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2012.07.27
レポート:文学座演出家による ことばとからだで伝える表現ワークショップ |
7月21日(土)に、
千代田区読書振興センター主催の中高生向けワークショップ
「第2回文学座演出家による
ことばとからだで伝える表現ワークショップ」を
九段生涯学習会館で開催しました。
講師は文学座演出家の中野志朗さん。
同じく文学座女優の牧野紗也子さんが
アシスタントとしてお手伝いくださいました。
ワークショップに参加してくれた中高生は総勢21名。
まずは、牧野さんが互いの交流を深める自己紹介や
簡単なゲームを教えてくれます。
ゲームを楽しむ中で、きちんと相手の目を見て伝えることを意識します。
初対面の緊張感が無くなり、笑い声が上がります。
さすが、友だちになるのが早い!
さて、今回の表現ワークショップの題材は
ドイツの昔話「ハメルンのふえふき」です。
あらかじめ、参加者の皆さんには物語を読んできてもらいました。
真実は明かされないままになるこの物語のラストを、
二人一組で考え、発表してもらいます。
ハメルンの町からいなくなった子どもたちは、
その後、どうなったのかなぁ?
グループ毎に発表されたストーリーは、発想豊かなものばかり。
「なるほど、そんな展開も考えられるのか!」と驚かされました。
この後、小説を台本として舞台の練習を始めました。
この日の夕方には、一般の来場者を迎えての発表会が予定されています。
限られた時間の中で、演劇を仕上げなければなりません。
講師のおふたりがご用意してくれた楽しい小道具たち。
どんな効果を発揮してくれるのか、期待が高まります。
小説を元に、情景や登場人物の人柄や気持ちをイメージし、
どんどん指示を出す中野先生。
戯曲ではないので、物語の行間を読みながら
セリフや動きの表現を創造しなければなりません。
先生方は指導をしながらも、アイディアを常に書き留めていました。
そして、セリフの無い役にも細部にわたって演出が入り
大道具がなくても舞台の雰囲気を作り出します
↓幸せなハメルンの町人たちの様子。
↓いたずらネズミ参上!
↓ネズミ退治の名人・ハメルンの登場。驚く役所の人々。
↓ハメルンのふえの音に集まってきたネズミたち。
↓ハメルンとモメる市長さん。
↓ハメルンのふえの音に集まってきた子どもたち。
登場人物がたくさんある物語なので、町の人になったり、
役所の人になったり、ネズミになったりと
ひとりが何役もこなします。
プロの演出家の指導を受け、さらにそこに
参加者が自分なりに考えたアレンジを加えて表現します。
参加者の皆さんの吸収の良さは、目を見張るものがありました。
ついに発表会の時間。
観客席には、保護者も含めた一般来場者が集まりました。
緊張の幕開け。一日の成果を披露します!
演劇の最後は、ワークショップの冒頭で考えた
物語のラストのシナリオをそれぞれ発表して閉幕。
ご来場の皆さまから温かな拍手をいただくことができました。
終わりに先生を囲んで座談会。
プロの演出家と女優に直接質問できる貴重な機会です。
発声方法や、劇中のダンスのコツ、演出の難しさなど
質疑をしながらいろいろなお話を伺うことができました。
朝10時から17時までの長いワークショップでしたが、
参加者全員が集中力を切らすことなく、最後まで一生懸命取り組み
素晴らしい発表会も実現しました。
見ている側も学ぶところが多く、楽しい一日となりました。
中野先生、牧野先生、そして参加者の皆さま、
ありがとうございました!
<ハメルンのふえふき 参考図書:浜田廣介全集10 再話(二) 集英社>
Posted at:09:00