【レポート】東京家政学院中学校・高等学校の図書委員会を訪問しました!

7月8日(金曜日)、東京家政学院中学校・高等学校を千代田図書館の学校支援司書が訪問しました。今回は学校からご依頼いただき、図書委員会の中学1年生と高校1年生の皆さんへ「学校図書館の本の選び方」というテーマでレクチャーを行いました。

東京家政学院中学校・高等学校では、2学期に図書委員会による「選書ツアー」を予定しているとのこと。「選書ツアー」で購入した本は、それぞれの学年のフロアに置かれ"学年の本"として貸出を行い、学校図書館に所蔵されるそうです。

図書館にふさわしい本を選ぶときに心がけることは?本屋さんで自分のために買う本を選ぶ時との違いは?学校図書館の本を選ぶにあたって、生徒の皆さんへお話ししました。

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「これから、ある数字を書いていきます。この数字は何を表しているでしょう?」

そう言って司書がホワイトボードに書いたのは、「0,1,2,3,4...」と0~9までの数字の列。その下に「6,3,16,10,16...」と1桁または2桁の数字を10個。その下にまた「6,5,16,10,15...」と数字を10個。さらにその下に「7,7,16,12,14...」と数字を10個。ホワイトボードには、10個の数字でできた列が4つ書かれました。

勘のいい生徒は、ここで「0~9」が図書館の「分類」を表しているのに気がついたようです。では「6,3,16,10,16...」「6,5,16,10,15...」「7,7,16,12,14...」といったその下の数字の列は、何を表しているのでしょう?列に並んだ10個の数字を全部足すと、それぞれ「100」になるようですが...。

生徒の皆さんが考え込む様子を見て、司書がその列の先頭に「小」「中」「高」と1文字ずつ書きました。

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「これは、小学校・中学校・高等学校の学校図書館に必要な本の配分比率を"分類別"に表したものです」

公共図書館でも学校図書館でも、多くの図書館の本は日本十進分類法に基づき「0 総記」「1 哲学」「2 歴史」...といった"分類"ごとに分けられています。ここまでは、普段から図書館になじみのある図書委員会の皆さんもよく知っていること。しかし、0~9類には具体的にどんな本が分類されているのでしょうか?

「自分が好きな本を図書館で探す時、分類なんて気にしたことがないという生徒さんもいるかもしれません。でも、図書館の分類は"人生の扉"になってくれます」

「0 総記」「1 哲学」「2 歴史」と言われても、なかなかピンとこない図書館の分類。具体的にどんな本があり、中高生の皆さんにどんな関わりがあるかをお話ししました。その上で、小学校・中学校・高等学校と年齢が上がっていくにつれて、配分比率の変化に注目します。比率を見ると、小→中→高と一貫して増加するのが「1 哲学」と「8 言語」の本

「自分の内面を見つめる"哲学"の本と、グローバル化が進む社会に欠かせない"言語"の本は、中学・高校で読んでおきたい本としてぜひ覚えておいてください」と司書から生徒の皆さんに伝えました。

レクチャーの後半では「今まで見たことがなかった棚を見てみよう」と、実際に学校図書館を見て、生徒一人一人が気になった棚とそこにあった本について話し合いました。好きな本やいつも読む本と違い、これまで気にしたことがなかった棚になにがあるのか、見慣れた学校図書館を少し新鮮な目で見ることができたのではないでしょうか。

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最後に、司書から「良い図書館の棚は、見ているだけで社会のことがわかり、視野が広がるものです。ぜひ、分類ごとの棚の意味を考えながら、図書館の本を選んでみてください」とお伝えしてレクチャーは終了。

お話を聞いてくださった東京家政学院中学校・高等学校 図書委員会の皆さん、ありがとうございました!

Posted at:14:20