レポート:文学座演出家による表現ワークショップ(中高生向け)―1

千代田区読書振興センターでは、

はじめてとなる“中高生向け”ワークショップを開催しました。

 

 

「文学座演出家による 

 ことばとからだで伝える表現ワークショップ」

と題して、文学座の演出家・中野志朗さん

女優・牧野紗也子さんを講師に招き、2日間の日程で開催。

区内外の中学・高等学校から14名の生徒が集まってくれました。

 

▲左=演出家の中野さん、右=女優の牧野さん 

 

先月は、大人向けに「文学座俳優による朗読ワークショップ」

を全6回の連続講座として開催したのですが、

 *大人向けの朗読ワークショップの様子は、コチラ

 

今回の中高生向けは、土・日の2日間のみです。

学校も学年も異なり、女子も男子も入り混じっているにも関わらず

プロの演出家と女優によるワークショップの場に“あっという間になじみ

表現の世界に飛びこんでいく姿は、さすが中高生!驚きの早さでした。

 

今回は、初日のレポートをお届けしたいと思います。

 

初日はテキストに入る前に、演劇の世界ではお馴染みという

いくつかのワークを最初に行いました。

ひとつは「ストップモーション」という、複数名で行うもの。

まず「花見」「デパート」などの題目が与えられます。そしてその題目の

写真や絵をイメージし、その中の人物・背景・モノを考えて、

各自が思い思いのポーズをとる、というものです。

例えば「花見」であれば、花を見る人、お酒をのむ人、花見団子を食べる人、

桜の木など、黙ったままポーズをとります。話し合いはNG。他の人が何に

なっているかを見まわしながら、見事な“ワンシーン”を作っていました。

 

▲題目「アイドルのコンサート」・・・に見えますか?

 

あるテキストから抜粋して約200字程度の短い文書を

いろんな人になりきって読む、というワークも行いました。

講師から「国語の先生」「エスパー少年」「熱血漢」「お金持ちのマダム」

「社長」など、いろいろ注文が出されると、これもみんな見事に

声色や雰囲気を変えて読むので、とても楽しいワークでした。

 

さまざまなワークを終え、本題のテキストに入ります。

今回テキストに使用したのは、働き盛りの男性会社員が主人公の

短編小。参加者には宿題として事前に読んできてもらっており、

さっそく場面をつくっていきます。

まずは「会社」の場面。朝9時出社~夕方5時退社までを

先ほどの「ストップモーション」で作ります。

そしてその「静止画」が、合図とともに動き始めました。

 

 

ここでも、中高生たちの素早い柔軟性に驚きました!

特別な指示もないのに、お茶汲み係、電話係、会議中の人々、

ひたすらPCに向かう人などを各自が一斉に演じ始めたのです。

テレビドラマなどで見たことがあるのでしょうか、

すでに「会社」のシーンができていました。

少しずつ、講師の中野さんから演出が入り

ますます本物の「会社」のように見えてきます。

 

 

それから「バー」や「ドラマ撮影」などのシーンを一つずつ作っていきました。

演出家と役者(参加者)がイメージをすり合わせ、

それがぴったり一致する様子は見ていてとてもおもしろく、

また、役者(参加者)側からも、こんな風に動くとよいのでは?

などとアイデアが飛び交いました。

 

さあ、これらのシーンが一つの作品にどう結ばれていくのでしょうか?

2日目のレポートは次回お届けいたします。お楽しみに♪ 

Posted at:15:00