子どもたちが選ぶ"大切な本・忘れられない本"
~「千代田区子ども読書調査」より、小学生編~


千代田図書館 読書振興センターでは、子どもと子どもをとりまく大人の読書活動を推進するさまざまな取り組みを行っており、そのひとつに「千代田区子ども読書調査」があります。千代田区立小学校・中学校に通う子どもの読書の状況や変化を把握し、読書活動推進に関する施策に活用することを目的として、平成27年から毎年11月頃に実施しています。

今回のちよぴたブログでは、昨年度行った「第8回千代田区子ども読書調査」の質問項目のひとつ、「大切な本や忘れられない本がありますか?」に対する回答の中から、多く挙げられたタイトルや千代田区立図書館に所蔵がある本をご紹介します。

「大切な本や忘れられない本がありますか?」の問いに、「ある」と回答した小学生は75.9%

今の子どもたちはどんな本が好きなのでしょうか。本の詳しい情報は、書名をクリックしてご覧ください。

小学1~3年生の「大切な本・忘れられない本」


調査開始以来、ほぼ毎年上位の「かいけつゾロリ」シリーズ(ポプラ社)に続き、この数年人気を集めているのは「おばけずかん」シリーズ(講談社)。

海で、山で、学校で、おばけにあったらどうする?短いお話とイラストが「こわいけど、おもしろい」と人気の児童書です。

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『うみのおばけずかん』

斉藤 洋/作、宮本 えつよし/絵

講談社


低学年の回答では、絵本のタイトルも多く挙がりました。小さなころから家族や保育園・幼稚園などの先生に繰り返し読み聞かせをしてもらったことを、よく覚えている子どもが多いことが伺えます。

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『めっきらもっきらどおんどん』

長谷川 摂子/作、ふりや なな/画

福音館書店

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『おしいれのぼうけん』

ふるた たるひ/さく、たばた せいいち/画

童心社

小学4~6年生の「大切な本・忘れられない本」

高学年で不動の人気なのは「ハリー・ポッター」シリーズ(静山社)や、『ぼくらの七日間戦争』(宗田 理/作)をはじめとする「ぼくら」シリーズ(ポプラ社、KADOKAWA)ですが、21年前に日本版が発売されて以来人気の「マジック・ツリーハウス」シリーズ(KADOKAWA)も、複数の子ども達からタイトルが挙げられました。

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『マジック・ツリーハウス50 ヒマラヤ白銀のゴースト』

メアリー・ポープ・オズボーン/著、食野 雅子/訳

KADOKAWA

アニメ化、映画化された本は子ども・大人を問わず人気を集めます。

『かがみの孤城』(辻村深月/著、ポプラ社)は刊行以来毎年上位に挙げられていますが、昨年度はこの本のタイトルを挙げる子どももいました。

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『君たちはどう生きるか』

吉野 源三郎/著

ポプラ社

親世代または祖父母世代が読んでいた名作も、今の子どもたちの心に残っていることが多いようです。

同じく質問項目の「本を選ぶとき、どうしていますか」には、「映画、マンガ、ドラマ、ゲームなどで知った本から選ぶ」よりも「家族がすすめてくれた本から選ぶ」「家にある本から選ぶ」の選択肢が、より多く回答されています。このことから、子どもの本選びには、保護者の皆さんのおすすめも大きく影響を与えているということがわかります。

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『十五少年漂流記』

J.ベルヌ/作、高楼 方子/文、佐竹 美保/絵

ポプラ社

「第8回千代田区子ども読書調査」結果の詳細はこちらからご覧ください

次回は「中学生」編をお送りします♪

Posted at:17:50