担任 南あゆみ教諭

授業 読書活動 3年生国語「読書生活を充実させよう」

 

[研究テーマ]

 読書に親しむ子どもの育成 ~読書習慣の形成・定着~

[育てたい子どもの姿]

 実生活の中に本があり、目的や必要に応じて、本を活かす子ども

[単元(題材)名]

 読書生活を充実させよう

[単元目標]

・作品を読み、感動や気づきを話し合う中で、読みを深める。

・作品の魅力を理解し、それを「鑑賞文」としてまとめる。

・読書の楽しさを再認識し、読書に親しむ習慣を身につける契機とする。

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

 

▲授業風景

  

全4時間の活動の、3時間目を見学してきました。

 1時間目 学習のオリエンテーション/小説を読む

 2時間目 小説を読む/考え、感想などをワークシートに記入する

 3時間目 グループごとに読書交流会を開く/事後発表(←この時間)

 4時間目 鑑賞文を書く/全体のテーマを通しての意見交流

 

生徒は、重松清の作品から『セッちゃん』『おまもり』

『モズクとヒジキと屋上で』『サクラ・イツカ・サク』

のいずれかを読みます。1作品2班ずつです。

 

この読書活動を始める前に、読書は好きか、身近か、月に何冊くらい

読むか、どんなジャンルを読むか、などのアンケートをとった結果、

読書は好きでも日常生活の中で読書の時間を確保していない実態や

内容が軽く時間をかけずに読めてしまう「ライトノベル」を好む傾向など

が見られたそうです。

そこで、生徒にとってある程度現実感があり、共感したり、想像したり

しやすい短編を提示することで、自分の生活や思いと比べて考え、

批評することができるものをと、先生が前述の本を選んだようです。

 

見学した日は「読書交流会」の時間。他の人の意見を聞くことで

作品の魅力を探り、考えを深め、広げることが目的です。

 

  

▲それぞれが感想などを書き込んだワークシートを元に、班内で意見交換。 

 

班のメンバーで、それぞれが①感想 ②心に残った表現とその理由 

③主人公の変化 ④作品の良さ(批評)を発表します。

 

蛍光ペンでラインを入れていたり、国語辞典をもってきていたり、

キーワードをつなげた星座のような図で作品の全体像をまとめていたり、

生徒はそれぞれに色んな読み方をしているようです。

 

淡々と発表を進める班もあれば、生徒の感想一つ一つに反応して

盛り上がる班もあり、見学していて飽きませんでした。

ある班では「自分だったら人のためにそこまでしない!」

「俺もぜったいしないー」「頼まれてもいないのに」

「でもそれって友達思い?」「間違いじゃないよね」

「どうすればいいかわからなくてやってるんじゃないの?」

「みんな必死なんだよ」などと、作品のテーマが自分たちに

身近なものだったからこそ、主人公のとる行動から、その心境を

問答しながら深く掘り下げていく姿が見られ、印象的でした。

 

班内での話し合いが済んだら、この小説の魅力について

各自がまとめます。自分が読んで、みんなと話をして

気づいたことを書き溜めた“自由メモ”を元にまとめる生徒もいます。

みんな真剣に、黙々と書いています。さすが中学生!

 

 

こうして一つの作品をしっかりと読み込み、感想や作品の

魅力を言い合うことで、自分なりのモノの見方や考え方、

感じ方について深めていく。そんな皆さんの姿を見て、

本を読んで終わらずに、それを誰かに話すことで色んな

広がりが出てくるんだなぁ、と自分の読書の仕方を振り返る

良い機会にもなりました。皆さんありがとうございました!

Posted at:10:00

書評家・豊崎由美さんがおすすめの本

去る10/19(火)に千代田図書館9階のオープンスペースで

「本と出会う 読書サロン 公開サロン」を開催しました。

 

 

「本と出会う 読書サロン」は、昨年秋にメンバーを募集し、

JPIC読書アドバイザークラブの運営で月1回のペースで活動してきました。

毎月異なるテーマに沿って、参加者各自がおすすめの本や気になる本を

持ち寄り、ざっくばらんに紹介しあう、本を通じた交流の場です。

 

今月より新たに第2期をスタートさせることとなり、

新規メンバー募集をかねて、

この公開サロン講演会を開催する運びとなりました。

講師は、書評家の豊崎由美さん。

本の選び方や楽しみ方などについて、とても楽しく、タメになる話を

していただきました。メモをする手が止まりませんでした!

 

▲講師の豊崎由美さん。次から次へと話題は尽きません。

 

幼い頃は体が弱く、4、5歳位から本を読んでいるという豊崎さん。

長靴下のピッピと一緒に冒険したり、名探偵になったり、と

自分が檻の中から少しだけ出られるような気がして、とにかく

本ばかり読んでいたそうです。

 

本を選ぶというよりは、本に選ばれる自分でありたい

とおっしゃっていたのが印象的でした。

面白くない本、理解できない本に出会っても、それは本が悪い

のではなく、自分が悪いんだと思うようにしているそうです。

そうした本も捨てたり売ったりせずに、本棚に残しておいて、

たびたび、恐る恐る手にとりながら、数年後、おもしろい!と

思えたときの快感、喜びはひとしおだとか。なるほど。

  

豊崎さんは、本を読むのはとても遅い、とおっしゃっていましたが、

読んでいる数は相当な量のはず。

書評を書く上で「忘れない」ようにするための読み方、についても

付箋を使った具体的な方法などを教えてくださいました。

 

また、「おもしろそうだな」と思ったら何でも読む<雑読>が

おすすめとのことですよ。

本の「星座」をつくる、という読書の広げ方も紹介されました。

起点となる本を1つ選んで、そこから、作家や訳者つながり、

その本の作家が好きな作家・本、関連作家・本、同じ賞をとった本、、、

などと関連する本を星座をつくるように結んでいきます。

読書遍歴が俯瞰できるし、色んなつながりが見えてきて楽しそうです!

眠れない夜にもおすすめだそうですよ。

 

いろんなジャンルの本や作家に出会える本として、以下の本を

ご紹介いただきました。登場する本が読みたくなる!そうです。

 

『やんごとなき読者』

著者 アラン・ベネット

訳者 市川恵里

出版社 白水社(2009年)

 

もしエリザベス女王が読書に夢中になったら・・・という仮定に基づく架空の話。読書を通じて、エリザベス女王が君主としても成長していくという話。


 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

『読んでいない本について堂々と語る方法』

著者 ピエール・バイヤール

訳者 大浦康介

出版社 筑摩書房(2008年)

 

豊崎さん曰く、この本に出てくる本は読みたくなってしまう!そうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本を読むことで、色んな立場に出会い、

色んな角度からものを見て考えるクセがつく。

人の立場になって想像する力がつく。

読書の「効能」を改めて聞くことができ、

やっぱり本を読むっていいなぁ。もっと読みたいなと思いました。

みなさんも、<読書の秋>をお楽しみくださいね♪ 

 

 

Posted at:14:55

朗読ワークショップが始まりました。

先週の木曜日より、千代田区読書振興センター主催

文学座俳優による 朗読ワークショップが始まりました。

(※参加申込の受付は終了しています。)

全6回の連続ワークショップで、最終回の11月7日(日)には

区民ホール(区役所1階)での発表会を予定しています。

 

講師は「文学座」俳優の

中川雅子さん、金沢映子さんのお二方です。

 *文学座についてはコチラ

 

 

▲右が、中川雅子さん。ウォーミングアップのようす。  

▲テレビやラジオでも活躍している金沢映子さん。

 

皆さん緊張の面持ちでスタート・・・してすぐに、

「動きやすい格好で」来ていただく理由がわかりました。

このワークショップ、とにかく動くんです!

