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2012.07.31
千代田区指定有形文化財「神田の家」 |
神田明神に隣接する宮本公園に
千代田区指定有形文化財があることを皆さまご存じでしょうか?
公園内に足を踏み入れると
黒漆喰がとても美しい木造家屋に目を奪われるはず。
そこが有形文化財「神田の家」です。
8月中はメンテナンス休館に入るため、
その前に夏のしつらえの様子を見学に行ってきました。
この建物は江戸時代より神田鎌倉町で材木商を営んできた遠藤家が、
昭和二年に建てた店舗併用住宅です。
伝統技術を受け継いだ当時の職人たちが腕によりをかけた建築…。
古き良き木造住宅好きの皆さま、必見です!
通常は撮影禁止なのですが、今回は取材の為
特別に館内の写真撮影をご承諾くださいました。
スタッフの方から丁寧な解説をいただきながら、
まずは、表門から見学です。
笠木のついた塀はたくさんのホオズキで彩られていました。
塀の黒にホオズキの朱色が良く映え、とても素敵です。
↓向かって左が「店」の入口、右が家族の「玄関」
↓店の小上がり。
四季に合わせた飾り付けがほどこされており、
この日は、行燈の下に陶器のクワガタを並べて夏を演出。
商売繁盛祈願の神棚が祀られています。
↓店の隣の和室に続く入口。
頭を下げてお客様を出迎えるよう、高さが低く造られています。
↓茶室「叢竹弇(そうちくえん)」
窓で松の“葉”、舟板の古材を嵌め込み“枝”を表現し、
茶室の硬い形式をあえて省略した愛らしい茶室です。
ここから2階に上がります。
↓「次の間」網代(あじろ)天井が見事です。
↓「広間」銘木を贅沢に使用した客間。
端正な造りの床の間は、美しい飴色に磨かれた柱も見もの。
建物自体の装いの素晴らしさはもちろんのこと、
随所にちりばめられた細部にも江戸の「粋」のセンスを感じます。
←先代の着物の裂地を貼り、扇子形の引き手の袋棚
←江戸更紗の美しい布が施された襖
←遠藤家の家紋の撫子の欄間
外観の剛健な造りと、内観の繊細で柔らかなしつらえが
日本らしい情緒ある建築物に仕立て上げています。
メンテナンスを終えた9月には、
手入れがさらに行き届いた「神田の家」に出会えます。
館内のしつらえも、夏から秋の風情となっていることでしょう。
花や小物、建具を変えて、
四季折々の変化を楽しむことができる神田の家は
きっと何度も訪れてみたくなるはずです。
日本の良さを伝える由緒ある木造建築に、
ぜひ一度足を運んでみてくださいね。
神田の家では、様々なイベントや内覧会も行われています。
詳しくは神田の家ホームページをご覧ください。
詳細は→コチラ
あわせて、千代田図書館には神田の家のカタログもありますので、
家の造りや歴史についてもっと詳しく知りたい方は
お手に取ってみてください。
『神田の家 千代田区指定有形文化財』
著:平野徳子 出版:NPO法人神田の家
また、その他の千代田区内の文化財情報については
こちらからご覧いただけます。
詳細は→コチラ
【おまけ】神田の家限定の「平将門キューピー」
願い事の御札を入れて首をつなぐと叶うという、
神田の家でしか手に入らないキューピーちゃん。
管理棟で販売されています。
Posted at:09:00