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2024.02.22
【MOFCAの庭からごきげんよう】ほんとうの心の力 |
千代田区障害者よろず相談MOFCAと連携し、おすすめの本をご紹介いただいている連載【MOFCAの庭からごきげんよう】。第12回目をお届けします。
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みなさま、こんにちは。
ほころび始めた梅のつぼみに、春のきざしが感じられる時節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか? 今月担当のMです。
今回ご紹介する本は、『ほんとうの心の力』(中村 天風/著、PHP研究所)です。
はじめに中村天風の波乱万丈の経歴をお伝えします。すでに92歳で他界されておりますが、1876年東京生まれの中村天風は大蔵省初代仕抄局長を父に持ち学生時代に英語をマスター。柔道部のエースとして活躍後、日露戦争の軍事スパイに抜擢され満州で活躍した後、肺結核を発病し、そこから人生について深く考えるようになりました。
そんな中、アメリカの啓蒙書に感銘を受け渡米し、医学部に入学。さらにヨーロッパの著名な哲学者に会うも答えが見つからず、失意の中「日本に帰って死のう」と帰国を決意しました。その帰路中にヨガの聖師カリアッパと運命的な出会いをします。インド・ネパール山麓で修行生活に入り、病を克服したのです。日本に帰ってからは実業家になりましたが、真に生きがいのある人生を送るための講演活動等をしながら、実践哲学を世の中に広めめました。彼に影響を受けた人は松下幸之助、テニスの松岡修造など著名人が大勢おり、野球の大谷翔平もその一人です。
私は以前、中村天風の『君に成功を贈る』(日本経営合理化協会出版局)という本を読んだ事がありましたが、不治の病であった結核をヨガの修行でどのように克服したのか、非常に興味を持って読んだ記憶があります。今回、手にしたこの本は中村天風がヨガの修行で学んだ哲学のエッセンスを見開き1ページ事にまとめ、読みやすくなっているのが特長です。
日々起こる出来事に対して、どうやって考えていいのかわからない時に人生の道しるべとしての考え方がたくさん詰まっています。この本を読むと、自分の弱っている心にエネルギーをチャージしてくれるように思いました。
本の中に、愉快に生きるための項目として「神経過敏」があります。一部抜粋します。
「神経が過敏だと、正当な幸福に恵まれても恵まれたと思いません。見るもの聞くもの、みんな癪(しゃく)の種、心配の種になってしまいます。ですから、日々が少しでも安らかな、いわゆる安心立命の境涯で生きられないことになってしまうんです」
そういえば私も一時的に神経過敏になった事を思い出しました。数年前です。私の住んでいる近くに雑木林があり早朝4時ごろからかっこう鳥の鳴き声が甲高く聞こえ、その声が2週間位続いたものですから、とてもいらいらしてしまい、とうとう自治会の役員さんに相談したことがあります。東京都では自然のものだからそのまま放置したい、市では木を伐採してもいいですよと言ってくださったそうです。隣人にだれもかっこうの声がうるさいとの訴えはなかったので、私は少し落ち着いてかっこう鳥の習性を調べてみることにしました。
なんと、かっこう鳥は自分の巣をつくらず、卵を産んだら、他の鳥の巣に自分の卵を入れ育ててもらうのです。理由は低体温のためだそうです。それを知った時、とてもかっこう鳥が哀れに感じ、鳴き声は少しずつ気にならなくなりました。
心の持ち方がいかに人生を支配してしまうのか、色々な角度から中村天風は教えてくれます。いつも朗らかに、明るくて、大らかに、辛い時こそ笑っていけるような人になりなさいと言っています。
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「千代田区障害者よろず相談MOFCA」も、相談窓口としてご利用ください。どんなささいな事でも結構です。みはらしの良い、居場所スペースもありますので、ただ休んでご自分のリラックスの場としてのご利用も大歓迎です。お待ちしております。
Posted at:11:40