小学生から鰻屋までが通う「大屋書房」

千代田図書館には、神保町の様々な古書店が各店自慢の

貴重資料を展示する、月替わりの出張古書店コーナー

「としょかんのこしょてん」があります。

 

4月27日(火)まで、

vol.35「江戸の小説 草双紙の変遷と読本

~木版摺の挿絵や表紙に注目して~」を開催中です。 

  

 

今回の担当書店「大屋書房」にお邪魔してきました。

靖国通り沿い、駿河台下交差点へ曲がる角にあります。

 

通りに面したショーウィンドウに早速気になる商品が・・・

「水木しげる ちりめん絵葉書(10枚)」¥3,150-他

 

ガラス扉の入口。1882年(明15)創業の老舗が醸し出す雰囲気に

入りにくい印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、

ぜひ、勇気を出して扉を開けてみてください。

(机の配置も何もかも、昔からそのまま!だそうです。)

 

そこには・・・

中を見てみたい!紙好きにはたまらない!和本や、

 

きれい!飾りたい!浮世絵や古地図が本当にたくさんありました。

 

大屋書房の初代店主・纐纈(こうけつ)房太郎さんは、

現3代目店主・公夫さんの祖父にあたり、出版も手がけていた

ので、大屋書房発行の本も色々と見せていただきました。

房太郎さんは、交友関係も大変広かったようで、

「江戸研究会」の名で出した本『大江戸』(大正弐年)には、

岡本綺堂、上田萬年などの著名人をはじめとする数多の

執筆陣が名を連ねています。

そうしたお客さんの中から、和本を取り扱ってほしいという

声が多かったこともあり、現在に至るようです。

 

浮世絵は、有名な作家のものでも、大きさによっては

なんと5千円くらいから購入できます。

もっとずっと高いものだと思っていました!

 

誰某の何々・・という知識やお目当てがなくても、

鰻屋さんは、店に飾るために「鰻」が描かれている浮世絵を、

学校の先生は生徒に「本物」を見せるために・・など

様々な切り口から楽しむことができるのですね。

小学生の頃から店に通い続け、今は大学で彫りを学んでいる

というお客さんもいるそうです。

 

たとえば着物好きの友人に、美しい着物姿が描かれている

浮世絵を、紙好きの友人に和本をプレゼントしてみる、

なんていかがでしょうか?

 

なにより、この店の魅力は3代目店主の公夫さん、

4代目・久里さんの人柄の良さと江戸文化への思い。

とても気さくで、親身になって色々と教えて下さいますよ。

 

★おすすめ! 『妖怪カタログ』 ¥1,500-

和本の面白さをもっとたくさんの人に知ってほしい!との

思いで作られた目録。

 

★ルイ・ヴィトンの東京ガイド、ミシュランの日本ガイドでも

 紹介されている。

 

 

★入ってすぐ右手には、掘り出し物コーナー。

Posted at:16:50