「東京古書組合百年史展」東京古書会館で開催中!

コンシェルジュ通信 Vol.56の記事でもご紹介した『東京古書組合百年史』(東京都古書籍商業協同組合/編、出版)の刊行を記念した展示が、東京古書会館で開催中です!


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『東京古書組合百年史』
は、昨年創立100周年を迎えた東京都古書籍商業協同組合の創設からこれまでの歴史や現在の取り組みなどを、豊富な資料や写真とともにまとめたもの。

680ページ以上にもなるボリュームで、フランス文学者・評論家で神田神保町についての著書もある鹿島茂さんの寄稿や、これからを担う若手古書店主へのインタビュー・アンケートなども収録され、資料としてだけでなく本としての読みごたえも抜群の一冊です。

展示会場の入口では、2003年の建て替え以前に付けられていた東京古書会館の看板文字がライトアップされてお出迎え。

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今回は編纂委員の一人、神保町の「ビブリオ」店主 小野さんに見どころをお伺いしました!

展示は、刊行まで約4年の歳月をかけた『東京古書組合百年史』の編集にまつわる資料から。

ショーケースの中で目を引く緻密なメモ書きは、編纂副委員長で荒川区の「稲垣書店」店主 中山信行(信如)さんによるものです。

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組合業界誌「古書月報」に掲載された、選りすぐりの寄稿コラムや記事への寸評を記した膨大なメモは、ボリュームそのままに『百年史』5章に掲載されています。このメモ書きは『百年史』にとどまらず、この度もう一冊の本『古本屋的!東京古本屋大全』(編著/中山信如、本の雑誌社刊)として出版されることに。

このエピソードだけでも、『百年史』が単なる歴史をまとめた本ではないということが伝わります。

2020年6月に刊行した「古書月報」500号(写真左)では「特集・コロナ禍のなかで」と題して、寄稿を募りました。

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「この時は多くの原稿が寄せられ、普段より少し厚い月報になりました。営業の自粛を求められる中で、古書店主同士がお互いにどうしているかを知る機会となりました」と小野さん。

『百年史』に資料編として収録されている、昭和62年と令和3年の「古本屋分布図」も会場の壁面に大きく展示されています。

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昭和62年前後は、組合の加入店舗数が最も多かった時期。令和3年の現在と比べて、東京のどこにお店が増え、そして減ったかがひと目でわかる分布図です。

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「古書月報」や目録などの他に、都内7支部それぞれの個性が表れている出版物の展示も。

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こちらは古書店主が書いた本の展示コーナー。

出版されたばかりの『古本屋的!東京古本屋大全』もあります。

読書好き、古書店巡りが好きな方にはぜひ手に取っていただきたい『東京古書組合百年史』。

見どころたくさんの展示を、この機会にご覧ください♪

小野さん、ありがとうございました!

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『東京古書組合百年史』
は展示会場で閲覧できるほか、全国の古書組合加盟店舗や「日本の古本屋」ウェブサイトでも購入できます。





「東京古書組合百年史展」

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【会 期】 開催中~12月7日(火曜日)

【会 場】 東京古書会館 2階情報コーナー

【所在地】 千代田区神田小川町3-22

【入場料】 無料

【時 間】 午前10時~午後6時

【休館日】 日曜日・祝日

展示終了後、北海道の市立小樽文学館に巡回します。

詳しくはこちらをご覧ください



Posted at:10:20