世界の美しい本に出会う「世界のブックデザイン 2012-13」展

文京区にある印刷博物館 P&Pギャラリー

3月2日(日)まで「世界のブックデザイン 2012-13」展が開催されています。

 

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2008年から毎年開催されているこの展覧会では、

毎年3月にドイツのライプツィヒで開催される

「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書をはじめ

日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国

今年初めて紹介されるベルギーを加えた8か国のコンクールで入賞した

優れたデザインの書籍およそ200が展示されています。

(入選図書は、発行部数が少ないなどの理由で

入手困難な本があるため、入賞作すべての展示ではありません。)

 

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展示されている本は実際に手に取って、楽しむことができます。

会場内にはイスも用意されており、来場者は皆じっくりと本に見入っていました。

 

中でも目を引くのは、やはり「世界で最も美しい本コンクール」で

入選した14冊の本。

 

2013年の金賞を受賞したオランダの写真集

『Cettemontagnec’estmoi(この山、それは私です)』

(Witho Worms/写真 Hans Gremmen/デザイン Fw:Books/発行)

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一見するとシンプルな山の写真集なのですが

この本、なんと黒い用紙に灰色・黒のインクで

写真や文字の全てが印刷されています!

目を凝らして山の写真を見ていると、黒とグレーの静かな世界に

引き込まれそう…。

 

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2013年の「世界で最も美しい本コンクール」では、

5年ぶりに日本の本も入選を果たしました。

銀賞に選ばれた『魯迅の言葉』です。

(魯迅/著 中村愿/監訳 原研哉・程藜/装丁)

この本は日本と中国で共同制作され、日本版は深紅、中国版は白い装丁で

それぞれの国で出版されました。(写真は平凡社が出版した日本版)

 

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日本のコーナーより、第47回造本装幀コンクールで

文部科学大臣賞を受賞した『われた魯山人』

(前田義子/著 MOMENT(渡部智宏、平綿久晃)/デザイン

フォクシー/発行)

本を包むカバーに隠された、驚きのしかけは…?

ぜひ実際に手に取ってご覧ください!

 

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昨年、千代田図書館での挿絵のイラスト展が好評だった

『絵本 化鳥』も日本の入賞作として展示されていました!(写真左)

 

各国の展示のほか、会場には凸版印刷(株)が近年刊行した写真集から

とくに製版、印刷にこだわったものを紹介する

「印刷の技」コーナーもあります。

写真家やブックデザイナーのリクエストに応える

高い印刷技術を、ルーペを使って細部まで見ることができます。

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8か国のコンクールで選ばれて、会場に展示されている本は

アートブック写真集など、図版中心の本に限らず

小説絵本学術的な専門書までさまざまで

“本”というものの多様性を改めて実感させられます。

世界の印刷・装丁のさまざまな技術に驚きながら、自分の手に取って

ゆっくりと眺められる貴重な機会です。足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

「世界のブックデザイン 2012-13」展

【会 場】 印刷博物館 P&Pギャラリー

      (文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビル内)

【時 間】 10:00~18:00

【期 間】 開催中~3月2日(日)

【休館日】 毎週月曜日

【入場料】 無料

(印刷博物館本展示場に入場の際は入場料が必要)

詳しくは→コチラ

Posted at:09:00