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2023.01.12
千代田図書館長の読書日記「今年最初に読みたい本」 |
新年ふたつ目の記事は、千代田図書館 小出元一館長による読書日記「今年最初に読みたい本」をお送りします。
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昨年2022年の7月8日に、アイルランド大使館の副代表が来館されました。アイルランド出身の小説家・詩人 ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』刊行100年を記念して、アイルランド大使館より千代田区立図書館へ『ユリシーズ』を寄贈していただきました。
ジェイムズ・ジョイス/著、丸谷 才一 永川 玲二 高松 雄一/訳
集英社
書名を知ってはいても読破された方は多くはないでしょう。長編かつ難解な内容ということで、Amazonの電子書籍リーダーkindleで「最も放棄される本」という栄誉に輝いたとか。
自慢ではありませんが、私は放棄していません。最初から読んでいないので。
読んでもいないのに他人にお薦めする訳にもいきませんが、新年にあたって「読破」を目指すのもありかもしれません。
さて、来館した大使館副代表と少しお話しさせていただいたのですが、その中で印象的だったのは、「アイルランドでは、どうして沢山の有名な文学作品が生まれるのでしょうか」という私の質問に対して「それはやはり歴史文化と風土でしょう」と即答された瞬間です。
何ていうこともない返答ですが、そう言い切れる自国への愛情と自信のようなものと同時に、どこか日本に通ずるかもしれないと感じさせてくれました。
ちなみに、アイルランドの有名な文学作品をいくつか挙げてみます。
ジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』、オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』、バーナード・ショーの『ビグマリオン』(映画「マイ・フェア・レディ」の原作)、サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』『モロイ』等々、まだまだあります。
オスカー・ワイルド/著、富士川 義之/訳
岩波書店
バーナード・ショー/著、小田島恒志/訳
光文社
サミュエル・ベケット/著、安堂 信也 高橋 康也/訳
白水社
この中から興味があれば1冊いかがですか。
あ、そう言えば忘れていました、ラフカディオ・ハーンもアイルランド出身です。小泉八雲ですね。
2023年元旦
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小出館長より、"アイルランド"をキーワードに「今年最初に読みたい本」をお届けしました。
大作の文学作品を読み始めたり、作家同士のつながりを調べながら読書の幅を広げたりといった新たな挑戦に取り掛かれるのも年始ならでは。皆さんの「今年最初に読みたい本」はお決まりですか?
ぜひ、今年も千代田図書館に足をお運びください。
Posted at:10:00