「第2回東京装画賞2013」山脇ギャラリーで展示中です!

山脇美術専門学院併設の山脇ギャラリー

「第2回 東京装画賞2013受賞・入選作品の展示が行われています。

今回は、展示の初日である10月12日(土)に行われた

授賞式の様子をレポートします!

 

東京装画賞とは、日本図書設計家協会が主催する

ブックジャケット・イラストレーションのコンペティションです。

課題図書6の中から、応募者が自由に選んで装画を描き

ブックジャケットに仕上げた作品が、前年とほぼ同数の1,260寄せられました。

 

展示では、一般部門、学生部門と今回より新設の東京装画賞会員部門の

全受賞・入選作品230点を見ることができます。

 

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今回の課題図書は、

芥川龍之介『蜘蛛の糸』太宰治『人間失格』宮沢賢治『注文の多い料理店』

フランツ・カフカ『変身』ヴィクトル・ユーゴー『レ・ミゼラブル』

ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』の6冊。

 

授賞式に先立ち、装画にかかわる優れた先人や活躍中の創作者を称える

「東京装画賞 Hall of Fame(名誉の殿堂)」が発表されました。

会場には、第1号の小村雪岱に続いて第2号に決定した

イラストレーター・グラフィックデザイナーの和田 誠氏がいらっしゃいました。

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「たくさんの仕事をしてきた中で、装丁の仕事が一番好きです」と語る和田氏。

これまでに手掛けた本の一部も会場に展示されています。

 

そして、厳選なる審査の結果、会員部門の会員賞と、

一般・学生部門それぞれの金の本賞・銀の本賞・銅の本賞

また、協賛企業の賞を獲得した方々が表彰されました。

 

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会員部門会員賞に輝いたのは荒木慎司さん(写真左の作品)

加藤木茉莉さん・福田和雄さん(写真中央)、御法川哲郎さん(写真右)です。

荒木さんは、ご自身の作品について

 「実際の店頭で、読者の目を引き、購入していただけるものを目指して創作しました。

  でも基本は、まず自分が買って書棚に飾りたいものをいつも意識しています」

と語っていました。

 

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一般部門金の本賞に輝いたのは柳 智之さんです。

選んだのはカフカの『変身』でした。

ブックジャケットいっぱいにベッドがデザインされていて

シンプルですが力強い色彩の作品です。

 「カフカがこの本を出版する際、装丁画家に

 “物語に登場する毒虫の姿を描かないように”と指示したエピソードを

  聞いたことがあって、それが面白いと思いました。」

イラストレーターである柳さんは、

 「普段は自分の他にデザイナーがいて作業を進めることが多いのですが

  今回は本に仕上げるのも自分なので、そこも楽しみながらデザインしました」

とも語ってくださいました。

 

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学生部門金の本賞を受賞したのは、

第1回の学生部門・銀の本賞に続く受賞となった佐野 絢子さん

佐野さんが選んだのも『変身』でした。

 「レトロなものがもともと大好きなので、

  自分の好みと作品のイメージがぴったり合いました」

と受賞の喜びを語ります。

佐野さんがデザインするうえで最も工夫したという

細かい意匠の凝らされた題字を始め

隅々まで見入ってしまうブックジャケットです。

 

受賞された皆さま、おめでとうございます!

「第2回 東京装画賞2013は、今月26日まで開催されています。

 

6冊の課題図書は、どれも長い間多くの人に親しまれてきた作品ばかり。

自由な発想でデザインされたブックジャケットを見ていると

あの本やこの本を、もう一度読み直してみようかな…という気分になってきます。

 

読書の楽しみに、新しいイメージを与えてくれる

ブックジャケットとの出会いがあるかもしれません♪

 

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第2回 東京装画賞2013

【会 場】山脇ギャラリー

              (千代田区九段南4-8-21)

【期 間】2013年10月26日(土)まで

【休館日】日曜日、祝日

【時 間】11時~18時

【入場料】無料

くわしくはコチラをご覧ください

 

 

Posted at:09:00