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11月19日(火)、「本と出会う読書サロン」第7期のスタートとして
新規メンバー募集をかねた講演会を開催しました。
講師は、幅広いジャンルの文芸翻訳で活躍中の
翻訳家 西田 佳子(にしだ・よしこ)さんです。
外国語の作品が、日本語に訳されて私たちの手元に届くまで
翻訳家はどんなことを考えながら、どんな仕事をしているのでしょうか。
今回は、私たちが知っているようで知らない翻訳家という仕事について
詳しくお話しいただきました。
講演の冒頭で「翻訳家には、英語の能力よりも日本語の能力のほうが
より求められるのではないでしょうか」とお話しされた西田さん。
なによりも、読みやすくて分かりやすい日本語を使うことを
第一に心がけているそうです。
そうすることで、翻訳作品を読んでいるということを読者が忘れるくらい
本の上では“透明人間”になりたいというのが西田さんの目標。
また、「翻訳は、読者に原文の意味が通じれば
それでいいというわけではありません」とも。
英文解釈のために訳す時と翻訳との大きな違いは
読者を楽しませる目的があるということだと、実際の英文を使いながら
説明してくださいました。
「英語の文法通りなら、後ろから訳すのが一般的ですが
登場人物の動きや物語に沿って、前から訳すのが翻訳の原則です。
そうすることで、より読みやすくすっきりとした文になります」
この他にも、小学生向けや中高生向けの翻訳を
多く手がけてきた西田さんならではの、読みやすさを重視した
翻訳のテクニックや、外国文学が翻訳されて日本で出版されるまでのお話しを
ときには失敗談なども織り交ぜながら、楽しくお話しいただきました。
最後に、千代田区立図書館に所蔵している
西田さんの訳した本の一部を、一冊一冊取り上げながら
作品紹介や翻訳時のエピソードをお聞きしました。
「翻訳家になってよかったことは、自分が原書や英語の原稿を読んで
日本の読者にこれを読んでほしい!と思った本を紹介する橋渡しになれること」
という言葉が印象的でした。
これからもさらに様々な作品の翻訳で活躍が期待される西田さん。
来月には、共訳の
『わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』
(マララ・ユスフザイ クリスティーナ・ラム/著
金原瑞人 西田佳子/訳 学研マーケティング)が発売されます。
西田さん、ありがとうございました!
「本と出会う読書サロン」では、第7期メンバーの募集を行っています。
詳しくはコチラをご覧ください。
Posted at:09:00