生物と無生物のあいだ

今日は「千代田図書館長の読書日記」をお届けします。

なにかと慌しい季節ですが、ときには暖かい部屋で

ゆったりと静かに読書の時間を過ごしてみてはいかがですか。

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ばらくご無沙汰しておりました。

最近の私は、福岡伸一ハカセに夢中です。

続けて何冊か読みました。

そのコ―フンを、皆様にも是非お分けしたく思います。

  

『生物と無生物のあいだ』

 福岡伸一/著(講談社現代新書) 
『生物と無生物のあいだ』は、出版されてから20118月までに

29刷りを重ねていて、大ベストセラーとなり、

さまざまな出版関連の賞を受けている。

 

著者の福岡ハカセはマスコミにもさかんに露出され

最近その事がハカセの研究活動に支障を来たさないか、

と心配する声も聞かれる。

有為の研究者を大事にしたいという、読者の声である。

 

この本はハカセの研究分野である、生物と無生物は

「なに」で、「どこ」で線が引かれるのだろう、

と様々な問題提起をしている。

 

  

この部分は正直言って、私の高校卒程度の「生物」教科書の

知識では、理解できないものがありました。

 

しかし、その文章が美しいので、多少理解できない部分が

あっても、つい読めてしまったのです。

DNA解析に関わった歴代の著名な研究者の悪戦苦闘の記述の

部分なんかは涙がでました。

 

少年時代は昆虫少年であり、毎日昆虫と昆虫図鑑に熱中していた

ことを彷彿とさせる文章は圧巻です。

 

実は、ハカセの読書は昆虫図鑑だけではなかったようなのです。

阿川佐和子さんとの対談書では、

ご自分の「センス オブ ワンダー」を次々話されていますが、

その中で、幼少時親しまれた児童書がたくさん挙げられています。

 

『センス・オブ・ワンダーを探して~生命のささやきに耳を澄ます~』

福岡伸一、阿川佐和子/著(大和書房)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『センス・オブ・ワンダー』

レイチェル・カーソン/著 上遠恵子/訳 

森本二太郎/写真(新潮社)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年出版された『ルリボシカミキリの青』では

「私は虫を集めて何がしたかったのだろう?

 フェルメールでさえ作りえなかった青の由来を、

 つまりこの世界のありようを、ただ記述したかったのだ」

(同書 オビより)

 

 

『ルリボシカミキリの青』

福岡伸一/著(文藝春秋)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェルメールの絵については『フェルメール 光の王国』

(翼の王国books/木楽舎)出版されています。

 

機会がありましたら、皆さまも福岡ハカセの世界を

ぜひ一度ご覧になってみてください。

Posted at:09:00