インターメディアテク特別展示「雲の伯爵――富士山と向き合う阿部正直」

今回は、千代田区丸の内のKITTE 2・3階にある

JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」

現在開催中の特別展示をご紹介します。

 

旧東京中央郵便局舎をミュージアムスペースに改装し、

2013年に誕生したインターメディアテクでは

日本郵便株式会社東京大学産学協働プロジェクトとして、

東京大学が所蔵する貴重な学術標本の展示や

ワークショップ、セミナーなどを開催しています。

 

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インターメディアテク特別展示『雲の伯爵―富士山と向き合う阿部正直』展示風景

© インターメディアテク 空間・展示デザイン © UMUT works 2013-

 

東京大学が長い時間をかけて蓄積した

「学術文化財」と呼ぶにふさわしい学術標本や研究資料の数々はもちろん、

展示に使われている、帝国大学時代のクラシカルで重厚な

展示ケースやキャビネットまで、空間まるごと楽しめるミュージアムです。

 

 

現在開催中の特別展示「雲の伯爵――富士山と向き合う阿部正直」では、

徳川幕府で老中職を担った武家の名門、阿部家の第11代当主

阿部正直(1891-1966年)による雲に関する研究の業績と、

その膨大な記録を紹介しています。

 

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インターメディアテク特別展示『雲の伯爵―富士山と向き合う阿部正直』展示風景

© インターメディアテク 空間・展示デザイン © UMUT works 2013-

 

富士山に生じる山雲と気流を観測することを目的に

1927(昭和2)年、富士山麓の御殿場の高台に

「阿部雲気流研究所」を創設した“雲の伯爵”阿部正直。

幼少期に「活動写真」(キネマトグラフ)の国内初上映の場に立ちあって以来

変わりゆくものを記録する画像・映像の魅力に取りつかれ、

コマ落とし撮影や立体映画撮影といった、映画の手法を応用した

気象現象の記録採取に情熱を傾けました。

 

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インターメディアテク特別展示『雲の伯爵―富士山と向き合う阿部正直』展示風景

© インターメディアテク 空間・展示デザイン © UMUT works 2013-

 

観測記録機器の考案、研究にも熱心だったという阿部正直。

「富士山と雲」の大判ヴィンテージ・プリントをはじめとする白黒写真の数々は、

戦前の富士山のすがたをとらえた貴重な写真芸術品としても

現代の私たちに鮮烈な驚きを与えてくれます。

 

空を見上げれば梅雨空ばかりの今日このごろですが、この展示を通じて

80~90年前の空と雄大な富士山のすがたに思いを馳せてみませんか?

この機会に、ぜひご覧ください!

 

特別展示「雲の伯爵――富士山と向き合う阿部正直」

【所在地】 千代田区丸の内2-7-2 KITTE2・3階

【会 期】 開催中

      (終了時期についてはウェブサイトをご参照ください)

【時 間】 午前11時~午後6時(金・土は午後8時まで開館)

      入館は閉館時間の 30 分前まで

【入館料】 無料

【休館日】 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)

【主 催】 東京大学総合研究博物館

【協 力】 社団法人「蟲喰鷹ノ羽」、御殿場市教育委員会、

      ヘルムート・ヴェルター

Posted at:13:00