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2012.02.09
レポート:第3回 読み聞かせスキルアップ講座―① |
2/4(土)に千代田区読書振興センターが主催する
「第3回 読み聞かせスキルアップ講座(全4回)」が
千代田図書館でスタートしました。
連続4回講座の初回にあたる今回のみ、
講師に片岡輝(かたおか・ひかる)先生を迎え、
「愛の贈り物としての読み聞かせ
―幼児期の発達と読み聞かせ」
と題し、公開の講演会を開催しました。
冒頭で片岡先生から
「子ども達に何を手渡したいですか?」
「それはどのような方法で?」
と受講者へ問いかけがありました。
受講されたみなさんもそれぞれ、
心にいろいろなものを思い浮かべたと思います。
…愛、財産、教育、生活の知恵、文化、先祖伝来のもの etc
…日々の触れ合い、自然とのふれあい、言葉かけ、躾、
季節の行事によって etc…
片岡先生は、絵本にはさまざまな作者の愛(価値観やメッセージ)
が秘められていて、周囲の大人による、
それらを理解し共感した読み聞かせは、
未来を生きる子どもへの贈り物(愛のメッセージ)になる、
とお話がありました。
講演会は、先生が絵本を1冊1冊、実際に読みながら、
その本に込められているメッセージやテーマを
解説して進んでいきました。
時に幼児期の成長過程の特徴や、
時に心理学者の説などを交えてのお話は、
とてもわかりやすかったです。
・・・・・・今回紹介のあった本(一部)・・・・・・・
●ラッセル/リリアン・ホーバン「フランシスシリーズ」
『フランシスのいえで』
『おやすみなさい フランシス』
ともに まつおかきょうこ/訳 好学社/刊
親子の向かい合い方、の参考になる本。
“お父さん、お母さんの参考書”だそうです。
フランシスのお父さんとお母さんの会話にも注目!
決してダメとは言わない。
一旦ゆったりと受け止める≪受容≫姿勢に、
親側の包容力と子どもへの愛情が伝わってきます。
●モーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』
じんぐうてるお/訳 冨山房/刊
≪ファンタジー≫が子どもにとってなぜ大切か。
読んで“帰ってくる” ことにより、
子どもは自分を違う世界で開放して、
現実を生き直す力につなげることができる、とも。
絵本の解説の後には、絵本の選び方や、
絵本との出会わせ方(出会いのドラマの演出)も重要、
というお話があり、
受講生のみなさんも熱心に聞き入ってました。
本選びには、身近な新聞等の書評もとても役立つそうです。
先生が書評で見つけた、最近のお気に入りの本↓
●『蝶の目と草はらの秘密』
ジョイス・シドマン/文、べス・クロムス/絵 冨山房/刊
片岡先生の優しく穏やかな語り口と、惹きつけられるお話に、
改めて、読み聞かせの原点(=子どもへの愛の贈り物)を
感じてくださった方も多かったようです。
知っていた絵本にも、色々な気づきや新たな発見があり、
講義終了後は、紹介された本を借りていく方の姿も見られました。
さて、読み聞かせスキルアップ講座は、
次回3/3(土)から、最終回3/24(土)の“おはなし会(発表会)”に向けて
いよいよ実践編に移っていきます。
この続きは、またブログでレポートしますので、どうぞお楽しみに。
Posted at:15:00