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2014.01.15
国立公文書館の企画展「妖怪退治伝」 |
千代田図書館からほど近くにある、国立公文書館。
国の様々な記録を保存している機関だと知ってはいても
“公文書”とはどんなものか、難しそうだし、あまりなじみがない…という方も
多いのではないでしょうか。
そんな方にぜひおすすめしたいのが、国立公文書館の展示会です。
春と秋の特別展をはじめとして、様々なテーマで行われる展示では
貴重な所蔵資料と出会うことができます♪
今回は国立公文書館で現在行われている
連続企画展の第5回「妖怪退治伝」をご紹介します!
日本の古典文学にみられる、数々の“妖怪退治”の物語。
展示では、江戸時代の挿絵入り本を中心に、当時の人々から
人気を集めた、妖怪退治の英雄たちにスポットライトをあてています。
まず「日本で最初のヒーロー」として紹介されているのが
ヤマタノオロチ退治で知られるスサノオです。
右の写真の『古事記』には、そのスサノオが登場しますが
これは慶長19年(1614年)に徳川家康の命で、京都五山の僧侶により
書写されたことがわかっているという大変貴重なものです。
このような、教科書などの写真でしか見られなかった
貴重な資料の実物を見られるのは国立公文書館の展示ならでは!
また、平将門を討った俵藤太の大ムカデ退治や
源頼光に仕えた勇敢な家臣「頼光四天王」たちが活躍する
妖怪退治の物語は、現代ではあまり知られていませんが
江戸時代には数々の挿絵入り本が出版され、誰もが知るヒーロー物語として
多くの人々に愛されました。
頼光四天王の土蜘蛛退治が描かれている『源氏一統志』。
葛飾北斎の挿絵は、今見ても迫力満点です!
下は弓の名手であった源頼政が
帝を悩ませていた妖怪「鵺(ぬえ)」を退治する物語。
(鵺/ぬえとは…サルの顔・タヌキの胴体・トラの手足・ヘビの尾をもつという妖怪)
江戸時代前期に出版された『平家物語』には
よく見ると、ちょっとかわいらしい(?)鵺の姿が。
写真奥が、江戸時代後期の『鎌倉年代図会』。
挿絵の版画がより精巧になり、印刷技術の進歩を感じます。
一方、写真手前が明治に入ってから出版された『前賢故実』。
画家菊池容斎の挿絵は、ぐっと洗練された印象のものになっています。
こうして、同じ物語の同じシーンがどのように描かれたか、
時代を追って見ることができるのも楽しいですね♪
展示ではほかにも、武蔵坊弁慶や
楠木正成の怨霊にとり付かれた大森彦七の物語などが
貴重な資料とともに紹介されています。
歴史の中で多くの読者に愛されてきたヒーローたちの姿を通して
古典文学と新鮮な出会いができる展示です!
この機会に訪ねてみてはいかがでしょうか?
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「妖怪退治伝」
【会 場】 国立公文書館 本館
(千代田区北の丸公園3-2)
【時 間】 9:15~17:00
【期 間】 開催中~2月1日(土)
【休館日】 日曜・祝日
【入場料】 無料
詳しくは→コチラ
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Posted at:09:00