コンシェルジュ通信Vol.35:千秋文庫でみる「城絵図と町絵図」

今年は「明治150年」で盛り上がっていますね。

大河ドラマ「西郷どん」も放送中ですが、

西郷隆盛が後に関わる江戸城明け渡しからも今年で150年です。

今から150年前までは、まだ江戸時代だったのです。

千代田図書館の目の前も江戸城の一部でした。

 

この江戸城の絵図や、江戸の町絵図がご覧いただける場所が

千代田図書館のすぐそばにあります。

図書館から歩いて約10分、千鳥ヶ淵の西側、

内堀通り沿いにある「千秋(せんしゅう)文庫」です。

 

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千秋文庫は、旧秋田藩主、佐竹家に伝わる数多くの

貴重な文化資料を集めた博物館です。

館名の「千秋」とは、秋田市内にある佐竹家の居城であった久保田城が、

現在「千秋公園」と名づけられていることに由来しているそうです。

 

現在の場所に佐竹家34代当主、佐竹義春侯爵の別邸が

あったことから、この地に千秋文庫が建てられました。

実際のお邸は、隣の旧九段坂病院などを含む広さがあったようです。

 

こちらでは古文書・古記録、古地図、模写絵画や古戦場図のほかに

歴代藩主の花押(かおう、サインのようなもの)や

印章(下写真)なども所蔵しています。

 

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創設者の小林昌治(しょうじ)は、佐竹義春侯爵の家令職を勤め、

太平洋戦争の最中、所蔵する大部分の資料を

文化財として保存するよう、義春侯より依頼されました。

 

空襲の心配がある中での、資料の保管や移動には

並々ならぬ苦労があったようです。

当時の様子は、1階のビデオコーナー

「昭和56年 千秋文庫開館当時 創設者 小林昌治インタビュー」

で語られています。

 

ここからは4月7日まで開催中の企画展「城絵図と町絵図」をご紹介します。

 

1階では、江戸城や秋田城、その他の地域の城絵図

大名屋敷の庭園図などを中心に展示しています。

 

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江戸城絵図(左下写真)は色鮮やかで、

外桜田や北桔橋(きたはねばし)の文字も見えます。

また出羽国秋田城絵図(右下写真)をはじめ、会津城、仙台城、南部城(盛岡城)などの

東北地方の城絵図が展示されていますので、見比べてみるのも面白いかもしれません。

 

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2階では、江戸各地の町絵図江戸名所図会(えどめいしょずえ)(左下写真)、

歌川広重の名所江戸百景(平成初摺り復刻出版)(右下写真)などを展示しており、

当時の町人の暮らしぶりを垣間見ることができます。

 

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鮮やかな色使いが目を引く江戸切絵図(下写真)は

尾張屋板切絵図(おわりやばんきりえず)です。

元々錦絵などを商っていた「尾張屋」の切絵図は、その鮮やかな色彩が人気でした。

150年以上経った現在も鮮やかさを保っています。

切絵図は参勤交代で江戸に滞在した武士の江戸土産としても

高い人気を誇っていたようです。

 

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外桜田の町絵図(下写真)を見ると、桜田御門のすぐ近くに

井伊家の屋敷があるのがわかります。

「桜田門外の変」はわずかな距離の間で起こったのですね。

 

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視点を変えてみると、幾通りもの楽しみ方ができる

奥が深い企画展です。

 

「城絵図と町絵図」の開催は4月7日(土曜日)までです。

江戸の風情と、秋田の風を感じに、ぜひ千秋文庫に足を運んでみてください。

 

企画展「城絵図と町絵図」

【期 間】 開催中~4月7日(土曜日)

【時 間】 午前10時~午後4時※入館は閉館の30分前まで

【休館日】 日曜日・月曜日・祝日、12月27日~1月4日

【会 場】 千秋文庫(千代田区九段南2-1-36)

【入館料】 当日券 一般:450円(団体割引350円)

      高校・大学生:350円(団体割引250円)

      小・中学生無料 ※団体割引は20名様より

詳しくは→コチラ

Posted at:10:40