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2013.07.12
七夕古書大入札会に行ってきました! |
先週、「第48回明治古典会七夕古書大入札会」が行われました。
これは日本で最も歴史のある古書のオークションですが
入札会にさきがけて、その前の2日間を下見のための展観日として
一般にも公開しています。
通常は古書業者しか入ることのできない古書の市場「交換会」の様子を
知ることのできる、数少ないチャンスです。
会場となる東京古書会館へ向かいました!
会場に入ると、およそ2,000点もの様々な出品物が
2~4階の会場にところ狭しと並べられていました。
品物は初版本、作家の自筆原稿や書簡、さまざまな文献資料から
和本、古地図、雑誌、ポスター、写真、浮世絵に現代アートまで
多岐にわたっています。
貴重な品物を手に取って見ることができるほか
気に入ったものがあれば、一般の人でも
業者に代理入札を依頼すれば購入することができます。
(入札会の日は一般見学不可)
一部の商品には、金額ではなく「ナリユキ」と書かれた札が付けられています。
これは入札会でオークション形式の「競り」にかけられる商品です。
小林秀雄に宛てた中原中也の書簡や夏目漱石の草稿など
数々の目玉商品の中から「ちよぴたブログ」が注目したのは
200冊あまりが揃えられた「ちりめん本コレクション」です!
↑色鮮やかな木版摺りが美しいちりめん本
「ちりめん本」とは、和紙を縦横均一に縮めた加工を施した
布のような手触りの本です。
明治~大正期に、日本土産や輸出用として
長谷川武次郎の長谷川弘文社などにより製作・出版されました。
内容は、日本の昔話や行事・生活の紹介を
お雇い外国人らが各国語に翻訳したものがほとんどで、
その美しさから美術品としても人気が高く
神保町の古書店街でも見かけることがあります。
千代田図書館の「としょかんのこしょてん」コーナーでも
昨年“「ビジュアル本」のススメ”として、その美しさが紹介されたほか、
日比谷図書文化館でも展示が行われました。
↑数センチ四方のかわいらしいカレンダーや、とても珍しいといわれる本の目録など
ここまで揃ったコレクションはなかなか無いそうです!
この他にも、会場のいたるところに貴重な書籍、珍しい品があり
思わず足を止めて見入ってしまいます。
古書の交換会場なんて敷居が高そう…と身構えがちですが
本が好きな人はもちろん、面白いものや美しいものが好きな人なら
夢中になってしまうこと間違いなし!の七夕古書大入札会でした♪
東京古書会館では、今回の「七夕古書大入札会」と
11月の「古典籍展観大入札会」に展観日を設けています。
普段見られない、古書の流通の現場を知ることのできる機会です。
ぜひ訪れてみてください!
Posted at:09:00