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2020.05.21
千代田図書館スタッフが「子どものころに読んだ本」をご紹介! |
今回の「ちよぴたブログ」では、ふだんブログ記事を書いている千代田図書館 読書振興センターのスタッフ2人が、子どものころに読んで今も思い出に残る本をそれぞれご紹介します♪
本の詳しい情報は、書名をクリックしてご覧ください。
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五味太郎/作
文化出版局
これは、私の記憶するかぎり、最初に好きになった絵本です。てぶくろや歯ブラシなどが動物のどこかに隠されているのですが、その隠し方がユニークで思わず笑ってしまいます。当時(おそらく3歳くらいです)私は、母や祖母、伯母など近くにいる大人を片っ端からつかまえてはこの本を渡し「かくしたのだあれ」「あった!」というのを毎日何度も何度も繰り返していたと思います。何度も繰り返すので、出てくる動物や隠されている物、隠し場所などすっかり覚えてしまい、しかしそれですぐに飽きるということはなく、ページをランダムにめくってみたり、本を逆さからのぞきこんでみたりして、"みつける"という作業が新鮮なものになるようにしていました。なかなか創意工夫でがんばっていましたね。こどものあたまのやわらかさで、いろいろな楽しみ方ができる一冊です。(竹原)
マーガレット・マーヒー/作 シャーリー・ヒューズ/画
石井桃子/訳
福音館書店
8つのお話と2つの詩からなる短編集です。占いやおまじないなど、ちょっと不思議なことに興味津々の小学生女子だった私は、「魔法だ!ケーキだ!」とタイトルだけ見て手にとってみたのでした。はい。不思議なことと同じくらい、お菓子も大好きでした。表題作『魔法使いのチョコレートケーキ』に出てくるケーキは、想像していたとおりにとてもおいしそうに描かれていましたが、魔法使いのすがたは思い描いていたものとは違っていました。あっと驚くような魔法が次々と披露されると思っていたのに、この魔法使いは魔法がうまく使えないし、それになんだかさびしそう・・・。おとなになり、そしてなかなか人と会うことができない今あらためて読み返してみると、このお話が迎える幸せな結末が心に響きます。こどもの私がそこまで味わえていたかは覚えていませんが、このあと『おやつにまほうをかけないで』(さとうまきこ/作、いせひでこ/絵 小峰書店)、『チョコレート戦争』(大石真/作、北田卓史/絵 理論社)と連想ゲームのように読書をひろげていきました。(竹原)
エド・エンバリー/作、横山直子/かき文字
偕成社
幼稚園児~小学校2年生くらいまで、近所の子どもたち4~5人で一緒にピアノ教室に通っていました。教室のグランドピアノの足元に小さな本棚があり、自分のレッスンの順番になるまでこの本を見て待ったものです。たくさんの子どもが通う教室なので本を借りることはできず、短い時間で一生懸命絵を覚えては家で描いて「なんかちょっと違うな・・・」の繰り返しでしたが、見ているだけで楽しくなる大好きな本でした。練習して来なかったり、教室で騒いだり、怒られたことのほうが多い習い事だったものの(先生ほんとうにごめんなさい!)この本があったので楽しい思い出になっています。
エンバリーおじさんが教えてくれるお絵かきは、丸・三角・四角といった簡単な図形だけで描けるものばかり。単純な組み合わせなのに、驚くほど多くのバリエーションのイラストが描けて、どれもかわいい!子どもはもちろん、イラストが苦手・・・と思っている大人にもぜひ手にとってほしい一冊です。他に『どうぶつかけちゃうよ』や『しもんスタンプでかいてみよう』などもあるロングセラーのシリーズです。(高橋)
アリキ/作・絵、神鳥統夫/訳
あすなろ書房
子どもはなぜか不思議なもの、こわーいものが大好き。わたしももちろんそうでしたが、比較的・・・いいえ、とても怖がりの子どもでした。この本を読んだのは小学校低学年のとき、友達の家だったと記憶しています。誰が何のために作ったのか?謎だらけのミイラやピラミッドについて、詳細なイラストで描かれています。本をめくるうち、とある1ページに子どものわたしは震え上がりました。人の体をミイラにする際、腐敗を防ぐために内臓などを取り除くのですが、脳をまさか、あんなところから取り出すなんて・・・!これ以上は、ぜひ実際の本の中でお確かめください。
ずっと記憶の中にあった本なのですが、各界の著名人が子どもの頃読んで印象に残った本について綴ったエッセイ集『十歳までに読んだ本』(ポプラ社)の中で、作家の西加奈子さんがこの本の「あのページ」について書いているのを読み、わたしは西さんと熱い握手を交わしたくなりました。(高橋)
Posted at:10:00