とても面白いウォーミングアップで、あっという間に

場の空気が和み、皆さんすぐに打ち解けたようす。

  

①まずは全身をストレッチ。

 

②約10人で一斉に歩く。ゆっくり~はやく~ゆっくり~止まる。

お互いを感じながら、皆と呼吸や歩調を合わせることが目的。

 

③輪になって、「わたし」⇒「あなた」と誰かを指し、

指された人も「わたし」⇒「あなた」と振っていく。

台詞を「わたす」練習。

 

④輪になって、手裏剣(があるつもりで)を打つ⇒受取る。

手裏剣が刺さらないように、しっかり「見る」、

相手との「間」や「空気」を感じる、「わたす」練習。

▲エイッ!ハイッ!と威勢よく、無いはずの手裏剣が

 本当にあるかのように見えてきます!

 

⑤自己紹介もちょっと変わったやり方で。

 「お昼に○○を食べました、○○です。」

皆さん、色んなものをお昼に食べてるんだなあ・・と、

何を食べた人か、が頭に残って、名前は覚えられず。

 

⑥そこで先生からの提案。

1-まず紙に漢字で名前を書き、それぞれの字から

 イメージできるものを思いつくままに書いてみる。

2-1つだけ選んで、そのイメージで発音してみる。

 

それぞれの声調がおもしろい!文字で表現できないのが残念です。

そういえば、自分の名前というものは、言い慣れすぎていて

漢字などの意味のある「字」を持っているということや、

発音を意識して名乗るということは、はじめての経験となりました。

 

⑦ことばあそびの詩を読む。

ひらがなだけで書かれた詩を皆で声に出して読みました。

▲次第に皆さんの声にハリが出て、感情を込めたりしながら読みました。

 

⑧最後に、気に入った詩を1つ選び、

 一人ずつ順番に、その人なりのイメージを込めて朗読。

 

ひらがなの字面だけを追うとまったく意味不明の文字も、

イメージを込めるだけで「伝わる」んですね!まさに「言霊」です。

音が伝えることのできるエネルギーを皆さん感じられたのではないでしょうか。

 

全身を使って、ことばや音で遊ぶ!ワークショップ。

今後皆さんの朗読がどのように変化していくのか、とても楽しみです。

 

 

 

Posted at:14:30

残り1週間!「竹久夢二のつくる本の世界」

千代田図書館9階の出張古書店コーナーで開催中の

としょかんのこしょてん vol.40「竹久夢二のつくる本の世界」 

担当書店 ボヘミアンズ・ギルド

開催期間 開催中~10月4日(月)22:00閉館まで

★展示の詳細はこちら

 

色鮮やかで、楽しい雰囲気の展示になっていますが

(お値段も、この世界の素人にはびっくり!)

皆さんご覧いただけましたでしょうか?

 

去る21日(火)には、

担当書店による展示解説が行われました。

▲参加者は16名。夢二好きの方が多いようです。

▲左は、司会の小林書房・小林光寿さん。

 右が、ボヘミアンズ・ギルドの夏目健太郎さん。

 

まずは、竹久夢二がどういう人物なのか、

3人の女たち=たまき・彦乃・お葉(よう)との関係を

交えてお話しいただきました。そして、展示品の解説です。

 

夢二直筆の葉書

達筆なくずし字で、私には読めないのですが・・・

塩原の旅館に宛てたもので、

俳句や恋文がしたためられているそうです。

5枚 372,500円 

 

 

祇園全集 絵日傘 5巻揃

夢二の装丁本の中で、もっとも美しい

とされているものだそうです。 378,000円

 

 

 

 

 

西鶴情話

夢二自身の作品ではない本の装丁も

手がけています。

これは長田幹彦・作、新潮社・刊。

36,750円

 

 

 

婦人グラフ

大正当時の高級雑誌。元はこの雑誌の「婦人絵暦十二ヶ月」というページを担当していたのが好評で、表紙を飾ることになったのだとか。木版表紙のもの(168,000円~)と、オフセット3色版のもの(26,250円)と両方を展示中です。木版の際、夢二は、絵を描いた後も、彫り師と刷り師に付きっきりで細かく指示を出すなどしていたそうです。ちなみに夢二の木版は7~12版が基本だったとか。(版が多いほど色数が多い)当時の印刷物としては本当にこだわり抜かれた高級品だったのでしょうね。 

 

婦人グラフ(夢二以外)

本セミナーでは、夢二以外の婦人グラフも、

見せていただきました。

 

 

 

 

セノオ楽譜 No.106 宵待草

楽譜の装丁も多く手がけた夢二。その数は12年間で280曲以上にもなるそうです。夢二自身が作詩もし、装丁も手がけたものもあります。この「宵待草」はとても有名で人気だそうです。そういえば「宵待草」という名を冠した喫茶店があったような・・ 42,000円

 

 

他にも魅力的な展示品が10月4日まで千代田図書館9Fで

ご覧いただけます。ぜひ足をお運びくださいね。

店舗には、もっともっと素敵なものがありそうな予感!!

近日中に店舗訪問レポートもアップする予定なのでお楽しみに♪

 

「としょかんのこしょてん」の展示解説をする

「古書店の出張セミナー」には、担当書店以外の古書店の方も

参加者としていらしてたりするので、セミナー前後の立ち話で

思いがけない知識や情報を得ることもできますよ。

私たち図書館のスタッフも、古書に関しては、みな“素人”です。

もっとざっくばらんに質問や話ができる会として

盛り上げていこうと思っていますので

皆さんどうぞ気軽に、ご参加くださいね!

 

次回の「古書店の出張セミナー」は、古本まつり開催中につき、

少し趣きを変えて、9階の特設イベントスペースで講演会形式で

行う予定です。詳細はHPでお知らせしますので、乞うご期待! 

Posted at:10:40

松雲堂書店を追う!(2) 図書館で出張セミナーがありました

昨日まで、千代田図書館9Fの出張古書店コーナー

「としょかんのこしょてん vol.39 日本の漢詩を楽しもう」

をご担当いただいた、松雲堂書店の宮元さんを追う

レポート第2弾をお届けします。

 

先月30日(月)の夜、千代田図書館で宮元さんによる

展示品解説セミナーが開催されました。

▲左側に立って司会をしているのは、

 神保町古書店街の若手ホープ☆小林書房の小林さん

 

▲講師は、松雲堂書店の宮元さん

 

今回の展示「日本の漢詩を楽しもう」は、

もっと多くの方に漢詩に慣れ親しんでもらおうと、

日本人作家による、何が詠まれているのかが分かりやすい

挿絵入りのものなど、見て楽しむこともできる商品を

展示されていました。

 

展示解説セミナーでは、それらの(一部、非常に高額な)

商品を実際に手にとってみることのできる、稀少な機会!

