カテゴリー
アーカイブ
最近の記事
2014.02.10
世界の美しい本に出会う「世界のブックデザイン 2012-13」展 |
文京区にある印刷博物館 P&Pギャラリーで
3月2日(日)まで「世界のブックデザイン 2012-13」展が開催されています。
2008年から毎年開催されているこの展覧会では、
毎年3月にドイツのライプツィヒで開催される
「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書をはじめ
日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国に
今年初めて紹介されるベルギーを加えた8か国のコンクールで入賞した
優れたデザインの書籍およそ200冊が展示されています。
(入選図書は、発行部数が少ないなどの理由で
入手困難な本があるため、入賞作すべての展示ではありません。)
展示されている本は実際に手に取って、楽しむことができます。
会場内にはイスも用意されており、来場者は皆じっくりと本に見入っていました。
中でも目を引くのは、やはり「世界で最も美しい本コンクール」で
入選した14冊の本。
2013年の金賞を受賞したオランダの写真集
『Cettemontagnec’estmoi(この山、それは私です)』
(Witho Worms/写真 Hans Gremmen/デザイン Fw:Books/発行)
一見するとシンプルな山の写真集なのですが
この本、なんと黒い用紙に灰色・黒のインクで
写真や文字の全てが印刷されています!
目を凝らして山の写真を見ていると、黒とグレーの静かな世界に
引き込まれそう…。
2013年の「世界で最も美しい本コンクール」では、
5年ぶりに日本の本も入選を果たしました。
銀賞に選ばれた『魯迅の言葉』です。
(魯迅/著 中村愿/監訳 原研哉・程藜/装丁)
この本は日本と中国で共同制作され、日本版は深紅、中国版は白い装丁で
それぞれの国で出版されました。(写真は平凡社が出版した日本版)
日本のコーナーより、第47回造本装幀コンクールで
文部科学大臣賞を受賞した『われた魯山人』
(前田義子/著 MOMENT(渡部智宏、平綿久晃)/デザイン
フォクシー/発行)
本を包むカバーに隠された、驚きのしかけは…?
ぜひ実際に手に取ってご覧ください!
昨年、千代田図書館での挿絵のイラスト展が好評だった
『絵本 化鳥』も日本の入賞作として展示されていました!(写真左)
各国の展示のほか、会場には凸版印刷(株)が近年刊行した写真集から
とくに製版、印刷にこだわったものを紹介する
「印刷の技」コーナーもあります。
写真家やブックデザイナーのリクエストに応える
高い印刷技術を、ルーペを使って細部まで見ることができます。
8か国のコンクールで選ばれて、会場に展示されている本は
アートブックや写真集など、図版中心の本に限らず
小説や絵本、学術的な専門書までさまざまで
“本”というものの多様性を改めて実感させられます。
世界の印刷・装丁のさまざまな技術に驚きながら、自分の手に取って
ゆっくりと眺められる貴重な機会です。足を運んでみてはいかがでしょうか?
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
「世界のブックデザイン 2012-13」展
【会 場】 印刷博物館 P&Pギャラリー
(文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビル内)
【時 間】 10:00~18:00
【期 間】 開催中~3月2日(日)
【休館日】 毎週月曜日
【入場料】 無料
(印刷博物館本展示場に入場の際は入場料が必要)
詳しくは→コチラ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
Posted at:09:00