【レポート】千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業
①社会「地球のステージ 世界の知っておきたいこと」

学校とはひと味違った学びを体験できる、夏休み恒例のイベント「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業」。新型コロナウイルス感染症対策をとりながら、今年は「社会」「図工」「英語」の3教科を行っています。(いずれも事前申込制、受付終了)

今回は、7月23日(土曜日)に開催した社会「地球のステージ 世界の知っておきたいこと」の様子をレポートします♪

社会の講師は桑山紀彦さん。心療内科医として国内外で診療や医療支援活動に従事しながら、NPO法人 地球のステージを立ち上げ、世界各国での体験や人々との出会いを語りと音楽で伝える活動を行っています。

授業は、桑山さんが世界を巡るきっかけのお話から始まりました。

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岐阜県に生まれ、飛騨高山の自然に囲まれて育った桑山さん。大学生の時に「世界の5つの大陸を巡って、5つの山を見たい」と思い立ち、世界各国を旅して回りました。とは言っても、始めから国際協力やボランティア活動に積極的だったわけではなく、「"ボランティア"や"人助け"という言葉は、どちらかというと苦手でした。自分には関係ないことだと思っていたんです」と桑山さんは言います。

その気持ちを大きく変えたのが、医師になって4か月目に訪れたフィリピンで「お金ちょうだい」と話しかけてきた少女 ロエナスとその家族に出会ったことでした。目の病気のあるおばあさんに、思わず自分用の目薬を差し出したところ、涙を流して感謝するおばあさんの姿に、自分がこれまで多くの人に支えられながら各国を旅行できたことを振り返り、今度は自分が恩返しするために世界で働こう、と決意したそうです。

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「僕は、世界のいろんな国を訪れるたびに、その国の人たちの名前を覚えて帰ってこようと決めています。日本でその国のニュースを見たときに、フィリピンの○○さんはどうしているかな?チリの△△さんは大丈夫かな?と、自分に身近な出来事として感じられるからです。ぜひ、皆さんもそうしてほしいと思います」

お話は2001年に医療支援を行ったアフガニスタン、そして現在も継続的に教育支援を行っているミャンマーへと続いていきました。アフガニスタンでは、カブールやヘラートで出会った困難の中でもたくましく生きる子どもたちの姿を、ミャンマーでは、少数民族のパオ族が暮らすミャッセ・ミャー村で、貧しくても学ぶことをあきらめない若者や子どもたちとの出会いを、それぞれの写真や動画を交えながらお話しいただきました。

「例えばアフガニスタンがニュースで語られる時、"貧しい国""危険な国"と言われることも多いですが、それだけで終わるわけがありません。僕はアフガニスタンの人々と出会って、こんなに強く生きている人々はいない、と感じました」

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アフガニスタン ヘラートの国内避難民キャンプで出会った子どもたち。水タンクを太鼓がわりに、歌を歌って大人たちを励ましていました。

授業の最後には、千代田図書館の学校支援司書からブックトークを行いました。桑山さんのお話を聞いて感じた「生きる力」をテーマに、調べものや読書につながる本を紹介。司書おすすめの本とともに、自分が興味を持ったことを本探しにつなげるコツもお話ししました。

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「社会」の授業は、保護者の皆さんにもご参加いただきました。子どもになじみやすい桑山さんの優しい語り口は、大人も魅了するほどすばらしく、熱心に耳を傾ける姿が印象的でした。

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桑山さん、ありがとうございました!

今年の「夏のわくわく課外授業」は【図工】【英語】と続きます。こちらのレポートもお楽しみに♪

Posted at:09:00