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2019.09.12
知的探求心をくすぐる空間 クラブ ライブラリーで「荒俣 宏 展」開催中 |
出版産業を地域産業に持つ神田神保町に建つ出版クラブビルをご存じですか?
地下鉄神保町駅を出てすぐの白山通り沿いにある、2018年8月に竣工した新しいビルです。今回はこの3階にある「クラブ ライブラリー」と、現在開催中の企画展「荒俣 宏 展」をご紹介します。
ビルの入口からエスカレーターで3階まで行くと、吹き抜けのエントランスに到着します。
本棚に四方をぐるりと囲まれた空間が「クラブ ライブラリー」です。ここには日本書籍出版協会、日本出版クラブに所属する全国の出版社などから寄贈された「未来に残したい本」が収められており、最大で約12,000冊が収蔵されます。
その分類も特徴的です。日本の図書館で広く使われているNDC分類(日本十進分類法)をベースにしながら、独自のテーマで
1.本の本/2.哲学と宗教/3.世界を見渡す/4.社会の成り立ち/5.自然科学と工学/6.芸術/7.文学と言葉/8.子どもたちへ
の8つに分類され、天井までつづく壁面の棚に配架されています。ちなみに「8.子どもたちへ」には、「本の歴史を連綿と未来へつないでいく」というメッセージが込められており、世界各国の絵本や児童書がこれに含まれます。
ここに蔵書を寄贈した方のひとりが、作家・博物学者・収集家などさまざまな肩書を持つ荒俣宏さん。
荒俣さんは膨大な蔵書の中から「このライブラリーを訪れる本好きな方々に、楽しんで閲覧してもらえれば」と、約400冊の書籍・雑誌を寄贈しました。
普段は、ライブラリーのらせん階段を昇ってキャットウォークを歩かないとたどり着けないところにある荒俣さんの資料ですが、その一部を現在開催中の企画展「荒俣 宏 展」で間近に見ることができます。
展示されている資料はさまざまで、荒俣さんの書斎からそのまま出てきたようなイメージで並べているそうです。「実際の書斎はこんなに整理されていなくて本が積みあがっている状態」なのだそうですが、荒俣さんがつけた付箋がそのまま残された本や大きな淡水魚のはく製などが並べられ、資料はショーケースに入ったもの以外ならば手にとって閲覧することができます。どんなページに興味を持っていたのかをうかがい知ることができますよ。
また、今回の企画展では新たに寄贈されたパルプマガジンのコレクションの一部も展示されています。
パルプマガジンとは、主にアメリカで広く出版された、質の悪いザラ紙(パルプ紙)に印刷された大衆小説雑誌のこと。荒俣さんは学生時代にその虜になって以来コレクションを続けていて、著書『パルプマガジン 娯楽小説の殿堂』ではその魅力を綴っています。
つい時間を忘れて眺めてしまう、バラエティに富んだ資料の数々。
本に囲まれたすてきな空間「クラブ ライブラリー」へ、ぜひお立ち寄りください!
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〈小さな本の展覧会〉荒俣 宏 展
【期 間】 開催中~9月30日(月曜日)(予定)
【時 間】 午前8時30分~午後7時30分(土・日・祝日を除く)
【会 場】 クラブライブラリー(出版クラブビル 3Fロビー)
【所在地】 千代田区神田神保町1-32
【入場料】 無料
詳しくは→コチラ
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Posted at:15:30