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2010.05.31
至れり尽くせりのブックガイド |
書店では“20代のうちに読んでおきたかった”本が人気ですね。
今回の「千代田図書館長の読書日記」で取り上げる本は、
大学新入生向けに書かれてはいますが
社会人の教養としても、はずせない本101冊が紹介されています。
本を読む時間がない!人にこそ、おすすめの本かもしれません。
それでは、千代田図書館長の読書日記(6)をどうぞ。
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『大学新入生に薦める101冊の本』
編者 広島大学総合科学部101冊の本プロジェクト
出版社 岩波書店(2005)
サイズ
価格 1,400円+税
ISBN 4‐00‐023763‐2
『大学新入生に薦める101冊の本 新版』
編者 広島大学101冊の本委員会
出版社 岩波書店
サイズ
価格 1,400円+税
ISBN 978-4-00-023781-9
旧版から5年経って、新版が発行された。
旧版発行時に入学した学生が、様々な感想を残して
卒業したのだろう。
それらを反映してか、新版の推薦図書がだいぶん
変化している。章建てもすっきりした。
また、この本を創る体制として、
全学的な編集委員会がつくられており、
かつ、実務支援として、広島大学教育室教育企画グループの
個人名の方がちゃんと載っている。
因みに旧版では【関係者・執筆者一覧】として、
企画・編集、原稿査読(匿名)、IT技術支援、
調査支援(大学図書館の司書が関わったのかな)、
実務支援がそれぞれ個人名で出ている。
更に私の目をひいたのは、
財政支援として、大学学部名、病院名が
出ていることである。
これを眺めていると、プロジェクトの方々の、
発行に漕ぎつけるまでの産みのご苦労が
『私には』わかるのだ!!
新版は全学プロジェクトで企画編集され、
全学的な協力の下で完成したと書かれている。
体制的にも整備が進んだという事だ。
さて、この2冊の内容について。
新入生に薦める(つまり是非読んでもらいたいのだ)
図書ということで、至れり尽くせりの内容である。
新版の構成は
1 教養への誘い(教養課程がまだあるのかしらん)
2 人間の記録
3 パラダイムを超えて
4 戦争と平和への希望(広島らしい・・・)
5 現代の重要問題
6 本の買い方選び方(面白い。思わず笑っちゃいました!!)
索引(著者名・書名・事項)
となっており、それぞれに推薦する図書が、
難易度を示す★の数で示され(旧版のみ)、
見開き2ページに推薦者の署名入りで、
推薦理由が書かれている。
この文章は、当該図書の要約でもあるので、
実はこれを読むだけで、
「本を読んだ気になってしまいがち・・・」
同時に、著者の簡単な経歴と推薦図書が書かれた時代背景、
「さらに読みたい人」に薦めたいものを挙げているコラムがあり、
大学新入生に薦める読書案内として、光っていると思う。
Posted at:17:05