日比谷図書文化館コンシェルジュ通信Vol.17:
【文化財特別展 江戸の人びと、本をたしなむ】をご紹介
江戸時代の読書好きはどんな本を読んでいた?


早いもので1月も半ばを過ぎました。

日比谷図書文化館コンシェルジュ通信としては、今年最初の記事となります。

今年も当館ならではの情報をお届けしてまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。

日比谷図書文化館1階 特別展示室では、文化財特別展江戸の人びと、本をたしなむ1月18日(土曜日)より3月8日(日曜日)まで開催中です。

詳細はコチラ

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今回も、特別展の見どころをご案内、さらに和本を実際に手に取れる神保町古書店街情報もご紹介いたします。

新年早々、本好き・図書館好きが集う「日比谷図書文化館」にふさわしい企画となりました文化財特別展「江戸の人びと、本をたしなむ」

今回の展覧会では、蔵書家 齋藤吉之氏が古書店を巡り歩き、生涯をかけて蒐集した膨大なコレクションの中から、バラエティー豊かな和本の数々をご紹介しつつ、江戸時代の書物や読書文化を紐解いていきます。

江戸時代の人びとは、どんな本を読んでいたのでしょう。案内文を読んだだけでも、期待が膨らんでまいります。

今回、一部を公開するこのコレクションですが、平成8年(1996年)に、齋藤氏のご遺族から千代田区に寄贈していただいたもので、寄贈に当たっては、齋藤吉之氏が、長年霞が関・永田町に勤務されていたことがご縁となったとのことです。

千代田区には、神田神保町の古書店街があり、『南総里見八犬伝』などで有名な曲亭馬琴(滝沢馬琴)のゆかりの地でもあることを思うと、本が結んでくれたご縁もあるのでは?などと想像してしまいます。

そして、この特別展を「本」が集まる日比谷図書文化館で開催できることも、ひとつのご縁かもしれません。

故人とご遺族に感謝しつつ大切に拝見しながら、江戸時代の人びとの本のある暮らしに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

■見どころ1■

江戸の出版文化について詳しく解説!

奈良時代までさかのぼる日本の出版文化の歴史において、なぜ、江戸時代の出版の主流は、活版印刷ではなく木版印刷であったのか?など、理由を聞けば「なるほど!」と頷ける当時の出版文化に関する解説を含め、江戸時代の出版事情や、江戸の本屋さんの様子などをご紹介します。

中でも、十返舎一九の『的中地本問屋(あたりやしたじほんとんや)』を扱ったパネルでは活気あふれる版元の絵草紙の制作風景をご覧いただけます。

■見どころ2■

今も昔も旅行好き?江戸版ガイドブックが面白い

交通網が整備された江戸時代、生活が豊かになると、人びとは次第に旅に出るようになりました。寺社参詣から名所観光、芝居見物などの物見遊山まで、その目的はいろいろだったようです。今回の展示では、江戸のガイドブックとも呼ぶべき「名所図会シリーズ」の数々をご紹介しています。当時の名所と現在の観光地を比較してみるのも一興ではないでしょうか。

■見どころ3■

江戸時代の【ベストセラー=千部振舞(せんぶふるまい)】の数々をご紹介!

滑稽本のヒット作として有名な、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』をはじめとした、当時のベストセラー本を多数ご紹介しています。

千代田区とも縁の深いベストセラー作家 曲亭馬琴の作品も、もちろんご用意。代表作『南総里見八犬伝』の個性的でバラエティーに富んだ表紙絵は必見です。
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他にも、忠臣蔵物、三国志物などの伝記物から『源氏物語』『百人一首』などの古典、さらには海外でも有名な『北斎漫画』などの絵手本まで、多岐にわたるジャンルの読本がずらり。有名作品からマニアックな名作まで、江戸の人びとが楽しんだバラエティー豊かな読本の世界を覗いてみてください。

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【まだ間に合う!関連講座あります】

「知を編む江戸の人びと―江戸時代の書物・蔵書を読み解く―」

【日 時】 2月15日(土曜日)午後3時~4時30分

【会 場】 日比谷図書文化館 地下1階コンベンションホール(大ホール)

【参加費】 500円(資料代)

【定 員】 180名(申込順)

【申込締切】 1月31日(金曜日)消印有効

【申込方法】 往復ハガキのみ(詳しい申込方法はコチラ



【展示解説もあります】

会期中、下記の日程で展示解説を予定しています。

事前申し込み不要、参加費無料です。30分程度の解説になりますので、ぜひご参加ください。

【会 場】 日比谷図書文化館1階特別展示室(当日直接会場へ)

1月 29日 (水曜日) 午後6時~

2月 14日 (金曜日) 午後6時~



【文化財ニュース 第19号 には特別展情報あり】

館内でお配りしている「文化財ニュース19」では、今回の特別展に関する情報を特集しています。

館内受付前、常設展示室などで配布しておりますので、ご来館の際はお持ち帰り下さい。



さらに、千代田区ならではのプチ情報をご案内。

神田神保町の古書店街には、実際の和本を扱う書店もあります。

古書店巡りで、お気に入りの一冊を探してみてはいかがでしょうか。

●古書店MAPで「古典籍」ジャンルのお店
大屋書房
江戸時代の和本・浮世絵・古地図の専門店。

沙羅書房
明治以前の古地図・和本が充実している古書店。

誠心堂書店
和本と書道が中心の古書店。
※昨年11月26日開催「江戸歴史講座 第63回」担当講師の古書店です!

古書店MAPは千代田図書館・日比谷図書文化館にもご用意がありますので、お立ち寄りの際には受付・コンシェルジュにお声かけください。

皆様のご来館をお待ちしております。

Posted at:11:00