【MOFCAの庭からごきげんよう】死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由


千代田区障害者よろず相談MOFCAと連携し、おすすめの本をご紹介いただいている連載【MOFCAの庭からごきげんよう】。第6回目をお届けします。

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みなさまこんにちは、MOFCAスタッフのKです。

新年が明けて、あっという間に1か月が過ぎましたね。まだしばらくは寒い日が続きますが、健康に留意して元気に過ごしましょう。

さて、今回ご紹介する本は、西川 幹之佑(にしかわ みきのすけ)さん『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由 麹町中学校で工藤勇一先生から学んだこと』です。

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『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由 麹町中学校で工藤勇一先生から学んだこと』

西川 幹之佑/著

時事通信社

4代続けて東大卒という超名門家系に生まれたADHD(注意欠陥多動性障害)、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)傾向、LD(学習障害)の "うれしくないハイブリッドでできあがっている不良品の僕" である著者の西川さん。そんな彼が幼少期から抱えていた苦悩や、千代田区立麹町中学校で工藤勇一先生に出会い変わっていく過程、そして大学生となった現在までが当事者ならではのリアルな視点で書かれています。

タイトルは一見衝撃的ではありますが、そこにひるまず読んでいただきたいと思います。自身の「死にたい」という気持ちの意味を考え、「死にたいくらいつらい」に表現を変えていくことで行動や気持ちをコントロールできるようになる過程も詳細に記されています。
自身の経験や工夫からの様々なライフハックも紹介されていますが、決して押し付けがましいものではありません。自分の凸(得意分野)と凹(苦手分野)を理解したうえで、自分に合ったやり方を見つけることが大切だと結ばれています。

また、障害特性を十分に理解しているからこそ、紙の色やフォントなど細部にまで発達障害の方に配慮されて作られていることもこちらの本の特徴です。私自身、実際に配慮が必要な部分を直に感じることができて大変勉強になりました。

千代田区についての話題も随所に出てくるため、より身近に感じることができる内容となっております。発達障害の方やそのご家族はもちろんですが、障害の有無に関係なく様々な方に読んでいただきたい一冊です。発達障害に関する理解が深まるとともに、一人ひとりがもっと楽な気持ちで生きていくためのヒントを何かしらは得ることができるのではないかと思っています。

「千代田区障害者よろず相談MOFCA」では、発達障害に関することをはじめ、様々な悩み事の相談窓口としてご利用いただくことができます。障害の有無に関わらずご利用いただける、カフェのようなフリースペースもございます。どうぞ、どなた様もお気軽にお立ち寄りくださいませ。



MOFCAの連載【MOFCAの庭からごきげんよう】は、隔月の第2週目に更新します。

次回は4月です。どうぞお楽しみに!

Posted at:17:30