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2021.10.15
【レポート】千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー 「神保町で世界旅行気分」編 |
千代田図書館で定期的に開催しているイベント、千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー。昨年に引き続き、参加人数を減らすなど新型コロナウイルス感染拡大防止対策をとりながら今年も行うことができました。今回のちよぴたブログは、そのイベントの様子をお伝えします。
神保町ツアーは、トークショーと街歩きツアーの2部構成。
今回のテーマは「神保町で世界旅行気分」です。そこで、第1部のトークショーには「旅の図書館」副館長の大隅一志さんをゲストにお招きしました。
長年、観光に関する研究に携わっている大隅さんならではの視点で、旅・観光の歴史や日本人の海外旅行の変遷、とっておきの旅をするための図書館活用術などなど、図書の紹介を交えながらお話しいただきました。
大隅さんが「今日イチ紹介したい」とおっしゃったのが、日本人初の海外旅行のお話。
幕末や明治初期には使節団など行政機関による日本人の海外渡航はありましたが、ここでとり上げるのは民間による海外旅行です。
1908(明治41)年3月18日に横浜港を出発し、太平洋~北米大陸~ヨーロッパ~ロシアを巡り同年6月21日に敦賀に到着。参加者56名の98日間の世界旅行でした。旅行費用は2,340円。現在の金額に換算すると約1,200万円になるそうです!移動には船や列車のほか、自動車、馬車、地下鉄、ゴンドラ、登山電車などいろいろな乗り物が使われていました。
今とは違い簡単に海外の様子などの情報を得ることができない時代に、日本では見られない景色を見たり知らなかった技術を目の当たりにしたり、当時参加した人々の驚きや感動はとても大きなものだったのではないでしょうか。
トークの後半では、旅気分に浸れる本、旅のテーマを見つける本、情報を得るための本や雑誌、などなどたくさんの資料をご紹介いただきました。旅行記や小説を読んで追体験したり、すてきな写真がならぶガイドブックを見て「いつか本物を見に行くぞ!」と目標をたててみたり、本を通して自分なりの旅の楽しみをつくりたいですね。
「旅の図書館」には、今回紹介された資料はもちろん、たくさんの旅に関する資料があります。興味のある方はぜひ利用してみてください。
大隅さん、ありがとうございました!
つづいて第2部の街歩きツアーです。
千代田区役所庁舎を出発し、神保町古書店街をめざします。
まず最初に訪れたのは、さくら通り入口のすぐ脇にあるイタリア書房。
イタリア、スペイン、ポルトガル、中南米のラテン系洋書の専門店です。
この日はお休みでしたが、歩道に面したディスプレイに飾られた図書などを、皆さん興味深く眺めていました。
「看板は見たことあったけど、足を止めたことはなかった」
「となりのお店には何度も来ているのに、こんなところがあったなんて気づいていなかったです」
「古いお店の外観のお話を聞いたら、ほかのお店の壁も気になってきちゃったわ」
街歩きの中で、皆さんいろいろな発見があったようです。
ツアーの中では、英米文学を扱う北沢書店、韓国文学のチェッコリ、西洋古典や仏独原書が豊富に揃う田村書店、戦前から中国と深い関わりのある内山書店など、外国書を扱うお店を中心に古書店から新刊書店まで幅広くご案内。
さらに、神保町に数多く存在する中華料理店をはじめとする世界の味を楽しめる飲食店などおすすめスポットもクイズを交えながらご紹介しました。
「小学館ギャラリーBH 本と街の案内所」に到着して、ツアーは終了です。気軽に海外旅行に出かけられるのはもう少し先になりそうですが、身近な場所で旅気分を味わっていただけたらうれしいです。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
今回の神保町ツアーで巡ったのはこちらのコースです。
大きな画像を見る(PDF:385KB)
Posted at:10:30