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6月17日(土曜日)、図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー
「『映画の仲間(エキプ・ド・シネマ)』のある風景」編 を開催しました!
かつて多くの映画館があった神田・御茶ノ水地域。
今回は「映画」をテーマに、第1部ではトークショーを
第2部では神保町の映画にまつわる場所や古書店を巡る街歩きを行いました。
トークショーのゲストは、来年で開館50周年をむかえる
岩波ホールの原田健秀さんです。
今回のツアータイトルになっている
『エキプ・ド・シネマ』(フランス語で“映画の仲間”の意味)は
世界の埋もれた名画を世に紹介する運動で、
その思いのもとに岩波ホールでは映画を上映しています。
そのきっかけとなった1974年の「大樹のうた」公開のエピソードや
いままでの上映作品のこと、岩波ホールの現在やこれからなど
たくさんのお話を聞くことができました。
「作品に対してどれだけ本気か」と原田さんはおっしゃいます。
1990年に上映した『サラーム・ボンベイ!』をめぐっては、当時の支配人
高野悦子さんと岩波ホールで上映することについて意見が対立、
1年半もお互いに意見を主張しあう、なんてこともあったそうです。
来年で定年を迎える原田さん。
最後の仕事は、思い入れのあるグルジアの作品でかざることになるようです。
「こんなに長く働けたのは、神保町の居心地がよかったから」
上限800円・期間は1週間、というルールで、
神保町で最高のしょうが焼きを探したりしたこともあるそうです。
映画も街も愛する原田さんでした。
第2部は街歩きです。
梅雨の季節で天気が心配されていましたが、
気持ちのよい天気のなかスタートしました!
千代田図書館を出発し、まずは古書店街をめざします。
「@ワンダー」「ヴィンテージ」「矢口書店」
「石田書房」「虔十書林」「一誠堂書店」・・・
神保町には映画関連の資料を扱う古書店がたくさんありますが、
今回は靖国通り沿いの「@ワンダー」に立ち寄りました。
ポスターやパンフレット、チラシなど映画関連の資料がたくさんならぶ
店内を自由に見学したあと、ふたたび古書店街をすすみます。
「矢口書店」の裏側のさくら通りには、かつて「東洋キネマ」がありました。
現在は住友商事神保町ビルが建っています。
すずらん通りへと続くさくら通りは、戦前はメインストリートとして
とてもにぎわっていたようです。
狭い路地に入ると、味わい深い喫茶店がたくさんあります。
「さぼうる」や「ラドリオ」はいろいろな映画やドラマの撮影で使われています。
ナポリタン、ウィンナーコーヒー・・・おすすめメニューはたくさんありますが
今回のツアーのテーマは「映画」です。
グルメはまた別の機会に★
岩波ホールのほかにもうひとつ、神保町にある映画館をご紹介しました。
開館10周年を迎える「神保町シアター」です。
こちらでは、昭和のなつかしい映画を中心に上映しています。
実際に、昭和のなつかしい映画のロケ地も歩きました。
「駿河台下交差点」は昭和38年公開の『伊豆の踊り子』に
「大屋書房」は「男はつらいよ」シリーズ第17作目『寅次郎夕焼け小焼け』に
登場しました。
ツアーのゴールは岩波ホール。
館内では原田さんが出迎えてくださいました。
ロビーの壁一面にはこれまで上映された映画のチラシが貼られています。
その壁を背に、原田さんは再び映画について語ってくださいました。
映画をとりまく環境は変化しています。
デジタル化が進み、またスマートフォンなどで
手軽に観られるようにもなりました。
その中で、“映画館の意味”を原田さんは問い続けています。
「映画は本来、暗闇で観るもの」
映画は暗闇という黒いキャンバスの上に描かれるもの、
という表現がとても印象的でした。
家でのんびりDVD鑑賞もいいですが、
たまには映画館のシートに座り、暗闇のなかに浮かびあがる
大きなスクリーンで映画を楽しんでみるのもいいですね♪
原田さん、岩波ホールのみなさん、ありがとうございました。
今回街歩きをしたのはこちらのコースです。(PDF:369kB)
このコースを参考に、ぜひオリジナルの街歩きルートも探してみてくださいね。
参加者のみなさん、おつかれさまでした。
Posted at:13:30