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2014.06.30
コンシェルジュツアー"紙のまち神保町"編を開催しました! |
6月28日(土)
「図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー“紙のまち神保町”編」
を開催しました!
恒例のコンシェルジュツアー。今回は、本に欠かせない
「紙」をテーマに、本づくりに関する講演の後
神保町の紙の専門店、文具店などの数々を巡りました。
まずは、千代田図書館内で
烏有書林の上田宙(うえだ・ひろし)さんによる
「紙と印刷の魅力あふれる本づくり」と題したトークです。
昨年出版した『高岡重蔵 活版習作集』が
竹尾賞・審査員特別賞と造本装幀コンクール・日本印刷産業連合会会長賞を
ダブル受賞するなど、印刷の豊富な知識を活かした
タイポグラフィ書や文芸書の出版で注目を集める上田さん。
私たちの身の回りにあふれる様々な印刷の種類やその方法について
解説していただいた後、話は烏有書林の本づくりへ。
「ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学」を
コンセプトに刊行している“日本語の醍醐味”シリーズの本には
「ページ数が多くなりがちなので薄い紙を選びました。
電車の中で立ちながらでも読めるように」という気配りが。
そして、93歳現役(!)の欧文組版工、高岡重蔵さんの
『活版習作集』では、著者の話を録音、書き起こしから手がけ
美しい図版の魅力が最大限に引き立つ紙・印刷方法の選択やページ組みなど
すべてに心血を注いだ本づくりの舞台裏をお聞きすることができました。
「本は、著者の原稿ができた時点で8割完成です。残りの2割が
装丁や紙選び、構成といった本づくりの仕事です。
めくった時の感触や、読後の余韻を楽しめるページの組みかたなど
この2割でどうやって“本を読む体験”を演出するか、というのが
印刷物ならではの、紙の本がもつ可能性だと思います」と上田さん。
千代田図書館の本からおすすめ本をご紹介いただいたほか、
手に取って見られる資料や道具などもたくさん見せてくださいました!
参加者の質問にも丁寧にお答えいただき、あっという間の1時間でした。
上田さんのトークの後は、いよいよツアーへ出発!
運よく雨があがった神保町古書店街の街並みを楽しみながら
まずは美術絵はがきギャラリー 京都便利堂へ立ち寄らせていただきました。
美しいコロタイプ印刷の絵はがきをはじめ、
全国の美術館や四季折々の絵はがきがずらりと並ぶ店内。
短い時間でしたが、お買い物を楽しむ参加者も。
次に本と街の案内所、三省堂書店の神保町いちのいちなどに
立ち寄りながら古書店街を進んでいきます。
読書グッズやレターセットが揃うおしゃれなお店あり
古書店の店先には古地図や浮世絵あり…という
本だけではない“紙のまち”神保町の魅力をお伝えしました♪
そして、本日の最終目的地竹尾見本帖本店に到着。
2400種類の紙を購入することのできる1階の紙のショールームや
「第10回 竹尾賞」展で『高岡重蔵 活版習作集』も展示中の
2階ギャラリーを見せていただき、本日のツアーは終了しました。
※本イベントのためにご厚意で、特別に開けていただきましたが
通常、土日・祝日は営業していません。
上田さん、立ち寄らせていただいたお店の方々、
そしてご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
Posted at:14:00