千代田区立図書館が行っている障害者支援サービス

前回のブログ「コンシェルジュ通信 vol.19では

神田神保町にある大活字本の専門書店を取りあげました。

今回は、視覚障害者をはじめ、目で文字を読むことに困難を抱える方々が

図書館で利用できるデジタル録音資料「デイジー図書」と、

インターネット上で点字・音声資料や生活に必要な情報などを

得ることのできるネットワーク「サピエ」をご紹介します。

 

デイジー(DAISY=Digital Accessible Information System)は

デジタル録音図書の国際標準規格。

現在、千代田区立図書館では、資料を音訳して読み上げた

音声が録音されている音声デイジー再生機器の貸出を行っています。

(※ちよだパークサイドプラザ区民図書室を除く)

 

デイジー図書には、この他にもテキストデータと画像のみで

構成されているテキストデイジーや、

文字・画像情報に音声での読み上げが加わった

マルチメディアデイジーがあります。

 

このようなデイジー図書は、視覚に障害を抱える方々のみならず

高齢や病気に伴って視力の低下した方や、本を読むのに

ページをめくるのが困難な方も読書を楽しめるツールです。

小説や実用書、絵本といった読み物はもちろん、学術論文や専門書まで

多くの資料が全国でデイジー図書化されています。

 

データの圧縮技術が進み、一枚のCDに50時間以上の音声収録が

可能になっている音声デイジー。

従来のカセットテープでは10本以上になってしまう資料も、

1枚のCDに収めることができます。

また、読みたい章、読みたいページから再生できる目次機能

途中まで再生したところを記憶し、そこから再開できるしおり機能も。

 

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△ カセットテープ10本が1枚のCDに。

 

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△ 千代田区立図書館で利用できる再生機器

 

さらに、音声に加えて画像・文字を同時に鑑賞できる

マルチメディアデイジーを使うと、聴覚に障害を抱える方や

文字から情報を得るのが難しいとされる学習障害をお持ちの方など

さらに幅広く、多くの方に本に親しんでいただけます。

 

マルチメディアデイジーはパソコンやタブレットなどで再生し、

読み上げる音声の速度や表示される文字の大きさやハイライトの色なども調節できます。

千代田区立図書館でも、順次導入を進めていきます。

(写真は11月の休館日に行った館内の研修会から)

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そして、これらのデイジー図書や、点字図書のデータを、

インターネット上で全国のサピエ加入施設・団体から検索・利用できるのが

「サピエ」のメインサービス「サピエ図書館」です。

 

 

サピエ

運営:全国視覚障害者情報提供施設協会

システム管理:日本点字図書館

 

「サピエ」では、「サピエ図書館」の他にも、

地域の福祉や医療、災害時の情報など

生活に必要な情報をテキストで提供しています。

 

現在、千代田区立図書館では、障害者サービスの利用登録をされた方に

図書館を通じて「サピエ図書館」のデイジー図書を貸出しています。

こちらの登録は千代田区内にお住まいの方

または通学・通勤をされている方が対象で、

来館が難しい場合はファクシミリ、郵便、電話などでの登録、

また代理の方によるお手続きも可能です。

その他、千代田区立図書館で受けられる障害者サービスの内容や

詳しい登録手順、お問い合わせについてはコチラをご覧ください。

 

前回のブログ記事内でも、「情報は命」という言葉がありました。

私たちの身の回りで支援が必要な方、障害を抱える方が

その方の必要な情報をいつでも手に入れることができるよう、

まずはみなさまに知っていていただきたい図書館サービスをご紹介しました。

Posted at:11:20