漢詩に関心のある方や、古書店のセミナーということで

興味をもってくださった方など、10名の参加がありました。

以下、セミナーの内容を抜粋してお届けします。

 

【まず、漢詩とは?】

漢詩は、二千年もの年月をかけて磨き抜かれてきた、

中国の伝統的な詩。

 

※「春眠不覚暁(しゅんみん あかつきをおぼえず)・・・」

 は耳にしたことのある人も多いでしょう?あれも漢詩です。※

 

8世紀の唐の時代、詩人の李白や杜甫が登場した頃

漢詩の形式が出来上がり、

ちょうどその頃、日本は遣唐使を中国に派遣。

そこで中国文化に触れたことが土台となって、

江戸時代には日本でも漢詩文が隆盛を極めます。

 

20世紀以降は急速に衰退しますが、夏目漱石や森鴎外ら

漢学教育を受けた文化人たちは漢詩をたしなんだそうです。

 

【「山陽詩鈔」頼山陽・著について】

著者の頼山陽[ライサンヨウ]は、江戸後期から明治にかけて

活躍した漢詩人で、儒学者としても有名な人。

頼山陽の詩は、今日でもひろく詩吟として愛吟されています。

タイトルは、山陽の詩の「鈔(抄)」=解説ということ。

頼山陽が天保3年に亡くなった後、お弟子さんたちが、

編集者となって解説付きの詩集を作ったんですね。

大ベストセラーとなり、たくさん出回ったようです。

 

セミナーでは、上杉謙信と武田信玄の川中島の戦いを

詠んだ箇所について、宮元さんより解説がありました。

漢詩は、身近な題材を詠んでいるので、草花や風景だけでなく、

当時は日常茶飯事であった戦を詠んだものも多いです。

「鈔(抄)」なので、原稿の枠外に“ここは傑作だ!”

というような批評が書かれていたり、

漢字の横に<○マル>や<、テン>をつけて

“ここを読むべし”というような強調がされていたりします。 

 

【「唐詩選画本」北斎等画について】 

今回の展示品で唯一の中国作品。

唐詩(唐の時代の詩)の選集に、葛飾北斎らが挿絵を添えた

もので、全7巻。7色の表紙がとてもきれい。

 

 

「唐詩選」は江戸時代に日本に伝わり、漢詩入門書として

大流行したそうです。

画家の葛飾北斎は「号」(ペンネーム)をよく変える人で、

この「唐詩選画本」には“北斎為一”、“画狂老人卍”の

号で記されています。 

 

特に初心者には、挿絵入りが親しみやすくていいですね。

当時の情景を思い浮かべることができるし、

ここで何を詠んでいるのかがわかりやすいです。

 

名所図会(今で言うところのガイドブック)の中にも、

その土地で詠まれた漢詩などが紹介されていたりするので、

初心者にもおすすめとのことでした。

 

今回の展示や展示品解説セミナーを見逃した方も、

お店のほうにぜひ足を運んでみてくださいね。

これらの商品以外にも、漢詩の作詩、鑑賞用の書籍や

和本が多数揃っています。

実は、千代田図書館に一番近い古書店さんです!

 

松雲堂書店

(和本・漢詩・漢文参考書など)

住所 神田神保町3-1

TEL 03-3261-6498

 

 

 

 

 

 

  

▲和本がびっしり!   ▲木版の風景画を多数取扱。 ▲中国関連書籍(新刊)

 

Posted at:17:00

レポート:よるのとしょかん The 怪談

千代田図書館で夏の特別イベント「よるのとしょかん The 怪談」

を開催しました。7/31と8/5の2回行い、いずれも盛況のうちに

終えることができました。ご来場いただいた皆さん、

ありがとうございました!お楽しみいただけましたでしょうか?

 

イベントは60分のプログラムで、前半は本探しクイズ。

クイズは、幼児向け、小学校低学年向け、高学年~大人向け

の3種類をご用意しました。

 

▲10F児童コーナーは大賑わい

 

▲大人たちも真剣!

 

クイズの内容は、たとえば・・・

【Q1】殺された平将門の首が、その怨念で飛んできて、

落ちた場所に祀ったと言われるのが「平将門の首塚(将門塚)」。

では、その首塚があるのは、次のうちどこでしょう?

 1-九段下 2-外神田 3-大手町

 

【ヒント】「千代田区の歴史」という本に答えが載っています!

 

【Q2】死者を裁く、地獄の裁判長・閻魔[エンマ]大王。

閻魔様って実は外国の方なのです。どこの国の出身でしょう?

 1-中国 2-ルーマニア 3-インド

 

【ヒント】おばけの語源についての本や、百科事典を見てみよう!

 

みなさん、お分かりになりましたか?(答えはこのブログの最後)

 

本探しクイズのあとは、ついに、こわ~いおはなしの時間です。

語り手は、千代田図書館の司書3名。

「洋一くんのお話」という、背筋がゾクッとする小話から始まり、

日本の怪談を4つ、披露しました。 

 

 ●人喰い花嫁(岩手の伝承話)

 ●普賢菩薩(参考文献『怪談・骨董 他』小泉八雲・著 恒文社)

 ●馬場五郎衛門のはなし(山形の伝承話)

 ●逆さまの女(参考文献『怖いぞ!古典怪談傑作選3巻

         幽霊・怨霊の怪談』川村たかし・監 教育画劇)

 

▲2日目は18:30開始で会場内は、ほぼ真っ暗!

 

今回選んだ4話は、キャーッ!と悲鳴をあげるような内容で

はありませんでしたが、 帰路についたとき、ふと思い出して

ゾッとしてしまいそうな怖さがあり、また、しっかりと教訓も

こめられている、まさに「The 怪談」という類の

日本古来の怪談話でした。

 

「語り」は、音や映像や小道具がなくても

こんなにも豊かな世界をその場に作ることができるんだなと

改めて、おはなしのおもしろさを感じていただけたのでは

ないでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

☆参加者の声より☆

「語り手の声が魅力的でした」

「ただのこわい話でなく、ためになる」

「のめりこめる時間をありがとうございました」

「もっとこわくてもよかった」

「本探しゲームはむずかしいけれど、

 本と接するとてもいい機会でした」

「本探しゲームおもしろかったです!」 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

☆クイズのこたえ☆

【A1】3-大手町 【A2】3-インド

Posted at:18:00

レポート:四番町図書館「こども一日図書館員」

先週、四番町図書館で「こども一日図書館員」の

見学をしてきました。夏休みの恒例事業である

「こども一日図書館員」は、小学3~6年生を対象に

図書館員の仕事を体験してもらう、というものです。

 

見学時には、小学3年生の女の子が3人参加していました。

「図書館が好き!」「いつもここを使ってるの」とのこと。

今日は、どんなおしごと体験ができるのか、楽しみですね♪

 

エプロンと名札をつけ、個人情報の取扱について

などの「やくそくごと」をしたら、

【一日図書館員任命書】が手渡されます。

 

 

早速、図書館の仕事をするために必要なことを学びます。

 ・本の並び方(左から右へ、上から下へ)

 ・分類のしくみ(日本十進分類法)

 ・本のラベル(図書館によって、ラベルに記載されている

         数字の桁数が異なる/その数字の意味)

  ※四番町図書館では、大人向けの本は3桁、子供向けの本は2桁です。

 

次は、貸出・返却の練習です。

 

そしてついに本番!

実際にお客様対応をするカウンターへ入ります。

[写真]なんだか皆ソワソワ・・・緊張の面持ちです。

 

[写真]貸出・返却のお客様が来ました。できるかな?

