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今回のちよぴたブログでは特別展鑑賞後に是非おすすめしたい当館ならではの楽しみ方をご提案します。
好評開催中の特別展「大正モダーンズ 大正イマジュリィと東京モダンデザイン展」にちなみ、日比谷図書文化館 1階コンシェルジュ・受付横のスペースでは、現在、当館から程近い場所にある明治・大正時代に建てられた近代建築のご案内をしています。
ご存じの通り、古くから東京の政治的・商業的中心地として栄えてきた千代田区には貴重な歴史的建造物が復原という形で現存している例も少なくありません。
今回取り上げているのは
「東京市立日比谷図書館」(現存せず)「東京駅丸の内駅舎」「三菱一号館美術館」「鹿鳴館跡碑」「法務省 赤れんが棟」の5箇所です。
展示に当たっては、多くの貴重な資料を千代田区文化財事務室(当館の中に事務所があります)にご提供頂き、その資料を中心に現在の復原された姿の写真、所在地、簡単なご紹介と併せて掲示しています。
スペースに限りがあり、展示内でご紹介できたのはお借りした貴重な資料のうちほんの一部に過ぎません。
そこで、展示出来なかった当時の日比谷の風景を語る際に欠かせない建築物の資料についてこちらで少しだけご紹介いたします。
■「帝劇と警視庁」
(辻真千子氏寄贈:渡辺亀太郎撮影〈大正前期〉
千代田区教育委員会蔵)
(絵葉書・個人蔵)
明治44年(1911)、丸の内の皇居に面したお堀端に共に竣工した赤煉瓦造りの警視庁と白亜の帝国劇場が並んで描かれています。
帝国劇場は大倉喜八郎や渋沢栄一など、財界人、実業家が発起人となり建設されました。
設計は三越などを手がけた横河民輔が担当しています。
当時の建物は大正12年(1923)の関東大震災の際、建物内部を焼失、その後内部を再建し、演劇用劇場や映画館として歴史を刻むも、昭和39年(1964)映画「アラビアのロレンス」の上映を最後に解体されました。
一方、警視庁といえば現在の桜田門前の建物が思い浮かびますが、この赤煉瓦の警視庁は竣工から大正12年(1923)の関東大震災の際、火災で焼失するまで、日比谷にあったものです。
■初代帝国ホテル
(特別研究室所蔵)
明治23年(1890)竣工の初代帝国ホテルです。設計は渡辺譲です。大正11年(1922)に火事で焼失、翌年大正12年(1923)に建てられたのが、フランク・ロイド・ライドが設計した2代目の帝国ホテルになります。
他にもまだまだご紹介したいところですが、続きはまたの機会に。
そして、今回参考にした資料の数々がこちらになります。
全て当館図書フロアの蔵書です。
お貸出し出来ない資料もありますので、緑に囲まれた涼しい館内での閲覧がおすすめです。
他にも常設展示室では日比谷地区に留まらず、千代田区内の近代建築や、明治~昭和初期の歴史・文化に関する資料を無料で公開しています。
また4階特別研究室では今回館内展示でご紹介している明治30年の東京市の地図である「東京一目新図」の原本の閲覧も可能です。
(特別研究室所蔵)
さらに特別研究室前の壁面には参謀本部による明治前期の東京府の測量図や昭和初期の東京市全図が常時展示してあり、時代に沿って見比べるのも一興ではないでしょうか。
さて、
日比谷図書文化館ならではの「明治・大正期文化の楽しみ方」いかがだったでしょうか。
まだまだ暑い毎日が続きます。
実物の建物を見て歩くにはちょっと辛い。そんな時はぜひ図書館の資料の中で歴史散歩をお楽しみ下さい!
Posted at:15:15