お茶の水小学校:夏目漱石暗唱コンテスト

12月9日は、文豪・夏目漱石の命日です。 

漱石の母校であるお茶の水小学校(※)では、

毎年秋の読書週間に全校での取り組みとして

「夏目漱石暗唱コンテスト」が実施されています。

 

※お茶の水小学校は、漱石が通った錦華小学校と、小川小学校、

西神田小学校の3校によって1993年に創立されました。

 

▲小学校の正門横に記念碑があります。

 

コンテストの内容は、漱石作品の冒頭部分を暗唱する

というもので、課題作品は、以下の通り。

 低学年「坊っちゃん」 

 中学年「吾輩は猫である」 

 高学年「草枕」

主に休み時間や、家庭で練習をし、担任や図書委員が

暗唱を聞いたり、アドバイスをしたりするのだそうです。

 

今回は「坊っちゃん」に取り組み真っ最中の

1年生のクラスにお邪魔をしてきました。

 

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日時 11月2日(火)第5校時

先生 第1学年2組担任 林奈緒美先生

単元 たのしみながらよもう「ぼっちゃん」

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声がよく出るように、準備体操から~♪

▲首を回したり手をグーパーしたり・・・

 

準備体操が終わると、みんなは目を閉じて、

先生が音読するのを静かに聞きます。

集中力が高まったところで、起立!

みんなで声を合わせて大きな声で読みます。

この段階ではまだテキストを見てもいいのですが

ほとんどの児童はもう何も見なくてもすらすらと

暗唱しているので、びっくりしました!!

 

▲みんな、姿勢もいいですね。

 

今回の授業では、課題となっている冒頭部分を3分割し、

3人組で練習・発表をします。

今回の目標は、

●大きな声で、はっきりと、つかえずに、暗唱をすること

●友達が発表をしているときは静かに聞くこと

 

忘れた友達がいたら、こっそり教えてあげようね。

 

先生が3分割した内容に合わせて作成したイラストが

画面に映し出されます。画面に合わせて読みました。

1)

2)

3) 

 

友達の発表を聞いたら「みんなのがんばりカード」で

花マル、二重マル、マルの3段階で評価をします。

 

シートに色塗りをするために、他の友達の発表も

みんなしっかり聞いています。

途中で忘れてしまった友達に、みんながヒソヒソ声で

教えてあげる姿は、とても微笑ましい光景でした。

 

最後に先生から「坊っちゃん」について、坊っちゃんが

学校の先生になったことなど、その後の物語が部分的に

紹介されました。

あと何年かして、このような文学作品を1冊丸ごと読めるようになった

ときには、ぜひ「坊っちゃん」も手にとって続きが読めるといいですね。

 

先生の話によると、課題作品を渡して1週間もたたないうちに

児童はスラスラと暗唱するようになったとのこと。

子どもたちの才能って、本当にすごいですね!

中には「お兄ちゃんがうちでやってたから、もう知ってた。」

「(課題作品を)3つとも全部覚えたよ。」と言う児童も。

家庭で取り組むことにより、兄弟姉妹間でも良い刺激に

なっている様子が伺えました。

 

私も、子どもたちの抑揚たっぷりの暗唱を繰り返し

聞かせていただいたおかげで、冒頭部分が頭に残り、

久しぶりに「坊っちゃん」を読みたくなりました。

皆さんも、この機に漱石作品を読み直してみてはいかがでしょう。 

 

Posted at:17:10