 

[写真]返却されたら、本に挟まれたままになっている

ものはないか、壊れていないか、チェックします。

 

[写真]小学生もたくさん来ます。「あれ?同い年くらい

の子が仕事してる!」とちょっと驚きの様子。

 

カウンターでの貸出・返却対応のほかにも、図書館員

の仕事はまだまだたくさんありますよ。

 

予約された本を棚から探す「引き抜き」作業もその一つ。

[写真]たくさんある中からどうやって見つければいいかな?

最初に習った本の並び方やラベルを思い出して!

 

返却された本を棚に戻す「配架」作業も行います。

[写真]本がパンパンに詰まっていたら、上下の棚を

みながら、本をとりやすいように整理します。

 

その他の見えないところでも、図書館員の仕事は

本当にたくさんあります。カウンターにいるだけでも

返却された本に予約がかかっていたり、

他の図書館に回送したり、と様々な作業が発生します。

こうした様々な業務をこなして、一日図書館員の

仕事が終了しました。

 

【一日図書館員の感想】

私はかし出しをしたり、へんきゃくをしたりするのを

一回やってみたいな、と思っていたので、今日、

やることができたのでよかったです。

(3年女子)

 

私は、図書館員になってみたいと思ったことがよくあり

今日は、その夢がかなってとてもいいけいけんができて、

よかったです。来年も、またきたいと思っています。

(4年女子)

 

私はいつも学校帰りによったり、じゅくに行く前に

寄ったりしています。そのとき私は返却や貸出をしている

人を見て「私もやってみたい」、「本をみんなに読んで

もらったりする、本に関係する仕事をしたい」と思いました。

だから、一日図書館員をやって本に関係する仕事が

体験出来て良かったです。(6年女子)

 

 

一日図書館員の仕事を通して、いつも利用している図書館

の知らなかった一面を体験し、子どもたちが図書館を

もっと好きになってくれることを願います。

 

 

   【一日図書館員修了証】

 

Posted at:13:00

番町小学校 国語の授業「本と友だちになろう」

「読書に親しむ子どもの育成 ~読書習慣の形成・定着~」

 をテーマに掲げた、番町小学校3年生の国語科の授業

「本と友だちになろう」を見学してきました。

 

全7時間で展開される授業で、今日はその6時間目。

「本の帯を鑑賞しあう」日です。

授業者は松浦容代先生。T.T(チーム・ティーチング)に、

千代田図書館学校支援司書の中尾さんがつき、

低学年向けの図書室<ごろんちょ>で行われました。

 

 ▲番町小の図書室は、この低学年向け<ごろんちょ>

 と高学年向け<番町の書斎>とに分かれています。

 

内容は、図書館での本の分け方(分類)を学んだ児童が

自分で探して読んだ本について、本の「帯」をつくり、

友だちに紹介をし、紹介を聞いた側は、本のよさを見つけて

よかったところや感想を述べる、というものです。

 

これまでの5時間で、児童は自分が読みたい本、

紹介したい本を探すところから始め、本の「帯」が

どんなものなのか、その書き方を学んでいます。

そして今日は、それぞれ工夫して作った「帯」を

清書してきていました。

 

 

▲[左]『アルプスの少女ハイジ』を選んだ児童の書いた帯

 【文を読んでるだけでもアルプスをそうぞうしちゃう!】

 

いくつかのグループに分かれ、グループ内で

自分の作った帯をもとに、本の紹介をします。

1人が紹介するごとに、他の児童が「こわそう」

「おもしろそう」「続きが読みたい」など、感想を言います。

 

 

本のおもしろさが伝わるよう、

帯に何を、どんな風に書くのか、みんな色々と工夫して

います。文字、キャッチコピー、色づけ、絵・・・

その本から得られた発見・驚き・感動などが、

個性豊かに表現されていました。

 

 

 

少し恥ずかしそうに紹介し始めた児童も、話すうちに、

だんだんと楽しげになっていく様子が、とても微笑ましかったです。

自分が「おもしろい!」と思った本を友だちに伝えたり、

それを「読んでみたい!」と言われると、嬉しいですよね。

 

▲みんな、紹介するときはとっても楽しそう!

 

1人ずつ紹介が終わったら、みんなで帯の交換会です。

様々な本の帯から、どんな物語なのか想像がふくらみます。

この本、読んでみたい!という声がたくさん聞こえてきました。

 

 

最後に、T.Tの中尾さん(↑写真)へのお手紙というかたちで、

友だちの本の紹介を聞いてどうだったかなどの感想を書きました。

 

 

次の授業では、友だちの紹介で興味・関心を持った本を読む

という時間になるそうです。「他のグループの人の帯も見たい!」

という児童の感想が印象的でした。

友達が読んだ本を自分も読んでみて、感想を言い合ったり、

また別の本を紹介し合ったりと、読書の楽しみが増えそうですね。

番町小学校のみなさん、ありがとうございました!

 

※今回は【「読書活動」に関する研究授業】ということで、

教育長、教育研究所の方、教育課題調査研究部の

先生方、と大勢の参観者がいらっしゃいました。

みんな、少し緊張したかな?

 

 

Posted at:10:00

レポート:図書館コンシェルジュと巡る 神保町ナイトツアー

去る21日(月)に「図書館コンシェルジュと巡る 神保町ナイトツアー」

を開催し、計12名の方にご参加いただきました。

 

神保町ツアーは年2回の開催で、

春には、古書店が閉まってからも楽しめる夜の神保町を、

秋には、本にまつわる内容を紹介することがメインテーマです。

 

案内を担当するのは、図書館コンシェルジュ

千代田図書館内の見どころをご紹介した後、区庁舎の裏口から

神保町へと繰り出し、神保町の歴史や特徴ある建築物をご紹介

しながら、<本×カクテル>対談会場となる

日比谷Bar神保町店へ向かいました。

  

★ツアールート★

図書館⇒俎(まないた)橋⇒九段下ビル⇒玉川堂⇒いもや⇒

山田ハケ・ブラシ製作所⇒看板建築⇒神田古書センタービル

⇒旧わかしお銀行⇒東洋キネマ跡地⇒山形屋紙店⇒すずらん

通り⇒セブンへアー⇒揚子江菜館⇒会場(日比谷Bar神保町店)

 

※気になる場所がありましたら、図書館コンシェルジュにお尋ねください!

 

 【図書館から神保町へ向かう途中の、俎橋】

 

日比谷Bar神保町店では、2人の講師をお招きして、

<本×カクテル>対談を行いました。

 

講師は、高山本店(神田古書センタービル1F)5代目で

神保町タウンサイト「ナビブラ神保町」の連載男のひとりめし

シリーズ担当としても活躍されている高山剛一さんと、

著書『新版バーテンダーズマニュアル』や、

ニンテンドーDS「バーテンダーDS」の監修などで知られる

サントリースクールの花崎一夫さん

 

本・作家に関連するカクテルカクテルの登場する文学作品

紹介、カクテルがそのシーンでどのような役割を演じているか

などについて、

また、カクテルの歴史、由来、誕生するまでのストーリーや、

その時代背景などについて、お2人に対談していただきました。

 

高山さんからは、

「カクテルってどんな飲み物なんだろう?」と、

初めてカクテルに興味をもつきっかけとなった本の話や、

(北方謙三『黒いドレスの女』)

アブサン(薬草系リキュール)のように衝撃的だった本の話、

(村上春樹『ノルウェイの森』)

花崎さんからは、

フローズン・ダイキリなどでストローが2本付いてくるのは

カップル用、という意味ではなく、氷が詰まったときのため。

など、実はよく知らない、バーやカクテルのびっくり豆知識

をはじめまさにここでしか聴けない!というような話も出て

きて、ライブ感あふれる内容でした。

 

カクテルを作ってくださったのは、店長の山守琴美さん

日比谷Barのカクテルコンペで、昨年は総合2位、

一昨年は総合3位入賞という腕前の持ち主。

華麗なカクテル作りを、目の前でご披露いただきました!

