レポート:第3回 読み聞かせスキルアップ講座―②

先月開始した連続講座「第3回 読み聞かせスキルアップ講座」

2日目の開催レポートをお届けします。

 

 *初日「愛の贈り物としての読み聞かせ―幼児期の発達と読み聞かせ」

  (講師:片岡輝さん)の様子はコチラをご覧ください。

 

★第3回 読み聞かせスキルアップ講座

 ②「子どもたちへの読み聞かせについて」

日時 3月3日(土)10:15~12:15

会場 千代田図書館 第1・2研修室

 

 

今回より、千代田図書館の学校支援担当司書である

宮崎亜古さんが講師をつとめます。

 

学校支援担当司書は、区内の小学校や幼稚園・こども園などに

派遣され、児童・乳幼児とその保護者、各施設の教職員に対して、

それぞれの読書活動を支援しています。

 

(学校図書館だけではなく、幼稚園・こども園・保育園などにも

 公共図書館の司書が赴き、継続的・定期的に支援を行うのは、

 全国的にもまだ前例の少ない取り組みです)

 

宮崎さんは、その統括業務をはじめ、図書館教育・読書教育のため

子育て支援者向けの講座など、各所で講座・講演を行っています。

 

 *昨年12月に宮崎さんが講師を担当された

 「子育て・家庭支援者養成講座<絵本選びと読み聞かせについて>」 

  の様子はコチラをご覧ください。

 

前置きが長くなりましたが、今回の講座のようすをお届けします。

 

――なぜ、おはなし・読み聞かせをするのか?

~こどもたちが豊かな人生をおくるために~

日常生活で使用する言葉は、思ったより限られています。

本や絵本を通じて、たくさんの言葉に出合うことで、

その言葉が経験と結びついたときに「知識」となり、

考えることができるようになり⇒想像力が育ちます。

すると、社会に出たときに、他者との関係を

想像力と言葉で築くことができるようになります。

 

また、人の声の温かさは愛情として伝わります。

読み聞かせは“耳からの読書”でだけではなく

こどもたちへの“愛情の表現”にもなりますので、

美しい言葉をたくさん、家族の声で聞かせてあげてくださいね。

 

 

―― 発達に合わせた絵本

0歳~小学校に入るまでの幼児期は、聞く力を育てるとき。

小学校低学年~高学年の児童期は、読む力を育てるときです。

宮崎さんの豊富な現場経験談を交えながら、

こどもたちの発達と本との関係について

とても分かりやすく説明していただきました。

 

>0歳児には“読み聞かせ”ではなく“ふれあい”を!

『いない いない ばあ』松谷みよ子/作 瀬川康男/絵 童心社

 

――本の選び方

上記のような、こどもの発達に合わせて本を選ぶことはとても大切です。

また、本選びに迷ったときは、定番の古典的な絵本を参考にしましょう。

やはり、読み継がれているのには理由があるようです。

また、新聞や雑誌の書評も、どういう本があるのか、

どういう見方があるのかを知るのに参考にしているそうです。

 

>おすすめの定番作品

『もりのなか』マリー・ホール・エッツ/文・絵 まさきるりこ/訳 福音館書店

 子どもたちは、デッサンのしっかりした絵本に惹かれます。

 

『スーホの白い馬』大塚勇三/著 赤羽末吉/絵 福音館書店

 読み聞かせをすると、子どもたちの気に入る絵本のひとつ。

 絵のちからが、おはなしをいっそう深いものにしています。

 

――おはなし会のプログラムの立て方

おはなし会の対象・場所・規模などに合わせたプログラムの

立て方について、具体的なお話がありました。

ボランティア活動で読み聞かせをされている受講者にとって

難しいポイントのようで、皆さんしっかりメモをとられていました。

 

次回はグループ分けをして、最終日のおはなし会(発表会)に向けて

さらに実践的な内容で取り組んでいきます。レポートをお楽しみに!

Posted at:16:40