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12月15日(土曜日)、千代田図書館コンシェルジュと巡る神保町ツアー「本の街でひらく 絵本のとびら」編を開催しました!
今回は「絵本と児童書」をテーマに、街歩きと書店でのトークをお楽しみいただきました。
ツアーは千代田図書館10階の児童書スペースからスタート!
世界一の本の街・神保町で、子どもの頃に読んだ懐かしい一冊に出会える古書店や、現在も読み継がれる童話作家たちゆかりの場所などを巡りました。
千代田図書館を出て徒歩5分ほど、現在の集英社ビル付近には、かつて北原白秋の弟・北原鐡雄が創立した「アルス」という出版社がありました。この会社では、北原白秋のもと児童雑誌『赤い鳥』で童謡を発表していた歌人の巽聖歌が働いていました。
巽聖歌は『ごんぎつね』などで知られる童話作家新美南吉の友人で、1932年(昭和7年)竹橋にあった東京外国語学校に合格が決まった南吉とともに、この場所から竹橋まで駆けて合格発表を見に行ったというエピソードがあります。
ツアーは進み、一行は神保町古書店街へ。古書店街の真ん中、さまざまなジャンルの古書店8店舗が入る神田古書センタービルで2軒の古書店に立ち寄りました。
絶版の絵本や児童書、児童雑誌が揃う5階のみわ書房と、懐かしい漫画本や雑誌から、かるた、すごろくまで取り揃える2階の夢野書店。参加者の皆さんは、どちらのお店でも「懐かしい!」「これ、子どもの時に好きだった」と目を輝かせていました。
古書店街をさらに進み、新美南吉と並んで現在まで多くの童話が読み継がれている宮沢賢治ゆかりの地もご紹介しました。
靖国通りの向こう側、ビアホール「ランチョン」の並びにはかつて映画館「神田日活館」がありました。1928年(昭和3年)の上京の際ノートに記した詩「神田の夜」には、この日活館やその周辺と思われる街の描写があります。
古書店街を折り返してさらに歩き、第2部のゴール、児童書専門の新刊書店ブックハウスカフェへ到着。
イベントの第2部は、ブックハウスカフェでお茶を飲みながら、店長の茅野さんと千代田図書館司書によるおすすめ絵本の紹介をお楽しみいただきました。
ブックハウスカフェは2017年の5月5日にオープン、絵本・児童書の品揃えは神保町随一の書店です。
「絵本は赤ちゃんからお年寄りまで年代問わず楽しめる唯一の本のジャンルです。子どもや子育て中の方だけのものと思わずに、ぜひ手に取ってください」と茅野さん。
はじめに、千代田図書館の司書が絵本『しんせつなともだち』(方軼羣/作、君島 久子/訳、村山 知義/画、福音館書店)を読み聞かせしました。
1965年初版の、寒い冬にじんわりと優しさがしみるような一冊です。
この絵本を皮切りに、二人から合わせて11冊の絵本をおすすめしました。
司書からは、子どもの頃からずっと大好きというしかけ絵本『まどから★おくりもの』(五味太郎 /作、偕成社)や、「大人向けのプレゼントにも、子どもを膝に乗せて読み聞かせするのにも向いています」という『ハリーのクリスマス』(メアリー・チャルマーズ/作、おびかゆうこ/訳、福音館書店)などを紹介。
茅野さんからは、今年出版されたばかりの『クリスマスのあかり』(レンカ・ロジノフスカー/作、出久根育/絵、木村 有子/訳、福音館書店)、「高い画力とユーモアが魅力」という『リスとはじめての雪』(ゼバスティアン・メッシェンモーザー/作・絵、松永美穂/訳、コンセル)と、まだ日本ではあまり知られていない作者の本もおすすめしていただきました。
この他にも、『トムテ』(リードベリ/作、ウィーベリ/絵、山内清子/訳、偕成社)や『ゆき』(ユリ・シュルヴィッツ/作、さくまゆみこ/訳、あすなろ書房)など、紹介した11冊の絵本はどれも、この季節にぴったりなものばかりでした。
書店員と司書、それぞれの観点で語られる思い入れたっぷりの絵本の紹介に、参加者の皆さんも熱心に聞き入る、あたたかい時間となりました。
ブックハウスカフェの茅野さん、そしてご参加くださった皆さん、ありがとうございました!
今回の神保町ツアーで巡ったのはこちらのコースです。
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Posted at:14:40