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2017.01.23
コンシェルジュ通信Vol.21:図書館帰りに北の丸公園と千鳥ヶ淵周辺へ |
寒い日が続きますが、晴天が多く空気の澄み渡ったこの時期。
こんな時期こそ千代田図書館を一歩出られた後に、
北の丸公園と千鳥ヶ淵周辺をのんびり散策するのはいかがでしょうか?
今回は北の丸公園周辺の3つの重要文化財を訪ねながら、
千代田図書館前の清水門から、ほぼ一周して九段下駅にほど近い
田安門までをご案内します。
ゆっくり歩いておよそ1時間半ほどのコースです。
それでは1つ目の重要文化財、
千代田図書館の向かいにある清水門からスタートです。
江戸時代の徳川家御三卿と言えば清水家、田安家、一橋家ですが、
このあたりには清水家と田安家の屋敷がありました。
実は清水家も、後ほどご紹介する田安家も、
江戸城の門名にちなんで称されたものです。
清水門を右手に見ながらそのまま内堀通りをまっすぐ進むと、
左手には毎日新聞社の大きな建物が見えてきます。
交差点を左手に進むと大手町駅、東京駅方面となりますが、
ここでは右に曲がって東京国立近代美術館方面に進んで行きます。
東京国立近代美術館の2階には、
知る人ぞ知る、開放的なテラスのあるレストラン、
三國清三が美術館60周年を記念してプロデュースした、
フレンチレストランの「ラー・エ・ミクニ」があります。
またそのすぐ隣には重要な公文書を保存している、
国立公文書館があります。
その先をさらに進むと、青空に映える
レンガ色の堂々とした建物が見えてきます。
こちらが2つ目の重要文化財、旧近衛師団司令部庁舎として建造され、
現在は東京国立近代美術館の分室として利用されている
東京国立近代美術館工芸館です。
昭和41年には取り壊される運命だったものの、
惜しむ声が多かったため重要文化財として残されることになりました。
北の丸公園周辺の建物は、白やグレーを基調としたものが多いため、
周りを引き締めるようなレンガ色のこの建物がなかったら、
この辺りの景観も現在とはだいぶ異なるものとなっていたでしょう。
さらにまっすぐ、首都高速と千鳥ヶ淵を右手に見ながら進む通りが
代官町通りです。
土手の上には高射機関砲台跡が残っています。
360度方向に射撃可能で、皇居の直接防衛のために設置されたそうです。
この辺りは、平日は人も少ないため、千鳥ヶ淵の全景を眺めながら
のんびり散策することができます。
ここでお気づきになった方もいらっしゃると思いますが、
現在(~1月31日まで)、千鳥ヶ淵では水質改善目的のために
一時的に水を抜く「かいぼり」という作業を行っています。
そのため、場所によっては濠底が露出していたり、
水面が低くなっているところがあります。
土手を降りると、斜面に木を組んだ柵があるのが目に入ります。
こちらは「粗朶柵(そださく)」というもので、
土手の土砂が流出するのを防ぐために設置されたものです。
そのまま千鳥ヶ淵をぐるっと囲むように進むと、
左手には千鳥ヶ淵戦没者墓苑、
さらにまっすぐ進むと、左手に見えるのが
2009年にリニューアルされたインド大使館。
突き当りの靖国通りを右手に曲がると、北の丸公園の入口、
そしてその向こうには3つ目の重要文化財、田安門が見えてきます。
田安門は、現存する江戸城建築遺構の中では最古のものです。
江戸城の門の特徴として、第一の門と第二の門の間の枡形の広場に
敵を閉じ込め、一網打尽にする「枡形門(ますがたもん)」であることが挙げられます。
田安門も、高麗門と渡櫓(わたりやぐら)門の2つの門からなっています。
ここから地下鉄九段下駅はもう目の前です。
3つの重要文化財を巡る、北の丸公園と千鳥ヶ淵周辺の散策は
いかがでしたか。
千代田図書館では、地域資料コーナー
(9階セカンドオフィスゾーン、赤い棚「5 地域資料」)に、
江戸城に関する資料も多数取り揃えております(館内閲覧専用)。
ご興味がありましたら、ぜひお手に取ってご覧ください。
Posted at:10:40