至れり尽くせりのブックガイド

書店では“20代のうちに読んでおきたかった”本が人気ですね。

今回の「千代田図書館長の読書日記」で取り上げる本は、

大学新入生向けに書かれてはいますが

社会人の教養としても、はずせない本101冊が紹介されています。

本を読む時間がない!人にこそ、おすすめの本かもしれません。

それでは、千代田図書館長の読書日記(6)をどうぞ。

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『大学新入生に薦める101冊の本』

編者 広島大学総合科学部101冊の本プロジェクト

出版社 岩波書店(2005)

サイズ 

価格 1,400円+税

ISBN 4‐00‐023763‐2


 

 

『大学新入生に薦める101冊の本 新版』

編者 広島大学101冊の本委員会

出版社 岩波書店

サイズ 

価格 1,400円+税 

ISBN 978-4-00-023781-9


 

旧版から5年経って、新版が発行された。

旧版発行時に入学した学生が、様々な感想を残して

卒業したのだろう。

それらを反映してか、新版の推薦図書がだいぶん

変化している。章建てもすっきりした。

 

また、この本を創る体制として、

全学的な編集委員会がつくられており、

かつ、実務支援として、広島大学教育室教育企画グループの

個人名の方がちゃんと載っている。

 

因みに旧版では【関係者・執筆者一覧】として、

企画・編集、原稿査読(匿名)、IT技術支援、

調査支援(大学図書館の司書が関わったのかな)、

実務支援がそれぞれ個人名で出ている。

更に私の目をひいたのは、

財政支援として、大学学部名、病院名が

出ていることである。

 

これを眺めていると、プロジェクトの方々の、

発行に漕ぎつけるまでの産みのご苦労が

『私には』わかるのだ!!

 

新版は全学プロジェクトで企画編集され、

全学的な協力の下で完成したと書かれている。

体制的にも整備が進んだという事だ。

 

さて、この2冊の内容について。

新入生に薦める(つまり是非読んでもらいたいのだ)

図書ということで、至れり尽くせりの内容である。

 

新版の構成は

1      教養への誘い(教養課程がまだあるのかしらん)

2      人間の記録

3      パラダイムを超えて

4      戦争と平和への希望(広島らしい・・・)

5      現代の重要問題

6      本の買い方選び方(面白い。思わず笑っちゃいました!!)

索引(著者名・書名・事項)

  

となっており、それぞれに推薦する図書が、

難易度を示す★の数で示され(旧版のみ)、

見開き2ページに推薦者の署名入りで、

推薦理由が書かれている。

 

この文章は、当該図書の要約でもあるので、

実はこれを読むだけで、

「本を読んだ気になってしまいがち・・・」

 

同時に、著者の簡単な経歴と推薦図書が書かれた時代背景、

「さらに読みたい人」に薦めたいものを挙げているコラムがあり、

大学新入生に薦める読書案内として、光っていると思う。

Posted at:17:05