レポート:童話作家・立原えりかさんの講演

去る6月4日(月)に千代田図書館9階のオープンスペースで、

「本と出会う 読書サロン」第4期新規メンバーの募集をかねて

オープニングイベントを開催しました。

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講師は童話作家の立原えりかさん

アンデルセンに憧れて童話作家になったという立原さんの講演は、

物語についてだけでなく、アンデルセンの生涯や

同時期の作家に関するお話など

幅広い内容で大変興味深いものでした。

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アンデルセンといえば誰もが知ってる童話作家ですが、

彼がどのような人生を歩んできたのかは

知らない人がほとんどなのではないでしょうか。

講演はアンデルセンの幼少期のお話から始まりました。

 

父親は靴の修繕屋、母親は洗濯婦をしており、

生活は貧しくその日暮らしをしていたそうです。

しかし、アンデルセンには夢がありました。

童話作家…ではなく、なんと役者になりたかったのだそうです。

夢を叶えるべく、14~15歳のアンデルセンは

ひとりでコペンハーゲンに向かいますが、

声変わりが始まり役者を諦めます。

収入が少なく、苦しい暮らしを続けていたのですが、

人徳か熱意によるものか、彼を支援してくれる人々に恵まれ、

教養を身につけることができたそうです。

その後、徐々に文才をあらわし、作家として認められていきました。

 

数多くの名作童話を残しているのは、彼の才能によることと同時に、

貧しさや様々な困難にもめげずに挑戦を続けた努力の結果だということが

立原さんのお話から知ることができました。

アンデルセンの生涯に興味を持った方は、

立原えりかさん監修による本を読んでみてはいかがでしょうか。

 

『ハンス・クリスチャン・アンデルセン 哀しき道化』

[出版社 愛育社]

著:アリソン・プリンス 訳:黒田俊也 監修:立原えりか

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また、童話の楽しみ方や選び方についてもお話しいただきました。

「同じ物語でも、挿絵によって随分と印象が変わるのですよ。」と、

本を手に取って比べて見せてくださいました。

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なるほど、挿絵によって雰囲気や心に残る場面が変わります。

アンデルセンの童話集も様々なものが出版されています。

ご紹介いただいたこちらの本は、

カバーデザインも美しく、童話の世界により深く浸ることができそうです。

立原さんの解説付きなので、物語の背景も知ることができます。

 

『豪華愛蔵版アンデルセン 童話名作集』

[出版社 静山社]

挿画:V.ペーダセン 訳:矢崎源九郎 編・解説:立原えりか

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立原さんのお話からアンデルセンの人物像を知り、

その上で、童話を久しぶりに読み返してみると

子どもの頃とはまた違った感動を得ることができました。

アンデルセンの童話には、

人生経験を積んだ大人だからこそ味わえる世界があります。

立原先生、素晴らしい講演をありがとうございました。

Posted at:09:00