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2011.08.24
開催レポート:江戸の紋きり遊びでうちわを作ろう |
前回のブログに引き続き、
「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2011」の
開催レポートです。今回は「図工」の授業風景をお届けします。
授業内容は、昭和初期までは小学校の図工の教科書に
載っていたという「紋きり」です。
先生は、造形作家で東京造形大学講師の下中菜穂さん(写真右)
と、西村美紀さん(写真左)のお二人。
授業はさっそく「紋きり」とはなにか?という話から始まりました。
先生が見せてくれるいろんな「紋」のカタチに、みんな興味津々!
紋あてクイズ!何の形をみたてた「紋」でしょうか?
≪1問目≫
≪2問目≫
≪3問目≫
★正解は・・・
≪1問目≫和箪笥の取っ手(=カン)
先生が実物を手にしているのですが、見えにくいですね・・
≪2問目≫琴の弦をはる琴柱(ことじ)
≪3問目≫4つともすべて、桔梗の花
皆さん、予想は当たりましたか?
そのほかにも、糸巻き、貝、炭の切り口、蓮の切り口など
様々なものの形を見立てた紋をたくさん見せてもらいました。
3問目の桔梗の紋は、桔梗の花を内側から見たり、輪の中に
描いたり、カニに化けたり、蝶になったり、と元は同じものから
バリエーションが増えていった例です。
「紋きり型」という型紙を使えば、紙を折り畳んで、型紙の通りに
切りぬくだけで、このような美しいかたちができます。
元々は家紋を描くために職人たちが考えた技術だそうですが、
江戸時代の中期~後期にかけて、庶民に「あそび」として
楽しまれたのが「紋きりあそび」なんだそうです。
☆みんなで「はつゆき」の紋きりに挑戦しました。
▲まずは紙を三つ折に
▲これが三つ折
▲型紙通りに切るのに、みんな真剣です。
▲これが「はつゆき」
折り畳んでいた紙をそっとひらくと、できあがり!
江戸の人々は、暑い夏にこそ雪の紋を楽しんだそうです。
見るだけで涼しい気分になれますからね!
また「雪は六角形である」ということが発見されたのも江戸時代。
ある研究好きな殿様が、オランダから顕微鏡を取り寄せて、
冷やした黒漆器に雪をうけて結晶を観察し、発見したのだとか。
その研究成果(結晶図)をまとめた書物『雪華図説』は大流行!
それから雪の紋がたくさん生まれたのだそうです。
▲いろいろな雪の紋
「はつゆき」を何個もつくっていると、みんな次第に
手が慣れてきたようす。
今度は、好きな色、好きな型、その組み合わせを考えて、
自分のうちわを作ります。
▲どの型がいいかな~?今回は「丸に向ひ燕」「丸に三ツ裏葵」など、
夏らしいかたちを先生がいくつか用意してきてくれました。
▲うちわにのせて配置を検討。
▲これは、お花畑のイメージだそうです。
▲スプレー糊で貼り、完成♪ 「中陰桔梗」や「光琳蝙蝠」がすてきですね。
西洋では不吉とされる「こうもり」は、中国語では「フ」といい、
幸福の「福=フ」と同じ音であることから、
日本では、おめでたいかたちとされているそうです。
できたうちわを一列に並べて鑑賞。たくさん並ぶと、とてもきれい!
紋がわざとはみ出るように貼ったり、失敗した部分を隠すために
もう1つ紋を重ねたり、とみんなそれぞれ工夫をしていました。
その人らしさが出て、どれもとても素敵に仕上がっていましたよ。
「これからもたくさん遊んで、型破りをして、紋きりあそびの楽しさを
みんなに伝えていってくださいね」というのが先生からのメッセージ。
ケーキに粉砂糖でデコレーションをする、箸袋やぽち袋に貼るなど
ふだんの生活の中で楽しむヒントももらったので、家に帰ってからも
楽しみですね。ご参加いただいた皆さん、先生、ありがとうございました!
Posted at:09:00