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2022.06.28
コンシェルジュ通信vol.60: 岩波ホール閉館まで、あと1ヶ月! |
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映画の街・神保町のシンボルである岩波ホールは、ミニシアターの先駆けとして全国の映画館文化に多くの影響を与えてきました。
1968年、"千代田区の発展のために"と当時の区長の要請により建てられた岩波ホールですが、残念ながら2022年7月に閉館することとなりました。
千代田図書館では現在、『ありがとう岩波ホール』と題して、岩波ホール54年間の歴史を振り返る展示を行っています。
地域連携コーナー。
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岩波ホールは、実はもともと多目的ホールとして開館したのをご存じですか?
『ありがとう岩波ホール第1部~岩波ホールのはじまり~』では、開館当初の岩波ホールは、あらゆる文化的活動の拠点として活躍していた施設だったことを紹介しました。
映画館のイメージが強い岩波ホールが、外国映画史研究の講座、ジャズ音楽の講座、クラシック音楽や日本の伝統芸能の公演など、さまざまなジャンルの文化を発信していたとは意外でした。
また、ホールに世界最高峰のピアノともいわれるスタインウェイ&サンズがあったことにも驚きました。ひんぱんに公演が開催されており、その中でも、あまり一般的に知られていない名曲を聴くというコンセプトの演奏会"音楽シリーズ"は、反響を呼んだそうです。
音楽シリーズには、ドビュッシー、フォーレ、ラヴェルなど、フランスを代表する作曲家が発表した歌曲を、作曲家ごとに全曲通して演奏する企画もありました。
ここまで凝ったプログラムは貴重なので、クラシック音楽好きが熱狂したのもうなずけます。
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"知られざる良質な作品を世に広めよう"という精神は当初から一貫しており、これがのちの『エキプ・ド・シネマ』へと続きます。
1.日本では上映されることの少ない、アジア・アフリカ・中南米など欧米以外の国々の名作の紹介。
2.欧米の映画であっても、大手興行会社が取り上げない名作の上映。
3.映画史上の名作であっても、何らかの理由で日本で上映されなかったもの。またカットされ不完全なかたちで上映されたもの。
4.日本映画の名作を世に出す手伝い。
この4つの目標を掲げた『エキプ・ド・シネマ』は、1974年、インド映画『大樹のうた』の上映をきっかけに、ミニシアターとしての活動をスタートします。
その際、日本初の定員入替制を導入し、映画をじっくり鑑賞できる環境を整えました。また、パンフレットを作成したことにより、歴史・社会・経済の面からも多角的に作品を味わえるようになりました。
今や当たり前ですが、当時はとても斬新なことでした。率先して新しいことに取り組む姿勢は、まさにミニシアターの先駆けと呼ばれる所以ですね。
神保町駅直結の岩波ホール入口。
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神保町を語る上で、岩波ホールの存在は欠かせません。
私たちコンシェルジュが行っている神保町の街歩きツアーでも、過去に岩波ホールを大きく取り上げたことがあります。
2017年、当時開館50周年を迎えた岩波ホールを中心に、"映画"をテーマにしたツアー『映画の仲間(エキプ・ド・シネマ)のある風景』を開催しました。
当時の様子はこちらのちよぴたブログでご確認いただけます!
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岩波ホールで最後に上映される作品は、『歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡』。
イギリス人作家のブルース・チャトウィンが魅了された"ノマディズム(放浪)"を探求するため、ヴェルナー・ヘルツォーク監督が彼の歩いた道を辿るドキュメンタリー映画です。
この作品を合わせて、閉館までに65の国と地域の計274作品を上映します。支配人の岩波律子さん曰く、そのすべてが生きる力を与える作品とのことです。
最後まで目が離せませんね!
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連日、図書館を訪れる方から「岩波ホールの展示はどこですか?」の問い合わせが相次ぎ、岩波ホールの愛されぶりをひしひしと感じています。
みなさんもぜひ岩波ホールで映画を観て、その足で千代田図書館の展示にもお立ち寄りください。お待ちしております!
展示ウォール。
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岩波ホール
【場 所】千代田区神田神保町2-1 岩波神保町ビル10F
【上映作品】『歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡』
【上映期間】6月4日~7月29日
※最終上映作品終了の7月29日で閉館。
千代田図書館展示
『ありがとう岩波ホール第3部~エキプ・ド・シネマ②~』
【場 所】千代田図書館 地域連携コーナー
【期 間】6月27日~7月23日
『歴代上映作品 観客動員ベスト10』
【場 所】千代田図書館 第一展示ウォール
【期 間】6月27日~7月23日
Posted at:11:15