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2025.01.31
誰でもやさしく読めて、障害への理解を深める「バリアフリー図書」 |
「りんごの棚」という書棚があるのをご存じでしょうか。千代田図書館では、9階メインカウンター側の青色書架29番の前に設置しています。
▲千代田図書館「りんごの棚」
「りんごの棚」とは、特別な配慮を必要とする子どもたちのために作られた、使いやすい資料(アクセシブルな資料)をまとめた書棚のことで、1993年にスウェーデンの図書館で初めて設置され、日本の図書館には2013年に初めて導入されました。
また日本では2019年に、読書バリアフリー法(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)が施行されました。これは障害の有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにした法律で、さまざまな障害のある方が利用しやすい形式で本の内容にアクセスできるようにすることを目指しています。
▲千代田図書館29番の棚
千代田図書館のりんごの棚には、点字付きの触る絵本などを始め、様々な資料を揃えています。設置に伴い、通常より大きいサイズの書体で印刷された大活字本や点字資料なども、29番の棚へ移動しました。
このように点字や大きな活字で書かれていたり、難しい言葉を使わずに絵や写真を多く使ったりと、誰にでも読みやすく理解しやすい本のことを「バリアフリー図書」といいます。
昨年実施した第24期「本と出会う読書サロン」のオープニングイベントで、公認心理師で女子美術大学非常勤講師の攪上久子氏に「バリアフリー絵本」をテーマとした講演をしていただきました。
▲2024年5月開催の第24期「本と出会う読書サロン」のオープニングイベント
バリアフリー絵本とは、さまざまな子ども達が、どのような本を必要としているのか、イベントの参加者も本を手に取りながら、学びを深める時間を過ごしました。
●●●りんごの棚には、こんな本があります●●●
村山 純子/著
小学館
凸凹とした印刷を触り、さまざまな魚の形や模様を楽しめる一冊。目の見える方も見えない方も、一緒に読んで楽しめる図鑑です。
あかぎ かんこ/さく、mitty/え
埼玉福祉会
簡単な言葉とピクトグラムを使い、理解しやすく書かれたLLブック。絵を見ながら、もしものときにどうしたらいいの?を考えることができます。
フロレンシア・エレラ/文、ベルナルディータ・オヘダ/絵、あみの まきこ/訳
岩崎書店
あるはずの靴下がなかったり、道を間違えたり、最近アデラの周りで起こる不思議なことには、実は理由があって...。お話を楽しみながら、視覚障害への理解が深められる絵本です。
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障害の有無に関わらず誰でもやさしく読むことができ、また障害や困難を抱える方への理解を深めるバリアフリー図書を、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。
千代田図書館の「りんごの棚」はまだまだ小さな取り組みですが、誰にでも読書にアクセスできる環境づくりに引き続き取り組んでいきます。
千代田区立図書館情報誌「千代田区立図書館 図書館だより2025年冬号」の特集面でも、バリアフリー図書を取り上げています。図書館だよりは区内のさまざまな施設にも設置していますので、ぜひご覧ください♪
Posted at:18:40