 

★当日のカクテル★

シンガポール・スリング/フローズン・ダイキリ/ジャック・ローズ

 

★ご紹介した本(一部抜粋)★

『ラッフルズホテル』村上龍 『恋はいつも未知なもの』村上龍

『月と六ペンス』サマセット・モーム 『日はまた昇る』ヘミングウェイ 

 

参加者の皆さんからは、

「ただ歩いているだけでは分からない、神保町の歴史的なところ

 を案内してもらえてよかった」

「バーでの談義、カクテルがとても良かった」

「文豪たちの愛したお酒について想像すると楽しかった」

などの声をいただきました。皆さんありがとうございました!

 

さて、次のツアー開催予定は秋。

参加者の皆さんにも、講師の方にもより一層楽しんでいただき、

さらに幅広い分野の本と出会えるような内容を企画します! 

Posted at:18:00

レポート:ことばと音のフェスティバル♪

少し時間がたってしまいましたが、

去る5月8日(土)、区民ホール(区役所1F)にて

「こどもの読書週間」に合わせたイベント

<ことばと音のフェスティバル♪ちよだ音楽おはなし隊>

を開催しました。

 

 

第2回目となる今年は、千代田区内にある大妻中学高等学校

マンドリン部の演奏と“おはなし”の豪華コラボレーション!

(※昨年は区立和泉小学校のビッグバンドIZUMINOTES

 (イズミノーツ)が演奏を担当。)

 

立ち見も出るほどの盛況でした!

 

大妻中学高等学校マンドリン部は、今年で創部50周年の

歴史あるクラブで、部員数はなんと総勢100名以上。

今回は、中学3年生と高校1年生の部員のみなさんが

演奏してくれました。

 

女子生徒たちが真剣な表情でマンドリンをかき鳴らす姿、

オーケストラならではの迫力ある音、

ギター、コントラバス、フルートとのハーモニー・・・

鳥肌が立つほど、とてもかっこよかったです!!

 

おはなしは、千代田図書館の学校支援担当司書が

マンドリンの音色に合うイメージで選び、再話して語りました。

 

◆シベリア・イギリスの昔話「はたらきものの赤いめんどり」

  ~♪「仮面舞踏会」よりワルツ(A.ハチャトゥリアン)♪~

◆ジプシーの昔話「バラの花とマンドリン弾き」

  ~♪祝典の為の序曲(久保田孝)♪~

◆フランス・ドイツの昔話「仙女の贈り物」

  ~♪ARSNOVA組曲(末廣健児・丸本大吾)♪~

◆絵本「おだんごスープ」角野栄子・文 市川里美・絵 偕成社

  ~♪国境なし(G.マネンテ)♪~

絵本「おだんごスープ」に出てくる歌に、担当司書が

自分で音程をつけて歌っていたのを、

部員さんの一人が耳で聞いただけで音符におこし、

曲をつくってくれました。すごい音感です!

ご来場くださったみなさんも、すぐに覚えられるような

たのしい歌になっていたのではないでしょうか。

ブログでは曲を紹介できないのが残念です!

 

来年も「こどもの読書週間」に合わせたイベントを

開催する予定です。ぜひまたお越しくださいね♪

 

★大妻中学高等学校マンドリン部 定期演奏会などの

 情報はこちらから 大妻中学高等学校ブログ「ごもくめし」

 

★マンドリンについて、参考サイトはこちら

 マンドリンの音の博物館

 

Posted at:13:10

お茶の水小学校「図書室オリエンテーション」

 

千代田区立小学校の図書室では、年度初めに行われる

「オリエンテーション」で図書室の使い方、

図書室にある本の使い方を学びます。

学年が上がるにつれて、児童たちは図書室のしくみや

どの本がどこにあるか等について、少しずつ知識を増やします。

 

担当するのは、千代田図書館から派遣している

学校支援担当司書たちです。

前回に引き続き、お茶の水小学校で、6年生の

「図書室オリエンテーション」にお邪魔しました。

 

(お茶の水小学校の担当司書は近藤さん)

 

6年生にもなると、これまでに5回のオリエンテーションを

受けてきているので、図書室のこともよく分かっている様子。

以下の内容は、復習もかねて説明がありました。

 

☆本の住所が記されている「ラベル」

 みなさんは【913】というラベルを解読できますか?

 答え⇒9…文学、1…日本語、3…フィクション

 

☆書かれた内容によって分類される「10のグループ」

 小学校では、先ほどの【913】の1桁目、

 0~9までの「10のグループ」(日本十進分類法)を覚えます。

 

☆図書室の約束

 静かに、大切に、本やイスは元に戻す、など。

 本を棚から出す/戻すときに、本のどこを持てばいいのかな?

 ヒント⇒「のどを大切に!」

(答え⇒本のてっぺん「のど」ではなく真ん中を持ちます。)

*本の「のど」がどこを指すのか分からない人は、

  図書館の人に聞いてみましょう! 

 

さらに、6年生は上手に自分で調べものができるように

「調べる本」(参考図書)の使い方

調べる本にはどんな本があるのかを学びました。

 

☆どんな順番で調べるのかな?

 1.調べるときは、まずキーワードを考えよう!

 2.キーワードが見つかったら、百科事典や辞典で

   調べたい事柄の基本的な知識を調べます。

 3.特定の事柄について詳しく説明した本で調べます。

 4.新聞・雑誌、インターネット、パンフレットで調べる、

   インタビューをするのもよいでしょう。

 

☆インターネットで調べたときは…

  この情報は大丈夫かな?先生に聞いてみよう。

  本で確認しよう。

 

☆調べたことをまとめるときに気をつけること著作権!

