おもちゃ箱のような店 「呂古書房」

千代田図書館9Fには、神保町の様々な古書店が

各店自慢の貴重資料を展示する、月替わりの出張古書店

コーナー「としょかんのこしょてん」があります。 

5月31日(月)まではvol.36「装ていの美・豆本の世界」

と題して、戦後の豆本約40点を展示しています。

 

 

(左)ミニチュア家具豆本シリーズ 未来工房 (右)洋酒マメ天国

 

今回は、この展示の担当書店で、豆本や限定本などを

扱っている「呂古書房」にお邪魔してきました。

 

三省堂書店の隣のビル4F。エレベーターで上がります。

独特の書体と武井武雄の「ラムラム王」のイラストが目印。

 

エレベーターを降りると、早速気になるワゴンを発見。

店に入る前から、わくわくします!

  

店主の西尾浩子さんにお話を伺うことができました。

西尾さんは、限定本を扱う神保町の古書店に12年ほど

勤めた後、独立してこの店を始めたそうです。

豆本、版画挿画本などの限定本、蔵書票、

書物にまつわる本、玩具関係の本、こけし研究の本、

そして伝統こけしを取り扱っていらっしゃいます。

 

豆本とは、手のひらに収まる、文庫本の半分くらいまで

のサイズの本のこと。日本では、江戸時代に作られ

始めました。そして戦後、昭和20年代後半あたりから

出版社も誕生し、豆本ブームが起こります。

しかs材料費の高騰や、職人の高齢化などにより、

素晴らしい豆本を世に送り出してきた版元も一代限り

となってしまい、現在は制作していないのだそうです。

そんな、今では貴重な存在となっている豆本の魅力は、

「美しく、かつ読んで楽しめるところ。」

 

こつう豆本シリーズ「121 賢治の周辺」金子民雄 

左が並[なみ]本(800円)、右が特装本(2500円) 

 

  

(左)特装本の箱を開けたところ。  (右)ちゃんと「本」です。

 

地方ごとに分けられた豆本。そこで作られ、内容もその地に

まつわるもの。ちなみに戦後豆本ブームのきっかけとなった

のは、北海道の「ゑぞまめほん」だそうです。

 

マッチ箱くらいの大きさの『マッチ売りの少女』

 

店内には、きれいな紙が沢山。ワインラベル(200円~)

 

“紙の宝石”と言われる蔵書票(500円~)は、愛好家が

作ったものから、プロの手によるものまで多数取り扱い。

 

「本は、きれいでないとね。」と、

西尾さんの審美眼で集められた品々は、どれも非常に

綺麗な状態のもので、飾って、読んで、

触って(紙の質感や色んな素材を)、贈って、

楽しめるものばかりです。

また、こけしもそうですが、その世界は奥深く、

追求したくなる何かがあるのだなと感じました。

 

豆本もこけしも、元はこどものおもちゃとして作られて

いたようです。 店内には、おもちゃにしてはちょっと

贅沢すぎるようにも思える、丁寧な手仕事で仕上げ

られたものたちが、たくさん、きれいに並べられていて、

きらきら輝く“おもちゃ箱”のようなお店でした。

 

★呂古書房(ろこしょぼう)

住所:神田神保町1-1倉田ビル4F 電話:03-3292-6500

営業:10時30分~18時30分 休み:日・祭日

ホームページは、こちら

 

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★豆本フェスタ

オリジナル豆本の展示即売会が6月12日(土)に

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Posted at:12:10