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2015.12.21
コンシェルジュ通信Vol.8:ひらめきを生む「HASSO CAFFÈ」 |
今年5月、神田錦町の「テラススクエア」にオープンした
「HASSO CAFFÈ with PRONTO」。
広告会社の博報堂が、カフェなどを展開するプロントコーポレーションと
コラボレーションした新しいカフェです。
神保町の古書店と連携した展示をしている、と聞いて訪ねてみました。
テラススクエアの一部には、かつてこの場所にあった
博報堂旧本館が復元されています。
厳かな入口からカフェに入ると、真っ白な壁とカラフルな棚が目に飛び込んできます。
「さまざまな刺激が交差し出会うことで発想が生まれる」という考え方のもと、
店内には「さすが博報堂」と思わせる
アイデアをひらめくための3つの発想装置が仕掛けられていました。
3つの発想装置の1つ目が「発想の壁」。
「一見すると関連性がないようなモノ・コトも
俯瞰してみるとモノガタリがみえてくる」
というコンセプトの展示スペースです。
現在は、「熟成本」の展示をしています。
「熟成本」とは、展示担当者さんと古書店主さんが造った言葉で、
「時代を超えても変わらない価値があって、
この時代にこそ手にとってほしい、いま読みごろの古書」
のことだそうです。
棚に並んでいたのは、ぜんぶで30種類の色とりどりのポストカード。
1枚につき1冊の「熟成本」が紹介されています。
神田古書店連盟に加盟している古書店のなかから、ジャンルの異なる10店が、
それぞれ3冊ずつ選んでいるそうです。
展示されているポストカードには、
生肉やチーズなど熟成すると美味しさが増す食品と、
鉄やガラスなど無機質を掛け合わせた写真、
そして、「熟成本」から抜き出した「発想」をテーマにした一文が
デザインされています。
カードの裏面には、「熟成年数」が記されています。
「熟成年数」とは、発行日から2015年現在までの年数のようです。
自分にとって読みごろなのは、熟成何年目の本でしょうか?!
店内に目線を移すと、テーブルが、入口から出口まで一連なりに長くつながっています。
3つの発想装置の2つ目、「発想の卓」です。
人から人へと無意識のうちに発想が連鎖するように、デザインされたそうです。
向かい合っている席は、「知らない人と対面すると緊張しそう」とどきどきしましたが、
実際に座ってみると、そのような心配はありません。
対面の人と会話しやすく、1人でも集中しやすい、
絶妙なテーブルの幅が計算されているそうです。
カフェの窓辺には、本が並んでいます。
この窓は、3つ目の発想装置「発想の窓」。
神田古書店連盟が推薦する5つの古書店が、「ひらめきを生む本」をテーマに、
各店の商品である古書のなかからそれぞれ3冊ずつ紹介しています。
担当の古書店、本は定期的に変更され、現在は2回目の展示とのこと。
たとえば、
植物や動物の本を専門とする鳥海書房は、
手で彩色された銅版画の植物画雑誌から一葉を額に入れたものや、
クジラ、イルカと人間の関わりを美しい写真やイラストで紹介している本。
洋書を専門とする小川図書は、
45~76年前のアメリカのグラフ雑誌や、ファッション雑誌。
展示するための本ということで、
「サイズの大きい本のほうが、目立つのでは?」
「写真やイラストなどで、カラフルな見た目の本が目を惹くのでは?」
など、古書店の方々も、テーマからさまざまに発想して本を選ばれたそうです。
窓は、カフェの中と、外界である街をむすぶ役割があるとのことです。
1人で考えたり、仲間と話し合ったら、窓の外を眺めて気分転換。
そんなひとときに、また新しいひらめきが生まれるかもしれません。
HASSO CAFFÈを考えた博報堂では、
かつて、朝に社員同士でお茶を飲みながら談笑する習慣があったそうです。
話題はビジネスに限らず、昨日見たテレビのことや
身の回りのできごとなど、他愛もないことでした。
いつのまにか、この習慣はなくなってしまったそうですが、
この時間こそ、「ひらめき」を生む時間だったのかもしれません。
「オフィスを離れて、仲間と話し合ったり、自分の考えと向き合える
解放感のある空間があったら良いのでは……」
近隣で働く人々が利用しやすいよう、そんな思いもこめられているそうです。
この日も一人でノートパソコンを使用したり、2~3人で話し合う
ビジネスパーソンが多く訪れていました。
カフェのもう一つの出入口は、神田神保町の方角にあります。
HASSO CAFFÈでひらめいたアイデアを携えて、
古書店街に出かけてみるのもよいかもしれません。
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HASSO CAFFÈ with PRONTO
【所在地】 神田錦町3-22 テラススクエア1F
【営業時間】 平 日:午前7時~午後11時(午後10時半 L.O)
土日祝:午前10時~午後6時(午後5時半 L.O)
詳しくは→コチラ
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Posted at:10:20