レポート:文学座演出家による表現ワークショップ(中高生向け)―2

前回のブログに引き続き、11月26・27日に開催した

「文学座演出家による 

 ことばとからだで伝える表現ワークショップ」のレポートです。

 

▲講師:文学座・演出家の中野志朗さん(写真右) 

 

このワークショップでは、短編小説をテキストに用いて

参加者全員が出演する芝居に2日間で仕上げます。

戯曲ではないので、「カギカッコ」の台詞にはなっていない

主人公の心の声も多く、それを目に見えるかたちで体現したり、

さまざまな登場人物の具体的な人物設定を

行間から読みとって演じたり、ということを

プロの演出家と女優の指導の下で楽しく実践しました。

 

たった数ページの短編小説に、ト書き(演技、演出など

の説明を書き示したもの)が加えられ、

芝居に仕立て上げられていく様子は、見ている側も

まったく飽きることのない、とても楽しいものでした。

 

 

講師の手は、役者(参加者)の動きを見ながらも

アイデアを書き留めるために動きっぱなしです!

主人公の会話を中心とする、舞台で一番注目を集めたい

「センター」以外にも細かな演出が入り、

全体のバランスをよく見ながら舞台が作られていくのには

参加者も学ぶところが多かったはず。

 

 

2日間(各日3時間)という限られた時間内でしたが

会社、Bar、占いの館、ドラマ撮影、結婚など

全部で7つのシーンが完成しました!

 

  

 

 

 

どの台詞や動きで場面を入れ替えるかもしっかり確認。

全場面を通しでリハーサルする時間もないままに、

内輪での発表会を行いました。

 

 

テキストを見ながらではありましたが、スムーズな場面展開や

「センター」を活かしつつも、自然と場面の一部になっている

みんなの演技には感心しきり!

展開に引き込まれていると、あっという間にエンディング。

通しで約18分。短くも笑いどころが満載の芝居になりました。

 

最後に、講師を囲んでの懇親会。

 

 

発表会の観客からは

「一人一人がしっかり輝いていた」「とても楽しかった」

などの感想がきかれ、みんなもホッとした様子。

講師のお二人からも

「みんながアイデアを出してくれて楽しかった」

「若さに驚いた。

 演出を受け入れて、すぐに演じられるのはすごい!」

などの感想をのべていただきました。

参加者にとってはプロの演出家と女優に質問できる

貴重な場となり「舞台で緊張したときはどうするの?」

「発声は?」「姿勢は?」など質問が飛び交いました。

 

今回、戯曲ではなく小説を用いたのは、講師の中野さん

にとっても珍しいことだったそうです。

参加者の中にも「この短編をどう舞台にしていくのだろう?」

と楽しみにしていた生徒が多かったようで、

創作についても学ぶことのできた実り多いワークショップでした。

 

参加者のみなさん、講師の中野さん、牧野さん、

2日間ありがとうございました!

Posted at:11:30