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2018.03.08
コンシェルジュ通信Vol.35:千秋文庫でみる「城絵図と町絵図」 |
今年は「明治150年」で盛り上がっていますね。
大河ドラマ「西郷どん」も放送中ですが、
西郷隆盛が後に関わる江戸城明け渡しからも今年で150年です。
今から150年前までは、まだ江戸時代だったのです。
千代田図書館の目の前も江戸城の一部でした。
この江戸城の絵図や、江戸の町絵図がご覧いただける場所が
千代田図書館のすぐそばにあります。
図書館から歩いて約10分、千鳥ヶ淵の西側、
内堀通り沿いにある「千秋(せんしゅう)文庫」です。
千秋文庫は、旧秋田藩主、佐竹家に伝わる数多くの
貴重な文化資料を集めた博物館です。
館名の「千秋」とは、秋田市内にある佐竹家の居城であった久保田城が、
現在「千秋公園」と名づけられていることに由来しているそうです。
現在の場所に佐竹家34代当主、佐竹義春侯爵の別邸が
あったことから、この地に千秋文庫が建てられました。
実際のお邸は、隣の旧九段坂病院などを含む広さがあったようです。
こちらでは古文書・古記録、古地図、模写絵画や古戦場図のほかに
歴代藩主の花押(かおう、サインのようなもの)や
印章(下写真)なども所蔵しています。
創設者の小林昌治(しょうじ)は、佐竹義春侯爵の家令職を勤め、
太平洋戦争の最中、所蔵する大部分の資料を
文化財として保存するよう、義春侯より依頼されました。
空襲の心配がある中での、資料の保管や移動には
並々ならぬ苦労があったようです。
当時の様子は、1階のビデオコーナー
「昭和56年 千秋文庫開館当時 創設者 小林昌治インタビュー」
で語られています。
ここからは4月7日まで開催中の企画展「城絵図と町絵図」をご紹介します。
1階では、江戸城や秋田城、その他の地域の城絵図や
大名屋敷の庭園図などを中心に展示しています。
江戸城絵図(左下写真)は色鮮やかで、
外桜田や北桔橋(きたはねばし)の文字も見えます。
また出羽国秋田城絵図(右下写真)をはじめ、会津城、仙台城、南部城(盛岡城)などの
東北地方の城絵図が展示されていますので、見比べてみるのも面白いかもしれません。
2階では、江戸各地の町絵図や江戸名所図会(えどめいしょずえ)(左下写真)、
歌川広重の『名所江戸百景』(平成初摺り復刻出版)(右下写真)などを展示しており、
当時の町人の暮らしぶりを垣間見ることができます。
鮮やかな色使いが目を引く江戸切絵図(下写真)は
『尾張屋板切絵図』(おわりやばんきりえず)です。
元々錦絵などを商っていた「尾張屋」の切絵図は、その鮮やかな色彩が人気でした。
150年以上経った現在も鮮やかさを保っています。
切絵図は参勤交代で江戸に滞在した武士の江戸土産としても
高い人気を誇っていたようです。
外桜田の町絵図(下写真)を見ると、桜田御門のすぐ近くに
井伊家の屋敷があるのがわかります。
「桜田門外の変」はわずかな距離の間で起こったのですね。
視点を変えてみると、幾通りもの楽しみ方ができる
奥が深い企画展です。
「城絵図と町絵図」の開催は4月7日(土曜日)までです。
江戸の風情と、秋田の風を感じに、ぜひ千秋文庫に足を運んでみてください。
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企画展「城絵図と町絵図」
【期 間】 開催中~4月7日(土曜日)
【時 間】 午前10時~午後4時※入館は閉館の30分前まで
【休館日】 日曜日・月曜日・祝日、12月27日~1月4日
【会 場】 千秋文庫(千代田区九段南2-1-36)
【入館料】 当日券 一般:450円(団体割引350円)
高校・大学生:350円(団体割引250円)
小・中学生無料 ※団体割引は20名様より
詳しくは→コチラ
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Posted at:10:40