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2022.08.10
【MOFCAの庭からごきげんよう】家族のためのユマニチュード |
千代田区障害者よろず相談MOFCAと連携し、おすすめの本をご紹介いただいている連載【MOFCAの庭からごきげんよう】。第3回目をお届けします。
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みなさま、こんにちは。残暑お見舞い申し上げます。MOFCAの入口には素敵な観葉植物「ウンベラータ」がおかれていますよ。
さて、8月の担当者Mです。
私事で大変恐縮ですが、私には92才の母がおり、地方の老人介護施設にお世話になっています。コロナ前は介護施設には自由に出入りでき、外出もできていたのに現在は直接会う事ができなくなりました。
そんな中、母から「お部屋に泥棒が入ってお洋服を持っていかれるのよ」からはじまり、毎回の電話が物取られの話になるのです。母は警察や市役所にまで連絡をしたようで、施設の方はその対応に大変苦慮されておりました。あとで知ったのですが、母は認知症の初期の段階だったのです。
そのようなエピソードもあり、手に取った本が『家族のためのユマニチュード "そのひとらしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア』でした。
『家族のためのユマニチュード "そのひとらしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア』
イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ、本田 美和子/著
誠文堂新光社
ユマニチュードとは、フランスの体育学の専門家イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが考案した技法で「あなたの事を大切に思っている」事を伝えるための技法です。
ユマニチュードの4つの柱「見る」「話す」「触れる」「立つ」を赤ちゃんに例えて、普段私たちが無意識に行っていることをきれいで親しみやすいイラストと共に説明があります。
次に記憶の機能と認知症の人の特徴と対応が書かれていますので、ここで認知症の基礎知識が得られます。
その後、コロナ渦でも病院への付き添いで母と数時間会う機会がありました。ユマニチュードの本に書かれているような方法で、訪問する時の声の掛け方、「会えてとても嬉しいという事」を赤ちゃんや大好きな人に会うように接したところ(それはとても私にとって気恥ずかしい事でしたが)、こわばっていた母の顔が柔らかくなってくるのを感じました。
認知症はよくならないと言われていますが、ユマニチュードの考え方を持ち、技法に基づいて接すると、奇跡的な変化が起こる事があるそうです。よくある困った状況とその対応も書かれてあるのでとても参考になります。私はこの本を読んで心が救われた一人です。
巻末にはユマニチュードの映像教材の無料化の貸し出しの情報もついています。また、国立病院機構・東京医療センターの高齢者ケア研究室が作成したご家族向けの映像教材もインターネットで公開しています。(検索サイトやYouTubeで「高齢者ケア研究室」と検索すると、最初に出てきます)
ご興味のある方は、ぜひご覧になってください。
また「千代田区障害者よろず相談MOFCA」も相談窓口としてご利用ください。どんなささいな事でも結構です。みはらしの良い、居場所スペースもありますので、ただ休んでご自分のリラックスの場としてのご利用も大歓迎です。お待ちしております。
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MOFCAの連載【MOFCAの庭からごきげんよう】は、隔月の第2週目に更新します。
次回は10月です。どうぞお楽しみに!
Posted at:16:30