 ・引用した文章には「かぎかっこ」をつける。

 ・誰の何という文を引用したか、作者の名前、題名など

  (出典)を必ず書いておく。

 

最後に『かくれたことば(言葉図鑑)』五味太郎・作

という絵本の読み聞かせがあって終了しました。

 

私が小学生の頃は、図書室の使い方を教えてくれる

「オリエンテーション」なんてありませんでした。

ラベルの番号の意味どころか、

図鑑と年鑑と辞典と事典がどう違うのかなども、

よく分かっていませんでした。

 

オリエンテーションが行われているかどうかは、

市区町村によって、また、学校司書が設置されて

いるかどうかによっても異なり、

千代田区では区立全8校で学校支援担当司書が

行っています。

子どもたちが成長していくのに、

図書館の基本的なこと・使い方を知っているかで

きっと大きな違いが出てくるだろうなと感じました。

 

最後に児童の感想を。

「5年生のときには分からなかったことが分かって、

これからも本を今まで以上に楽しく読めるようになる

話をしてくれて、ありがとうございました!」

 

  

 

Posted at:17:30

お茶の水小学校の「図書館活動計画」

学校図書館や児童館など、区内各所で実践されている、読書振興を目的とする取り組みを紹介します。

今回は千代田区立お茶の水小学校を取材しました。

 

(図書館のようす)

 

まずは、1年を通してどのような読書活動を実践されているか

小林校長先生にお話を伺いました。

お茶の水小学校の「図書館活動計画」は、国語部と委員会とで

活動を振り分けられています。様々な内容が盛り込まれており、

とても熱心に活動をされている印象を受けました。

 

特徴的なのは・・・

☆春・秋・冬と年3回の「読書週間」

 ・図書委員による読み聞かせの出前

 ・おすすめの本紹介カード展示

 ・校長先生のお話会

 ・辞書早引きコンテスト

 ・夏目漱石 暗唱コンテスト

 ・音読名人(昼休みに生徒が音読を披露

 ・お話ランド

 

保護者ボランティアによる読み聞かせ

校長先生からの問題

 ・魚の名前、読めるかな?(掲示)

 

 【答えは記事の一番最後に】

 

 ・読書イントロクイズ(プリント配布)

  物語の冒頭や出だしの部分だけを読んで

  何の物語かを当てる・調べる。

 

小林校長先生ご自身が本好きな方ということもあり、

併設の幼稚園でも毎月のお誕生会では

「おはなしをプレゼント」されるなど、

読書活動に積極的に関わっていらっしゃるようでした。

 

児童の約半数は、電車で通学しているそうですが、

通学中にも読書をしているからか、

多くの児童が常に本を持ち歩いているとのこと。

忙しさを理由に本を読まない大人より、子どもたちの

ほうがずっと読書家かもしれませんね!

活動の効果が自然と現れているのだなと感じました。

 

話は、個人的な本にまつわる思い出話にまで及び、

百科事典をきっかけにイースター島を旅した話、

幼い頃に夢中になって読んだ本の話などについて

大変興味深い話を伺いました。ぜひまた別の機会に、

このブログにご登場いただきましょう。

ありがとうございました!

 

(小林校長先生)

 

次回は、毎年年度初めの4~5月に実施されている

「オリエンテーション」のようすをレポートします!

 

*魚クイズの答え

25「あんこう」、26「おこぜ」

Posted at:17:20

レポート:読み聞かせスキルアップ講座④

読み聞かせスキルアップ講座もついに最終回。

参加者で発表会を行いました。

 

 

櫻井先生の講義では、テクニックやルールといった類の

具体的、技術的なお話はほとんどありませんでした。

でも、初回とこの最終回とでは、参加者の読み聞かせには

大きな変化がありました。

先生が言い続けてこられた読み聞かせや語りの本質

― その絵本を通して、何を伝えたいのか?

― 愛情表現。本を介して、心と心を通わせること。

などが参加者の皆さんの心に残り、

とても良い発表会になったのだと思います。

オーバーアクションや演劇風な読み方でなくても、

物語の良さや楽しさ、伝えたいことが自然と聞き手の心に

入ってきました。

以下、発表会で披露された本を紹介します。 

 
『よだかの星』
 

宮澤賢治・著

この物語は「おまえの●●が気にくわない」と、否定される

“よだか”が主人公です。

人の気持ちを想像し、そこに自分の心を重ねることができなくなっている

現代の子どもや大人たちに、人がどんな気持ちでいるのかを考えること

を教えてくれます。

 

4名の参加者が分担して読み聞かせを行ったのですが、

声や読み方が落ち着いていて、心を込めて読んでいるというのが

伝わり、また物語のもつ良さが際立っていました。

 

ときにはこのような本を読んで、子どもに問題を投げかけることも必要です。

子どもは本を通して自分の気持ちを消化し、生きる力や勇気をもらうのです。

 

グリム童話より 『赤ずきん』

グリム・作 バーナディット・ワッツ・絵 生野幸吉・訳

出版社 岩波書店(1976年)

価格 700円

ISBN 4-00-115127-8

 


これも、4名の参加者が分担して読み聞かせを行いました。

こちらのメンバーはジェスチャーや声色の変化があり、

オオカミが赤ずきんに語りかける場面などでは、いかにも悪そうな声で

聞き手の笑いを誘っていました。

 

「赤ずきん」はたくさん出版されていますが、

生野幸吉の訳本は、原文に忠実に訳されていて、

心理描写までが聞き手に伝わってきます。

昔話を丁寧に伝えている本です。

 

『三枚のお札』

「古事記」にも入っているという、古くから伝わる昔話。

最初に小僧さんが歌いながら栗拾いをする場面があるのですが、

読み手の歌声が美しく、笑いも誘いました。 

 

『アンナの赤いオーバー』

ハリエット・ジィーフェルト文 アニタ・ローベル絵 松川真弓訳

出版社 評論社(1990年)

価格 1300円+税

ISBN 4-566-00288-8

児童図書館・絵本の部屋

 


アンナのための赤いオーバーができるまでに、何が必要で、

どんな人(職人)たちの手がかかるのか、というストーリー。

着るものや食べるものなど、何でも人の手がかかっている

ということを知るのにいい本です。

絵本は、与えるだけではなく、実生活の中で見せることが大事です。

(たとえば、ハンバーグの作り方が出てくる絵本だったら、

 実際にそのハンバーグを作ってみるとか・・・)

そうすることで、「暮らし」とはどういうものなのか、子どもは学びます。

 

『世界の民話 28 オーストリア』より「牛飼い聖者」

小澤俊夫・訳 ぎょうせい・出版

とっても愉快な笑い話で、絵本ではないので語りを披露されました。

 

『トンちゃんってそういうネコ』

MAYA MAXX さく・え

出版社 角川書店(1999年)

価格 1995円

ISBN 4048531115

参加者に大好評だった1冊。

とても元気なオス猫・トンちゃんは実は片足がないというストーリー。

絵も大胆で、元気と勇気づけられる物語でした。

 

その他、櫻井先生による語りが披露されました。

張りのある、聞き手を魅了する声でした。

 

 

今回の連続講座は、

一言も聞き漏らしたくないくらい、学びと気づきの連続で、

スタッフとして参加した私にとっても、本当に貴重な機会となりました。

参加者の皆さんの、今後ますますのご活躍を期待しています。

皆さんおつかれさまでした&ありがとうございました! 

 

Posted at:18:30

レポート2:読み聞かせスキルアップ講座③

前回に続き、昔話と童話について、講義の内容をお伝えしたいと思います。

 

皆さんご存知のおはなし『あかずきん』は、

フランスの宮廷人ペローが、民話を文字にしたものです。

前回のグリム童話のところでも出てきましたが、

民衆の間で口語りにされてきた話を文字にした「口承文学」です。

 

日本国内では、たとえば『桃太郎』『浦島太郎』『ものぐさ太郎』などは

奈良時代の『風土記』に既に書かれています。

ということは、その話自体はもっと前から語られてきたということです。

文字が生まれるのはずっと後ですからね。

 

また、外国のあの話と、日本のこの話はなんだか似ているな、

ということがありませんか?

人類の歴史と共に、1つの物語は何百年もかけて世界をまわり、

世界中の昔語はつながっているのだそうです!

