カテゴリー
アーカイブ
最近の記事
2012.08.24
レポート:じぶんでカメラを作ろう |
千代田図書館では、夏休みの小学4~6年生とその保護者を対象に
「千代田図書館で学ぼう!夏のわくわく課外授業2012」を開催しています。
前回のブログでは「図工」の授業をレポートしました。
今回は、8月18日(土)に開催した「理科」の授業風景をお届けします。
「理科」の先生は、神奈川県逗子市にある科学館『理科ハウス』の
館長 森裕美子先生(左)と、学芸員の山浦安曇先生(右)です。
「カメラの中を見たことはありますか?」
授業の最初に見せてくれたのは、なんと100年前のカメラ。
手に持たせてもらうと、ずっしりとした重みがあります。
一体、中はどんな構造になっているのだろうか・・・。
「では、開けてみます!」
パカッ!
中は何も入っていません。
元祖カメラの正式名称は「カメラ・オブスキュラ」。
(カメラ=部屋、オブスキュラ=暗いという意味)
中が暗い空洞の箱に、小さな穴が開いているだけで、
どうして写真が撮れるのだろう?
今回の授業は、そんな疑問からスタートしましたが、
カメラを作って、その仕組みや光について勉強します!
この授業の終わりには、きっとその謎が明らかになっていることでしょう☆
眼でものを見る仕組みは、ものに日光や電気が発する光が当たり、
それを反射した光が瞳を通ることで認識することができます。
ものの形を映し出すには、光が重要な役割を果たしているのですね。
ピンホールカメラの仕組みについて、みんなで一緒に考えてみます。
山浦先生が出す質問に答えて、次々と面白い意見が出てきました。
それでは、実際にカメラを作って検証してみましょう!
配布されたのは、片面が黒い厚紙。
黒い面を内側にしてふたつの箱を作り、
それらを合わせてピンホールカメラを作ります。
▲切る線を間違えないように丁寧に~!
▲隙間から光が入らないように、セロハンテープでしっかり留めます。
▲画像を写すスクリーン(トレーシングペーパー)を貼ります。
▲構造はこんな感じ。
完成したひとから、さっそくカメラを覗いてみます。
さて、どんな風に見えたかな?
▲カメラを覗いた子どもたちから歓声が上がります♪
カメラを覗くと、現実とは逆さまに、でもはっきりと写っています。
その理由を、先生から詳しく説明してもらいました。
光は針穴(ピンホール)によってふるいにかけられ、
画像が写るのに適当な光の量がスクリーンに届きます。
光の量が多いと明るすぎて何も写らないので、
針穴がとても重要な役割を果たしていることがわかりますね。
また、光はまっすぐに進むので、
針穴を通過した光がスクリーンに当たる場所は、
現実とは上下が反転した位置となり、逆さまの画像となるのです。
さらに発展させて、レンズ式カメラに作り替えます。
針穴部分を取り除き、そこにレンズを嵌め込みました。
覗いてみると、ピンホールカメラよりも明るい画像になっています!
ただし、レンズ式カメラより、ピンホールカメラの方が優れている点もあるそうです。
レンズ式には焦点があるので、必ずピントを合わせなければなりません。
ピンホールは、まっすぐ進んだ光をそのまま写し出しているので、
どの位置でもピントは必ず合うのです。
皆さん、カメラと光の関係やその仕組みは理解できましたか?
この後、自分で作ったカメラでの撮影会が始まりました。
スクリーンの前に印画紙を貼り、
ピントを合わせた状態で30分ほど動かさずに置いておきます。
待っている間に、印画紙の性質について実験しながら勉強しました。
▲油性ペンで絵を描いたトレーシングペーパーと
印画紙を重ねて、光に当てます。
▲光を当てた印画紙にラミネーターやアイロンで熱を加えます。
▲感光塗料が変化して、描いた絵が現れます。
レンズ式カメラでも同じように、
スクリーンに写し出された風景が印画紙に焼き付けられました!
撮影の際に一番大事なことは、光を当てる量です。
天候によって当てる時間を調整しなければなりません。
印画紙に光を当て過ぎると全体が真っ白になってしまうし、
光が足りないと何も変化しません。
この授業で作ったカメラは、印画紙さえあれば何度でも撮影できます。
今回、うまくいかなかったというひとも、
ぜひ自宅で再チャレンジしてみてくださいね!
この授業でもっと理科を学びたくなったひとは、本で調べてみましょう。
また、森先生と山浦先生がいる『理科ハウス』には、
身近な素材で作られた体験コーナーが随所にあり、
身の回りにある科学に触れることができますよ。
今回のワークショップで使用した印画紙も販売しているそうですよ!
詳しくは→コチラ(http://licahouse.com/)
知らなかったことを体感しながら学ぶことができ、
驚きやわくわくでいっぱいの授業でした。
先生、参加者のみなさん、お疲れさまでした。
Posted at:09:00