大学生の読書を語る 帝京大学MELIC×読書人のイベントに行ってきました!

12月16日(日曜日)に神保町で、『書評キャンパスat 読書人2017』刊行記念イベント【帝京大学MELIC×読書人presents】「帝京大生はなぜこんなに本を読むのか 共読ライブラリー成功のヒント」が開催されました。

 

書評専門紙「週刊読書人」に連載されている「【書評キャンパス】大学生がススメる本」は、大学生が自ら選んだ本の書評を書く人気コーナーです。

 

「週刊読書人ウェブ」からもご覧いただけます↓

「【書評キャンパス】大学生がススメる本」

 

昨今報じられる「若者の読書離れ」に対し、書評紙としてできることは何か?と始められたこのコーナー。本の選定は学生に任せて本代は読書人が負担すること、文章の書き方にアドバイスはするが価値観の押しつけはしないこと、執筆原稿に対して原稿料を支払うことなどのルールを決め、大学図書館を窓口に希望者を募ったところ、予想以上の反響があったそうです。

「書評してみたい!」という、全国の大学生から寄せられた原稿は1年間50回途切れることなく続き、「週刊読書人」の人気コーナーに。

このたび、2017年度の連載が一冊の本にまとめられました。

 

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『書評キャンパスat 読書人2017』

大学生と「週刊読書人」編集部/著

読書人

(本の詳しい情報は書名をクリック)

 

大学生の力がこもった書評50点に加え、書評を受けた著者・編集者からのコメント編集部による原稿の添削例なども掲載されており、学生だけでなく大人にもおすすめしたい一冊です。

 

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「まだまだ“読書離れ”していない、熱心に本を読んでいる学生が多くいることを実感しました」と語る読書人社長の黒木さん

 

この日は、帝京大学メディアライブラリーセンター(MELIC)の堀野さんと、同大学の学生団体「共読サポーターズ」の石山さん、富樫さん、小林さんの3人が登壇し「大学生の読書のこれから」について語りました。

4年生の石山さんは、「書評キャンパス」第2回の書評も執筆しています。

 

帝京大学が2012年に編集工学研究所 所長の松岡正剛さんをスーパーバイザーに迎えて始めたプロジェクト「共読ライブラリー」は、「読み合い、薦め合い、評し合う」のコンセプトのもと、大学全体で学生の読書を推進する様々な試みを行っています。まずは堀野さんから、共読ライブラリーのこれまでの取り組みについてのお話しがありました。

 

側面が黒板になった本棚を使い、学生同士だけでなく著名人、教員・職員との本を介したコミュニケーションを生み出す「黒板書架」は、共読ライブラリーを代表する取り組みのひとつ。

この他にも、共読サポーターズが運営する図書展示ビブリオバトル学修支援プログラム「読書術コース」など、学生と本をつなぐ仕掛けがたくさん。

大学図書館を「いつも何かが起こっている場所」として学生に認識してもらうことを読書推進の第一歩と位置付け、第2期の2016年からはさらに新しい試みを行っています。

 

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そんな「共読ライブラリーのセカンドステージ」の活動の一つとして紹介されたのが「どこでも図書館」。書架付きの三輪自転車や岡持ち型の書架で、図書館をデリバリーするというものだそう。おもしろい試みですね!

 

イベントの後半は読書人編集部による、共読サポーターズの3人へのインタビュー。

共読サポーターズの活動で書いた本のレビューを、さらに多くの人に読んでもらいたいという思いで書評にチャレンジしたという「書評キャンパス」執筆者の石山さんは、「編集部からの書評添削が、相手に伝えるための言葉選びを考えるきっかけになりました。社会人になる前にまた読書人で書評したいし、後輩にも参加を薦めたいです」と話してくれました。

 

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リラックスした雰囲気で、MELICや共読サポーターズの活動への思い入れを自由に語るなか、学生3人から

「黒板書架で他学部の先生が薦めていた本を読んでみたら、普段読むジャンルとは違っていたけどおもしろかった」

「共読サポーターズに入り、先輩と話せる場があってよかった」

「この人が読んでいるから読んでみたい、という本がある」

と、“読書を通じて誰かとつながる喜び”が繰り返し語られたことが印象的でした。

 

図書館を通じて、読書で“人とつながる”“世界とつながる”ことをもっと感じてもらうことができたら、「若者の読書離れ」という言葉が聞かれなくなる日もそう遠くないかもしれません。

学生たちの率直な声を聴くことで、これからの読書の可能性を感じたトークイベントでした。

 

お話しを聞かせてくれた帝京大学の皆さん、読書人編集部の皆さん、ありがとうございました!

Posted at:16:10