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2010.10.26
書評家・豊崎由美さんがおすすめの本 |
去る10/19(火)に千代田図書館9階のオープンスペースで
「本と出会う 読書サロン 公開サロン」を開催しました。
「本と出会う 読書サロン」は、昨年秋にメンバーを募集し、
JPIC読書アドバイザークラブの運営で月1回のペースで活動してきました。
毎月異なるテーマに沿って、参加者各自がおすすめの本や気になる本を
持ち寄り、ざっくばらんに紹介しあう、本を通じた交流の場です。
今月より新たに第2期をスタートさせることとなり、
新規メンバー募集をかねて、
この公開サロン講演会を開催する運びとなりました。
講師は、書評家の豊崎由美さん。
本の選び方や楽しみ方などについて、とても楽しく、タメになる話を
していただきました。メモをする手が止まりませんでした!
▲講師の豊崎由美さん。次から次へと話題は尽きません。
幼い頃は体が弱く、4、5歳位から本を読んでいるという豊崎さん。
長靴下のピッピと一緒に冒険したり、名探偵になったり、と
自分が檻の中から少しだけ出られるような気がして、とにかく
本ばかり読んでいたそうです。
本を選ぶというよりは、本に選ばれる自分でありたい
とおっしゃっていたのが印象的でした。
面白くない本、理解できない本に出会っても、それは本が悪い
のではなく、自分が悪いんだと思うようにしているそうです。
そうした本も捨てたり売ったりせずに、本棚に残しておいて、
たびたび、恐る恐る手にとりながら、数年後、おもしろい!と
思えたときの快感、喜びはひとしおだとか。なるほど。
豊崎さんは、本を読むのはとても遅い、とおっしゃっていましたが、
読んでいる数は相当な量のはず。
書評を書く上で「忘れない」ようにするための読み方、についても
付箋を使った具体的な方法などを教えてくださいました。
また、「おもしろそうだな」と思ったら何でも読む<雑読>が
おすすめとのことですよ。
本の「星座」をつくる、という読書の広げ方も紹介されました。
起点となる本を1つ選んで、そこから、作家や訳者つながり、
その本の作家が好きな作家・本、関連作家・本、同じ賞をとった本、、、
などと関連する本を星座をつくるように結んでいきます。
読書遍歴が俯瞰できるし、色んなつながりが見えてきて楽しそうです!
眠れない夜にもおすすめだそうですよ。
いろんなジャンルの本や作家に出会える本として、以下の本を
ご紹介いただきました。登場する本が読みたくなる!そうです。
『やんごとなき読者』
著者 アラン・ベネット
訳者 市川恵里
出版社 白水社(2009年)
もしエリザベス女王が読書に夢中になったら・・・という仮定に基づく架空の話。読書を通じて、エリザベス女王が君主としても成長していくという話。
『読んでいない本について堂々と語る方法』
著者 ピエール・バイヤール
訳者 大浦康介
出版社 筑摩書房(2008年)
豊崎さん曰く、この本に出てくる本は読みたくなってしまう!そうです。
本を読むことで、色んな立場に出会い、
色んな角度からものを見て考えるクセがつく。
人の立場になって想像する力がつく。
読書の「効能」を改めて聞くことができ、
やっぱり本を読むっていいなぁ。もっと読みたいなと思いました。
みなさんも、<読書の秋>をお楽しみくださいね♪
Posted at:14:55