 

 

『こども世界の民話 上・下』

著者 内田莉莎子・君島久子・山内清子

出版社 実業之日本社

価格 1845円+税

ISBN 4-408-36161-5

1964年刊行「子どもに聞かせる世界の民話」

に収められた81編の中から42編を選び、

子どもが自分でも読めるように

新たに編集されたもの。※写真は上巻です。


 

そして「口承文学」は語る人が自己流にアレンジするので、

「類話」がたくさん生まれます。

いくつかの昔話も、元は1つのお話だったということがあるわけです。

 

「出版」が始まり、昔話も今でこそ本になっていますが、

元々は文字に頼らず、音声で伝えられてきたもの。

昔話の本は、それを元に「おはなし」をするためのものなので、

読み手は自分の言葉を付け加えてもよいのだそうです。

読むためではなく、おはなしをする・してもらう、ためにあるのですね。

 

昔話は、子どもに生きる力を与えます。

働きものや正直者の主人公は、たとえ困難にでくわしても、

必ず誰か、または、超自然のもの(人間ではない存在)が

見ていてくれたり、助けてくれるからです。

昔話の裏に共通するこのメッセージから、

子どもたちは現実で困難にぶつかっても

めげない強さをたくわえることができるのだそうです。

 

昔話の決まりごとは、

“むかし”“とんとんむかし”“むかしむかし” 

英語では、

“Once upon a time”“long long time ago” などで始まること。

※最近再編された絵本では、昔話の印である

 これらの言葉が省略されてしまっている本もあるそうです※

 

 

以下、参加者の皆さんが選んだ昔話を書き記しておきます。

 

はなさかじい/もものこたろう/やまんばのにしき/おだんごころころ

ねずみのすもう/さんまいのおふだ/くわずにょうぼう/さんびきのくま

パンのかけらとちいさなあくま/あかずきん/したきりすずめ/かにのかけっこ

 

なお「出版」が始まって以降、小川未明や宮澤賢治などが創作した

「児童文学」に関しては、作者が生みだした言葉で綴られているのですから、

子どもにおはなしするときに、昔話を語るときのように言葉を変えて読んだり、

自己流にアレンジしたりはしないようにしましょう。

 

昔話でも童話でも、本を選ぶときに大切なことは、

その1冊を通して何を伝えたいのか?ということです。

  

『子どもに昔話を!』

編者 石井正己

出版社 三弥井書店(2007)

価格 1700円+税

ISBN 978-4-8382-3153-9

 


 

 

『昔話と語りの現在』

著者 櫻井美紀

出版社 久山社

価格 1553円+税

ISBN 4-906563-80-5

日本児童文化史叢書20


 

Posted at:11:05

レポート:読み聞かせスキルアップ講座③

ストーリーテラー櫻井美紀さんを講師に招いての

「読み聞かせスキルアップ講座」も第3回目を迎えました。

今回は皆さんに昔話の絵本、または、小学校高学年向けの絵本を

持ってきてもらい、昔話と童話の違い、その歴史について学びました。

 

 

1.グリム童話

1812年、ドイツのグリム兄弟による『子どもと家庭のためのメルヒェン集』

が出版されました。皆さんもご存知の『グリム童話集』です。

これは、グリム兄弟がドイツで語り継がれてきた昔話の採集をし、

再話をして出版された(文字になった)ものです。

昔話や民話など、民衆の間で口語り(口頭伝承)されたものを文字にした

=口承文学、つまりドイツ語で「メルヒェン」です。

これを日本語に訳すときに、子どものための読み物だから「童話」にしよう。

と、ここで「童話」という言葉が生まれたのでした。

 

―ちなみに、日本で初めて『グリム童話集』の全訳が収められたのは、

大正13年~昭和2年にかけて刊行された『世界童話大系』(監修 松村武雄)。

訳者は金田鬼一で、岩波文庫から『完訳 グリム童話集』として

1925年(大正14年)に初版が出ています。

 

2.巌谷小波の童話運動 ※千代田区ゆかりの文学者です。

巌谷小波は、1870年(明治3年)東京麹町生まれ。

医者の息子で、7歳の頃からドイツ語を学び、

15歳の頃には原語でグリムを読んでいたのだとか!

(長兄は日本人で初めてドイツに医学を学びに行った人だそうです。)

21歳で博文館の編集長になり、子どものための雑誌のはしりである

『少年世界』を手掛けたことでも有名です。

 

1896年(明治29年)、小波は京都の小学校に呼ばれます。

『桃太郎』などの日本の民話だけでなく、世界の民話や昔話をたくさん

文字にしていたので、それを語ってほしいと校長に頼まれてのことでした。

子どもの頃、親に連れていってもらった講談などが大好きだった小波は、

そこで小学生向けに世界の民話・昔話を講談口調で語ったところ、

それが子どもたちに大好評。世界の昔話を語る活動を始めたのが

=口演童話運動の始まりです。

 

小波の死後も口演童話系統の活動は続きますが、

戦時中に戦争協力の活動をした、ということで

戦争の苦い記憶とともに消し去られる傾向にあるそうです。

 

日本におけるストーリーテリング(本に書かれたものを口語りにすること)

は戦後、石井桃子らの活動によって広まったとされていますが、

形式は異なるにせよ、実は戦前から行われていたのですね。

 

★世田谷文学館で、石井桃子展が開催中です。

 没後初の回顧展。作品だけではなく、手書きの翻訳ノート、

 原著者への質問の手紙、使っていた辞書類など、その徹底的な

 仕事ぶりがわかる貴重な資料もたくさん展示されています。

 4/11(日)までなので、お見逃しなく!

 

長くなりましたので、続きは次回にしましょう。

それではまた!

 

『語り 豊饒の世界へ』

著者 片岡輝、櫻井美紀

出版社 萌文社

価格 2381円+税

ISBN 4-938631-77-6

 


 

Posted at:16:35

レポート:読み聞かせスキルアップ講座②

先週末、読み聞かせスキルアップ講座の第2回が開催されました。

悪天候の中、ほぼ100%の出席率!

 

今回のテーマは「ことばの音楽性」でした。

ことばの音楽性とは、どういうことを意味するのでしょうか?

リズム、繰り返し、韻、声の強弱・響き、声の表現・・・

様々な要素があるようです。

そしてそれによって、子どもは心地良さを感じたり、

安心感を得るのだそうです。

 

まずは“ちちんぷいぷい”を例にとって学びました。

ちちんぷいぷい・・・

皆さんは、この後に何と続けますか?

ちちんぷいぷい いたいのいたいの とんでいけー! でしょうか。

先生の時代は、

ちちんぷいぷい ごようのおたから とんでいけー! だったそうです。

(ごよう=おめでたい、五葉の松)

 

“ちちんぷいぷい”というときには、

子どもの顔をしっかり見たり、目を合わせたり、なでたり、

ということが大切です。

さらに、心をこめることで「声の表現」が、うんと変わってきます。

 

読み聞かせでも語りでも、たいせつなのは、

こころを通い合わせること、そしてこの、

音楽性(ことばを気持ちよく届けようという気持ち)です。

 

読み聞かせは、

「本」という手立てを通じて文化やこころを伝えることです。

だから「読み違えても、言葉に詰まってもいい」

という先生の言葉に、

勇気づけられた参加者も少なくなかったようです。

 

それでは今回はこのあたりで。

次回は、「ことばの音楽性」を学ぶための本や、

参加者が持参して読み聞かせをした本をご紹介します。

 

Posted at:17:33

レポート:岡崎武志の古本道場&神保町古書店街ツアー

去る2/27、28、出版産業振興財団(JPIC)読書アドバイザークラブが

主催する「JRAC(ジャラック)本まつり in じんぼう」が開催されました。

 

冷たい雨が降る中での開場となりましたが、午後にかけては雨もやみ

たくさんの方が遊びに来てくださいました!

