コンシェルジュ通信Vol.19:大活字本の専門店「Viva神保町」

大活字本(だいかつじぼん)」をご存じですか?

目の見えにくい低視力者や高齢者にも読みやすいように、

文字の大きさや行間等を調整し、大きな活字で組み直した本のことです。

この「大活字本」を扱う全国で唯一の専門書店「Viva神保町」が、

千代田区の神田神保町にあります。

 

 

千代田図書館から歩いて約15分。(または神保町駅から徒歩約3分)

すずらん通りにあるビルの6階にあります。

 

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目印になるこの看板も、黄色と黒色の人目をひく配色

また色を反転させて表示するなど、

読みやすい工夫がたくさん!

 

エレベーターの1階と6階の押しボタンにも、

触って分かるようなシールが貼ってありました。

「すべての人が読書・読み書きしやすい社会の実現を目指している」

というこの大活字本のお店。

 

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明るい店内には、ベストセラーから最近話題のものまで

大活字本が並んでいます。

また文字を読みやすくするためのルーペや書見台など、

読書補助具もあります。

 

 

「Viva神保町」を運営するNPO法人大活字文化普及協会の

市橋正光さんにお話を伺いました。

こちらで発行している大活字本の多くは、

活字は22ポイントと通常の約2倍の文字の大きさ

書体もゴシック体で読みやすくできています。

文庫本と比べて、字が大きく読みやすいのが分かります。(写真①)

 

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写真① 大活字本と文庫本(右下)   写真② 白黒反転のリング製本版

 

また、文字を白黒反転させ、ページを開いたまま読めるように

リングで製本されたものもオリジナルで制作しているそう。(写真②)

「本を抑えるのは結構力がいるのですが、

 リングで製本されていると押さえずに読むことができるんです」

本を読む方へ、字の大きさだけではない様々な工夫がされていました。

 

このように読みやすく製本してあるため、

どうしても1タイトルの本が複数冊に分かれることになるそう。

このことについて、経済的な負担を軽くするため、

障害者手帳をお持ちの方へは購入費等の補助をする制度があること、

都内では千代田区と江戸川区と調布市で実施しているということを

市橋さんが教えてくださいました。

(千代田区は「障害者福祉のしおり」平成27年11月p.58参照

 コチラのページ「8.日常生活の援助」からもご覧いただけます。)

 

「私たちは、お客様にお住まいの地域を尋ねることができないので、

 対象になっている地域の方はぜひ制度を活用して欲しい」

 

このような制度がある事をたくさんの人に知って欲しい

と話す市橋さんからは、「情報は命」という強い気持ちが

伝わってきました。

 

 

障害をお持ちの方からご高齢の方にまで優しい大活字本。

このブログをお読みの方の中には、

大活字本が必要でない方もいらっしゃると思います。

このブログでご紹介した内容を

“情報を必要としている方へぜひお伝えくださればと思います。

 

そして大活字本を手元に欲しいという方は

「Viva神保町」を気軽に訪ねてみてください!

(千代田図書館では文庫本コーナーの25番の棚に大活字本があります)

 

「Viva神保町」

【所在地】千代田区神田神保町1-3 冨山房ビル6階

【営業時間】月曜日~金曜日 午前10時~午後5時

【定休日】 土曜日・日曜日・祝日

 

セミナーも開催するそうです。

障害者週間・読書権セミナー「読むこと・生きること・情報は命!」

「読むこと・生きること~すべての読書困難者への支援体制の実現~」

【日 時】 12月4日(水曜日)午前10時~正午

【会 場】 有楽町朝日ホール

      (千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11F)

【参加費】 無料

【申 込】 事前予約制

詳しくは→特定非営利活動法人 大活字文化普及協会

Posted at:11:40