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2012.08.16
レポート:ストーンアートどうぶつ園 |
千代田図書館では、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に
「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2012」を開催しています。
前回のブログでは「社会」の授業をレポートしました。
今回は、8月9日(木)に開催した「図工」の授業風景をお届けします。
「図工」の先生は、今、注目を集めている彫刻家で
武蔵野美術大学客員教授の三沢厚彦さんです。
三沢先生は、主にクスの木を素材とした動物の彫刻を制作していますが、
今回の授業は拾い集めた「石」に絵を描いて、カラフルな動物をつくり出します。
削ったり割ったりせずに、そのままの石の持ち味を生かします!
▲三沢先生がつくった熊。
粘土・紙・木 素材によって違った表情が生まれます。
授業はまず、アート鑑賞から始まりました。
スライドで紹介してくれた先生の彫刻作品に、みんな興味津々!
作品制作についていろいろなお話をしてくれました。
例えば、こちらの作品。
「なんの生きものかわかりますか?」
「ユニコーン!」
架空の(もしくは、見たことのない)生きものでも、
その人の中で“リアリティ”を持っているから
それが何の生きものなのかがわかります。
ある時、三沢先生がつくったペガサスを美術館で観た人が
「ペガサスはこんなに大きくないですよ」と言ってきたそうです。
でも、先生は大きいと思うと…。
その人によって、ペガサスのリアルは違うのですね。
先生は実在する動物を作るときにも、図鑑を参考にするのではなく、
自分が持っているイメージを表現しているそうです。
ひとりひとりが持ってる“リアリティ”を大事にして
作品づくりをしましょうというメッセージがありました。
鑑賞のあとは、作品の下絵に取り掛かります。
「石を拾ってきたところから、
すでに作品づくりは始まっているんですよ」
石を様々な角度からよ~く観察して、
どんな動物にするか考えます。
▲何に見える?
▲くじら?ひつじ?石の形からイメージを膨らませます。
▲下絵ができたら、ガッシュ(不透明水彩絵の具)で色塗り開始!
▲きれいなライトグリーンのゾウさん。
▲ねずみかな?
▲石の模様をそのまま生かして、ゴマフアザラシ。
▲絵筆を使って、丁寧に仕上げていきます。
▲完成した作品は、どうぶつ園の柵の中に放します。
▲カラフルで表情豊かな石のどうぶつたち。
←先生も一緒につくりました。
最後はお互いの作品をじっくり鑑賞。
形のとらえ方や色の塗り方が
それぞれ違っていることを先生が教えてくれました。
石をキャンバスのように考えて、中に動物の絵を描く方法
石の形をそのまま動物の体の形にする方法
石全体を絵具で塗る方法
石の模様や色を残して表現する方法・・・
「ひとりで制作していると、自分の世界だけになってしまうけど、
完成した作品をみんなで一緒に観ると、
他の人の分も経験したことになるのですよ。」
この授業をきっかけに、道に落ちている石の見え方も
変わってくるかもしれませんね。
「まだ作りたかったけど、時間が足りなかった!」
という声も上がっていました。
ぜひ今度は他の人がやっていた方法で、自宅でも作ってみてくださいね。
※千代田図書館では、三沢先生が紹介されている中学校美術の教科書や、
先生が手掛けた作品集・絵本を読むことができます。
貸出可能な図書もありますので、お手に取ってみてください。
Posted at:09:00