2日間にわたり、区内4会場で様々なイベントが行われ、

すべてに足を運ぶことはできませんでしたが、一部をご紹介します。

 

2/27(土)開催

「古本道場&神保町古書店街ツアー」

 

講師は、書評家でライターの岡崎武志さん。

「古書の楽しみ」について語ってくださいました。

 

ときおり、古書には、その本を手にしてきた人たちの形跡が残っています。

新聞書評が貼り付けられていたり、メモが書き込まれていたり、

映画のチケットなどが挟み込まれていたり。 

(そしてそれに高値がついたり・・・)

そうした、昔の人の本の読み方を見るのも、楽しみ方の一つだそうです。

 

古本市では、古本だけでなく、チラシなどの紙類もたくさん出品されます。

たとえば絵葉書は、当時のファッション等を知ることができるし、また、

そんな古い絵葉書で一筆書いて送るのもいいね、とおっしゃっていました。

 

田中一光が表紙をデザインした「カッパ・ブックス」や

岩波写真文庫、改造社の全集、昔の教科書なども面白い、とのこと。

 

千代田図書館内でのトークの後は、神保町古書店街ツアーへ。

 

鳥海書房→みわ書房→秦川堂の3店を回りました。

約1時間の自由行動の後、図書館に戻り、

岡崎さんだけでなく、参加者の皆さんも

各々が戦利品を紹介し合い、おおいに盛り上がりました。

 

上記3店以外にも、

☆田村書店の無料箱

☆コミガレ=小宮山書店のガレージセール(単行本3冊500円など)

・一誠堂書店 ・中野書店 ・矢口書店 ・ブンケンロックサイド

などが、岡崎さんオススメの古書店だそうですよ!

※場所等の詳細については、千代田図書館コンシェルジュにお尋ねください。 

 

講師の岡崎さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました! 

 

★岡崎武志さんのブログ http://d.hatena.ne.jp/okatake/

 

 

Posted at:12:10

レポート:山口マオさんの版画ワークショップ&トークショー

2/27、28に開催された「JRAC(ジャラック)本まつり in じんぼう」

の報告レポート、後編です。

 

絵本「わにわに」シリーズや「マオ猫」でおなじみの

絵本作家・山口マオさんによる版画ワークショップとトークショーが

2/27(土)に千代田区民ホールで開催されました。

 

まずは版画ワークショップ。

「わにわに」の絵はどのようにできているのでしょうか?

使う道具は、馬の毛のハケ、水彩インク、紙、ばれん。

そして、榀(シナ)の木の板に、絵柄を彫った版を使います。

色をつけたいところにだけ、色インクをのせて・・・

その上に紙を置き、ばれんで刷ることを2、3回繰り返します。

すると・・・

さあ、何になるのでしょう?

今度はまた別の版木に黒インクをすりこみ、紙をのせて刷ると・・・

 

ジャジャーン!

いっきに絵があらわれて、みんなびっくり!拍手喝采です!!

名づけて「本のかかり」が刷り上りました。

マオさんが絵本のために版画を刷るときは、

ほとんど刷り直しなく、本番一回で仕上げてしまうそうです。

 

さあ、今度は参加者のみんなの番です。

マオさんに教えてもらいながら一生懸命刷りました。

 

 

ほら、できたよ。

 

その後のトークショーでは、マオさんご本人が「わにわに」の

読み聞かせをしてくれるなど、とても楽しいひとときになりました。

 

ところで、「わにわに」が生まれるきっかけは何だったのでしょうか?

それは、さかのぼること約10年前、

石神井公園にワニが出た!と騒動になったときのこと。

おはなしを書いている、小風さちさんも公園に駆けつけますが

ワニはでてきませんでした。

はて、ワニはお風呂にでも入っているのかな・・・?

というのが「わにわにのおふろ」のきっかけになったそうです。

そのとき、山口マオさんに絵の担当として声がかかったのですね。

 

☆お知らせ☆

マオさんが、千代田図書館に、直筆「わにサイン」入りの絵本を

寄贈して下さいました!

ご覧になりたい方は、図書館10Fカウンターで「ちよぴたブログを見て」

とお問い合わせください。

Posted at:12:10

レポート:読み聞かせスキルアップ講座①

2/20(土)第1回「読み聞かせスキルアップ講座」が

千代田図書館で開催されました。参加者は18名。

講師は、世界を舞台にご活躍されている、

ストーリーテラーの櫻井美紀さんです。

 

 ★櫻井先生のHPはこちら

 

4回連続講座の初回となる今回は、

参加者の皆さんがふだんの活動(幼稚園で読み聞かせを

している等)について自己紹介をし、

櫻井先生からは、ご自身の子育て経験談を交えながら、

幼い子ども向けの本の紹介がありました。

 

 

*・*・*・*・*・内容の一部をご紹介・*・*・*・*・*

 

 図書館などで行う「読み聞かせ」は、

  こんな風に絵を見せながら行いますが

  

 

  赤ちゃんの頃から、家庭で大人が本を読む「本読み」は

  こんな風にふつうに本を手にとって読むのを見せたり聞かせたり、

  

 

  お子さんと一緒にごろんと寝っころがって読んだり。

 

  「本読み」で大切なのは、

  大人が子どもを愛しているという愛情表現をすること。

 

  忙しい生活の中で子どもにあたってしまうことがあったとしても、

  本を読むときだけは、

  愛情を感じさせるような優しい声で読んであげることです。

 

これは、ご自身のゆとりや癒しにもつながりそうですね。 

また、幼いお子さんには、音楽的なリズムやメロディで

お子さんが安心して聞けるように読むといいそうです。

 

 新しく本を買ったりもらったりしたら、

   まず本の真ん中をこうやってしっかり開かせることで、

  「読み聞かせ」も「本読み」も、やりやすくなりますよ。

  

 

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

 

こうやって本の真ん中を折っている姿をいつも見ていたからか、

櫻井先生のご長男も、本を渡すと、この「本折り」を

幼いながらに自然とやるようになったそうです。

本当に、子は親を見て育つんですね!

 

櫻井先生のライフワークである「語り」についても

興味深いおはなしがありました。

 

「語り」とは、伝えたい真実をつかまえて、

自分のことば、生きたことば、「音声」のことばで伝えること。

 

つまり、字にこだわらない、という点で「読み聞かせ」と大きく異なります。

 

象形文字、楔形文字など、文字の現れは約5千年前と言われています。

それまでずっと何万年も、人間は音声言語のみを使っていたのですね。

 

「語り」の一例として、ジプシーの昔話『太陽の木の枝』から

ほんの少し「語り」を聞かせてくださったのですが、

一瞬にして物語の世界に引き込まれ、もっと聞かせて!

という気持ちになりました。

 

今回紹介された本については、

これから少しずつご紹介していきますので、お楽しみに。

Posted at:17:25