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2011.08.13
開催レポート:より高く!より強く!作ろうmyタワー |
千代田図書館では、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に
「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業」を開催しています。
前回のブログでは「国語」の授業をレポートしました。
今回は「理科」の授業風景をお届けします。
「理科」の先生は日本科学未来館の科学コミュニケーターとして
活躍している天野春樹さんです。
日本科学未来館では、現在「メイキング・オブ・東京スカイツリー(R)」展
が開催されています。自立式電波塔としては世界一の高さを誇る
東京スカイツリーの建設を可能にした先端科学技術を紹介する企画展です。
千代田図書館が所蔵する古地図も出張展示されているんですよ。
今回の「理科」の授業は、東京スカイツリーが地震に耐える秘密を、
参加者それぞれが自分の“myタワー”を作りながら解き明かしていく
という内容です。児童のお父さん方でしょうか、参加者には男性が多いです!
まずは、クイズや実験を通して「揺れに強い条件」について
みんなで仮説をたてていきます。
▲低・中・高と高さの異なる模型に、振動周期(ゆっくり~はやい)
の異なる揺れを与えて、どの模型がどれだけ揺れるかを見る実験。
続いて、下記3つの条件を掛け合わせた全9種のタワーを比較して、
どんな条件が揺れに強い(弱い)かを考えるワーク。
☆底面のかたち:丸・三角・四角
☆展望台の高さ:低い・真ん中・高い
☆タワーの太さ:太い・中くらい・細い
▲「底面は丸や三角より四角が強そう」「展望台が低い
方がどっしりして強そう」「細いとすぐに倒れそう」など、
みんなで強い(弱い)と考える理由を出していきます。
▲実は「正解はコレ!」という明確な答えはありませんでした。
総重量などさまざまな要素によって異なるから、だそうです。
揺れに強い条件について考えたことや仮説をふまえて、
myタワー作りに入ります。
材料は、発砲スチロール、厚紙、竹ひご、輪ゴム、セロテープのみ。
myタワーを作るにあたって、先生からいくつかの条件が出ました。
1)高さを63.4cm以上にすること(東京スカイツリーの1/1000)
2)底面積を100c㎡以内にすること
3)揺れを与えても倒れないこと
4)他にはないデザイン
まずは設計図を描いて、その設計図をもとに制作していきます。
設計図が描き進まないときは、材料を触ったり、とにかく手を動かすこと。
プロの設計士も、設計図を描き、模型を作り、描き直し、作り直し、、、
を繰り返していくのだそうですよ。
これだけの材料でどうしたらいいんだろう?と、はじめは戸惑い気味だった
参加者も、手を動かしているうちに、だんだんとノッてきた様子!
できた!タワーを「加震器」にのせて、振動周期の異なる
揺れを与えて倒れないかどうかをチェックします。
先生に「すごい!びくともしないね」「かっこいいデザインだ!」と
褒められると、みんなとっても誇らしげな表情をしていました。
「工夫したポイントは?」との質問に対する答えには、
「底に厚紙をはってしっかりさせたところ」「土台を星型にした」
「下の方が重くなるようにした」など、みんなしっかり考えて作ったんですね。
底面のかたちが丸いタワー、高さが同じくらいのタワー、と似たような
タワーを複数同時に揺らして、揺れ方の違いを見る実験もしました。
最後に、先生の講評と、東京スカイツリーの制震構造について
まとめのお話があり、たくさんの秘密を知ることができました。
参加者の皆さんには、充実した時間を過ごしていただけたのではないでしょうか。
*千代田図書館内でも、東京スカイツリーが出来上がっていく過程を
パネルで紹介する展示を行っています(開催中~9月24日まで)。
そして、興味を持ったことについてもっと詳しく知っていただけるように、
建設・設計・デジタル放送(電波)・まち歩き・都市計画・江戸の地理(古地図)
などに関する本を展示しています。ぜひ足をお運びくださいね。
Posted at:09:00